
「VS AMBIVALENZ 2nd Season」キャストインタビュー連載:ORANGE担当・武内駿輔がRIAM&LUVNOSUKEとしてのこだわり、演技論・音楽論を語る
『ビバレン』楽曲は、キャラの“生き様”を表す――リリックに見るRIAMとLUVNOSUKEの違い
──ここからは楽曲のお話をお伺いします。RIAMとLUVNOSUKEの歌の表現をどう作っていきましたか?
武内:これはディレクターさんとも話し合ったうえで決まったのですが、基本的にRIAMのほうが主旋律の1オクターブ下で歌うようにしています。だから、お芝居よりも音楽的なアプローチの方が、目標を定めやすかったですね。1st MINI ALBUM『Rise To The Top』の収録曲はそれでよかったのですが、難しかったのはむしろカラーソングバトル曲の「Gold Rush」からですね。例えば「Rise To The Top」は2人ともボーカル曲なのでメロディもリズムも正解がありますけど、「Gold Rush」はラップがあるので。
そういえば「Gold Rush」のレコーディングの時に、LUVNOSUKEのラップの雰囲気がG-DRAGONさんっぽいと言われたことがあって、確かにそうかもと思って少し意識して取り入れたりしました。G-DRAGONさんとLUVNOSUKEはビジュアルも含めて、そんなに遠い存在ではない気がするし、BIGBANGのメンバーで言えばG-DRAGONさんと辞めてしまったT.O.Pさんを、それぞれLUVNOSUKEとRIAMになぞらえたら、自分としてもイメージしやすくて差もつけやすいなと思って。僕の中では、LUVNOSUKEは歌を上手く聴かせるアプローチ、RIAMはフロウとメッセージを大事にしていて、なんなら歌はオートチューンをかけてもいいと思っているくらいの、ラップボーカルっぽいイメージだったので、その意味でもG-DRAGONさんとT.O.Pさんの関係に近いなと思ったんですよね。
──なるほど。そういった具体的なリファレンスというか、武内さんの中に音楽的な語彙が豊富にあるからこそ、2人のラップや歌にも表現の差異と深みが生まれているんですね。
武内:『ビバレン』では、音楽がボイスドラマと紐づく形でコンテンツの根幹になっているので、本人たちの音楽に対する解像度も高くないといけないと考えると、自分も楽曲に対して、どういうサウンド感で何をリスペクトして生まれたのか、音楽的背景を汲むことも大事だと思うんですよね。「Gold Rush」のチャキチャキしたブラスの雰囲気も、彼らなら流行りの音を理解したうえで、どうアプローチするかを考えたりしました。
それと、こういうノリの楽曲の場合、聴いている人が頭を振れるかどうかが大事で。それこそAMADEUSの相方のLotusさん(Lotus Juice)に「駿くん(武内)のボーカルはまだちょっと頭が振れないんだよね」と言われたことがあって。もはやロジックではないところの話なんですけど、でもそういうフロウの部分がすごく大事なんですよね、ラップ系の音楽というのは。それこそリズムを早取りするか、遅取りして歌うかで、雰囲気や頭の振り方が全然変わってくる。『ビバレン』はいろんなジャンルの音楽を取り入れているので、楽曲に合わせてリズム感も変えるようにしています。
──こだわりがすごいです……!「Gold Rush」の場合は、ボーカルパートとラップパートの両方がメリハリよく入っている構成で、RIAMとLUVNOSUKEの両方の持ち味が楽しめる印象でした。
武内:お互いの見せ場はちゃんと作りたいなとは思っていましたね。「RIAMも意外と歌えるじゃん」とか、「LUVNOSUKEのラップ、クセがあるけど耳に残る声質だな」とか。そもそも同じ人間が歌っているので、お互いの声がケンカし合うこともあまりないですし、自然と2人の息が合うので、そこは1人2役ならではの旨味が出せたのかなと思っています。
──その上で、ラップと歌の表現の差異をつけるために意識したことはありますか?
武内:そもそもメインで聴かせたい音域が違うので、その意味では自然と差は出るんですけど、それ以外だと、例えば、がなりっぽいアプローチはLUVNOSUKEよりもRIAMだな、っていうのはありました。それと楽曲の後半になると、2人とも結構でかく出てくるんですけど、その時のRIAMは割とオールドスクールなラップのノリに近い感じ、周りにクルーがいて、みんなで「エイ」「オー」とかアドリブを言い合っている雰囲気でやってます。逆にLUVNOSUKEの場合はソロっぽいというか、自分自身がキラッと輝いて、自分を上手く見せることが一番のファンサービスみたいなニュアンスでやってますね。
──キャラクターの本質から導き出された表現なんですね。ちなみに「Gold Rush」の歌詞の印象はいかがでしたか?
武内:彼らの『ビバレン』に対する思いがよく出ているなと思いました。自分たちに一番スポットライトが当たっている、自己紹介ソングみたいなところはあるので、きっとリリックも自分たちで考えたんだろうなと思って。RIAMの「痛いほど磨く I'ma ダイヤモンド」という歌詞はすごくラッパーっぽくて、ラッパーの根幹にある成り上がり精神が出ていますよね。逆にLUVNOSUKEは常に大きなステージを夢見ている感じがあって。やっぱりLUVNOSUKEは華々しい舞台で歌うことがゴールにあると思うんですよね。RIAMはどんな場所でも自分の音楽やスタンスが変わることがない。そういう違いも歌詞に出ている気がします。
──ありがとうございます。ここで話の角度を変えまして、ご自身の担当キャラクター以外で気になるキャラクターやキャストはいますか?
武内:やっぱり石橋くんのような存在が、こういうコンテンツにいるのは心強いなと思いますね。単純にボーカルが素晴らしいですし、お芝居もすごく素直なので、嫌味のない素の実力を感じて。すごく良いアクセントを加えてくれるんじゃないかなと思います。
──石橋さんにも同じ質問をしたら、武内さんの演技に刺激を受けたとお話していました。
武内:ありがたいです。石橋くんはいつも褒めてくれるんですよね。別にお金を渡しているわけじゃないですよ(笑)。それと(小林)親弘さん。やっぱり声質がすごくいいですよね。どちらのキャラクターもそうですけど、楽曲を聴いた時にスッと耳に入ってくるので。
──続いて、本作のテーマである「二者択一」にちなんで、ご自身の人生の分岐点になった出来事や選択があれば教えてください。
武内:これは間違いなく大きな分岐点になった出来事がひとつありまして。僕は高校の時に、一度転校しているのですが、最初の学校が当時、音楽以外の芸能活動を認めていなくて、学校側に「学校を辞めるか、声優デビューを取るか、どっちかにしなさい」と言われたんです。
そのことを当時の習い事の先生に相談したら、先生も昔、バレエと勉学で後者の方を選んだけど、今でもステージに立っていた時のことを夢に見ると打ち明けてくださって、「武内くんには夢の方を選んでほしい」と後押ししてくれたんです。その先生の言葉があったおかげで決意が固まって、声優の道に進むことができたので、それは明確な岐路でしたね。すごく背中を押していただいた一言です。
──素敵なお話をありがとうございます。それでは最後に、『ビバレン』およびRIAMとLUVNOSUKEのファンの皆さんへメッセージをお願いします。
武内:彼らがどう頑張っていくのか、そしてこのオーディションがどういう結果になるのか。『ビバレン』の魅力はそこに尽きると思うのですが、1人推しのキャラクターをずっと応援するのはもったいない気がするので、ぜひいろんなキャラクターを見ていただきたいです。我々も一人ひとりに注目していただけるよう、自分の推し以外のキャラクターのいいところにも目が行くように頑張っているので、引き続きこのバトルを見守っていただけますと幸いです。
[文・北野創 / 写真・MoA]
デジタルミニアルバム『COLOR x COLLIDE』
2025年7月23日(水)リリース
■収録内容
01.Gold Rush
02.サカサマ・トイボックス
03.プレイバック・メモリー
04.微睡みディスコード
05.Be Ploud
配信はこちら
https://orcd.co/vsa2_colorxcollide
ミュージックビデオはこちら
https://www.youtube.com/playlist?list=PL3ztohCtLrfl-R-bW7s3So_32W07RPEzz
作品情報
あらすじ
伝説の芸能プロダクション『REISEN(ライゼン)』がアイドルグループ結成のため、オーディション
"VS AMBIVALENZ"を開催。約1年の激闘を経てアイドルグループ『XlamV』が誕生した。
そして今、新たな伝説が生まれようとしていた――
『テイルウィンドオフィス』と『REISEN』が手を組み巻き起こす嵐は『VS AMBIVALENZ 2nd』。
聖地・砦アリーナには、10人の新たな候補生たちが集められる。
再び行われる究極の「二者択一」。
同じ担当カラーを託された2人が競い、投票でライバルより1票でも多く勝ち取れば―――
デビューへの道がひらける。
キャスト
(C)VS AMBIVALENZ










































