アニメ
『追放者食堂へようこそ!』小沼則義 音響監督インタビュー【連載第8回】

『追放者食堂へようこそ!』連載インタビュー第8回:音響監督・小沼則義さん|時代劇のようなわかりやすい音楽の“型”──「観ている方に『楽しい』と感じていただけることを意識して」

「ラストに向けて、お話が大きく動き出していきます」

──第8話までで、印象に残っているシーンを教えてください。

小沼:ギャグ方面で言うと、下山さんのポルボのぶっ飛んだ演技が面白かったです(笑)。こういう方向で行くだろうなと想定していたものから、2〜3個飛び越えてきたシーンがあって。

僕は某作品のナレーションのイメージが強かったのですが、志村監督がポルボ役に下山さんを推したんです。その意味でも、僕の中で意外性があって、以降僕が担当した作品に何度かお呼びしたくらいでした。下山さんに対する武内さんの器用な乗っかりもあって、二人でコントをしていくと非常に面白いんですよ。アドリブもたくさんでした。

──デニスのコミカルシーンについては、何かディレクションをされたのですか?

小沼:デフォルメせずにナチュラルに落とし込んだ芝居をしようというプランを、最初は持ってきていたと思うんです。でも「何やってんだ、もっとやれ!」と(笑)。どちらが正しいという話ではないのですが「こういう絵の表現で、こういう作品ならばやったほうが良いよ」と話しました。第5話くらいになったら、もう勝手にやってくれていたと思います(笑)。

──(笑)。本作はシリアスなシーンも魅力的ですが、いかがでしたか?

小沼:シリアスなシーンだと、第4話でバチェルとアトリエが話すシーンがやはり印象的でした。橘さんも、すごく上手く演じてくださったと思います。正直なところ、このくらいのキャリアであれば、このくらいでオッケーを出さなければいけないかなというラインは決めていたんです。でも、そこをしっかり越えてくださって、すごく良かったです。

この作品は、人間の成長と再生が描かれている作品なので、ヘンリエッタ、ビビア、バチェルも含めて、その部分のお芝居が素晴らしかったですし、しんどいときでも食べる飯は美味しいよな!という作品のメッセージを表現できていたと思います。

──ちなみに第4話の橘さんの演技に関連して、どのようなシーンを目指していたのですか?

小沼:言葉にすると難しいのですが、本人が持ってきたプランは、自分の感情を外に出して相手を説得するというものだったと思うんです。それに対しては、違うよという話をしました。

そこから心を抑えてはもらったのですが、それは感情を出さないという意味でもなくて。感情を出さないと、ただボソボソ淡々と話すだけになってしまう……。そうではなく、ちょっとした語尾から漏れ出る感情とか、淡々としゃべっているけれど感じる力強さとか、そんなニュアンスを求めていました。自分が持ってきたプランから切り替えて、あそこまで良いシーンにしてくれたのは橘さんの力だと思います。

──また、第3話のビビアとシンシアの会話もすごく良かったですよね。

小沼:あそこはさすがの伊瀬さんでしたね。シンシア役の藤寺美徳さんは10代の方で、その歳でしか出せない素朴さと粗さがある。ビビアという自信満々だけど実は脆いという表裏を細かく演じ分けることができる伊瀬さんとのシナジーが、あのシーンでは出ていたと思っています。

ここでお二人と話したのは、シンシアは自分が死んでいることを理解しているのかどうかでした。そのあたりをちゃんと理解してもらいながらやってくれたんです。第3話がより素晴らしくなったのは、お二人の力によるものだと思います。

──食事シーンの演出についてもお聞かせください。

小沼:食事に関しては、お芝居というより絵のパワーだと思います。もちろん「美味しい!」とか、食べたあとのセリフに関してはディレクションしましたが、この作品の食事シーンはもう絵です! アニメーションです! 本当に美味しそうでした。絵の力が素晴らしかったです。

──音楽の甲田雅人さんには、どのようなオーダーを出したのでしょうか。

小沼:まず志村監督と音楽の世界観の話をしたときに、王都側、いわゆる体制側と追放者側で、音楽としての演出的な違いを設けたいという話がありました。メロディのモチーフで差を付けるというより、音楽のジャンルで演出したいという希望があったので、王都側はトラディショナルで、シンフォニックなニュアンスで仕上げていただいています。

追放者、いわゆるデニス側は、虐げられて自分たちの力で生きようとする人たちなので、監督は「ブルースやカントリーなどの雰囲気があっても良いのではないか」と。なので、そのコンセプトを甲田さんに伝え、楽曲を作っていただきました。

──「こんな楽器を使ってほしい」という提案もされたのでしょうか?

小沼:いや、それを具体的に言ってしまうと逆に制作が難しくなってしまうと思いますので、あえて限定せずにジャンルとしてのイメージとコンセプトだけをお伝えしました。

本作は、音楽が多めに入っている作品かと思います。コミカルなシーンは楽しさを押し出すために、ある程度音楽でもフォローしたほうがいいですし、最初にお話した通り、時代劇っぽいニュアンスも持っている作品なので、第4話までは起承転結で、いい意味での「このシーンになったらこの曲が流れて安心する」というような型がありました。

どちらが正しいというわけではありませんが、流行りの話で言えば音楽を少なくして、実写ドラマのような演出にする作品も増えていますが『追放者食堂へようこそ!』は、観ている方に「楽しい」と感じていただけることを意識して選曲していきました。

──ありがとうございます。では最後に、今後の見どころを教えてください。

小沼:ラストに向けて、お話が大きく動き出していきます。デニスとアトリエを取り巻く運命が動いていく。君川先生とのエピソードでも話しましたが、デニスは意外と強い人間ではないんですね。なので、デニスがどう成長し過去を乗り越えて、どのようにアトリエと絆を深めていくのか……ぜひ注目して観ていただければと思っています。

【インタビュー・文:塚越淳一 編集:西澤駿太郎】

『追放者食堂へようこそ!』作品情報

放送情報

2025年7月3日(木)よりTOKYO MX 、CBC 、BS11、AT-X にてTVアニメ放送開始!!

TOKYO MX:7月3日から毎週木曜24:00~
CBC:7月3日から毎週木曜26:08~
BS11:7月3日から毎週木曜24:30~
AT-X:7月3日から毎週木曜22:00~
※AT-X リピート放送:毎週月曜10:00~/毎週水曜 16:00~
※放送日時は変更になる場合がございます

配信情報

アニメタイムズ、Lemino、dアニメストアにて見放題最速配信!

先行配信

7月3日(木)22:30~配信開始

・アニメタイムズ
・Lemino
・dアニメストア

見放題配信

7月6日(日)22:30~順次配信開始

・Hulu
・ニコニコチャンネル
・ニコニコ生放送
・U-NEXT
・アニメ放題
・DMM TV
・AnimeFesta
・ABEMA
・Prime Video
・バンダイチャンネル
・FOD
・J:COM STREAM
・TELASA
・milplus

レンタル配信

7月6日(日)22:30~順次配信開始

・Rakuten TV
・ニコニコチャンネル
・HAPPY!動画
・バンダイチャンネル
・J:COM STREAM
・TELASA
・milplus

最終話放送後~順次配信(予定)

・カンテレドーガ
・music.jp
・ビデオマーケット
・MOVIE FULL

※配信開始日時はサービスによって異なる場合がございます。詳しくは各配信サービスにてご確認ください。
※配信時間は変更になる可能性がございます。

イントロダクション

シリーズ累計100万部突破!!

心もお腹も満たされる“新異世界グルメ人情ファンタジー”!!

「小説家になろう」での連載開始から多くの読者を魅了し、書籍化・コミカライズ化と超スピードで展開を続けた「追放者食堂へようこそ!」がついに2025年7月TVアニメ化!!

アニメーション制作は、食欲を超絶刺激する作画で評判の「OLM Team Yoshioka」が担当する!

超一流冒険者パーティーを追放されたデニス。

だが、落ち込んでいる暇はない──むしろこれはチャンス!?

憧れだった“自分のお店を開く”という夢を叶え、看板娘のアトリエとともに、

思わず「ウマッ!!」が飛び出す“至高の料理”をお届け!

次々と巻き起こるトラブルは...まさかの“最強の料理スキル”で解決!?

世間から弾きだされた冒険者が不思議と集う、人情食堂がついに開店!!

人生ウマくいかなくても、飯はウマい!!

ストーリー

超一流冒険者パーティーを追放されたデニスは、元奴隷の美少女アトリエと出会い、

夢であった自分の食堂を開店することに。

しかし、その扉を叩くのはなぜか問題を抱えたクセ者ばかりだった!

お人好しのデニスは、“至高の料理”でお客の腹を満たし、

“最強の料理スキル”で彼らの抱える問題の解決に挑むのだが......。

肉切り包丁で悪党をなぎ倒し、中華鍋で仲間を守る !?

ここは、心もお腹も満たされる場所──『冒険者食堂』!!

スタッフ

原作:君川優樹(オーバーラップノベルス刊)
原作コミック:つむみ(「コミックガルド」連載)
監督:志村錠児
シリーズ構成:赤尾でこ
キャラクターデザイン:大和葵
プロップデザイン:大河しのぶ/東海林康和
美術監督:加藤賢司
色彩設計:佐藤直
撮影監督:佐藤敦(Studio Shamrock)
編集:渡辺直樹
音響監督:小沼則義
音楽:甲田雅人
音響制作:ビットグルーヴプロモーション
制作:OLM Team Yoshioka
オープニングテーマ:Dannie May「ユニーク」
エンディングテーマ:超ときめき♡宣伝部「まごころ My Heart」

キャスト

デニス:武内駿輔
アトリエ:橘茉莉花
ヘンリエッタ:鈴代紗弓
ビビア:伊瀬茉莉也
バチェル:松田颯水
ヴィゴー:鈴木崚汰
ケイティ:安済知佳
ジーン役:甲斐田裕子 ほか


公式HP
公式YouTube
公式 X

(C)君川優樹・オーバーラップ/「追放者食堂へようこそ!」製作委員会
追放者食堂へようこそ! 関連ニュース
おすすめタグ
あわせて読みたい

関連商品

おすすめ特集

今期アニメ曜日別一覧
2026年冬アニメ一覧 1月放送開始
2026年春アニメ一覧 4月放送開始
2026年夏アニメ一覧 7月放送開始
2025年秋アニメ一覧 10月放送開始
2026冬アニメ何観る
2026冬アニメ最速放送日
2026冬アニメも声優で観る!
アニメ化決定一覧
声優さんお誕生日記念みんなの考える代表作を紹介!
平成アニメランキング