声優
『PEACE MAKER 鐵』油小路篇DVDキャストインタビュー

仲良し3人組に訪れる最期のとき――「『PEACE MAKER 鐵』油小路篇DVD ANiMiX ver.」アフレコ現場にて山口勝平、乃村健次、鳥海浩輔に直撃インタビュー!!

 黒乃奈々絵先生原作の漫画『PEACE MAKER 鐵』(マッグガーデン 刊)より、随一の人気を誇るエピソード「油小路篇」がはじめて映像化され、それを収録したDVDが2013年5月31日(金)にリリースされる。

 漫画の原稿をそのままムービー化し、セリフや効果音を加えたコミックムービー“ANiMiX(アニミックス)”という手法での映像化であり、登場するキャラクターたちを演じるのはドラマCDやアニメと同じく山口勝平さん(永倉新八 役)、乃村健次さん(原田左之助 役)、鳥海浩輔さん(藤堂平助 役)だ。

 今回、アフレコ終了後の3人にインタビュー。ANiMiXという新しいメディアについてや本作の魅力、そして「油小路篇」のポイントとなる“あること”についてもお聞きした。

――アニメのようなメディアでのアフレコというのは何年ぶりになりますか?

山口勝平さん(永倉新八 役/以下、山口):今回のように、絵のあるものに声をあてるのは10年ぶりくらいだと思います。役を演じるという意味では、2010年に単行本6巻が出たときに特典CDで久しぶりにやりました。

――今回はアニメのような形をしていながらもちょっと違うANiMiXという手法でのアフレコでした。このANiMiXについてどのように思いましたか?

山口:漫画をそのまま映像にする、ということだったので、絵自体はまったく動かないで吹き出しがついている状態でアフレコして、それに声をあてるのかな?と思ったんですよ。それで最初に映像を見せてもらったら「普通にアニメじゃん?」って思うほど動きまくってました(笑)。コミックとも違うし、アニメとも違うし、でも動いているし、みたいな。でも何より、絵が綺麗だったことにビックリしました。

乃村健次さん(原田左之助 役/以下、乃村):アニメと違う部分っていうのがそんなにわからないくらい口パクもありましたよね。

山口:あんなに口パクなくてもいいのに!って思った!!

乃村: (笑)。僕の場合だとバックショットが多かったんです。漫画と同じ角度でしゃべっていますから、僕はしゃべりやすかったですけど尺が決まっているので、セリフによっては結構つらいシーンもありました。勝平さんは大分つらかったんじゃないですか? 巻いて巻いて……って感じでしたよね?

山口:そうそう(笑)。でも最初だけね。はじめの部分はちょっと早口でしたけど、それは火急の用を告げるという内容的なもので巻いてしゃべったので……。聴いていても特に違和感はないと思いますよ。

乃村:尺にあわせてしゃべるとか、絵が動くとか、そこに感情を入れるとか……。本当にアニメと変わらないです。

鳥海浩輔さん(藤堂平助 役/以下、鳥海):僕はANiMiXというメディアに参加するのは初めてだと記憶しているんですが、僕も最初はもうちょっと紙芝居風というか、そんなに動かないだろうと油断していたんです。だから、まさかあんなに口が動くなんて思いもしませんでしたよ(笑)。特に最後の方なんて息も絶え絶えで喋っているんですけど、そこにもちゃんと口パクがあるっていうね(苦笑)。家でリハーサルしていたときに「これは口パクにあわせられないな…」って思ったので、現場でどうにかしてやろうと。そうしたら現場でどうにかできました。集中力かな?(笑)

山口:アフレコ前にアニメイトさんのサイトにアップされている「油小路篇」のPVを見たんですけど、それを見てビビりましたもん。「すっごい動いてる……!」って(笑)。

鳥海:想像していたもの以上の出来ですよね。だから、さっきから言ってますけど、本当に普通のアニメと変わりません。僕たちがアフレコした段階で、すでに絵が全部できあがっていましたし、とにかくすごいです。

――作中で印象的だったシーンや見どころについて教えていただけますか?

鳥海:全編クライマックスですからね……。

山口:そうそう。だから、これはもう全編が印象的で見どころです。だって、僕らのなかではこのエピソードはかなりしんどい話でしたし、準備段階からきつかったんですよ。やってみると本当にしんどくて……。そういう意味でも印象的ですよ。

乃村:彼らは“三馬鹿”と言われていて、基本的におもしろいシーンがメインなんですけど、いきなりどシリアスな場面から入っていくので、「なんかペースがつかめない……」って思いながらアフレコしてました(苦笑)。でも途中でノリツッコミの場面があると、「あぁこれこれ!」って思って、ペースが取り戻せました。どシリアスななかにワンクッション、そういうおもしろいシーンがあったのでよかったです。

鳥海:今までだとこの3人が登場する場面で、ここまでシリアスなものってなかったんですよ。楽しい思い出しかないんです。

山口:だから余計に絵を見ているだけでね……。

鳥海:そうなんですよね。絵を見ているだけでグッときてしまう感じだったので、どこか1か所が印象的というよりも全編通して印象的ですし、見どころです。

山口:『PEACE MAKER 鐵』の絵のあるメディアで声をあてるのは久しぶりだったので、「昔、どう演じていたかな?」とスタジオに入るまでは考えていたんです。でも、僕らがやっている仕事はキャラクターのイメージを守ることではないですから。特にこれだけ長い期間、アニメから時間が経つとそう思います。

 「前はこうしゃべっていたから、必ずこうしないといけない。前と同じじゃないとダメ」ということではなく、「今、何を感じるか」「今、新八、左之助、平助の3人がやりあったときにどういう思いが残るか」なんですよ。だからそういう意味では現場に来て、このメンバーに会って一緒にアフレコすればちゃんと演じられるだろうと思って。実際にアフレコしてみたらどうにかなりましたし。僕たちも出来上がったものを早く見たいです。

――エピソード的にも斬り合うシーンが多いですが、アクションシーンでもかなり動きがあるのでしょうか?

鳥海:じつはそこまで多くないです。

山口:アクションシーンはやはりアニメとは違います。アニメなら動きまくりますけどね。でも、求めるものが違うのかなと。今回は、話をじっくり見せるということが主目的だと思うんですよ。だからこそ、原作絵がそのまま動くANiMiXが向いているのかもしれません。

鳥海:戦いのシーンは相手に斬りかかるまで……みたいなのはあるんですけど、実際に真剣に斬りあうシーンはアクションとしてそこまでありません。だから、勝平さんのおっしゃるように、会話をじっくり見せる、聴かせるというのが目的なんでしょう。

乃村:ですので、戦うところを求めるというよりもキャラクターたちの会話をメインに見てもらえればいいかなと思います。

――『PEACE MAKER 鐵』の前作である『新撰組異聞PEACE MAKER』から見ると、シリーズはすでに15年以上続いています。その間、ドラマCD化、アニメ化、舞台化、ドラマ化と、さまざまなメディア展開をし、今回はANiMiXという新しいメディアにも参入しました。ここまで展開するのは魅力的な作品だからこそだと思いますが、演じていらっしゃるみなさんが感じる作品の魅力とは何でしょうか?

山口:先生の絵に魅力があることはもちろんですが、市村鉄之助を主役に添えた、というのが今までの新撰組を題材にした作品にはなかったのでそこが魅力的だったのかなと。土方の小姓で、一緒に五稜郭まで行くものの、最後に伝令として帰れと言われた――歴史でもその程度しか触れられていない人にスポットを当てて、彼を主役にした、というのが新しかったんですよ。他の新撰組ものとは違う切り口である分、全然違う魅力があって、新撰組もののなかでも独特な位置に立つ作品になったのではないかと思います。

乃村:新撰組とはまた違うところに視点をあてているんですけど、歴史の本筋はちゃんと追っているところに魅力を感じるのかなと思います。

山口:アニメをやっているときから僕らも夢中で原作読んでたよね。アニメの方に目を向けると、その当時だからこそ出来たキャスティングだったと思うんですけど、すごく重厚でやっていて楽しいという記憶が残っています。マイクの前で役者同士の刀である演技をぶつけあって、真剣勝負をしたなかで出来上がった作品だったなぁと思います。

鳥海:キャラクターを膨らませやすかったですね。アニメにするにあたって、原作を忠実に踏襲することにこだわりすぎていないし、ある程度は自由だったので、演じていてすぐにキャラクターが動きだした気がします。

乃村:キャラクターの個性も本当に強かったですし。

鳥海:原作でちゃんと味付けがあったからこそですよね。

乃村:キャラクターに乗っかれたし、乗っかりやすかったと思います。

鳥海:それはやっぱり先生のキャラクター作りが上手なんだろうなと思います。

――お話は変わりますが、今回のエピソードは3人の男の友情が力強く描かれていると思いますが、みなさんにとって「男の友情」とはどういうものでしょうか?

鳥海:女性にはわからないと思いますよ(笑)。話しても理解してもらえない部分が多いですし。男の友情って、ある意味、女の人を置いておいても優先してしまうようなものもありますし。

山口:変な話、恋愛に似ているような気がします。精神的なところでの恋愛というか……本当に変な表現になってしまうんですけど。

乃村:僕が思うに、すべてを言葉にしなくても伝わるし、ちょっとしたことなら何も言わなくても相手にわかってもらえる、というか……。相手もわかっているだろうからわざわざ言わなくてもわかりあえているから確認もしない、というのが男の友情なのかなと。

山口:「言わないでもわかってよ~」っていうのがあるのかも。

鳥海:それもありますし、あとはいくつになっても子ども同士みたいなところがありますよね。女の人って、年齢を重ねると年相応の会話をすると思うんですけど、男はいくつになっても中学生くらいの会話しかしませんからね(笑)。そういう意味ではずっとガキっぽいままなんです。

山口:あんぽんたんだもん。

鳥海: (笑)。ストレートですしね。

山口:でも、じつは意外とロマンチストな部分もあったりしてね。現実を見たくないだけかもしれないけど(笑)。

乃村:あとは、腹を割るときは全力で腹を割って言いあいもしますし。

鳥海:そういう時って、ものすっごいケンカになりますよね。

山口:……最初に「男の友情は女性にはわからない」って言ってましたけど、ここまでの話を聴いてるとじつはものすごいわかりやすいね。

一同: (笑)。

――ありがとうございました。では最後にファンヘのメッセージをお願いします。

山口:いつかやりたいと思い続けてきたエピソードだったんですが、とうとう演じることになるということで、僕たちもリリースを待ってくださっているみなさんと同じ気持ちで原作を読んでいました。今回のエピソードが終わると、僕らも、そしてたぶん新八も左之も平助も、もうこれでやることはないかもしれない。だから、そういう意味では僕らも万感の思いをこめて演じた作品です。そんな作品だからこそ、みなさんにとにかく楽しんでもらえるのが一番の幸せですのでぜひ楽しんでください。

乃村:まさしく三馬鹿の集大成です。「三馬鹿のノリが楽しい」と言ってくれるファンの方が多かった印象がありますので、僕らも楽しみながらやりました。最後に1人いなくなってしまいますが、そこのシーンを含めてちょっとでもみなさんの心に残ればいいな、と思ってやりましたので、ぜひ見てください。

鳥海:最初にアニメ化されてから10年、「油小路篇」は個人的にもやりたいような、やりたくないような……ずっと複雑な気持ちを持ちながらここまできました。みんなでお酒を飲みながら「(「油小路篇」を)いつかやりたいね~」って何度も話していまして。でも、このエピソードをやる=終わってしまうわけで……。非常に複雑な心境でしたが、今、実際に演じ終わってみてこの10年間、きちんと彼らをまっとうしてあげられたのかなという気持ちになりましたし、ぜひみなさんにも彼らの最期を見届けていただきたいなと思います。

【商品概要】
◆「PEACE MAKER 鐵」 油小路篇DVD ANiMiX ver.

発売日:2013年5月31日(金)予定
価格:3,980円(税込)
全国アニメイト、およびマッグガーデンWEB通販にて限定販売予定
特典には、描き下ろしマンガ16P&描き下ろしイラストを含むオリジナル小冊子

【キャスト】
永倉新八:山口勝平、原田左之助:乃村健次、藤堂平助:鳥海浩輔 ほか


>>アニメイト「PEACE MAKER 鐵」油小路篇 特設サイト
>>株式会社マッグガーデン公式HP内 特設サイト

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