「みんなが愛をこめて制作した映画です」早見沙織さん、松岡茉優さん、監督山田尚子氏が登壇した映画『聲の形』完全披露上映会をレポート!
2015年「このマンガがすごい!」オトコ編第1位を始め、数々の賞を受賞した大人気漫画『聲の形』。今年2016年9月17日には、京都アニメーション制作の映画『聲の形』が上映開始します。そんな映画『聲の形』の完全披露上映会と舞台挨拶が2016年8月24日に行われました。
舞台挨拶に登壇したのは、女優の松岡茉優さん{石田将也(小学生)役}と、声優の早見沙織さん(西宮硝子役)、そして、監督の山田尚子さんの3人。大きな拍手に囲まれ、仲睦まじく入場しました。
最初に語られたのは、それぞれの“あだな”についてのお話でした。お互いの関係をより親密にするため、松岡さんは「まっつん」、早見さんは「はやみん」、監督は「なおべえ」と、個性的なあだ名を呼び合い、緊張をほぐしていきました。
■キャラクターを演じるうえで心がけたことや、演じてみての感想は?
司会者はまず、「キャラクターを演じるうえで心がけたことや、演じてみての感想」を質問しました。
主人公の幼少期を演じる松岡さんは、将也に対して「なんでそんなことするんだよ」という印象を持っていたと一言。そんな松岡さんですが、「将也は無垢で純粋で、きっと映画を見終わったらみんな大好きになれると思います」とも語っていました。
次に答えたのは、先天性の聴覚障害を持っている本作のヒロイン・西宮硝子を演じる早見さん。アフレコを始める前に、監督と話しあいをしたと語りました。その設定から、普通とは違った演技を求められた早見さんは、自分の気持ちを伝えたいけど、なかなかうまく伝えられない、一生懸命な女の子、というのを心がけたそうです。ちなみに、成長した硝子の方を先にアフレコを行ったのだとか。
これに対し監督は、2人が感情を込めてアフレコをし、なおかつしっかりコメントもしてくれたことに感謝の気持ちを表しました。「うまくいかないけど、人とつながりたい、そういうところに尊さを感じて描いている作品だと感じましたので、映画としては、人と向き合うというところを大事にしていきたいと思っています」とコメントしました。
■登壇者絶賛、ぶつかり合いのシーンに力を込めた早見さんと松岡さん
「演じるうえで、力を入れたシーン」の話題に移ると、早見さんは幼少期の2人が本当の意味でぶつかり合うシーンをチョイス。「言葉になってないけど伝わる感情など、これが聲の形の核になっているんだと思います」とコメントをした早見さんに対し、松岡さんはうなずきながら賛成。そのシーンの後のセリフは、3~40分やり直して、声を枯らしたと、好きなシーンというだけではなく、本作を語るうえで欠かせないものとなっていることが伝わってきました。
■主人公の成長した姿を演じた入野自由さんからビデオレターが放送
スクリーンにでかでかと映された入野さんからメッセージが贈られました。「本作のテーマは伝えたいけど伝えられない、というのを聞いていたので、それを意識して演じています。原作全8巻をぎゅぎゅっと凝縮した内容となっていますので、楽しみに待っていてください」と話す入野さんでした。
小学生の将也を演じた松岡さんから見た高校生の将也の印象を聞くと、「個人的な感想ですけど、ごめんね、という感じです。」とコメント。入野さんの演技を先に見た松岡さんは、演技のイメージが固まり、山田監督は、松岡さんが演じる将也と将也が一人になったと絶賛しました。
■主題歌を担当するaikoさんと、主題歌について盛り上がる3人
舞台挨拶の終盤、主題歌「恋をしたのは」を歌うaikoさんからのメッセージが読み上げられました。ご自身のライブで「『聲の形』原作1巻のストーリーをまるまる話してしまったほど好き」と、意外なメッセージでした。松岡さんは、リテイクを繰り返すも、どうしてもうまくいかないときに、主題歌「恋をしたのは」を聴いたら納得のいく演技ができたと絶賛。山田監督は主題歌を気に入るあまり、日常でもつい口ずさんでいることが本人によって明かされました。
いよいよ上映が迫る映画『聲の形』。松岡さんは「私はこの映画を見て、自分のことも、周りのことも許せるようになって、明日を生きるのが楽しくなりました。すごく優しくてあったかい映画だと思っています」とご自身の体験をコメント。
早見さんは、「ふんわりした優しい絵柄と優しい音楽に包まれているけど、凄く鋭利で、胸に刺さる作品だと思います。自分の思い出箱みたいなものをこじ開けられるとは思いますが、どうか閉じたりせずに、自分のすべてを解放して、スクリーンと向き合って頂けると幸いです」と、本作を観て味わえる感情を語りました。
最後に山田監督。「『聲の形』という作品、とても素晴らしくて、大好きな方も多くいらっしゃると思います。映画の『聲の形』としましては、明日もう一歩進めるかな、といったような、ちょっとした希望を灯して頂けるような作品になるといいなと思っています。絵も音も声もシナリオも全部、みんなが愛をこめて作った映画になりますので、どうかよろしくお願いします」とコメント。出演者の『聲の形』に対する愛が語られた舞台挨拶でした。
[取材・文:関川 拓矢、撮影:二城利月]
某美少女ゲーム雑誌の編集、アニメイトタイムズの編集を経て、現在はフリーで活動中のライター。主にアニメ、声優、VTuber、ゲーム、車などの記事を作ってます。好きなアニメは『ガルパン』、『艦これ』、『はいふり』、『ラブライブ!』、『ゆるキャン△』、『放課後ていぼう日誌』など。聖地巡礼が好きで、ハマるとすぐ飛んでいきます。
■作品情報
【タイトル】映画『聲の形』
【公開表記】9月17日(土)、新宿ピカデリー他全国ロードショー
【配給】松竹
【キャスト】
石田将也:入野自由
西宮硝子:早見沙織
西宮結絃:悠木碧
永束友宏:小野賢章
植野直花:金子有希
佐原みよこ:石川由依
川井みき役:潘めぐみ
真柴智:豊永利行
石田将也(小学生):松岡茉優
【スタッフ】
原作:「聲の形」大今良時(講談社コミックス刊)
監督:山田尚子
脚本:吉田玲子
キャラクターデザイン:西屋太志
美術監督:篠原睦雄
色彩設計:石田奈央美
設定:秋竹斉一
撮影監督:髙尾一也
音響監督:鶴岡陽太
音楽:牛尾憲輔
主題歌:aiko「恋をしたのは」
音楽制作:ポニーキャニオン
アニメーション制作:京都アニメーション
製作:映画聲の形製作委員会(京都アニメーション/ポニーキャニオン/朝日放送/クオラス/松竹/講談社)
>>公式サイト
>>公式Twitter(@koenokatachi_M)
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