
「自分のしがらみや葛藤をすべて捨てて叫ぶ、とても感情的な楽曲です」──散りばめた“作品ならではの要素”と“遊び”に迫る! TVアニメ『カラオケ行こ!』主題歌 Ayumu Imazu「HOWL」インタビュー
Ayumu Imazuが考える“ミッション”と“バランス”
──原作漫画『カラオケ行こ!』を読んだ感想や印象的なキャラクター、シーンについて教えてください。
Ayumu:とても面白いなと思いました。ぐっと世界観に引き込まれて、のめり込みました。
僕はアニメが好きでよく見るのですが、『カラオケ行こ!』のような良い意味で気楽に読めて、くすっと笑えるような漫画はあまり読んだことがなかったので新鮮でした。そんな中でも考察していくと深い部分が見えてきて。印象的でしたね。
好きなシーンは……やはり最後の、狂児が事故にあったというニュースを聞いたときの聡実の行動や言動です。聡実が初めて素直になれたタイミングだと思いますし、強く印象に残っています。「ザ・思春期」といいますか、感情的になった聡実を見てぐっときました。
──勇敢さも見えつつ、年相応にあふれる気持ちも見えつつというシーンですよね。ちなみにAyumuさんは普段どのようなアニメをご覧になるのですか?
Ayumu:最近見たのは『モブサイコ100』です! 一気に全シーズン見たのですが、めちゃめちゃ好きですね。『怪獣8号』や『ダンダダン』は7月から始まった新シリーズを見ています。
あとは……一時『斉木楠雄のΨ難』にハマっていました。気楽に見られる楽しさは『カラオケ行こ!』にも通じるような気がしていて。笑いながら、心が温かくなるといいますか、そんなアニメも好きなのかもしれません。
──TVアニメ『カラオケ行こ!』の放送が始まり、オープニング映像も公開されましたが、ご覧になりましたか?
Ayumu:ちょうど帰国日の夜が放送日で、時差ボケでギリギリまで寝て、頑張って起きて見ました(笑)。改めてオープニング映像と一緒に聴くと、世界観と合っていて良かったなと思います。
──第一話をご覧になった感想をお聞かせください。
Ayumu:とても良い意味で違和感がなかったです。原作の漫画を読んで映画も観ていたので、声優さんを含め、自分がイメージしていたキャラクターがそのままアニメ化されていて、スッと入ってきました。
──そんな作品とのコラボレーションである「HOWL」ですが、ご自身の中でどのような意味を持つ曲になりましたか?
Ayumu:「HOWL」は自分のしがらみや葛藤をすべて捨てて叫ぶ、とても感情的な楽曲です。この曲を聴いてくれた人が、必ずしもハッピーになってほしいというわけではないのですが、共感してもらえたり、力を与えられたら嬉しいなと思います。
──ちなみに、Ayumuさんは楽曲を制作する際、何から着手するのですか?
Ayumu:まずは曲の世界観や音色の雰囲気を作るためにトラックのベースを作ります。その後、メロディーを書き、最後に歌詞を載せる流れが多いですね。
──英語詞のみの曲、また日本語詞と英語詞が混在する曲もありますが、言語によって気持ちの入り方や表現は変わりますか?
Ayumu:意図的ではありませんが、英語の歌詞を書く時は超ストレートなイメージがありますね。一方で日本語にする時は少しお洒落に、詩のようなニュアンスになっているかなと。言葉遊びやクレバーな言い回し、関西弁のニュアンスなども日本語ならではだと思います。
──Ayumuさんの楽曲からは、少し懐かしいテイストやチルな雰囲気も感じられます。そのようなニュアンスは意識的に取り入れているのでしょうか。
Ayumu:曲によって変わりますが、自分のルーツや聴いてきた音楽があるからこそ自然に出てくる部分だと思います。無理にしなくても出てくるサウンドを大事にしています。
世界観のイメージはありますが、力を入れて「こんな雰囲気に寄せよう」という作り方は意外としていないかもしれません。
──Ayumuさんの音楽的なルーツというと?
Ayumu:テレビで流れていたJ-POPがルーツのひとつです。そこからダンスを始めたことで洋楽のヒップホップにも触れるようになって。最初は意識的ではなく、レッスンを通して自然に耳に入ってきた感覚でした。
J-POPとダンスミュージックが自分の中でルーツとしてあって、中高生の頃にもっと幅広い音楽を聴くようになりました。洋楽のポップスや、バンドサウンド寄りの曲、ラップなどにもハマりました。
──音楽的なインスピレーションも、それらのジャンルから生まれることが多いのでしょうか。
Ayumu:聴いてきた音楽やダンスからの影響は大きいです。ダンスは自分の体に一番染み込んでいるので、そこは大きな要素ですね。
──昨年発表された「Obsessed」のように「HOWL」も大きなバズの波が来るのではと思っています。Ayumuさんは“バズ”についてどのようにお考えですか?
Ayumu:今の時代、音楽にとってSNSはとても大きな存在だと思います。それが良いか悪いかは置いておいて、大きな影響を持っているのは確かですよね。バズが起こることは、それだけ多くのリスナーに届くことになりますので、そういった意味ではとても大事なことだと思います。
一方で、すぐに消費されて聴かれなくなってしまう、聴き飽きられてしまう曲が増えているのも感じていて。そのバランスをどのように保つかが、今のミュージシャンにとってのミッションなのではと感じています。
──確かに昨今は特に流れが速いですよね。
Ayumu:アーティストとして、自分が伝えたいサウンドや世界観は大事にしないとファンは増えないと思います。ただ、そこにこだわりすぎると、いわゆる大衆に届かない音楽になってしまう可能性もある。バランスが重要ですね。「HOWL」はその意味でうまくできた曲だと思っています。
















































