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大御所声優との出会いを語る!個性派アーティストGACKTの声優道

GACKTさんにとって声優とは? あの大御所声優との出会いを語る!「個性派アーティストGACKTの声優道」

 俳優、声優と幅広く活躍する個性派アーティストGACKTさん。2016年10月よりスタートし、現在2クール目が放送中のTVアニメ『TRICKSTER -江戸川乱歩「少年探偵団」より-』(以下、トリックスター)にはご自身の楽曲を提供されたほか、新たに第2クールED主題歌を制作。さらには怪人二十面相役として声優を担当しています。

そんなGACKTさんは声優というお仕事をどうとらえているのでしょうか。今回、「個性派アーティストGACKTの声優道」と題し、インタビューを実施しました。放送も終盤を迎えた今だからこそわかる怪人二十面相のキャラクター像や、声優という仕事の魅力、そしてアーティストとしてGACKTさんの曲作りに対する考えを語っていただきました! さらに、大御所声優との仰天エピソードもお話しいただきました。

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ドラマにはドラマの、声優には声優の発声がある
──GACKTさんは様々な作品に出演されていますが、ご自身が起用される理由は何だと考えていますか?

GACKTさん(以下、GACKT):主題歌もやって、声優もやるアーティストというのは、考えてみたら非常に特殊な立場。声優の人が歌を出すことはあっても、アーティストが声優をやるっていうのは、あまり聞かない。そもそも無理がある。


──経験のない方が声優をやるのは難しいのでしょうか?

GACKT:というよりも、声優というのは発声の仕方が他とはまったく違うんだよ。役者が声優をやることはあるけど、彼らは表情や動きのあるお芝居の延長で発声をやるから、本職の声優たちと違って声があまり立たない。

ボクは声優という仕事が大好きで、音楽を始めた頃から声優の仕事もやれるように、そのために必要な取り組みをやっていた。それに声優に限らず、時代劇をやるときもドラマのときも、それに適した発声を意識してやってる。ボクが声優もやらせてもらえるのは、そういう積み重ねがあったからなのもある。いわゆる客寄せパンダ的なものなら一作で終わるよ。だから、こうやって声優の仕事ができるのはすごく嬉しいよ。少しは認めてもらってるってことだし。


──アニメやゲームの声優もですが、一般の方もビックリされるくらい、たくさんのことに挑戦されていますよね。

GACKT:コスプレ的なことに挑戦したりしてね(笑)。ただ、ボクがゲームのキャラクターの格好をしたところで、本物に勝てるわけなんてなくて。仕事でゲームキャラに扮することがあったんだけど、無理があるって自分でも思ったよ。(笑)。

一同:(笑)。

GACKT:あんな十頭身の体型に生身の人間が勝てるわけないんだから、そりゃあ無理ある(笑)。たしか『ダージュ オブ ケルベロス ファイナルファンタジーVII』の時だったかな。そのときすでに『クライシス コア -ファイナルファンタジーVII-』のイメージが制作陣の中にあったから、エンディングの最後にジェネシス(※1)を登場させることになって。それがどういうわけか「CGと実写を共演させよう」という話になり、ジェネシスの格好をしてくれといわれたわけさ。「いやいやいやいや、無理あるでしょう?」って気持ち(笑)。まあ、やったんだけど。

※1:GACKTさんは『ダージュ オブ ケルベロス ファイナルファンタジーVII』でG役、『クライシス コア -ファイナルファンタジーVII-』でジェネシス役で出演。


──そこで断らずに挑戦するのは流石です(笑)。

GACKT:あるキャラクターを抱いて空に登っていく、という2~3分のシーンだったんだけど、それをグリーンバックで撮影して。頑張った。頑張ったけど……みたいな(笑)。

一同:(笑)。

GACKT:「ボク、十頭身ないけどいいのかなぁ」と思いつつも、やるからにはきちっとやったよ。とりあえず、ボクってトライはするんだ。

怪人二十面相は“何か”が欠落した不完全な大人
──今回の『トリックスター』では怪人二十面相を演じていますが、演じていて、演技面やキャラクターについて何か感じたことはありましたか?

GACKT:怪人二十面相は、何かしらの大きなトラウマを抱えたまま大人になってしまったのか、欠落した感情が非常に多い印象。普段は冷静を保っているけれど、自分の思い通りにことが運ばない時、子供の部分がボロボロと出てしまうんだろうなって感じ。それは物語上ではほとんど出さないようにしてたんだけど、最終話あたりではその部分がたくさん出てきてしまう。エンディングではどうなっているのか、ぜひ楽しみにしてもらいたい。


──今まで声優としてガクトさんが演じられてきた中では、怪人二十面相はかなり特徴的なキャラクターですよね。

GACKT:感情や抑揚を随分と抑えたキャラクターだったから、演じるのが苦手なタイプだな、という感じはあった。あまりにも淡々となりすぎるから。でも凄く面白かったし、勉強になった。特に最終話では感情を出してよかったこともあって、楽しかったよ。抑えてきた感情が露見してしまって、どんどん狂気が表に出てくるところなんかは、むしろボクに非常にあっているなと妙実に感じたよ。

自分に影響を与えてくれた恩師のような存在
──以前、アニメイトタイムズでの連載(※2)で『トリックスター』のお話を聞いた時に、大塚明夫さんと飲みに行ったという話をお聞きしました。「ボクは声フェチなんだ」とおっしゃっていましたが、こういう声が好き、というのはありますか?

※2:『トリックスター』の連載企画の第4回で登場。このときから声優に対しての並々ならぬ思いを語っていた。
>>GACKTさんが語る怪人二十面相【取材手帳 第4回】

GACKT:大塚明夫さんの声も、銀河万丈さんも大好きだし、池田秀一さんも大好きだし……。

ボクは、芸能人と会って感動したことって一度もない。たぶんそれって、芸能人の方に対する憧れがまったくないからだと思う。ところが“声”というものには人生で何度も影響されていて、だから声優の方にお会いできたときは本当に感動する。


──声優さんとの印象的なエピソードなどはこれまでにありましたか?

GACKT:『クライシスコア』の収録でスタジオにいった時、ちょうどボクの前に万丈さんが収録をされていたんだ。そのことを知らされたのが、スタジオに到着してすぐのタイミングで。もうね、「マジかっ!?」みたいなテンションになった(笑)。

それでぜひ挨拶をさせていただこうと思い、スタジオから出てくるのを待って……。当時まだ、ボクは万丈さんの外見を知らなかったから、スタジオから銀髪でムキムキの男性が現れた時は、そりゃあドキドキしたよ(笑)。

一同:(笑)。

GACKT:その時のことは忘れられないなぁ。ボクが焦って「どうもはじめまして、GACKTです。ジェネシスの声をやらせていただきます。昔から万丈さんの声が大好きで、こうやってお会い出来ることを光栄に思います」と言ったら、万丈さんは手を差し出して、あの声で(声真似しながら)「私のような者を尊敬していただけるとは、非常に光栄です。これからも精進して頑張りたいと思います」ってね。もう、ボクは心の中で「ギレン・ザビだ!!」(※3)って叫んでた。本当に、目の前に実写のギレン・ザビがいるように見えた。この人が長官だったら死んでもいいなと思ったくらい(笑)。

※3:『機動戦士ガンダム』に登場するキャラクター。銀河万丈さんの代表キャラクターの一人でもある。ちなみに、GACKTさんは『機動戦士ガンダム』の大ファン。

(声真似しながら)「それでは、そろそろ帰りたいと思います、これからの収録、頑張ってください」と最後に言葉をいただいて、もう涙が止まらなかった。去っていく後ろ姿が完全に万丈さんじゃなくて、ギレン・ザビ(笑)。声を聞いただけで、こんなに感動することがあるんだなって。


──GACKTさんもそんなことがあるんですね(笑)。

GACKT:感情を出すことは今更気にしないよ。もともと社会に適合しない人間だし、ボクは変態だから(笑)。

一同:(笑)。

GACKT:あと、『機動戦士Ζガンダム A New Translation』(※4)の完成パーティで池田秀一さんに古川登志夫さんを紹介してもらったことがあって。

※4:『機動戦士Ζガンダム』20周年として制作された劇場アニメ。GACKTさんは「君が待っているから(Remix ver.)」をはじめ、4曲の楽曲を提供した。

ボクはなんとなく居場所がなくて一人で立っていたんだけど、秀一さんがこっちに来て、あの声で、(声真似しながら)「カイ・シデン役の古川登志夫さんはご存知かな? 紹介したいと思うからついてきてくれるか」って。もう、シャア(※5)だよ(笑)。

※5:『機動戦士ガンダム』に登場するキャラクター、シャア・アズナブル。池田さんといえば、このキャラクター。

一同:(笑)

GACKT:それで古川さんを紹介していただいて。あの時のことは今でも鮮明に思い出せる。池田さんが(声真似しながら)「今回の楽曲を提供してくれている、GACKTさんが古川さんに挨拶をしたいと言っている」とおっしゃったら、古川さんが振り返り(声真似しながら)「どうもはじめまして」と。アニメから飛び出してきたカイ・シデン(※6)がそのまま歳をとったように見えた。こんな瞬間に立ち会えるなんて、「ボクはなんて幸せものだろう!」と感動したなぁ。

※6:『機動戦士ガンダム』に登場するキャラクター。アムロ・レイ(CV:古谷徹さん)などと並ぶ、代表的なキャラクターでもある。


──GACKTさんの愛が伝わってくるエピソードですね。

GACKT:それぐらいにボクは声優の方たちが大好き。「声のインパクトはこんなにも凄いんだ!」と思ったきっかけ。その中で共に仕事をさせてもらうわけだから、本当に光栄なことだと噛みしめている。


──GACKTさんはアニメをたくさんみられるんでしょうか?

GACKT:正直たくさん見る方かといわれたらそうじゃなくて、自分の気に入った作品を何度も何度も見るタイプかな。特に衝撃を受けたのが『機動戦士ガンダム』から始まる、一年戦争に関わる作品で、これは全部見ている。だから、そこに出ていた声優さんたちはみんな、ボクにとって指標なんだよ。

声優という仕事がいかに素晴らしいかを教えてくれたというか。そんな方たちと同じ現場で仕事をさせてもらえたことは、ボクにとっては誇りなんだ。どんな芸能人の方たちと仕事をしてもその感動はないのに、声優の方たちとだと心が震える。声を聞いただけのはずなのにね。本当に凄いことさ。


──GACKTさんにとって憧れなんですね。

GACKT:憧れというか、出会ったことのない恩師に会ったみたいなイメージかな。別に教えてもらったわけじゃないけど、大事なことを教えてくれた、影響を与えてくれた人の一人。

アニメや漫画が人に与える影響って、世の中の人が思っているよりも遥かに強い。漫画って文字制限があるわけで、あれだけ小さい吹き出しの中に、台詞を書かなきゃいけないから、厳選された言葉が使われている場合が非常に多い。その厳選された言葉に、さらに声がついているのがアニメ。その声がイメージにピッタリだと、言葉の一つ一つが心により深く刺さるんだ。声優の方たちが、たくさんの人に支持されるのもよくわかる。みんなボクと同じで、声の魅力に取り憑かれてるんだろうな。

歌手は曲や歌詞で成り立っている総合芸術で人を魅了するけど、声優さんってそうじゃないから。みんなが日常的にやっている“話す”という行為で、人を魅了している。それなのに誰かを感動させられるっていうのは、魔法みたいに凄いことだよ。

次ページ:アニメのための曲ではなく、さらに踏み込んだ曲を作りたい
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