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『モンストアニメ』スタッフ陣が語るセカンドシーズンへの挑戦とは?

ファーストシーズンの成功と課題――『モンストアニメ』スタッフ陣が語るセカンドシーズンへの挑戦とは?

 2015年10月10日にYouTubeにて配信開始し、2017年4月1日よりセカンドシーズンが配信中のモンストアニメ。YouTubeで長期のアニメ配信という他に無い手法を取りながら、多くの再生数を記録し大好評となりました。

 そんな本作のプロデューサーを務める平澤直さん、シリーズ構成・脚本の加藤陽一さん、そしてセカンドシーズンで監督を務める浜名孝行さんに本作についてのインタビューを実施。セカンドシーズンのお話をはじめ、キャラクターが3DCGで描かれるようになった経緯などもお話頂きました。

セカンドシーズンは、アプリとアニメの相乗効果をさらに高める
──まず、ファーストシーズンを振り返って、モンストアニメが成功した部分は何だと思いますか?

平澤直さん(以下、平澤):モンスターストライクという大きなIPのアニメ化を行う中で、YouTubeで配信するという新たなフォーマットに挑戦して、一定の支持を得られたのは成功だったと思います。普通ならテレビや劇場版でアニメ化すると思いますが、アプリをプレイする方が普段どんな物を見ているんだろうと調査した結果、テレビを見るよりもスマートフォンを見ている時間の方が長かったんです。

「アプリをはじめ、『モンスト』がスマホだけで完結するように、YouTubeに載せてみたらどうか」「YouTubeに載せるのであれば、本編20分は長いので、短くしてみようか」という挑戦を加藤さんと狙ってみたんです。1話あたりの平均再生回数が261万回以上を記録していたのは一定の成功と言って良いのではないかと思います。

加藤陽一さん(以下、加藤):僕に声をかけていただいた時点では作品のフォーマットが決まっていなくて、「テレビでも流せる30分アニメを作ろうか」という話もありました。でも、木村弘毅さん(XFLAG スタジオ総監督)たちと話し合って、「YouTube用として作ろう」ということになりました。そこから「1話7分で出来ますか?」という話も出てきて、凄く面白いなと思いましたね。

テレビの前に腰を据えてアニメを観る人は限られている時代ですし、『モンスト』自体が普段アニメを観ないような方も大勢やっているアプリです。そういった方に、いつも手にしているスマホで、短い時間で気軽にアニメを観てもらいたいと考えました。

実際に作るときは「7分しかない中で物事をどう分かりやすく伝えるか」が課題でしたが、なるべく事前知識がなくても見られる形にしました。必要な情報は主人公が画面から視聴者に向けて語りかけてくる形にしたり、なるべく分かりやすく作りました。結果的に世界累計再生回数が1.5億回(※1)を記録して、多くの方に楽しんでいただけたので、一定の手応えを感じることができました。

※1:2017年12月19日時点。

──7分でしっかりと観られる内容を作れたのは流石だと思います。その他、制作する上で苦労はありましたか?

加藤:7分の中で起承転結を付けるというのはあまりこだわってないんですよ。一般的には1話の中で起承転結やクライマックスがあって終わることが多いと思うんです。でもすべてをやる時間は無いので、何かしらのトピック・ネタを必ず用意しようという考えで作りました。何を楽しんでもらうかをひとつ決めたり、会話を面白くしたり、既存の作り方に囚われない「7分を面白くするためだったら何でもやっていい」という考えで作りました。

全体のストーリーで言うとイシイジロウさん(※2)が考えた大きなプロットがあって、それをいかに分かりやすく見せていくかを工夫しました。

※2:ゲームクリエイター。『モンストアニメ』ではストーリー・プロジェクト構成を担当している。代表作に『428 〜封鎖された渋谷で〜』など。


──逆にファーストシーズンで課題として感じた部分はありましたか?

平澤:僕らもスマホでアニメを観てもらうのは初めての挑戦だったので、「アプリとアニメを同時に楽しんでもらう」というテーマは更に突き詰めて行ける要素があると思います。

ファーストシーズンでは、坂本龍馬の獣神化(※3)を先にアニメの中で発表してからアプリに実装したことで、かなり大きな反響がありました。そういう連動は今後も行っていける余地があるなと感じています。本作はアニメそのものが作品であると同時に、アプリというサービスを楽しんでもらうサービスの一部という側面があるんです。折角、同じスマホでどちらも楽しめるのだから、更に面白い仕掛けを入れていく事もセカンドシーズンでもやって行けるんじゃないかなと思いますね。

※3:主人公・焔レン(CV:小林裕介さん)のパートナーで、アプリでも人気が高い坂本龍馬(CV:村田太志さん)。ファーストシーズンの第33話で、アプリにもある進化システム「獣神化」でパワーアップした姿を披露した。



──アニメとアプリで頻繁に連動が行えるのは『モンスト』だからこそだと思います。個人的なご意見でも構いませんが、今後行ったら面白いと思う企画などありますか?

平澤:今まではアプリで人気のキャラクターがアニメで登場すると「動いて嬉しいな」という意見が多かったんです。しかし逆に、アニメに登場するキャラクターを更に魅力的に描くことで、結果としてアプリが豊かになるところまで繋げられると良いのかなと思っています。

「アプリが1番大切で、アニメはそれを広めるもの」という状況だけでは無く、アニメで人気が出たオリジナルキャラクターがアプリによりたくさん出てくる状況ができれば、結果としてアニメで『モンスト』を好きになってもらって、アプリを遊んでもらって、キャラクターをより好きになってもらうきっかけになると思います。

平澤さん、加藤さんが信頼を置く浜名監督の起用理由は?
──そしていよいよセカンドシーズンが始まります。セカンドシーズンの企画が立ち上がったタイミングはいつごろなんでしょうか?

加藤:2016年の夏くらいでした。かなり自然にやる流れになりましたよね。

平澤:「やらない訳は無いよね」という空気はありましたが、正式に検討に入り始めたのは2016年の夏くらいです。

加藤:その頃にセカンドシーズンでやりたいことを話し合いました。ファーストシーズンを経て「モンスターがもっと有機的に物語に絡む様なものにしたい」という考えがXFLAGさんにあって、僕もそう思いました、また、僕としては新鮮さをわかりやすく出したいと思って、「主人公のレンくんの隣に立つ、主人公クラスの女の子を新たに登場させて、新しい物語を作れないか?」と提案をさせていただきました。それで今回登場することになったのがマナちゃん(CV:金元寿子さん)です。


──主人公が男の子だから、今度は女の子を出そうという流れで決まったのでしょうか?

加藤:ファーストシーズンには神倶土春馬(CV:小野大輔さん)というライバルキャラクターがいて、男らしい雰囲気があったので、女の子が大きく登場したほうが新鮮だと考えました。

平澤:新ビジュアルだと主役が変わったみたいに見えますよね(笑)。

加藤:その最初の思いがもう少し強まった結果がこのビジュアルという感じです(笑)


──そして、セカンドシーズンでは浜名さんが監督となりましたが、経緯を教えていただけますか?

平澤:浜名さんにお願いしたのが2016年の秋くらいでしたか?

監督・浜名孝行さん(以下、浜名):実は、あんまり覚えてないんですよ。

一同:(笑)。

加藤:僕も浜名さんが会議にいらっしゃるまで監督になることは聞いていなかったんですよ。平澤さんに誰が監督になるか聞いたら「加藤さんの好きな人ですよ」って言われて。「誰だよ!」って思っていたんですけど、途中で「もしかして浜名さん?」って当ててしまいました。

浜名:そうだったんですね。僕はスタッフのリストをもらえたので「加藤さんと仕事ができるぞ」と思っていました。

加藤:監督を秘密にするとかあるんだって思いましたよ(笑)。

──ちなみに浜名監督にご依頼した理由は何でしょうか?

平澤:僕と一緒に「Production I.G」(※4)で働いていたアニメーションプロデューサーの大上裕真(※5)さんが、浜名さんとお仕事させていただいたことがあるんです。僕は『テニスの王子様』(※6)でご一緒しました。週刊少年ジャンプの王道のバトル物ではありますが、作品がボケでお客さんがツッコむみたいなところもある作品ですよね。そういう演出は、どうしても照れが出るというか、真正面からやりきるのは難しいんです。

でも、浜名さんは『テニスの王子様』が持っている「これはカッコいいのか、コメディなのか」というギリギリのところを照れがなく描かれていて、当時から凄いなと思っていました。今回の『モンストアニメ』も熱いバトルがありますが、コメディの部分も凄く大事にしていきたいタイトルなので、浜名さんなら上手くバランスをとって下さるんじゃないかと思いました。

一方、大上さんとご一緒していた『図書館戦争』(※7)は放送局が大きいし、原作者の方はとても有名な方だったので、様々なお願い事が多くあるタイプの作品でした。その中で着地点を見出すのは、決してどの監督もできることでは無いんです。浜名さんは「こういう条件の中だったら、こういう風にやりましょう」という引き出しを選んで出して下さるので、今回の『モンストアニメ』の様な短い期間で多くの検討事項があって、試行錯誤が必要なタイトルでも力を発揮していただけるんじゃないかなと思い、大上さん経由でご紹介していただきました。

加藤さんは『ムシブギョー』(※8)の時に浜名さんと一緒でしたよね?

加藤:そうですね。数年前にやらせていただいて、その後も浜名さんとは交流がありました。大人の女性向けだったり、子供向けだったり、子供の女の子向けだったり、僕も作品の幅は色々あるんですが、浜名さんとだったらどのジャンルの作品も楽しくやれそうだなと思っていました。そんなこともあり、「確かに『モンストアニメ』も浜名さんにピッタリだ」と思いましたね。

平澤:ちなみに僕が来たときってどう思われましたか?

浜名:大上くんは当時Production I.Gの社員だったから、「またやりましょう」みたいな話は社交辞令なところもあるじゃないですか(笑)。平澤さんは会社が変わっても、話をくれたのが素直に嬉しいなと思いました。あと、ファーストシーズンを観て凄く面白かったので、是非やりたいなという気持ちがありましたね。『モンストアニメ』を受けたときに僕が参加する別の作品も動いていたんですけど、「10分くらいのアニメだし良いかな」と思って入りましたが、思っていた以上に大変でした(笑)。

一同:(笑)。

※4:『攻殻機動隊』シリーズをはじめ、ハイクオリティのアニメに定評があるアニメーション制作会社。
※5:横浜アニメーションラボ代表取締役。『モンストアニメ』ではアニメーションプロデューサーとして参加。
※6:週刊少年ジャンプで連載されていた許斐剛先生によるテニス漫画。2001年にアニメ化された。
※7:有川浩先生が原作のアニメ。2008年にフジテレビのノイタミナ枠にてアニメ化され、2012年には劇場版アニメも制作された。
※8:週刊少年サンデー超で連載されていた福田宏先生による漫画。2013年にアニメ化された。

──『モンストアニメ』に参加されてみて1番大変な部分はどこでしたか?

浜名:『モンスト』は、普通のアニメよりも柔軟というか、フットワークが軽いんですよ。通常のアニメよりできる幅が広くて、「こういう方が楽しいんじゃない」って方向転換するのは良いんですけど、軌道修正が行われるとスタッフが四苦八苦してしまうので、そこは大変だなと思います。でも、出来上がっているものは面白い方向に寄せていますし、大変ですけど嫌なストレスは溜まっていません。

加藤:『モンスト』を作っているXFLAGのみなさんは「お客さんに楽しんでもらうためであれば、いろんな手を使おう」というチャレンジ好きな熱い方々なんです。楽しんでもらえそうなら、何でも取り込んでいくという姿勢でしたよね。

平澤:それはアプリだったり、ウェブサービスを作る人の企業文化だと思います。アプリで機能を足したり削ったりするのは、お客さんとの対話の中で試行錯誤していく部分です。普通のアニメはフォーマットが完全に決まっていて、「いつから放送されて、1話は21分で決まり」というところから割り算をしていく作り方になるんです。でもYouTubeだったら30秒くらい尺が短くなっても誰も困らないんですよ。モンストアニメは、7分版と言っていた時から長い話で12分くらいありましたが……(笑)。

『モンスト』は、完成図を描いてから割り算をしていくというより、理想の形に試行錯誤してたどり着くというフォーマットで作っています。そこへ柔軟に対応できるYouTubeは本当に相性が良いと思います。

3DCGのキャラクターは“ゆらぎ”を付ける事が大切
──やはり、セカンドシーズンで驚かされたのは、モンスター以外のキャラクターも3DCGになっていたことです。この英断はどうやって行われたのでしょうか?

平澤:ファーストシーズンを配信開始した当初は、手描きが圧倒的に多かったです。ただ、甲冑を着ているキャラクターや衣装にヒラヒラが付いているキャラクターが登場してくるので、バトルを描くなら「これは3DCGにしたほうが良いだろう」と考えたんです。それから、ファーストシーズンの15話のバトルからモンスターだけ3DCGにしたんです。

それを経て、今回のセカンドシーズンではモンスターが日常的に存在するようになりました。ファーストシーズンのままだと、手描きのキャラクターと3DCGのキャラクターが同じ画面内にいることになるので、それであれば全て3DCGにした方が視聴者により密度の高い画面を観せられるのではと考えました。8割5分から9割が3DCGで、残りが手描きという新しいタイプの作り方ですが、モンストアニメには合っていると思います。

3DCGは、動きや爆発などのエフェクトを、過去のアーカイブを使いながら更に作り込めるので、作り込みの積み上げができます。そのため、『モンストアニメ』のように長く制作していく作品では、後半になるにつれてクオリティが上がっていくと思います。

僕はUSP(ウルトラスーパーピクチャーズ)(※9)でサンジゲン(※10)のアニメスタジオの担当者をやっているんですが、そのころから3DCGを使う長い話数のアニメのプロジェクトをやってみたいと思っていたんです。キャラクターの動かし方などをスタッフが試行錯誤していけるタイトルを2クール、3クールほどかけてやってみたくて。そういう意味でも、長く続ける作品には合っているんじゃないかと思い、提案しました。

※9:アニメ制作会社のサンジゲン、Ordet、トリガー、ライデンフィルムを傘下に持つ事業持株会社。
※10:3DCGを得意とするアニメ制作会社。『アルスラーン戦記』など様々な作品に制作協力として関わっているほか、『ブブキ・ブランキ』『ID-0』など、フル3DCGアニメを制作している。

浜名:『モンストアニメ』はライトに楽しめる作品ですが、どちらかと言うとリアルな方向の画面づくりを意識しています。あとはオラゴンなどギャグに振れるキャラがいるので、そこで遊びながら基本的には締まった感じのフィルム作りにしようと思っています。

──浜名さんと加藤さんは、3DCGの魅力的な部分というのはどうお考えですか?

浜名:3DCGだと作画崩れが無いですが、作画さんの画力、キャラクターの思い入れや情念のこもった画にはかなわない部分があるのかなと思っています。逆に3DCGは、手描きでは再現できない物も沢山あるので、お互いを活かしながら作るという感じですね。

イメージシーンなどは、3DCGでやるとチープになってしまう場合もあるので、現実に近い方向を攻めていけば、お客さんも安心して観ていただけるんじゃないかなと思います。でも、そればかりだと硬いフィルムになってしまうので、そこのバランスは取れる様に作っています。

加藤:キャラクターが3DCGになったり、アニメ自体がフル3DCGに寄っていく状況は世の中の流れだと思っていますし、作画崩れが無いことも含め、いろいろなメリットがあると思います。しかしキャラクターや場所を増やすほど、3DCGやキャラクターモデルを作る数も増えていきます。どのCGアニメでも基本的には、美術やキャラクターの数を見据えて制限しながら作ることが多いので、身構える部分が少しあるんです。でも、今回に関してはその縛りも感じずに、自由にシナリオを書かせていただいていますよ。そのあたりはみなさん、どう思っていますか?

平澤:『モンストアニメ』には浴衣や振り袖といった和服を着たキャラクターが出て来る事もあるのですが、3DCGはそういった隙間がある衣装に弱いんです。その場合、内側にも体のモデルを作る必要があるので、「足と和服がぶつかった時にどう動くか」というポイントで、すぐに不自由な事が起こるんです。でも、面白いプロジェクトではありますし、今回はどこかの痛覚を切って「面白いですね!」って言いながら進めています(笑)。

加藤:モデル数を増やさない、という判断がもっとあるのかと思っていました。

浜名:前に担当した作品だとその部分で散々言われましたね。『モンストアニメ』はそこをカバーしてくれる大上くんがいるので、凄くありがたいです。

平澤:あと3DCGで言うと、手描きは何十人もの人が1人のキャラクターを描いていくので、統一感を出すことに尽力するんですが、3DCGはモデルが統一されているので、どのように“ゆらぎ”を付けていくかを考えるんです。不安に思っている時は体の線が細くなったほうが不安感が出たり、指を少し長く節くれにした方が不安感が出ますよね。

そういう事を手描きの方は当然やる訳なんですが、それに対して3DCGはとりあえずモデルがあるから置いて動かしてみるという形になる。そこをもう一歩踏み込んで「ここは歯を食いしばるべきだから歯を作ろう」とか、手描きの作画崩れに見える表現をあえて3DCGに入れる事でカットの幅を作っていくんです。

また、制作が始まったばかりの段階では、どうしても3DCGって演技が硬くなることがあります。しかし、演技が硬かった実写の役者さんが撮影を通して慣れてくる様に、3DCGもアップデートされて良くなっていくんです。その3DCGベースで長いシリーズを作り続けることで、作品がバージョンアップしていく様子も観てほしいですね。

セカンドシーズンもバトルが盛りだくさん!
──セカンドシーズンでは現実世界にモンスターが現れる王道な展開があります。ファーストシーズンから中高生向けの王道バトルアニメを目指していたとのことですが、その系譜がセカンドシーズンでも継がれていますか?

加藤:バトルは盛りだくさんですよね。

浜名:僕の中ではセカンドシーズンは、第2期としてでは無くて、第1期もあるし、映画もあるし、また違ったアプローチの中で面白く観られるもうひとつの作品になってくれたら良いなと思っています。

もちろんバトルも熱いです。セカンドシーズンは、野良モンスターを毎回退治していく中で大きな展開があって、ドラマが進んでいくと大きな問題が更に大きくなっていきます。レンくんたちの成長や絆がドラマに変わっていく姿をメインにして作っている感じですね。

加藤:シリーズを作っていく時の主な考えとしてバトルは欠かさずあるものなので、ゲストモンスターみたいな存在との面白いエピソードをどう作っていくかがポイントだと思っています。その流れの中にバトルも当然あって、バトルも状況や特性を活かしたものになっていきますが、まずはモンスターとの関わり方やモンスターのキャラクター性という部分を軸に広げている感じがしますね。


──その中で新たな挑戦が多いのも『モンスト』ならではだと思います。

平澤:それは、XFLAGの皆さんがお客さんをいかに喜ばせるという事を第一に考えている組織だからだと思います。会議も凄く明確で、お客さんが喜んでいれば良くて、お客さんの反応がイマイチであれば改善するという風に話が進んでいくので凄くシンプルなんです。作品の方向性は試行錯誤が多いですが、「お客さんの反応が全て」ということはブレていないので、お客さんに喜んでもらえるための提案であればわりと通るんですよ。

この短い期間で、手描きベース、手描きと3DCG、3DCGベースと作品の表現方法が入れ替わりました。普通だと「それは急すぎない?」という意見もあると思うんですよ。でも中心にいるXFLAGさんが凄いペースで色んな挑戦を良しとしてくれるので、今のバランスにたどり着いているのかなと思います。

あと、ファーストシーズンでイシイさんが提案した、解放の呪文(※11)もあっさり決まったんですよね。セカンドシーズンでは各話の最後に発表される形となりましたが、そういう事も最後まで観てもらえる様な工夫も今後も続けていくことになると思います。

※11:アニメの中に登場するアプリとの連動要素。各話毎に用意されており、その言葉をアプリで入力すると様々な特典がプレゼントされる。

──では最後に、みなさんの考えるモンストアニメの強みや魅力を教えていただけますか?

浜名:XFLAGさんが新しい物や面白い物を取り入れようと提案して下さるので、僕らは「それをやるんだったらこういう展開だったらドラマチックになりますよ」と、しっかり相談しながら良い方向にシナリオを作っています。その作業も楽しいですし、最大の魅力のひとつかなと思っています。

加藤:一度決めた事を守るのでは無く、お客さんに楽しんでもらう事を第一に考えるようにチームの意識が統一されている事が、最大の強みだと思っています。当たり前のようですが、その思いを基に作品を作ったり、現場を動かすのはとても大変なので、どの現場でもできることでは無いんです。

1年間一緒に作品を作ったメンバーが2年目に進むことになりますが、意思統一はできていますし、互いに改善を行う際にカバーし合う領域も上手く分担できています。元々ある強みにチームとしての経験が加わっているので、さらに面白い作品づくりができると思います。

平澤:『モンスト』が持っている「人と人を繋げていく」という力は、アニメにおいても大きな魅力になっていると思います。僕が凄いと思ったのがXFLAGさんのロゴマークに「B.B.Q」って書いてあることです。「何かの略でバーベキューなんだろうな」と思って聞いてみたら「そのままの略で、バーベキューです」って言われて(笑)。

バーベキューみたいに、友達や家族と集まって、みんなで盛り上がれる場所を創造することを掲げているのですが、そのコンセプトって凄く面白いなと思っていて、その発想自体がXFLAGさんや『モンスト』のアプリに息づいていると思っています。その旗の元で戦えるのは面白いですし、「こういう風にするとお客さんが喜ぶんだ」というのを見ながらアニメに変換していけるのは面白いですね。

また、普段出会えないお客さんにも出会う機会もありました。映画を公開した際に、これまでなかなか満席になった事がない映画館が満席になったという感謝の電話をいただいたことがあって、「これは自分の知らないお客さんがいるぞ」と興奮した覚えがあるんです。『モンスト』というアプリがあったから出会うことが出来た新しい世代のお客さんがいてくれるというのも、この作品の大きな魅力に繋がっていると思います。その人達とも上手くコミュニケーションをとっていきたいと思います。

[インタビュー/石橋悠 写真・文/イソベアラタ]



作品情報
モンストアニメ公式チャンネルにて毎週土曜19時に最新話配信中!

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■スタッフ
監督:浜名 孝行
ストーリー・プロジェクト構成:イシイジロウ
シリーズ構成・脚本:加藤 陽一
企画・原案:砂村 哲平
キャラクターデザイン原案:岩元 辰郎
モンスターデザイン原案・アートディレクター:近藤 雅之
アニメーションプロデューサー:大上 裕真
プロデューサー:平澤 直
音響制作:マジックカプセル
制作:XFLAG PICTURES/横浜アニメーションラボ/サンジゲン
製作:XFLAG PICTURES

■キャスト
小林 裕介(焔レン役)
金元 寿子(マナ役)
Lynn(水澤 葵役)
河西 健吾(影月 明役)
木村 珠莉(若葉 皆実役)
福島 潤(オラゴン役)

■エンディング・テーマ(ED)
辻村 有記「Light」

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