
「VS AMBIVALENZ 2nd Season」キャストインタビュー連載:NAVY担当・小林親弘が語る、AKASHI&MEGURUを通した役者としての新たな挑戦と歌への取り組み
AKASHIは“陽”、MEGURUは“陰”――対比を意識した歌い分け
──AKASHIとMEGURUが2人で歌うNAVYのカラーソングバトル曲「プレイバック・メモリー」には、どんな印象を受けましたか?
小林:最初に聴いた時から、すごくお洒落な曲だなと思いました。すごく大人っぽい雰囲気で、雨模様を描いた歌詞とかも含めて6月が合いそうですし、NAVYらしさがあるなと思って。ドラマで描かれた2人の心情とのリンクを感じさせる部分もあって、きっとこの歌詞を書いた方は、シナリオを踏まえたうえで歌詞をお書きになったんだろうなと思いました。半ば諦めていたり、2人のお互いに思い合っているところ、気持ちをぶつけ合っているところに、歌詞で会話しているみたいな感じがあって。歌割りも見事に色分けされているんですよね。なので自分も、AKASHIとMEGURUならこういう感じで歌うだろうな、ということを考えながらレコーディングしました。
──ひとつのストーリーを紡いでいくような楽曲ですよね。その意味では、役者魂に火が付いた部分もあったのでは?
小林:そうですね。自分は昭和生まれの世代なので、毎回、歌謡曲を歌うような気持ちで歌っているんですよ。「部屋とYシャツと私」(平松愛理の1990年のヒット曲)の世界観と言いますか。自分は本業が役者なので、歌のお仕事の時は、歌詞の意味をしっかりと汲んだうえで、それを役者が歌うということを意識して歌うんです。昔は加山雄三さんの『若大将』シリーズだとか、主演の役者さんが主題歌を歌うことが多かったじゃないですか。そういう感覚でやっていて。まあ、この例えが今の若い子たちにピンとくるかはわからないですけど(笑)。
──この曲をAKASHIとMEGURUとして歌ううえで意識したことはありますか?
小林:MEGURUは、それこそしっかりとした感じもありつつ、シナリオを踏まえたうえで歌ったので、どちらかと言うと陰があるイメージで、AKASHIは、それに対して「そうじゃないんだ!」と主張するような、エネルギッシュな方向を意識していて陽のイメージで歌いました。
──ドラマのストーリーでも、AKASHIがMEGURUの想いを解きほぐしてくれたところがありましたものね。
小林:そうそう。MEGURUは、どこかにずっと諦念を抱いているというか、何かを諦めている印象があって。だからこそ、何かを抱えているような感じで歌いましたし、逆にAKASHIは高校生として、自分が思っていることをぶつけているような感じがいいのかなと思って。オーディションなので、普通なら自分の課題に目を向けるものですけど、この2人は自分だけでなくお互いにも向いている感じがあるし、それがこの曲の歌詞にも出ていて。だから仮に相手が合格しても、別に後悔はない感じが、すでにあるっていう。きっとお互いにとっていい出会いだったんだろうなと思いますね。
──ドラマのシナリオを経たからこその歌になっているわけですね。
小林:はい。順番としてはドラマの収録を終えた後に、この楽曲のレコーディングを行ったので、自分としてもよりキャラクターのことを理解したうえで歌うことができました。だからこそ、ただ単純に声のトーンや高低差だけで表現する感じではなくなったというか。
──完成した音源を自分で聴いてみた感想はいかがでしたか?
小林:改めてお洒落な曲だなと思いました。これは偏見かもしれないですけど、『ビバレン』の楽曲は2次元のキャラクターがあまり歌わなそうな感じというか、あまりキャラソンっぽくないスタイリッシュさがあって。インストだけで聴いても絶対に楽しめますよね。ただ、これは別に『ビバレン』に限らずの話なんですけど、やっぱり自分の歌を聴くのは恥ずかしいです(笑)。一応、チェックのために1回は聴いたりするんですけど。
──いやいや、すごく素敵な歌声だと思います。
小林:やっぱり自分は役者なので、歌に関しては心根がプロフェッショナルじゃない気がするんですよ。カラオケで自分の歌を録音して聴く感じと言いますか、どうしてもその心持ちになってしまうんですよ。
別のコンテンツの話になりますけど、2000人くらいのお客さんの前で歌わせてもらったことがあって。その時も自分のカラオケを2000人に聴いてもらっている感じがして、恐縮してしまうんですよね。だから、せめて歌が上手くならねばと思って頑張っているのですが、ステージ上での振る舞いにも照れが出てしまって。アーティストの方は本当にすごいんだなって思います。
──ちなみに今回の「プレイバック・メモリー」、2人分の声音を使い分けているわけですが、ライブで歌うことはできそうですか?
小林:この曲なら多分、セリフと同じ感じでいけると思うので、生でも歌えると思います。もし、今後そんな機会があれば、死力を尽くして頑張ろうと思います(笑)。
──ご自身が担当するキャラクター以外で、気になるキャラクターはいますか?
小林:やっぱり陽彩くんのキャラですね。特にKYOUYA。まだBLACKのカラーバトル曲は聴いていないのですが、陽彩くんがどんなデスボイスを聴かせてくれるのか、楽しみにしています(笑)。(※インタビュー時「微睡みディスコード」MV公開前)
──演技的な部分で、刺激を受けたキャストはいますか?
小林:なんとなくの印象ですけど、それこそ皆さん、おそらく普段はやらないようなキャラクターを担当している気がするんですよね。(山下)大輝くんもSHIMBAみたいな熱血漢よりは少年の役が多い気がするし、(木村)良平くんのCATEもこの謎のキャラ感は意外性があって。陽彩くんのデスボイスもそうですし、駿輔くんがLUVNOSUKEみたいなキャラクターを演じるのもあまり見たことがない。僕と同じく、多分みんなあまりやったことがないキャラクターに挑戦している感があるので、単純に聞くのが楽しいですよね。「みんなこんな引き出しがあったんだ!」と思って。
──先日、石橋さんを取材した際、小林さんの演技に刺激を受けたとおっしゃっていました。
小林:あら、嬉しい。ぜひ「もっと言って」と伝えておいてください(笑)。僕から直接言うのはちょっと照れ臭いので。
──ここで少し趣向が変わるのですが、本コンテンツの「二者択一」というテーマ性にちなんで、ご自身の人生の分岐点になった出来事をお伺いしたいです。
小林:2~3回あるんですけど、一番はやっぱり声の仕事を始めた時ですね。確か28歳ごろから始めたので、年齢的にだいぶ遅かったんですよ。たまたま劇団で旅公演を行っている時に声がかかって、「来週から吹き替えをやってみないか」と言われたのがきっかけだったんですけど、そこで断わっていたら全然違う未来になっていたと思うので、大きな分岐点だった気がします。「とりあえず何でもやってみるか」と思ってやったものが、こんな続くとは思ってなかったので。
──声のお仕事を続けられてきた理由は何だと思いますか?
小林:自分がどうこうというより、たまたまご縁をいただけたことに尽きると思います。それは今回の『ビバレン』でも思うことで、決して歌が得意というわけでもないのに、お話をいただけたこと自体が本当に貴重な機会でもありますし、吹き替えもたまたまご縁があってずっと続けてこれただけな気がするので。もちろん現場では毎回一生懸命やっていますけど、やっぱりご縁をいただけたことが大きいですね。
──ファンの方へメッセージをお願いします。
小林:まだドラマでフォーカスの当たっていないキャラクターもいるので、それが全部出切った時に、最初の頃と比べて見方が変わっていくでしょうし、きっとどちらのキャラクターにも肩入れしたくなる部分が出てくると思うんですよね。そういう意味では、楽しさと同時に、選ぶ苦しみも生まれていくコンテンツなのかもしれないですけど、皆さんがそれだけ愛着を持ってキャラクターのことを愛してくれたら嬉しいなと思います。どうか1年間、楽しんでいただければと思います!
[文・北野創 / 写真・MoA]
デジタルミニアルバム『COLOR x COLLIDE』
2025年7月23日(水)リリース
■収録内容
01.Gold Rush
02.サカサマ・トイボックス
03.プレイバック・メモリー
04.微睡みディスコード
05.Be Ploud
配信はこちら
https://orcd.co/vsa2_colorxcollide
ミュージックビデオはこちら
https://www.youtube.com/playlist?list=PL3ztohCtLrfl-R-bW7s3So_32W07RPEzz
作品情報
あらすじ
伝説の芸能プロダクション『REISEN(ライゼン)』がアイドルグループ結成のため、オーディション
"VS AMBIVALENZ"を開催。約1年の激闘を経てアイドルグループ『XlamV』が誕生した。
そして今、新たな伝説が生まれようとしていた――
『テイルウィンドオフィス』と『REISEN』が手を組み巻き起こす嵐は『VS AMBIVALENZ 2nd』。
聖地・砦アリーナには、10人の新たな候補生たちが集められる。
再び行われる究極の「二者択一」。
同じ担当カラーを託された2人が競い、投票でライバルより1票でも多く勝ち取れば―――
デビューへの道がひらける。
キャスト
(C)VS AMBIVALENZ










































