
『プリキュア』を通して感じてきたことや思い出を、この曲に全部詰め込んで歌いたい──石井あみさんが歌う『名探偵プリキュア!』オープニング主題歌「ハートにヒント!名探偵プリキュア!」に込めた想い【インタビュー】
子どもたちが憧れるようなプリキュアシンガーズに
──今回、オープニング主題歌をソロで担当するのは『ひろがるスカイ!プリキュア』ぶりとなります。その辺りはいかがでしたか?
石井:もう一回オープニング主題歌を一人で歌いたいという気持ちは密かにありました。もちろん主題歌を歌わせていただけるだけでも幸せなんですけど、(後本)萌葉と歌ったり、熊ちゃん(熊田茜音)と(吉武)千颯と歌った経験があって、それが糧になったからこそ「またソロで歌いたい」という思いも強くなって。そういう気持ちを持ちながら受けたオーディションだったので、名前を見たときは本当に嬉しかったです。しかもオープニングだ!と。『ひろがるスカイ!プリキュア』のときはまた違った嬉しさがありました。当時は何もかもがはじめてだったので、とにかく突っ走る!というか。
──その瑞々しさもすごく素敵です。
石井:振り返ってみると、若さゆえのまっすぐさもあったと思うんですけど、「もう少しこうできたかもしれない」「もっと楽しめたかもしれない」といった想いもありました。
──『ひろがるスカイ!プリキュア』のオーディションの道中、信号待ちをしながら「ひろがるスカイ!プリキュア ~Hero Girls~ 」の)サビの「プリキュア」の「ア」の部分をずっと練習していたという話がすごく好きなんですよ。
石井:懐かしい〜!(笑) あのときは外で歌っちゃうくらい若かったですね(笑)。でも、どっちの自分も好きなんです。とにかく全力で走っていた自分と、少し遠慮がちな自分。私は普段は考え込んでしまうタイプで、遠慮してしまったり、自信がなくなってしまったりすることもあるんです。でも、そういう自分がいたからこそ前に進めたこともあるし、それでも「頑張らなきゃ」「引っ張っていかなきゃ」って思う自分もいて。そういう今の自分も、すごく好きだなと思っています。
──キャリア的に今回は一番先輩になりますよね。それこそ引っ張っていく立場に。
石井:びっくりですよね!(笑)。スタッフさんからも「石井さん、先輩!?」って言われて。ファンの方からも「もう4年目なんですね」というお声をいただきました。
私は『プリキュア』シリーズ20周年のタイミングで関わらせていただいたので、歴代のプリキュアシンガーの先輩方と関わる機会がすごく多かったんですよね。
──節目ならではの豪華なイベントが目白押しでしたね。
石井:そのタイミングで『プリキュアシンガーズ Premium LIVE HOUSE Circuit!』も始まっていて。(北川)理恵さんやMachicoさん、特に(吉武)千颯には、たくさんのことを学ばせていただきました。後輩としての期間が長かったからこそ、そういう経験もたくさんできました。先輩方がいなかったら私はここまで頑張れなかったと思います。その気持ちを、今回は(増井)優花ちゃんや(熊田)茜音ちゃんにも少しでもつないでいけたらと思っています。「プリキュアシンガーっていいな」「プリキュアが大好きだな」という気持ちを、もっと強く感じてもらえるように、先輩として支えられたら嬉しいです。
──おふたりはもちろん、その先にいる未来のプリキュアシンガーや、プリキュアを好きな子どもたちにも、その想いは届いていくのではないでしょうか。
石井:そうなったらいいなって。去年は特にライブが多かったじゃないですか。ライブのときに、子どもたちが「あみちゃんみたいになりたくてダンスを始めました」「七夕の短冊に“プリキュアシンガーになる”って書きました」といった声を聞く機会がすごく多い一年だったんです。
だから今回は、『キミとアイドルプリキュア♪』のときの思いも引き継いで、子どもたちが憧れるようなプリキュアシンガー、お姉さんになれたらいいなと思っています。私自身も、理恵さんやMachicoさん、千颯たちのライブを見て「こんなふうに私も歌えるようになりたい!」と思っていたので。特に今年入った優花ちゃんに、プリキュアシンガーってこんなにかっこいいんだって思ってもらえるように、これからも頑張ります。
「ハートにヒント!名探偵プリキュア!」をさらに深堀り
──楽曲の話に戻ると、「ハートにヒント!名探偵プリキュア!」は、まさにハイパージェットコースターな難易度の高い曲ですよね。
石井:最初に苦戦したのが、〈凛と ひらめく 〉のところで刻みがなくなって、〈きっと〉でアカペラっぽくなるところ。特に練習しました。ラストの〈探しにいくよ 〉のアカペラも。
──際立つところですよね。きらめくというか。
石井:「正解を見つけた」みたいな雰囲気があって、すごく好きです。お話しているとついつい「好きです」ばかり言ってしまうのですが(笑)、本当に全部好きなんですよ。ワルツのところも好きです。私は〈気づいてないものに気づいたとき〉の心が揺れ動いた瞬間を、ワルツで表現しているのかなと思いました。ワルツの歌詞の部分は特に大事に歌いたくて。ワルツって、ドレスがひらっと広がる感じがあるじゃないですか。
──ああ、分かります。
石井:そのイメージがあって。ドレスがひらっと広がるような、心がふわっと揺れ動く感じを歌で表現したいと思ったんです。それで、レコーディングのときに「心が揺れ動いた感じを表現したい」と井上さんに伝えたところ、〈運命ねって〉のところを少しリズムを後ろにズラして歌おうかと提案してくださったのですが……ただ、リズムが決まっている曲の中で、あえて少し後ろにずらして歌うのって超難しくて(笑)。
──石井さんにしか歌えないと思います。
石井:いやいや、でもここは結構テイクを重ねたところです。「ちょっと後ろすぎるかな」「もう少しいけるかな」などと話し合いながら調整していきました。
──間奏には佐々木さんならではのギターも入っていますね。
石井:入っていますね(笑)。実はこれ、ご本人にはまだ言っていないんですけど、私、学生時代に、ステージに立つコジローさんを客席から何度も拝見しているんですよ。
──えっ、そうなんですか。
石井:私はずっと真夜中でいいのに。さんがすごく好きで、コジローさんはギターを弾かれているんですよね。ずっとステージで拝見していたので、ご一緒できて嬉しかったです。今回、言葉や歌をダイレクトに詰め込めたのは、音楽が導いてくれた感覚も大きかったと思います。コジローさんたちが作ってくださるサウンドがとてもキャッチーで、子どもにもわかりやすいバランスで作られていて。歌うのは難しいんですけど、でも音楽自体はすっと入ってくるというか、そういう楽曲だなと思いました。その音楽の中で、ヒントをもらいながら謎解きしていくような感覚があって。
──レコーディングの現場で制作陣とはどういうお話をされたのでしょうか?
石井:コジローさんはめちゃくちゃ優しくて、面白い方なんです。いろいろなお話をしてくれました。只野さんはこれまでもいろいろなところでご一緒させていただいているので、「あみちゃん頑張れ!」みたいな感じで、すごく温かく見守ってくださって。井上さんは、いつも通り的確なディレクションをしてくれました。フルサイズのレコーディングのときには「そんなに緊張しなくて大丈夫だよ」と声をかけてくださり、本当によく見てくれているんだな、すごいなと改めて感じました。……他にどんなことを言われたかな、ちょっと振り返ってみますね(と、手元のiPadを見る)。
──譜面にメモがびっしりと! プロだからこその書き込みですね。
石井:汚いですけどね(苦笑)。私は英語で書くことが多いんです。アクセントとかニュアンスを書き込むとき、英語のほうがイメージしやすいことがあって。たぶん井上さんの影響もあると思います。あと、絵を描くことも多いです。
──少し話がそれてしまうのですが、石井さんは小さいころから音楽の学校やコースに通われていたんですか?
石井:いえ、大学からなんです。音楽はずっとやっていたんですけど、母が「高校までは勉強を中心にしてほしい」と言っていて。
──そうだったんですね。以前、Xに子どもの頃のピアノの写真をアップされていて「石井さんは音楽一家なのかな」と勝手に思っていました。
石井:実はうちはバリバリの体育会系の一家なんですよ(笑)。両親もスポーツ系なんです。あの写真は2歳くらいで。当時、自宅に小さいピアノがあって、それを触っていたのがきっかけで私がピアノに興味を持ったらしいんです。それで3歳からピアノを始めたんですが、両親が独学で楽譜の読み方を勉強して、私に教えてくれていたんです。
──えっ、すごいですね。めちゃくちゃ体育会系の精神!
石井:ふふふ、めちゃくちゃ体育会系です(笑)。母は小さいころ、先生に厳しくされてしんどい想いをしたらしいんです。嫌な想いをしてやめてしまうのは可哀想だから、それだったら「最初は一緒にやろう」という考えだったみたいです。それで本当にイチから学び出して、教えてくれました。
──伴走されてきたんですね。以前、お母様が歌のことでアドバイスをしてくれたというお話がありましたが、なんだか頷けます。
石井:そうですよね。だから私にとって音楽は、両親からもらったものというか、一緒にやってきたものという感覚が強いです。
──話が逸れてしまいましたが、ディレクションの話題でした。
石井:あ、ディレクションで言われたことを思い出しました! 井上さんからは、フレーズなど音楽的なことをたくさん言われたんです。この曲は音楽的な要素がすごく複雑かつ、言葉もかなり詰まっているので、どこをアクセントにするかは細かく指示していただきました。特に言われたのは、「場面ごとに違う自分で歌うこと」ですね。基本は軽く歌う感じなんですけど、例えば1Bの〈勇気の一歩が〉のところは、そこだけソロみたいに歌ってほしいと言われて。アクセントを強めにしています。その後の〈キセキまで導く〉では、また違う人になったような感じで、活き活きと歌いました。
──いろいろな声が入っていますよね。それこそ宝石みたいというか。
石井:まさに、その〈宝石のような ミステリー〉という言葉がすごく好きです。そのあとの〈心のなかの虫眼鏡〉も良くて、2Aに置かれているからこそ、前向きな感じがするんですよね。最初はひとりの気持ちだったものが、2番からはふたりになっていくような感覚があって。〈点と点の 糸口が 線になった 紡がれた〉〈手と手を結んで〉といった言葉から、ふたりの思いがつながっていくような感じがしました。
──そのあたりの言葉はエンディング主題歌の「なぜ?謎?!ANSWER」にもつながりますね。
石井:そうですね。テーマとしても共通している部分があると思います。エンディング、めちゃくちゃかわいいですよね。映像はもちろん、優花ちゃんと熊ちゃんの声もすごく印象的でした。熊ちゃんはこの1年間ずっと一緒に活動してきて、いろんなことを考えながら取り組んでいることがすごく伝わってきて。きっと今回も、いろいろなことを考えながら歌っているんだろうなって。さらに新しい熊ちゃんを感じました。
──そして新しいプリキュアシンガーとして、増井さんが加わって。
石井:優花ちゃんは、本当に誰にも真似できない芯のある声というか、すごく艶のある声をしているんですよ。ああいう声が出せるのは、やっぱり元々の声の良さがあるからなんだろうなって。第一印象は「かわいい歌声だな」という感じなんですけど、聴いているうちに、優花ちゃんの誠実さというか……。きっとすごく努力して取り組んだんだろうなというのが伝わってきて。今の自分に満足せずに頑張る性格が、歌声にも表れている気がします。
──今回の3人の衣装もすごくかわいいですね。
石井:特に帽子がかわいくないですか? スタッフの皆さんが本当にいろいろなことを考えて作ってくださっていて。「こうしたら綺麗なんじゃないか」「こっちの色のほうが合うんじゃないか」と、細かいところまでこだわってくださっているんです。
──最後に『名探偵プリキュア!』とともに歩んでいくこの1年への意気込みを聞かせてください。
石井:(インタビュー時点は)『名探偵プリキュア!』の序盤で、出会ってまだ間もないですが、制作期間からすでに自分の気持ちや考え方がすごく変わってきているという実感があります。今回のテーマについて、多田プロデューサー(ABC-A)が「自分で見て、感じて、考えて、“本当”の答えを出す」が大事だとおっしゃっていて。私もそのテーマに合う自分でいたいと思って、今それをすごく大切にして過ごしているところです。そうすると、自分の感情が広がっていくというか、より豊かになっていく感じがあって。あらためて『名探偵プリキュア!』の主題歌を歌わせていただけて本当に良かったと感じています。
この作品ならではの大切なことを、観ているみんなにも感じていただけたら嬉しいですし、気づけたこと、知ることができたことが「すごく嬉しい!」と思ってもらえるように、私も1年間歌を届けていきたいと思っています。
「ハートにヒント!名探偵プリキュア!」は、みんなとの思い出も詰め込んだ曲なので、これからみんなの前で歌うたびに、どんどんと色がついていく歌になるんじゃないかなと思っています。これからみんなと一緒に、このオープニングをさらに彩っていけたら嬉しいです!
インタビュー・逆井マリ
『名探偵プリキュア!』主題歌シングル
【発売日】2026年3月25日
【価格】
CD+DVD:2,530円(税込)
通常盤:1,650円(税込)
≪収録内容≫
【CD収録内容】※両形態共通
01.ハートにヒント!名探偵プリキュア!
02.なぜ?謎?!ANSWER
03.ハートにヒント!名探偵プリキュア!(オリジナル・メロディ・カラオケ)
04.なぜ?謎?!ANSWER(オリジナル・メロディ・カラオケ)
05.ハートにヒント!名探偵プリキュア!(TVサイズ)
06.なぜ?謎?!ANSWER(TVサイズ)
【DVD収録内容】※CD+DVDのみ
TVオープニング・エンディングノンテロップ映像
作品情報
あらすじ
誕生日に現れた妖精【ポチタン】と、お部屋にあったペンダントに導かれて
2027年から1999年のまことみらい市にタイムスリップ…!
そこで出会ったのは、名探偵に憧れている14歳の女の子【小林みくる】!
そんな中、事件発生!?
大切なものを盗まれて困っている人がいるみたい…!
事件は【怪盗団ファントム】のしわざ…!?
困っている人を見逃せない…!
そんな思いから、あんなとみくるは【名探偵プリキュア】に変身!!
名探偵プリキュアがみんなの笑顔を推理で守る!
「そのナゾ!キュアット解決!」
そして、あんなは元の時代に戻ることができるのか…!?
キャスト
(C)ABC-A・東映アニメーション

































