この記事をかいた人

- 藤崎萌恵
- 数年前にBLと出会い、心に潤いを取り戻しました。BLとブロマンスが癒し。主な記事は『チェリまほ』『陳情令』等。

TVアニメ『夢中さ、きみに。』が2025年8月21日(木)よりTOKYO MX・BS11ほかにて放送開始。原作は、『カラオケ行こ!』『女の園の星』などでも注目を集める和山やま先生による同名漫画。魅力的なキャラクター、思春期ならではの人間模様に引き込まれるオムニバス・ストーリーです。
中高一貫の男子校に通う高校2年生・林 美良はどこか風変わりで、何故か人を惹きつける魅力があります。クラスメイトの江間譲二にとっても気になる存在。
本稿では、そんな林 美良の情報をまとめてご紹介。人物像や魅力、江間との関係性を解説します!
※本稿には、『夢中さ、きみに。』の一部ネタバレが含まれます。
『夢中さ、きみに。』は和山やま先生の代表作のひとつで、全8編の短編漫画を収録のオムニバス短編集。同人誌『夢中さ、きみに。』と、ウェブサイトで発表された『うしろの二階堂』が一冊にまとめられ、2019年8月に「ビームコミックス」(KADOKAWA)より書籍化されました。(『うしろの二階堂』は全ページ加筆修正のうえ、30ページ以上の描き下ろし続編を収録。)
コミックの前半4編は『夢中さ、きみに。』のシリーズで、中高一貫男子校の鐘亀高校に通うミステリアスな高校2年生・林 美良を取り巻く人間関係を描いた物語。後半4編の舞台は男女共学校の戸塚高校で、妙な噂の立つ高校2年生・二階堂明と、彼の前の席になった目高優一の奇妙な友情に焦点が当たる『うしろの二階堂』シリーズが収録されています。
第23回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞、第24回手塚治虫文化賞短編賞、宝島社の『このマンガがすごい!2020』オンナ編第2位など多くの賞を獲得。2021年1月には大西流星さん(なにわ男子)主演で実写ドラマ化され、同年3月に梶 裕貴さんと小野賢章さんで朗読劇も上演(YouTubeでライブ配信)されています。
『夢中さ、きみに。』『カラオケ行こ!』『ファミレス行こ。』の公式X
『カラオケ行こ!』『夢中さ、きみに。』アニメ公式X
TVアニメ『カラオケ行こ!』『夢中さ、きみに。』公式サイト
CV:小野賢章さん
中高一貫男子校・鐘亀高校2年生。一人称は「僕」。自由な時間がある今しかできない無駄なことや意味のないことを楽しんでおり、その風変わりな雰囲気が人を惹きつけています。家は中華料理屋だけど、中華はそんなに好きじゃないとのこと。以前は野球をしていましたが、“ゴロがとれないから”という理由でやめたそうです。
林は授業中に『クマと遭遇したら』という本を読んでいて先生に没収され、この様子を見ていたクラスメイトの江間譲二(えまじょうじ)は「本を読んでた僕がかわいかった?」と林から特殊な絡まれ方をします。
林が江間に絡むようになったきっかけは、1ヶ月前の体育祭。借り物競走で“かわいい人”というお題を引いてしまった江間は、男子校なので“かわいい”がひとつも見当たらず困っていたのですが、“なぜか網に絡まってる林”がふと視界の隅に入ります。そんな林を借りた江間は、それ以降ことある事に林から「僕かわいい?」と絡まれるようになったのです。
端正な顔立ちの林が網に絡まっている姿は確かに目を引くもので、静かに佇む風変わりな光景で何とも言えない芸術的な魅力を醸し出しています。
林はだいたいいつも一人で行動して自分の世界で生きているように見えますが、わりと積極的に人と関わっており、いわゆる“人たらし”のような好意的な態度が印象的。林と関わる人は独特の思想を持つ彼に興味を抱き、いつの間にか引きつけられてしまうのです。
江間だけでなく、他の人物からの視点でも林を多面的に描く本作。読書好きの女子高生・松屋めぐみ視点のエピソードでは、林のSNSのアカウント名、独特の投稿センスも明らかに。中等部3年生・小松 豊と関わるエピソードでは、林の絵の上手さが判明。林は絵のモデルを頼まれるのですが、どちらかというとモデルより“描く派”だと話しています。また、1学年下の山田章太郎とも細い繋がりがあり、徐々に浮かび上がっていく林の生態から目が離せません。
鶴森学園に通う学生。読書好きで、SNSのアカウント名は「おいも3兄弟」。
鐘亀高校中等部3年生の美術部。林に絵のモデルを依頼。
鐘亀高校1年生。先輩のマサヒロにパシリにされており、毎日お弁当を買いに行かされています。
江間はクラスメイトの林のことを中等部の頃から“変な奴”だと思っていましたが、体育祭をきっかけに林から絡まれるように。面倒くさいと思いつつも、何故か林のことが気になってしまいます。林はどこか独特な行動をとっていて、江間はそんな林が視界に入ると視線を止めてしまい、時には足を止めて何をしているのか尋ねてしまうことも。
ちょっぴり“変な人”が、無駄なことや意味のないようなことを真面目にやっているのがなんだか面白い。その無駄なことが人と人との交流に繋がったり、自分にとって財産になったりと、彼らの青春には無駄なことなんてひとつもないのかもしれませんね。
アニメで林 美良を演じるのは声優の小野賢章(おのけんしょう)さん。1989年10月5日生まれ、福岡県出身。『黒子のバスケ』の黒子テツヤ役をはじめ、『アイドリッシュセブン』の七瀬陸役など、人気作品のキャラクターを多く演じています。

数年前にBLと出会い、心に潤いを取り戻しました。BLとブロマンスを愛し、大好きな作品はたくさんありますが『チェリまほ』が心のよりどころです。そして『魔道祖師』をはじめ中華BLの沼へ。趣味は国内外のBL漫画や小説を読むこと&ドラマ観賞で、これまでに執筆した記事は『チェリまほ』『美しい彼』『魔道祖師』『陳情令』『ENNEAD』など。
