
芹沢は理想とする悪役像とピッタリ。収録では悪いヤツをやろうとしないことを徹底しました──「任侠×SF×死に戻りループ」の異色ゲーム『ROAD59 -新時代任侠特区- 摩天楼モノクロ抗争』発売記念に芹沢鏡時・小林親弘さんへインタビュー!
芹沢役には「裏切られて今一番嫌な声優さんの声」ですぐに思い浮かんだ小林さんにオファー!?
――この作品を演じる上で極道や任侠ものの映画を観て参考にされたことはありますか?
小林:今回特に観たということはなく、過去に観た極道もののイメージはあったので。でも芹沢は警察官ですし、この作品には昔のステレオタイプの極道もいないので、観ても参考にならなかったと思います(笑)。
――ここでプロデューサーに伺いたいのですが、小林さんのお芝居はいかがでしたか?
プロデューサー:とても素晴らしかったですし、小林さんに演じてもらったからこそ成立できたキャラクターだなと改めて思いました。
小林:ありがとうございます。
プロデューサー:善良な時の面の時をあえて維持したままのお芝居で、芹沢の悪い部分が見えるシーンも演じてくださったおかげで、より『信頼している人が実は悪人だった』と分かった時のショックが強まったと思います。
芹沢の本性が分かった時の衝撃はプレイヤーの方が5年くらいトラウマになってくれるのではないかなと思います(笑)。
――なぜ芹沢役を小林さんにお願いしようと思われたのでしょうか?
プロデューサー:『今世の中の人が思う、一番、裏切られられたら嫌な声優さんの声って誰か?』と考えた時に、小林親弘さんの声のキャラに裏切られたら一番立ち直れない程にショックだよなぁと思いまして(笑)。
小林:ありがとうございます……これは喜んでいいのかな?(笑)
プロデューサー:御本人のお人柄もそうですが、『優しい信頼できるキャラクター』お芝居が素敵だからこそ、そのままのトーンで悪役をやっていただいた時、見ている側に強い印象を残すだろうという確信がありました。
収録でもリテイクはほとんどなかったですね。
しいていうなら、善良な面を見せているシーンのお芝居で『もう少し優しすぎないかんじでお願いします』とお伝えしたくらいです。
あまりに優しすぎると、後々の悪い人間だと分かったシーンの時に収録している我々の心がショックで持たない……!と、音響監督と収録で実際にセリフを聞いている中で話がでまして(笑)。
小林:そうなってもらえたらいいですね。シーンとのズレみたいなものを楽しんでいただけたらと思います。
芹沢が妻子の名前や年齢を思い出せなかったところが象徴的なシーン
――今回のアフレコで印象に残ったシーンやセリフを教えてください。
小林:娘と妻のことを殺したとさらっと言うシーンがありましたが。芹沢を象徴するセリフなので、できるだけさらっと言おうと意識しましたね。
あとバーで妻の名前や娘の年齢を思い出せないシーンも象徴的で、「芹沢は自分以外の人に対しての興味がまったくないんだな」と。それは一般的には悪い価値観だと思われているけど、そこも芹沢らしくておもしろいなと思いました。
――芹沢以外で気になったキャラクターはいますか?
小林:門崎ですね。芹沢と一番関係が深いと思うし、門崎に感情移入している人がショックを受けたらいいなと思って演じたので(笑)。「どう言われたら一番衝撃を受けるかな」と考えて、できる限り、優しく、励ますような感じで、ひどいことを言おうと思って演じましたが、もしかしたらやり過ぎたかもしれません(笑)。
――プロデューサーの視点で好きな芹沢のセリフやシーンはありますか?
プロデューサー:収録前から「小林さんがこのセリフをどう言うのかな?」とワクワクしていたのが、賢誠に対して「な~んちゃって」というシーンです。
実は冷静に見ると芹沢ってかなり危険な綱渡りをしながら生きているところがあると思うのですが、それを象徴しているセリフかなと思います。
この直前にある、賢誠に言いながらも芹沢が自分に問いかけているのではないかと思えるセリフもあったりと、何を考えているのか分かりづらい、ひょっとしたら芹沢自身も気づいていない自分の本心が見える箇所はぜひ注目してもらえると嬉しいです。
プロデューサー:もう一つは門崎と再会した際に、門崎が自分のコートをずっと着ていたことに対して、「お前、重いよ」的な事を言うシーンです。あのタイミングで、小林さんのトーンであのセリフを聴いたらプレイヤーはどう感じるだろうとすごく楽しみでした。
小林:まあ、ひくでしょうね。嫌~な気持ちになると思います(笑)。












































