
秋アニメ『最後にひとつだけお願いしてもよろしいでしょうか』キャラクターデザイン担当・芳我恵理子さんインタビュー|貴族なのでみんな姿勢が正しいというのは気を付けていました【連載09】
ディアナほど感情の起伏が激しいキャラが『さいひと』にはいないと思う
──貴族社会の様子が描かれる本作。そういった作品のキャラクターデザインを担当するうえで、事前に準備することや参考にする資料はございますか?
芳我:作品が動く際に設定制作さんが中世ヨーロッパ期の資料をたくさん集めてくださって、特に女性貴族の服装などは参考資料を確認することは多かったです。初めて作品に関わるアニメーターさんもいらっしゃるので貴族や下町の庶民のモブ設定を作成して伝わるように心がけていました。
そして、貴族なのでみんな姿勢が正しいというのは気を付けていました。スカーレットは特にそうですが、顎を引き、背筋は常に伸びており人と話す際も手を前に重ねています。カーテシーも所作として行うことも多かったので、監督や設定制作さんでその資料は作成され、作業者には共有されていました。
──本作のなかで特にキャラクターデザインするのが難しかった、もしくは悩んだキャラクターを教えてください。
芳我:先ほどお話した通り、いちばん苦戦したのはジュリアスでした。その次で言うと、パルミア教関連のキャラクターたちの収まり感で悩むことがありました。異端審問官だと、ミシェラン以外はサブキャラクターデザインの3人に描いてもらっていて、その監修をさせていただいておりました。
パルミア教関係のキャラクターはみんな個性派揃いで、第6話に出てきたジャルモウは超大柄だけど、どのくらいで頭身収めるか、第8話で出てきたパドラックや教皇サルゴンは身長低いけど頭が結構大きいのでどうバランスをとるか、というのを探りながら作業していました。
──悪逆な者たちをスカーレットが鉄拳制裁する様がスカッとする本作。芳我さんは、どんな瞬間にスカッとしますか?
芳我:アニメ制作をしていての話になりますが、必死に描いた絵が素敵な色や背景、撮影処理が乗って最高の画面になったときでしょうか。そして見てくれた方々に喜んでいただけた時がいちばんスカッとします!
──今後の見どころを教えてください!
芳我:ディアナの抱える感情でしょうか。ディアナほど感情の起伏が激しいキャラが『さいひと』にはいないので描いているのは楽しかったのですが、心に秘めているスカーレットへの感情はそうだったのか、と思ってしまうと思います。そしてテレネッツァとスカーレット、ジュリアスとスカーレットの因縁の顛末! 引き続きお楽しみください!
[文 M.TOKU]
作品情報
あらすじ
それはよくある“悪役令嬢”への断罪シーンとなるはずでした ――
舞踏会の最中、婚約をしていた第二王子・カイルから、
いきなり理不尽な婚約破棄を告げられた公爵令嬢・スカーレット。
さらには“新しい婚約者”がいると告げられ、ありもしない罪まで着せられてしまう。
幼少期から続いていたカイルの数々の嫌がらせにも
“婚約者”ということで耐え続けてきたが、ついに我慢の限界を迎えてしまい…
「私の最後のお願いです。
このクソアマをブッ飛ばしてもよろしいですか?」
見目麗しき公爵令嬢スカーレットが“拳”を握り、舞い踊る!!
シリーズ累計187万部突破の人気作がTVアニメ化!
武闘派令嬢のスカッと痛快ファンタジー、ここに開幕!
キャスト
(C)鳳ナナ・アルファポリス/最ひと製作委員会














































