
高道を演じる際に意識した“バランス”を支えた“さじ加減”──TVアニメ『鬼の花嫁』連載インタビュー第8回 荒鬼高道役・坂 泰斗さん
「聞いて、話して」の呼吸
──本作ではたくさんのキャラクターが登場しますが、高道以外で気になるキャラクターや、好きな関係性があれば教えてください。
坂:にゃん吉と透子の関係性がとても好きです。花嫁とあやかしという組み合わせは玲夜と柚子もそうなんですが、あの2人にはまた少し違う色があるんですよね。アフレコの時に後ろで聞いていても、テンポ感や距離感から2人の関係性がよく見えてくるんです。頼りになるし、普通に会話しているようで、なんだかんだイチャイチャしているし(笑)。
もうひとつ上の段階に進んでいるような安定感があるというか。明るい2人ではあるんですが、意外とちゃんと物事を冷静に見ているところもあって。その空気感がとても好きですし、玲夜と柚子のロマンスとはまた違う色合いだからこそ、お互いの魅力が引き立つんだろうなと思います。
──アフレコ現場の雰囲気についても教えてください。
坂: 現場の空気感はとても良くて、休憩中の雑談もよく盛り上がっていました(笑)。印象に残っているのは、玲夜が柚子に、1歳から出会うまでの誕生日プレゼントを贈ったエピソードの話になった時で、「すごいよね」「これ、全部玲夜が考えて書いてるんだもんね」なんて、みんなで盛り上がったりして。
ただ、収録が始まるとしっかり緊張感があって、そこはなあなあにしないんです。引き締まった空気感の中でアフレコができていたんじゃないかなと思います。
──共演者の皆さんのお芝居から、刺激を受けたことがあれば聞かせてください。
坂:この作品ではそれぞれが主張しすぎないんですけど、一人ひとりのキャラとしてお芝居はしっかり確立されているんですよね。
もっとわかりやすくキャラ性を立てることもできると思うんですが、どちらかというとすごく現実的なお芝居で「こういう人いるよね!」と自然に思えるような……。あやかしを描いた作品なのに、すごく等身大に感じられるんです。
現代が舞台かつ、バトルものでもなく会話劇がメインの作品だからこそ、細かな「聞いて、話して」の呼吸がとても大事になってくると思うので、皆さん本当に流石だなと感じました。
──ここからは、作品にちなんだ質問です。あやかしは本能で花嫁を選びますが、坂さんご自身は直感を日常の中でどれくらい大事にされていますか?
坂:僕は、直感で選ぶのがあまり得意ではなくて……。たとえば靴を買う時も、1カ月くらいお店に通うんですよ。自分へのご褒美にと思って見に行くと、「これだ!」と思うものにはちゃんと出会うんです。買うなら絶対これだとわかっているのに、一回持ち帰って考えたくなってしまって。「本当にいるか?」「今の自分に必要かな?」って、つい慎重になっちゃうんですよね(笑)。
試し履きして「いいな」と思いながら少し歩いてみても、「今日はやめて、もう少し考えようかな」って。それを1カ月くらい繰り返すので、店員さんにもすっかり顔を覚えられて、「今日もお試しですか?」「お願いします」みたいなやり取りをしているくらい、即決はあまり得意じゃないんです。
でも、今年はそこを少し変えたいなと思っていて。「これだ!」と思えたものには、多少失敗を恐れずに飛び込んでみたいなと思っています。
──本作は、柚子と玲夜の出会いから始まるロマンスが大きな軸になっています。ご自身のこれまでを振り返って、「この出会いが自分を変えた」と感じるような大切な出会いがあれば教えてください。
坂:関わらせていただいた作品はどれも大切なんですが、個人的にいち視聴者として観ていて一番価値観が変わったのは『ばらかもん』ですね。
出会ったのは、まだキャリア1年目くらいの頃だったかな。何者でもない自分とか、何をしたらいいかわからない感覚とか、「自分らしさって何だろう」というテーマが歌詞にも描かれていて、自分の考え方を大きく変えてくれたんです。
競争社会の中にいた主人公が田舎に帰って、「書道において何をもって良しとするのか」「評価されるとはどういうことか」と自分を見つめ直していく。その過程がすごく響きました。
テーマソングの「らしさ」(SUPER BEAVER)は今でも悩んだ時に聴きますし、自分にとって本当にターニングポイントになった作品です。今でも立ち返って読んだり観たりする、大切な作品ですね。
──最後に、第7話まで観てくださった視聴者の皆さんへメッセージをお願いします。
坂:改めまして、荒鬼高道役の坂 泰斗です。第7話まで観ていただき、ありがとうございます。桜子が登場して「ここから何が起こるんだろう?」と思わせる波乱があったり、以前見せた高道の本音がまだ解消されていなかったりと、まだまだ乗り越えるべき壁が多い状況ではあるのですが、ここから物語は一気に動き出します。
玲夜と柚子の関係性はもちろん、周囲の人々が玲夜たちに抱く思いも含めて、ここからぐぐっと進んでいきますので、ぜひこの先も『鬼の花嫁』を楽しんでいただけたらうれしいです。
『鬼の花嫁』作品情報
2026年7月4日(土)24:30~よりTOKYO MX/BS11ほか全国12局にて順次放送中!
dアニメストア・ABEMA・U-NEXT・アニメ放題にて地上波同時・最速配信!
その他プラットフォームでも順次配信開始
あらすじ
優れた能力と容姿を持つ“あやかし”は日本の中核を担っていた。
そんな絶大な権力を持つ“あやかし”は本能で運命の「花嫁」を見つけることができ、その「花嫁」に選ばれることは女性の憧れであり、名誉なことだった。
平凡な高校生・東雲柚子は、妖狐の花嫁である妹・花梨と比較され、家族にないがしろにされながら育ってきた。
ついに心が破れた日、柚子は偶然、類まれなる美貌を持つひとりの男性と出会う。
「見つけた、俺の花嫁」
彼の名は鬼龍院玲夜、“あやかし”の頂点に立つ鬼だった。
──この出会いから、柚子の運命が大きく動きだす。
キャスト
(C)クレハ・富樫じゅん・スターツ出版/「鬼の花嫁」製作委員会
































