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『ハンガー・ゲーム』声優・山寺宏一さんが作品の魅力を徹底解説

『ハンガー・ゲーム』を勘違いしていませんか? ベテラン声優・山寺宏一さんが作品の魅力を徹底解説!

 前2作が全世界で空前のメガヒットを記録し、映画史にその名を刻む超人気シリーズとなった『ハンガー・ゲーム』。ついに突入する最終章は、打倒・独裁国家パネムのシンボルとして立ち上がった主人公カットニスの想像を絶する運命を2部構成で描き出す。この度、2013年『ハンガー・ゲーム2』全米年間興行収入第1位、2014年『ハンガー・ゲーム FINAL: レジスタンス』全米年間興行収入第2位という記録を成し遂げた今世紀最強のSFアクション超大作シリーズ激動の最終章PART1『ハンガー・ゲーム FINAL: レジスタンス』 (6/5公開)の日本語吹替版声優を務めた山寺宏一さんが本作について語った。

 山寺さんが、声で演じるのは、前2作でカットニスと同じ第12地区出身で第50回ハンガー・ゲームの勝者であり、カットニスとピータの教育係のヘイミッチ。本作では、物語が生存確率1/24のサバイバル・コンテスト<ハンガー・ゲーム>ではなく、反乱軍と政府軍との大地を揺るがす全面戦争へと発展していくなかで、プルータークと共に政府へのクーデターを画策していたことが明らかになる。

 
■山寺宏一さんが本作の魅力を語る!

──本作の見どころについて

山寺宏一さん(以下、山寺):これまで周囲の助けを受けながらも成長を遂げてきたカットニスですが、これまでの自分自身や愛する家族を守るための闘いから、反乱軍のシンボルとして民衆の為の闘いへと物語が大きく変化し、今まで以上に彼女自身の心の揺れや迷いが描かれています。それが本作の見どころのひとつだと思います。

▲カットニス・エヴァディーン(CV:水樹奈々)

▲カットニス・エヴァディーン(CV:水樹奈々)

 新たな武器を手にしてにやりと笑う根っからの戦士としての素質や強さ、一方で離ればなれになってしまったピータの映像が写った時に見せる不安げな表情、カットニスの色んな面を見ることが出来ます。彼女には、お化粧をして綺麗になるというのとは全く違う、戦士としての美しさがあって、革命のシンボルとなって信念をもって戦うときの恰好良さには本当に惚れ惚れとします。

 特に僕が面白いと思ったのはプロポと呼ばれるプロパガンダ映像を作るシーン。やれと言われてやるのではなく、心から闘志が燃えた時にこそカットニスには人々を感動させる力があるという場面があるのですが、わざと下手な演技と自然な演技、それを演じ分けたジェニファー・ローレンスは若いのにすごい女優さんだと思いますし、本当に大ファンです。

──本作のヘイミッチについて
山寺:今回、ヘイミッチがカットニスに「この中で本当の友達はお前だけだ」と告げるシーンがあるのですが、それはきっと彼の本音なのだろうと思います。最初は仕事として教育係を引き受けて、彼女を奮い立たせる作戦として色んなことを言ってきたけれど、今ではすっかりカットニスという人間に惚れ込んでいるように僕には見えます。

 これまでは正体のわからない酔いどれ男のヘイミッチでしたが、今回、その立場が判明して、背後にある壮大な計画も明らかになって、実はこれまでの酔いどれも演技だったのではないかとすら思ってしまったりして…。

 最初の方だけ観ると、今回ヘイミッチは出てこないのかなと不安になりますが、こうやってインタビューを受けているということは、ちゃんと出てくるということですので、数少ないヘイミッチファンの方はご安心ください(笑)

──メガヒットを記録している『ハンガー・ゲーム』シリーズの魅力とは?

山寺:単なる若者同士の殺人ゲームを描いたストーリーと思いきや、独裁政治の圧力や暴力に屈さずに民衆が立ち上がったり、ジェニファー・ローレンス演じるカットニスという素晴らしい女性の成長やロマンスなど、面白い要素がたくさん詰まっていて、メッセージ色も非常に強い。色々な魅力をうまい具合にミックスしている作品だからこそ、こんなに人気があるのだと思います。

 もちろん表面的に見ても楽しめますが、現代の様々な問題につながる部分があったり、根底は深いというのがこのシリーズの魅力です。また、それでいて若い世代にもわかるような内容になっている点も幅広い世代に支持されている要因ではないでしょうか。

 あとは俳優陣の魅力です。カットニスを演じるジェニファー・ローレンスはもちろん、ピータとゲイルもいまや大スターで、この作品とともに成長していると言っても過言ではない。僕が演じているヘイミッチも、ウディ・ハレルソンで、こういう役もやるんだという感じですし、何よりびっくりしたのはミュージシャンのレニー・クラヴィッツが衣装係として出ていたということです。最初は全然気付きませんでした。

 そして何よりもプルターク役のフィリップ・シーモア・ホフマン。残念ながら昨年亡くなり『ハンガー・ゲーム』が遺作となってしまった大名優ですが、本作でも非常に重要な役を演じていて、決して大げさな芝居をせず、とてもいい味を出しています。

 また、反乱軍側のリーダーであるコイン首相は、なんとジュリアン・ムーアです。第87回アカデミー賞で主演女優賞を受賞した彼女もいかにも強い人という感じではなく、自然で芯のある強さを演じていて、さすがオスカー女優だと思いました。ドナルド・サザーランド演じるスノー大統領も、シリーズを重ねるごとに静かな残虐性をどんどん増していて、だからこそ民衆やカットニスを応援したくなる・・・とにかく魅力は語り出したらきりがありません。

──これからご覧になる方へのメッセージ

山寺:『ハンガー・ゲーム』シリーズ一作目、二作目をご覧になった方は待ちに待ったという感じで当然観ていただけると思っておりますが、物語が大きく大きく変わる重要な1作ですので、今回も是非ご覧ください。『ハンガー・ゲーム』シリーズをまだ観たことがないという方は、ハンガー・ゲームのこと勘違いしていませんか?本当に深くて壮大なすごい物語、魅力溢れる作品ですので、是非一作目、二作目をチェックしてから、『ハンガー・ゲーム FINAL: レジスタンス』を観ていただきたいと思います。

 吹替声優として、もっともっとたくさんの方に観ていただきたいと思っております。観なきゃ損です!あれだけたくさんすごい作品がある中で全米年間興収No.1、そこには何か理由があるはずです!その理由をご自分の目で確かめてみてください!

■『ハンガー・ゲーム FINAL: レジスタンス』
 2015年6月5日TOHOシネマズ みゆき座他全国ロードショー!

【ストーリー】
 ハンガー・ゲーム記念大会の闘技場から救出されたカットニスが収容されたのは、昔起こった激しい反乱戦争の末、滅亡されたとされてきた第13地区の地下にある秘密軍事基地。そこではコイン首相率いる反乱軍が、自由で平等な新国家を建設するために打倒パネムの戦闘準備を進めていた。そこで、政府軍による空爆で壊滅状態となった故郷の惨状を知って胸を痛めたカットニスは、民衆の心をひとつにするための革命のシンボル=“マネシカケス”として、反乱軍を率い独裁国家に立ち向かう事を決意。

 しかし、政府の人質となってプロパガンダ番組に出演させられ、哀れにやつれはてたピータの姿を目の当たりにしたカットニスはショックを隠せない。やがて両陣営の緊張が高まるなか、反乱軍はピータ救出作戦を実行するが、その先にはカットニスを襲う更なる過酷な運命が待っていた…。

 


【スタッフ】
監督:フランシス・ローレンス(「アイ・アム・レジェンド」「コンスタンティン」「ハンガー・ゲーム2」)
原作:スーザン・コリンズ著 「ハンガー・ゲーム3 マネシカケスの少女」 (KADOKAWA刊)

【キャスト】
ジェニファー・ローレンス、ジョシュ・ハッチャーソン、リアム・ヘムズワース、ジュリアン・ムーア、サム・クラフリン、フィリップ・シーモア・ホフマン、ドナルド・サザーランド

次回作、 『ハンガー・ゲーム FINAL: レボリューション』11月全国ロードショー!
TM&(C)2015 LIONS GATE FILMS INC.ALL RIGHTS RESERVED. 
配給:KADOKAWA

>>映画『ハンガー・ゲーム:FINALレジスタンス』オフィシャルサイト

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