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TVアニメ『花ざかりの君たちへ』を彩る声優陣が語る作品の魅力【インタビュー】

とてもポジティブなエネルギーにあふれた作品――冬アニメ『花ざかりの君たちへ』山根綺さん(芦屋瑞稀役)×八代拓さん(佐野泉役)×戸谷菊之介さん(中津秀一役)×梅原裕一郎さん(難波南役)が語る作品の魅力【インタビュー】

 

関西弁を“楽譜”のように捉える、戸谷菊之介の感性

──戸谷さんは関西弁で意識されたことはありますか?

戸谷:監修を入れてもらっているんです。 プロダクション・タンクの小泉達哉さんという方が、すごく丁寧に指導してくださっているのですが、関西弁に気を取られすぎないようにというのは意識しています。やっていることはお芝居なので、イントネーションに気を取られすぎて、セリフを読んでいるだけにならないようにしないとなと。

──戸谷さんはお笑いがお好きというお話も伺っているのですが、そのあたりは影響していますか?

戸谷:意外とそれが役に立たないというか、むしろ悪い方向に行くこともあって。自分のイメージの関西弁でやってしまうと、それが間違いになってしまうので、今回は本当にほぼゼロから学びました。

──戸谷さんの関西弁、すごく良いなと思っていました。

戸谷:本当に耳が良くて……って冗談ですけども(笑)。

山根:本当に戸谷くん、耳がすっごく良くて。台本の余白に、関西弁のイントネーションのメモを書いているんですよ。うまく説明できないのですが、イントネーションの高さの上下を3列ほどの点で表していて、まるで楽譜のような感じ。それを見たときに、「音楽家なのかな」と。音の捉え方も戸谷くんならではで、すごい感性を持った人だなと思っていました。

八代:(関西弁で)詰まってるの見たことないもんね。

戸谷:ありがとうございます。そんなに褒めてもらえるとは思わず、しかもそこまで見ていただけているとは思わず(笑)、すごく嬉しいです。でも、とはいえミスることもあるのですが……。

山根:制作の方が求める通りのものをピッタリ出しているイメージです。この現場、本当にリテイクが少ないんですよ。本当にプロの現場だなって感じました。

戸谷:いやいや、それは瑞稀に対しても感じています(笑)。あのワード数であのリテイク数の少なさ、マジですごいなと思います。

八代:確かに。めちゃくちゃ喋ってるもんね。

戸谷:ひとりだけ桁が違うっていう。

──アニメイトタイムズでは山根さんに連載をしていただいていました。学生時代のお話もピックアップされることがありましたが、もし今回、学生時代のことで意識されていることなどありましたら教えてください。

山根:瑞稀たちが高校生なので高校時代の話をすると、楽しかったけど、しんどかったという気持ちの方が強かったですね。というのも将来の夢と現実のギャップに悩んだり、周りと自分を比べてしまったり……高校時代って思春期の中でも特に揺れ動く時期だと思うのですが、自分もそれに当てられていました。私は声優になりたいのに、なんでここにいるんだろう、とか。でも瑞稀は真逆で、「佐野に会いたい」という気持ちひとつで、海を越えて、さらに性別を偽ってまで行動してしまう。とにかくまず行動して、ダメだったらその時考える。その不安に引っ張られない強さが、彼女の魅力だと思います。それは私自身にはなかったところだなって。その一方で、瑞稀の気持ちを理解できないということはなかったので、そういう意味では近しいところはあるのかなとも思ってもいて。もしあの頃、瑞稀みたいに明るくポジティブに過ごせていたら、もう少し楽しい高校生活だったのかもしれないな、と思うことはありますね。

 

瑞稀の哲学は人間関係を円滑に進めていくための指標

──放送開始は新学期前、そして最終回を迎える頃には新しい環境に踏み出している人も多いと思います。そんな“花ざかりの君”に、本作を通して伝えたいことはありますか?

戸谷:アニメを観ていて「学生っていいな」とすごく思いました。特に序盤は学生時代を思い出してワクワクしましたし、今学生の方には、ぜひ自分と重ねて楽しんでほしいし、大人の方には懐かしみながら楽しんでもらえたら嬉しいですね。自分は学生時代を振り返ると、やりたいことを全部やっていたんですよね。お笑いもやっていましたし、部活もやっていましたし。瑞稀じゃないですけど、「これがやりたい」「あの人に会いたい」みたいな気持ちが当時から強くて、今振り返ると結構無鉄砲だったな、と。その感覚をこの作品を通して思い出しましたね。

八代:学生時代って、どうしても閉鎖的な世界にいる感覚があると思うんです。当時はすごく大きな悩みだと思っていたことも、今振り返ると「そんなことで悩んでたな」と思うようなことだったりする。でも、その小さな悩みに全力で向き合っている時間って、すごく青春だなとも思うんですよね。『花ざかりの君たちへ』では、学生ならではの壁にぶつかったときに、それぞれが違う向き合い方をするシーンがたくさん描かれています。観ている方が少しでも背中を押されたり、元気づけられたりしたら嬉しいなと思います。

梅原:瑞稀のように、新しい環境に飛び込んでいく方は多いと思うんですが、やっぱり一人ではどうにもならないことも多いですよね。だからこそ、周りに助けてもらうことをいとわないことが大事なんじゃないかなと思います。そのためには、正直でいること、まっすぐでいることが必要条件だと思っていて。

八代:確かに……。

梅原:そうすれば自ずと、周りが助けてくれるんじゃないかなと。この作品でも、最初は瑞稀と敵対するような立場だったキャラクターたちが、きちんと対話することで誤解が解けたり、仲良くなったりすることがあります。瑞稀の哲学は、人間関係を円滑に進めていくための指標にもなるんじゃないかなと。

山根:正直、瑞稀のように生きるのは簡単ではないと思います。でも、「瑞稀だったらどうするかな?」と、自分の思考の中に瑞稀を入れると、不安になったり、くよくよしてしまう自分から少し距離を取れる気がするんです。実際、やってみないと分からないことってたくさんありますし、彼女の考え方を一つの思考の軸として持っておくだけで、冷静になれるように思います。

この作品をご覧いただき「瑞稀のこういうところが好きだな」「このキャラクターのこの部分がいいな」と感じてもらえたら、その気持ちを日常の中に少しだけ持ち帰ってもらえたら嬉しいです。生活が少しでも彩られたり、明るい方向に進んだりするきっかけになったら、それが一番幸せだなと思います。とてもポジティブなエネルギーにあふれた作品なので、そのいい影響が広がっていったらいいなと思います。

──では最後に視聴者にメッセージをお願いします。

山根:『花ざかりの君たちへ』が令和の今、アニメ化されるということ自体に、とても大きな意味があると思っています。当時原作を読んでいた方、ドラマを通してこの作品を好きになってくださった方にとっても、アニメになることで、新しい作品として楽しんでいただけるのではないかなと。そして、これまで本作に触れたことのない今の10代の方々、恋をしている学生のみなさんにとっても、今の恋愛作品や少女漫画ではなかなか見られない設定や、個性的なキャラクターたちがたくさん登場します。いろいろな世代の方に楽しんでいただける作品だと思っていますので、ぜひ最後までご覧いただけたら嬉しいです。

八代:言葉遣いやシーンなど、原作にとても忠実に作っていただいているので、原作がお好きな方には、ぜひ当時の気持ちと一緒に楽しんでいただきたいなと思います。そして、まだ『花ざかりの君たちへ』に触れたことがない方にも、今のこのジャンルの文化を支えた作品とも言える偉大な存在なので、ぜひ一度触れてほしいなと。作品自体が持っている色味もすごくカラフルで、素敵で、エネルギッシュで。観終わったあとに「いいものを観たな」と自然と思えるような、肩肘張らずに楽しめるエンターテインメントが詰まっている作品だと思います。どんな楽しみ方でもいいので、「面白かったな」と感じてもらえたら嬉しいです。どうぞ、よろしくお願いします。

戸谷:この作品の一番の魅力は、佐野と瑞稀の気持ちが少しずつ育まれていくところだと思っています。最初は佐野が少し突っぱねるところから始まって、そこから苦しい場面もありつつも、少しずつ関係が変化していく。その中に、高跳びのシーンや、瑞稀の想いが込められた熱い場面もあって。もちろん感動するシーンも本当にたくさんあります。中津も少しずつ揺れ動いて、ターニングポイントもありますので、そこにも注目していただけたら嬉しいです。

梅原:恋愛のワクワク感はもちろんこの作品の大きな魅力なんですが、それと同時に、主人公・瑞稀の魅力がとても大きい作品だと思っています。このさき、物語の中ではいろいろな問題が起こりますが、それに直面したときの瑞稀のまっすぐさや、負けん気の強さが、観ている人を勇気づけてくれるんじゃないかなと。瑞稀のセリフの中にも、印象に残る言葉がたくさんありますし、「こういうふうにまっすぐ生きられたら、きっと周りの人もついてきてくれるんじゃないか」と思わせてくれる力を持った主人公だと思います。いろいろな側面から楽しんでいただけたら、と。

 
[インタビュー・逆井マリ]

 

作品情報

花ざかりの君たちへ

キャスト

芦屋瑞稀:山根綺
佐野泉:八代拓
中津秀一:戸谷菊之介
難波南:梅原裕一郎
梅田北斗:福山潤
中央千里:川島零士
萱島大樹:内山昂輝
関目京悟:駒田航
野江伸二:古屋亜南
日本橋渉:西山宏太朗
神楽坂真言:日野聡
ジュリア・マックスウェル:夏吉ゆうこ
天王寺恵:水中雅章
九条威月:榎木淳弥
姫島正夫:子安武人

(C)中条比紗也・白泉社/「花ざかりの君たちへ」アニメ製作委員会

 

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