Kalafina初のワンマンライブ開催!秋には新曲!冬には横浜BLITZでのライブも決定!熱気に包まれた会場を誌上大再現!
女性3人のボーカルユニットのKalafinaが8月26日、東京・shibuya O-EASTにて『Kalafina LIVE 2009“storia”』を行った。ワンマンライブは5月19日に『クローズドプレミアムライブ』を実施しているがCD購入者を対象にしたライブであり、今回が正式な初のワンマンライブとなる。
チケットはソールドアウトし、会場では「譲ってください」のボードを持つ人が何人もいるほどのプラチナチケットになった。また女性専用ゾーンも設けられたが入りきれず、入場者の男女比もほぼ半数ずつと幅広い人気を裏付けた。
最新シングル「storia」や先日、第七章が公開されたばかりの『空の境界』のテーマ曲の数々に、この秋発売の新曲も披露。更に次回ライブが12月27日、横浜BLITZにて開催されることも発表された。
●ライブタイトルチューンの「storia」からスタート
開演すると空に雲が流れる広大な景色の映像がスクリーンに流れ、鈴の音とピアノの音色がやさしく響くovertureと共にKeikoさん、Wakanaさん、Hikaruさんが最新シングル「storia」のジャケット&PVで着た衣装で登場。歌うのはもちろんライブのサブタイトルにもなっている「storia」。プロデューサーの梶浦由記さんが音楽を手がける歴史番組『歴史秘話ヒストリア』のテーマ曲のカバーで3人の奥深く広がるコーラスは雄大な時と幻想的な恋物語を奏でるオープニング。ストリングスの音が優しく、切ない。
ドラムスティックのカウントでアッパーチューンの「love come down」へ。パワフルできれいなボーカルとコーラスを発しながら3人の表情は笑顔満面で楽しそう。5月のプレミアライブの時は最初、緊張気味だったがすっかり会場のテンションを引っ張り上げる。
●序盤で早くも大興奮のメンバーと観客
最初のMCコーナーのあいさつではKeikoさんが「このステージが皆さんの夏の思い出になるように頑張ります」、Wakanaさんが「もっともっとKalafinaのことを好きになってほしいです。今日は最高の夜にしましょう!」が興奮を隠し切れない様子だが堂々としている。3人の中では比較的におとなしめなHikaruさんは「今日はお会いできて嬉しいです。よろしくお願いします」と言うと、客席に向かってピースサインを右から左に突き出す姿にも驚く。しかし「overtureの鈴音を聴いただけでドキドキして、そこにみんなの温かい声を聴いたら余計に緊張しました」と話すWakanaさんに、すかさずツッコミを入れるKeikoさん、横で微笑むHikaruさんと、いつもどおりでちょっと安心。
●3連続のミディアム曲で美しくも切ない歌声に酔う
8月末で秋口のような気候だったこの日、「夏の終わりと言えばこの曲です」と紹介してミディアム調の「夏の林檎」は夏の終わりと過ぎた恋を思い出させる甘酸っぱさを感じる。続く「君が光に変えて行く」はバラード曲で情感たっぷりに歌い、会場も歌声にただ酔いしれた。歌い終わるとWakanaさんが「『君が光に変えて行く』はファーストシングルのカップリングで思い入れのある曲です」と説明し、「ピアノとKeikoの声で始まるこの曲が私は好きです」と言うとWakanaさんもKeikoさんもお互いに照れくさそう。「初期の曲を歌うとここまで長かったような、短かったような。レコーディングで声が震えて歌えなかったのはこの曲が初めてでした」(Keikoさん)、「歌詞も胸に刺さるよね」(Wakanaさん)と思い出を語った。次の「Seventh Heaven」は『空の境界』第七章の主題歌であり、ファーストアルバム『Seventh Heaven』のラストを飾る曲をしっとり歌う。「Lacrimosa」までバンドの刻む音は激しいが物悲しさを感じさせる曲が続いた。
●CG映像も使った幻想的な演出
「Lacrimosa」を歌い終わるとステージ全体を白い幕が覆う。するとその幕には森林を立体的に描写した映像が映し出され、「fairytale」に。神秘的な歌詞はおとぎ話そのままでその世界観を描いた映像になっていた。曲が進むと白い幕が落ち、白と黒を貴重にした新たな衣装に着替えた3人が姿を現し、続くフレーズを歌う。不思議なシーンだ。残響が残る間にドラムのカウントが刻まれると、ストリングスのイントロで客席の人波が徐々に揺れ動き始める。美しいハーモニーと激しいビートの融合でインパクトを与え、代表曲となった「oblivious」で会場のムードも湧き上がる。
●トークコーナーでは夏の思い出を語る
もの寂しさを感じさせる「傷跡」の後には、パフォーマンスとのギャップが楽しいと評判のトークコーナー。いきなり「クイズを出します」とぶち上げるWakanaさんに驚くKeikoさんとHikaruさん。Wakanaさんは早くもマイペースぶりを発揮する。それぞれ夏の思い出をテーマに話し始める。「小学生の時の自由研究で名水100選のうちの4カ所をまわって、味や色、効能を調べたんですけど、正直、水って色とか味ってほとんど同じで甘いとかおいしいくらいしか書くことがなくて」(Hikaruさん)、「夏祭りの盆踊りで必死にやっていたら周りの小学生が私をお手本にし始めて。そこで金魚すくいをやった時の金魚を今、飼ってます」(Wakanaさん)、「今年の夏はアイスクリームとリハーサルしかなかった。リハ後に3人で一緒に帰る時、Wakanaが歌い出して、私がハモって、Hikaruは横で見てました(笑)」(Keikoさん)。
●今後も精力的なライブ活動を約束
“梶浦語”と呼ばれる独特の言葉を、ワールドミュージックっぽいコーラスでハモるイントロから入る「serenato」から後半戦に突入。「また風が強くなった」、「音楽」とアグレッシブなサウンドが続くと右肩上がりのテンションで場内の人波の揺れ方も激しくなる。その雰囲気に感化された3人のボーカルとコーラスワークは更にキレまくる。歌の直後、息も整わぬ間にKeikoさんが「こういう一体感が生まれる曲はいいね!」と話すとHikaruさんがうなずく。Wakanaさんが「みんな、熱くない?」と会場に問うと「熱い!」の声。その様子をうれしそうに見ながら、「ライブ活動を始めて、私達の音楽を聴いてくれている人がいると実感できるようになりました。今日のライブもうれしかったです。この勢いを止めないように頻繁にライブを続けていきたいです」とKeikoさんが語ると温かい拍手が起こる。最後はミディアムナンバーの「明日の景色」を万感の想いを込めて歌った。
●新曲&次回ライブ発表に会場も歓喜
アンコールではライブTシャツを着て、ラフな衣装で再登場。ピアノの伴奏と3人のボーカルのみのバラード曲「Gloria」ではプレーンな3人の歌声に酔いしれる。ギター、ベース、ドラム、キーボード、バイオリン、マニュピュレーターの6人のサウンドサポートメンバーを紹介した後、「大好きなみんなにお知らせがあります!」と切り出すと、次回のワンマンライブを12月27日、横浜BLITZで行うことが発表された。更に秋にリリース予定の新曲「progressive」もここで初披露。矢継ぎ早の発表に場内も大喜び。「progeressive」は曲名通り、力強いボーカルでアップテンポなロックチューンでライブ映えする楽曲。ストリングスも随所に効いたナンバーでCD化の際、どんな完成形になるのか、楽しみだ。ラストの「sprinter」でもスピードを緩めず、一気にスパート状態。初のワンマンライブを全力で走り切った。
●12月27日のワンマンライブは2009年のKalafinaの総決算
ステージを最後まで見守っていたプロデューサーの梶浦由記さんも、3人の成長する姿に目を細めていた。春にアルバムをリリース後、この日まで多くのステージ、精力的なライブ活動を繰り広げてきたKalafina。5月のプレミアムライブでは緊張も感じられた3人だったが、この日は1曲目から最後まで笑顔で歌い続けた。多くのステージとお客さんと接することで、自信と手応えを感じたのではないだろうか。12月27日に横浜BLITZで行われるワンマンライブだが、ほぼ1年前は梶浦さんのライブのオープニングアクトだった。今回は正真正銘のメインアクトで、2009年のKalafinaの総決算とも言える。このライブを観ずしてKalafinaは語れない!
>>Kalafina公式サイト
<SET LIST>
1.overture~storia
2.love come down
3.夏の林檎
4.君が光に変えて行く
5.Seventh Heaven
6.lirica
7.Lacrimosa
8.fairytale
9.oblivious
10.傷跡
11.serenato
12.ARIA
13.また風が強くなった
14.音楽
15.明日の景色
ENCORE
16.Gloria
17.progressive
18.sprinter