
『キルアオ』大狼十三を演じる、三瓶由布子さん×武内駿輔さんインタビュー|ひとりの男を二人で演じる難しさと面白さ
中学生の中におじさんがいるの変だけど襲ってくる刺客たちも変過ぎるんです
──アニメは第5〜6話くらいまで進んでいるのですが、ここまでで気になるキャラクターや、この人のお芝居が面白かったというのがありましたら教えてください。
武内:僕は(天童)天馬とのフットサル回ですね(第6話)。収録には参加できていないんですけど、原作を読んでいて、急にスポ根!?っていうのがあって(笑)。本当に、いろんな面を持っている作品だなと思いました。この漫画を1冊読むだけで、いろんなジャンルが味わえるという。なのでここはスポーツ漫画として楽しめました。
実際、天馬の登場回では自分もアフレコに参加させていただいたのですが、あっけらかんとした、本当に何を考えているかわからない雰囲気と、真っ直ぐな感じというのが、大塚剛央さんの声が付くと、より、どこを見ているのかわからない感じが出ていたんですよね。でも、なぜか愛情だけは本物なのかな?みたいな感じで……。
三瓶:スポ根が終わったあと、急に恋愛ものになったもんね(笑)。
武内:そうなんですよ! あと、自分のフィジカルという部分に自信を持っていたりするところを考えると、何を考えているかわからないというより、本当に何も考えていないだけなのかなと思ったりもして(笑)。
三瓶:素直なだけっていうね(笑)。
武内:だから天馬というのは人間として、とても気になるキャラクターでした。
──サッカー勝負はさすがに有利過ぎると思いましたが、そこはさすが十三でした。
三瓶:世界一の殺し屋って、何でもできるんですね(笑)。
武内:本当に。
──戦いでいうと、古波鮫シンとの戦いも印象的でしたね。
三瓶:シンはアフレコ風景がとっても特殊というか。おしゃぶりを咥えた佐久間(大介)さんが隣に立っていたので、なんだか見ちゃいけないものが横で繰り広げられているみたいな感じでした(笑)。今まで、そんな人に会ったことがなかったので。
──それは、ないでしょうね…(笑)。
三瓶:実際に何かを咥えてみたり、音がこもっている感じを出すためにマスクをして演じてみたりすることはあるんですけど、やってみると、意外と理想としている音にならないことはあって、「あとで加工をするので大丈夫です」と言われたりすることは、よくあることなんです。最近は、音を加工する技術も高くなってきているので。
でも、佐久間くんは、アフレコ前から練習をして、どのおしゃぶりが一番合うのかを研究して来てくださっていたんですよね。そこで「加工するので問題ない」と言われてしまったら、そこでその努力は終わっちゃうんですけど、そんな状況の中で、見事におしゃぶりのままアフレコをすることになったので良かったです。ただ、私はまさかおしゃぶりをしてやるとは想定していなかったので、本当に不思議な体験でした(笑)。
──ちゃんとしっかり掛け合いができていたんですね。
三瓶:思っていたよりもちゃんとしゃべれていたんですよ。だから、たまにしゃべれていないときに、そう言えば佐久間くん、おしゃぶりしているんだった!となったりしました(笑)。
──でも、シンは、すごく佐久間さんに合っているキャラクターでしたね。
三瓶:まず見た目が、完璧ですから。
武内:髪色も同じですしね。
──あとは第7話のダブルデートの回で、十三(大人)に戻るシーンがありましたね。
三瓶:第1話は武内くんが演じたあとに私が演じたけど、逆に大人に戻っちゃうというところで、どうなるんだろうと思いましたが、中学生に挟まれたただのおじさんになっていたのがシュールで(笑)。武内くんのお芝居のリアクションも、おじさんの戸惑い感がすごくて、その不憫さがかわいかったです。
武内:原作の絵もそうなんですけど、口の表情が個人的にとても印象的でして、久しぶりに少年から大人に戻ったときに、大きく口を開けるようになっている気がしたんです。その感じは、三瓶さんが演じる十三の追い込まれたときの雰囲気とかを、うまく盗めたらなぁというか、活かせるようにしたいと思っていました。
──確かに、中学生を経験することで、大人のほうにも変化もあるはずですからね。では最後に、『キルアオ』の、ここからの見どころを教えてください。
武内:十三が、少年少女たちとの生活を経て、ある種、本当の自分を取り戻していくというか。その様子は、見ていてワクワクするなと思いました。人生に行き詰まった大人も、もう一度やり直してみたら、殺し屋じゃない人たちとも馴染んでいたりするんですよね。
女の子たちとの会話とかもそうですけど、それを大人十三としての目線で見ていると、彼が本当の自分って何だったんだろうと取り戻していっているような気がしたので、それをぜひ楽しんでいただけたらなと思います。
三瓶:中学生の中におじさんがいるって変じゃないですか。でもよく見ていると、次から次へ新しい刺客たちがやって来て、その刺客たちが変過ぎるから、おじさんが普通に見えてきたりするんですよね(笑)。そういうことが本当にいっぱい起こるので、飽きずに楽しく観られる作品だと思います。キャラクターがたくさん出てきて、疲れちゃうくらい面白いので、いっぱい笑って、週末を楽しんでいただければと思います。
[文・塚越淳一]


































