2.5次元
舞台『gift』横田龍儀×前嶋 曜×廣野凌大インタビュー

「色々な感情を持ち帰っていただけたら嬉しいです」──舞台『gift』メグミ役・横田龍儀さん×椎橋壮馬役・前嶋 曜さん×柚原隼人役・廣野凌大さん鼎談インタビュー

TOKYO MX、BS日テレで放送され、好評を博したドラマ『gift』。かねてより舞台連動企画であることが告知されていた本作ですが、2026年7月17日より品川プリンスホテル ステラボールで舞台公演が上演開始となります。

舞台公演は、夏目 奏役・染谷俊之さん、秋葉浩太役・和田琢磨さんほかドラマ版キャストが続投。脚本・演出は舞台『忘却バッテリー』『HUNTER✕HUNTER THE STAGE』などを手掛けた山崎 彬さんが務めます。

今回は舞台稽古真っ初中のキャスト陣にインタビューを実施。メグミ役・横田龍儀さん、椎橋壮馬役・前嶋 曜さん、柚原隼人役・廣野凌大さんの鼎談をお楽しみください。

考察がどんどん膨らんでいくような、深みのある作品

──現在の稽古の様子についてお伺いできればと思います。実際に稽古が始まってみていかがですか?

メグミ役・横田龍儀さん(以下、横田):順調です。全体的なシーンの演出をつけていただき、ここからはお芝居をさらにブラッシュアップしていく段階に入っています。稽古場の空気感としても、先輩方がすごく率先して良い雰囲気を作ってくださっています。

柚原隼人役・廣野凌大さん(以下、廣野):ほんとにそうかなぁ……?(笑)

横田:してるでしょ!(笑) 安定感のある稽古場だなと思います。若さゆえの起伏もなく、非常に落ち着いていますね。このシーンをやるとなったらグッと気合いを入れて取り組み、それ以外はおじさんたちがお煎餅を食べているかのような、すごく緩やかな時間が流れています。緩急があって、締めるところは締める、メリハリのある素晴らしい稽古場です。

──素敵な環境ですね。前嶋さんはいかがですか?

椎橋壮馬役・前嶋 曜さん(以下、前嶋):僕も同じように感じています。僕はドラマ版には出演していなかったので、共演経験のある方も少ない中でこの座組に入ったのですが、すごくバランスが取れていて心地いい空間だなと感じています。

──続いて、皆さんがそれぞれ感じる舞台版の「見どころ」について教えてください。

横田:本作は「能力」が存在する世界を描いていて、現実とは異なる設定ですが、その能力を持ってしまったがゆえの葛藤や、そこから生まれる人間ドラマが見どころだと思います。

──メグミは、ドラマ版と舞台版でかなり印象が変わるキャラクターになるかもしれません。

横田:変わるかもですね! また、舞台だからこその殺陣(たて)のアクションシーンも大きな見どころです。

廣野:そうですね。龍儀くんの言葉を補足すると、能力ものですが意外とエンタメ系に全振りしているわけではないんです。能力を手にしたがゆえの葛藤や、それを保持しようとする僕の演じる柚原のような存在がいたりと、様々な視点から描かれています。歌やダンスのあるミュージカル系ではない、潔いストレートプレイです。

あえてそのストレートな舞台で、アクション and 会話だけで成り立たせるというのは、意外と難しいこと。ミュージカルはある程度、ダンスや歌、照明、スタッフの皆さんの力で華やかに見せやすい部分がありますが、会話劇は役者自身の息遣いや生身の状態を上手く使わないとチープに見えてしまうんですよね。能力ものとしての派手さを見せるために、自分たちの会話や息遣いが大きく左右する舞台なので、演じていてすごく楽しいです。

──かなりシリアスな空気感になりそうですね。

廣野:そうなんですよね。しかもありがたいことに、僕の演じる柚原はかなり強いキャラクターなので、演じていて非常に楽しいです。僕がアクションを仕掛けると、周りの先輩たちが飛ばされるように吹っ飛んでくれるので「嬉しいな」と思いながら気持ちよくやらせていただいています(笑)。ありがたい役どころです。

──前嶋さんはいかがでしょうか?

前嶋:今作の構造として、能力者たちを「警察」と「テロリスト」に大きく分けた分かりやすい対立構造になっています。その中で、各キャラクターの裏の顔や、感情が大きく揺れ動くシーンが見どころです。物語が進むにつれて、どんどん重厚で深い人間ドラマが展開されていきます。

個人的には、台本を読んだ段階から夏目(奏)と秋葉(浩太)の生き方というか、関係性にエモさを感じていました。実際の稽古で、染谷さんと和田さんのお二人の芝居を拝見していると、長年連れ添った「熟年夫婦」のような空気感が絶妙な距離感で漂っていて。見ていて心地よくて、そこも大きな見どころだと思います。

──夏目と秋葉特有の距離感が表現されていると。

廣野:嫌味にならない程度に。

前嶋:絶妙なんですよね。

──今作の舞台で、ご自身が惹かれる、または注目してほしいキャラクターは誰ですか?

横田:僕は遠野(亮)さん(演:椎名鯛造)ですね。ドラマ版でも謎が多かったキャラクターですが、この舞台版で彼のバックボーンや謎が暴かれていきます。さらに、遠野さんはものすごい量の殺陣を担当されているんです。遠野さんの殺陣はめちゃくちゃ綺麗で格好良いので、僕のお気に入りのキャラクターです。

廣野:僕は夏目卓さん(演:藤田玲)です。僕の演じる柚原としては一番敵対する相手になります。今作には、僕たち柚原の能力者側、警察側、そしてどちらにも属さない夏目や秋葉たちの主人公側という3つの陣営があり、夏目の血を巡る争奪戦が繰廃り広げられます。

その核になる卓さんを演じる玲さんとは、公私ともに仲良くさせていただいているので、良い意味で遠慮なくバチバチしてボコボコにし合えるといいますか(笑)。

横田:こっちがヒヤヒヤするようなシーンもあるからね(笑)。

前嶋:「玲さんにそんなことして大丈夫!?」って(笑)。

廣野:(笑)。玲さんは別の舞台での共演もあったので長い付き合いなんです。そのときは仲が良い役だったのですが、今回はバチバチにやれるので楽しみですし、早く皆さんに観ていただきたいです。

──前嶋さんはどうですか?

前嶋:僕はメグミさんです。決して「強いキャラクター」というわけではなく、血を吐くシーンなどもあって一見弱々しく見えるのですが(笑)、すごく繊細で自分の強い信念のもとに動いている。転んでも立ち上がって突き進んでいく姿は、見ていて心を打たれます。僕が演じる椎橋の感情を動かしてくれるキャラクターでもあるので、とても好きなキャラクターです。

──敵対はしつつも、メグミの存在が椎橋に大きく影響してきます。よく考えると、メグミも椎橋も劇中で血を吐くキャラクターですね。

横田:血吐きコンビですね(笑)。

前嶋:空咳で喉を痛めがちです(笑)。

横田:そのあたりも頑張っています!

──まだ少しお時間がありますので、今作のアクションや劇場のセットについてもお伺いできますか?

廣野:遠野と僕がやり合うとあるシーンがあるのですが、そこは二人とも動けるのでかなりバチバチなアクションになっています。しかも、アクション監督の加藤学さんが僕たちを信頼してくださって、今回の劇場のセットを活かしたかなり派手な殺陣をつけてくれました。普通に見ていても「おお!!」となるような、スリリングで見応えのあるセットの駆け回りがあります。

今作の劇場(品川プリンスホテル ステラボール)は横に広い構造なので、セットの使い方もすごく面白いです。客席を広く使ったり、舞台前方に新しいステージを作ったりと、見やすさのための工夫が随所に凝らされています。

──ドラマとは違う魅力のひとつですね。

廣野:アクションの角度も、180度ではなく270度、ほぼ全方位から見られることを意識して、どこから見てもフィクションとして冷めないような角度の計算を徹底しています。ストレスなく楽しんでいただけると思います。

また、今回、僕が舞台版のために新曲「Voice」を書き下ろさせていただきました。秋葉の「声」を象徴するような、ドラマ版とも連動した楽曲です。頭の中で声がリフレインし、それによって自分が揺れ動かされていく……という内面的な部分に焦点を当てて作っています。舞台を観た方は秋葉や夏目、それぞれの登場人物に照らし合わせて聴くと面白いですし、純粋に楽曲単体としても、少し恋愛感を含んだ幅広いアプローチで楽しんでいただけるバラード風の曲になっています。

横田:本当に何でもできるな!

廣野:だからこんな態度でいられるんです(笑)。

前嶋:僕たちはいつ聴けるんですか?

廣野:もう共有しているので、ぜひ楽しみに(笑)。

──ありがとうございます。それでは最後に改めて舞台の見どころを教えてください。

横田:ドラマ版ではどういう結末になるのか分からなかったというお客様も多かったと思いますが、この舞台版で色々な答えを見つけられると思います。様々なキャラクターに自分を照らし合わせて、色々なことを考えられる作品です。非現実的な能力の世界ではありますが「もしこれが現実になったら」という視点を意識して観ていただけると、より一層楽しんでいただけると思います。

僕たちも舞台上でリアルに演じていきますので、ぜひ何度も劇場に足を運んでいただき、色々な感情を持ち帰っていただけたら嬉しいです。劇場でお待ちしております。

前嶋:観終わったあとに心地よい余韻と「あそこはどういう意味だったんだろう」という考察がどんどん膨らんでいくような、深みのある作品に仕上がっていると思います。ぜひ楽しみにして劇場へお越しください!

【取材・撮影:M.TOKU 編集:西澤駿太郎】

公演概要

【スケジュール】
2026年7月17日(金)▶▶▶7月27日(祝・月) 全16公演

【劇場】
品川プリンスホテル ステラボール
〒108-0074 東京都港区高輪4丁目10-30
新幹線/JR山手線/東海道線/横須賀線/京浜東北線/京急線品川駅高輪口より徒歩5分

【チケット】
イープラス
ローチケ

公式サイト

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