声優
続・劇場版『WUG 青春の影』ロングインタビュー【前編】

それぞれ違った感想と受け止め方――続・劇場版前篇『WUG! 青春の影』公開記念ロングインタビュー【前編】

 7人のアイドルがトップを目指して奮闘する姿を描くアニメ、そしてキャスト7人によるアイドル活動が並行して進行していく多次元プロジェクト、『Wake Up,Girls!』。アニメの新作は前後篇に渡る劇場版! 続・劇場版前篇『Wake Up,Girls! 青春の影』が2015年9月25日(金)より全国公開中です。それを記念して7人のメンバーによる計1万字超のスペシャルロングインタビューを敢行しました。

 2回に亘ってお送りする本インタビュー。まず前編となる今回は先日、大成功のうちに幕を閉じた2ndLiveTourと昨年に続いて出演した『アニサマ』などを振り返りつつ、劇場公開に先駆けてリリースされた主題歌シングル「少女交響曲」について、そして続・劇場版が決まった時の感想などを語ってもらいました。


■ 挑戦的なツアー、満を持しての『アニサマ』で成長と充実感いっぱいの夏

――ライブ活動も精力的なWake Up,Girls!(以下WUG)ですが、2ndツアー、『アニサマ2015』を終えた感想は?

七瀬佳乃役・青山吉能さん(以下、青山):昨年は『アニサマ』の後、ツアーの千秋楽という流れでしたが、今年はツアーが終わってからの『アニサマ』で、また続・劇場版前篇の主題歌シングル「少女交響曲」リリース直後でもあって私達にとって『アニサマ』はこの夏を締めくくるイベントになりました。だからツアーも初日の大阪からどんどんモチベーションも結束力も高まって、毎回100%を出してきましたがその質も高まっていく手応えも感じた、実りある夏を過ごせたと思います。

林田藍里役・永野愛理さん(以下、永野):今回のツアーはより挑戦的でした。前回のツアーよりも曲数が増えたし、歌う曲数を増やしたいという私達の希望を取り入れていただいて、その分、1人ひとりが責任感を感じながらパフォーマンスしてきたのでレベルアップできたかなと仙台の最終公演で実感することができました。その手応えを持って挑んだ『アニサマ』では全員が1つの魂になったみたいにまとまって、100%以上の力を出せた気がします。大きな達成感があって全員、笑顔で終われてうれしかったです。WUGが一番成長できた夏であり、また一つステップアップできたかなと思います。

片山実波役・田中美海さん(以下、田中):今回のツアーは前後篇に渡る続・劇場版公開が決まってからのツアーで公演数も増えたし、初めて福岡に行ったりと挑戦や初めて尽くしのツアーでした。みんな、声優としてWUG以外のお仕事もしているため、リハーサルを夜遅くまでやったりしましたが、集まれない分、それぞれが自宅で練習したり、努力しているのもわかりました。みんなで頑張った分、いいツアーができて、『アニサマ』でも最大限の力を出せて、7人いたからできたと思うし、ここ1番でのWUGの爆発力を出せました。そんなうれしくもあり、楽しい夏でした。

菊間夏夜役・奥野香耶さん(以下、奥野):2ndLiveTourでは前回よりも成長した姿を見せなきゃと気合も入りました。そして曲数も増えてより本格的なライブになることで、振付を覚えたり、やらなきゃいけないことも増えて、7人でレッスンする時間が限られる中、どこまでできるかという不安もあって。でも初日の大阪公演で「できる!」と。どの会場でもワグナー(WUGファン)さん達が熱くて、一緒に作り上げたツアーだったと思います。『アニサマ』はツアー後だったので完成度も高めて挑戦できたので全力で楽しむことができて、最高の夏になりました。 

久海奈々美役・山下七海さん(以下、山下):去年のツアーより練習時間が少なくて、集まれない分、個人個人で頑張らなきゃいけなかったけど、そんな不安があったからこそ「もっと結束力を高めていかなきゃ」とみんなの気持ちが1つになったと思います。1st以上のクオリティのパフォーマンスができたと思うし、7人の絆もいっそう強くなって、また印象深いツアーになりました。壁を乗り越えて臨んだ『アニサマ』だったので、いい緊張感でステージに上がれて、皆さんに楽しんでもらうために頑張ったのはもちろんだけど、私達自身も楽しめたし、改めてこの7人で良かったと実感できたステージを降りることができました。WUGとしての成長も見せられたかなと思います。

岡本未夕役・高木美佑さん(以下、高木):いい1stツアーができたという手応えを感じた分、今回はお客さんの盛り上がりや評価も落ちてしまうかもという不安もあったり、1stより2ndのほうが落ちるというような定説もある気がして、そんなモヤモヤを吹き飛ばしてしまうくらいのツアーにしよう!と、みんなが一丸になってレッスンから取り組んできました。ライブ後に「よかったよ」とか「成長したね」という声をたくさんいただいて、うれしかったし、充実したツアーになりました。去年の『アニサマ』は大きな舞台に立つプレッシャーやテンパるところがあって、私達なりの全力は出したけど「もっとできたはず」という悔しさもあって。

今年はみんなが楽しんで、悔いはないと思えるステージができてよかったです。そして劇場版を控える状況での「少女交響曲」の披露だったので、WUGに興味を持ってもらって、少しでも劇場に足を運んでくれたらいいなと思いながらパフォーマンスしたので、気持ちが伝わってくれたらいいなと思っています。

島田真夢役・吉岡茉祐さん(以下、吉岡):この夏の全てを捧げました。ツアーでは全4カ所で成長を見せられたかなと。それの集大成として、アニサマではわぐの今を多くの方にお届けできたかと思います。


■ 続・劇場版前篇主題歌「少女交響曲」を初披露した時に感じた大きな手応え

――続・劇場版前篇の主題歌「少女交響曲」の初お披露目はツアー初日の大阪でしたが、お客さんの反応はいかがでしたか?

青山:イントロが流れた瞬間に会場から「おおっ!」という声が湧き上がって。

奥野:一気に押し寄せるような。

高木:その歓声が心地よくて。

田中:みんなが待ち望んでいてくれたんだなと。

山下:1年半ぶりのシングルだったし。

吉岡:少女交響曲は、着替えの時に段取りを必死に頭の中で追っていた気がします。私の歌い出しが、ハモりからなので、そこばっかり練習していたのに、音を外して悔しかったです。緊張しすぎだなと思いました。意外とお客さんは初めて聴く曲なのにもかかわらず、乗ってくれていたことに驚きました。

永野:「少女交響曲」とカップリングの「素顔でKISS ME」だけじゃなく、5曲連続の新曲披露だったからみんなビックリしたと思います。


――「少女交響曲」のライブ映像を見ましたが、生でパフォーマンスするのは難しい曲ですね。

青山:そうなんです! 特にDメロは動きながらファルセットで歌うのってすごく難しいんですよね。失敗すると裏返ったり、頭が真っ白になりそうで毎回緊張して、「絶対ハズさない、ハズさない」と言いながら手はブルブル震えて(笑)。

永野:去年の7人だったら完成できていないような。歌もダンスも。1曲聴いて頂くだけでも成長感じる曲になったと思います。


■ みんなと自分達を勇気づけるメロディと歌詞、メンバーの個性も詰め込んだ「少女交響曲」

――「少女交響曲」の印象や聴きどころを教えてください。

永野:初めて聴いた時、ピアノの美しい旋律から始まるイントロなど素晴らしいメロディで、「WUGっぽくないかな?」と思ったら、サビで“パッパラパッパラッパ”と元気に明るくなって「WUGらしいな」と安心しました。

奥野:私も今までのWUGと違うなと感じました。現状から抜けだそう、次のステップへ進もうという気持ちがサウンドや歌詞だけでなく、劇場版のストーリーでも描かれていて。今まで高めでかわいい曲が多かったので、夏夜の声で歌うのが難しくて。

青山:私も(笑)。

奥野:今回はキャラ声でも歌いやすい曲なのでよかったです。

田中:歌詞も1番のAメロで“初めての恋でなかったらすべてを脱ぎ捨てるのに”やコーラスの“コクっちゃえちゃえちゃちゃえ”と恋の歌を連想させつつも“笑顔だけは今日もチャージして不安とぶつかる”とチアソングのようにも聴こえて。

高木:大サビの“いっぱい悩んだ日々は決して無駄じゃないから”も胸にぐっと来るんですよね。歌っている私達も勇気づけられているようで感動しました。

青山:ハイトーンのDメロは作曲の田中秀和さんが、私が小中高と合唱をやっていたことを知っていて、「このパートを作ったんだよ」と言ってくださって。曲をリリースするごとにキャラだけじゃなく、私達自身の要素も取り入れていただくようになって、パート分けにもそれぞれの個性が現れているし、リンクしているなと思いました。


■ キャラの成長を意識しつつ、自身のパートを歌う意味を考えたレコーディング

田中:レコーディングの時、「成長した歌い方をしてほしい」と言われてました。「実波ちゃんはかわいい歌い方をするけど、少し大人っぽくなった実波を出してみて」と。完成版を聴いた時には鳥肌が立ったし、劇場で流れたらきっと泣いてしまうだろうなと思いました。よっぴーのDメロから引き継いでの“ひとつひとつの音をフーガにしよう”を私と七海の最年少組で歌っていますが、歌っているところはぜひ聴いてほしいです。

山下:そのフレーズは「何でこのパートを私が歌うのかな?」と考えた時、作品の中で菜々美がWUGを辞めようと一度は決意したけど、1人ひとりが欠けてもいけない大切なメンバーなんだという気持ちを持てたからこの歌詞を歌っているのかなと。そう思いながらレコーディングしたのを覚えます。思えば曲名の「交響曲」も一人では奏でられないわけですよね。

永野:歌詞の中に“ドミナント”や“クリシェ”などの音楽用語も入っていますが、それぞれの言葉もしっかりと意味があり、歌詞の物語とつながっているのもすごいです。

吉岡:声の厚みというか…生ハモが、やはりこの曲の勝負どころかなと思います。ライブならではの臨場感がより感じられると思います。

青山:これまで歌ってきた曲はリリースされるたびに成長している気がしますがこの曲もそうで。「タチアガレ」は苦労した末に見つけた世界を開いて、「少女交響曲」は聴いた皆さんが「WUGに何かあったのかな?」と一瞬思わせつつ、成長を感じさせるサビにつながって、七海達のパートでゲートを作る振付があって、そこを通って一緒になってまた歌うところとか。

山下:エモいところとか、いろいろな部分がドラマチックな曲ですね。


■ ドラマ仕立てのMV、続・劇場版とリンクするシーンも!



――「少女交響曲」のMVはストーリー仕立てのドラマにような映像ですね。

青山:今回はオール東京ロケで、続・劇場版のように上京してきたWUGちゃんがコンセプトで、コインランドリーのシーンとかひとり暮らし感も。屋上のきれいな空の下で歌ったり。私達、屋上好きだよね(笑)。

一同: (爆笑)

青山:撮影の時は雨が降っていて、終わり頃に止んで、WUGらしい七色の虹がかかっていたのも素晴らしくて。

奥野:すごくきれいだったね。

山下:屋上で見ていたから独り占めしている感覚でうれしかったです。

高木:冒頭ほかで出てくる客席やステージは東京の野外音楽堂で撮影したんですけど、シリアスな表情を作るのが苦手で(笑)。

永野:赤い風船がいろいろなカットで飛んで行くのも意味深で。

山下:7つの風船が飛んで行く意味は?とか。

田中:続・劇場版とリンクしているようなシーンもあって、続・劇場版を見てから見るとより楽しめると思います。

吉岡:ステージで踊るシーンは、当日、隣の公園で子供たちのサッカー教室が開かれていて、練習を終えた子達が、見に来てくれていたんです。ミニライブみたいで、自然と笑顔になれました。


■ カップリング&挿入歌「素顔にKISS ME」はオシャレで大人っぽい挑戦的な曲

――カップリングで続・劇場版挿入歌の「素顔にKISS ME」はクラブ系のオシャレなサウンドに、ボーカルにエフェクトが入ったり、WUGの新境地を開きましたね。

永野:WUGでは歌ったことがない大人っぽい曲で、新鮮だったし、うれしかったです。歌詞も少し大人びていて、好きです。ワグナーさんはビックリするだろうなと思ったけど、予想以上に気に入ってくださって、ライブでも盛り上がって、こういう曲もアリだなと思った曲です。

山下:生意気な感じが菜々美にピッタリだなと。「調子にのった感じで歌ってほしい」と言われたので、キャラを全面に出して歌えたので楽しかったです。

高木:カッコイイ曲だったので、カッコよく歌ったら、「未夕ちゃんはどんな曲でもかわいく歌うからかわいく歌って」と言われて(笑)。未夕が背伸びしてカッコよく歌おうとするのを演じる感覚で楽しかったです。

吉岡:私のパートじゃないんですけど……(笑)。ラスサビ前のよっぴーの「恋ってそーゆーもんかも」の息の抜け方が好きです!



■ 今だから語る続・劇場版決定にそれぞれ違った感想と受け止め方とは?



――続・劇場版が決まった時はどう思われましたか?

青山:「本当に?」と半信半疑で。もちろんうれしかったんですけど、TVシリーズもスタッフさん達が頑張ってすごいクオリティの映像にしてくださっていたので、劇場版で皆さん、倒れてしまわないか心配になりました(笑)。2部作と聞いてなおさら不安に。

永野:TVシリーズは続きがありそうな感じで終わったけど、私自身は視聴者の方が思い思いに想像してもらうというのもいいかもと思っていて。だから劇場版のお話を聞いた時は喜びよりも先に驚きのほうが大きくて、その後に不安が押し寄せてきました。最初に劇場版をやって、TVシリーズをやって、ライブなどの活動も行ってきたので、しっかりと成長を見せないとファンの方がついてきてくれないと。

青山:不安な気持ちの方が大きかった?

永野:うん。その不安を頑張る力にして、もっとWUGのことを知って好きになってもらおうという気持ちになりました。

田中:私は愛理と逆で、TVシリーズが終わった後も続きそうだなと思っていたけど、まさか劇場版だとは思っていなくて。前後篇なのでワグナーさんももっともっと増やすチャンスだと思ったけど不安のほうが大きくて。でも収録も楽しかったし、完成した時はたくさんの人に見てほしいなと思いました。

奥野:私も劇場版になるとは思っていなくて、TVシリーズと違って、劇場版はハードルが高くて、よっぽど見たいと興味を持ってもらえないと足を運んでもらえないから大丈夫かなと。でも収録してみて、また劇場版がやれてよかったなと思っています。

山下:みんな、続きあるなと思うよね。だから告げられた時も「そうだよね」と普通に受け止めました。久しぶりのアニメ収録だけど今の私達ならできると思ったし、TVシリーズ後もゲーム収録やライブなどあったのでキャラも忘れることもないし、不安はありませんでした。アフレコブースで、みんな一緒にお仕事できるのが楽しみで、ワグナーの皆さん、成長した7人の姿を大スクリーンで見ていただけるワクワク感でいっぱいでした。

高木:私はメジャーメーカーのbvexに入ったWUGちゃんはどうなるんだろう? と想像していたので、実際にその様子が描かれてうれしかったです。

吉岡:まさか劇場版の形で、しかも、前後編とは誰も予想してなくて。本当に驚きました。でも、TVシリーズで数多く残してきた伏線が、ここで回収されるのかと思うと、すごく楽しみでした。ファンとしても、キャストとしても、待ちわびていたという感じです。

【後編に続く】

■続・劇場版前篇『Wake Up,Girls! 青春の影』は全国公開中!(期間限定上映)
■続・劇場版後篇『Wake Up,Girls! Beyond the Bottom』は2015年12月全国公開


<リリース情報>
■Wake Up, Girls! 青春の影 シアター限定盤 Blu-ray

2015年09月25日発売 
8,000円(税別)
発売:エイベックス・ピクチャーズ
※上映劇場のみでの販売

■Wake Up, Girls! 青春の影 初回限定盤 Blu-ray
2015年10月30日発売
7,000円(税別)
発売:エイベックス・ピクチャーズ

■Wake Up,Girls!「少女交響曲」発売中
CD+DVD 1,800円(税別)
CD 1,200円(税別)
発売:DIVE II ENTERTAINMENT

>>『Wake Up,Girls!』続・劇場版公式サイト
>>『Wake Up,Girls!』公式サイト

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