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声優
『最終兵器彼女』BD-BOX化記念!石母田史朗×折笠富美子 対談

『最終兵器彼女 コンプリートBlu-ray』発売記念対談!石母田史朗さんと折笠富美子さんが十数年ぶりに再会

高橋しん原作の人気漫画が2002年にTVアニメ化され、時代を代表する作品ともなった『最終兵器彼女』が、TVアニメ放送から16年となる今年、いよいよBlu-ray BOXとなって登場します!

独特の世界観と切ないラブストーリーを描いたTVシリーズ、TVシリーズでは語られなかったもうひとつの真実を描くOVA、そこにDVD版の特典映像までもコンプリート収録。さらに、ブックレットには原作者・監督・主演キャストの新規座談会まで入っています。

その座談会を前に、シュウジ役の石母田史朗さんとちせ役の折笠富美子さんにインタビューを行いました。十数年ぶりの再会となったふたりの様子を、そのままお届けします!

●シュウジ役/石母田史朗(いしもだ しろう)
12月11日生まれ。東京都出身。血液型AB型。舞台やテレビドラマで活躍する俳優で、吹き替えも行う。アニメは『最終兵器彼女』シュウジ役、『ツバサ・クロニクル』志勇草薙役など。劇団青年座所属。

●ちせ役/折笠富美子(おりかさ ふみこ)
12月27日生まれ。東京都出身。血液型A型。『HELLSING』セラス・ヴィクトリア役、『BLEACH』朽木ルキア役、『苺ましまろ』松岡美羽役、『電脳コイル』小此木優子〈ヤサコ〉役、『SKET DANCE』結城澪呼役、『黒子のバスケ』桃井さつき役ほか。アトミックモンキー所属。


アニメイトタイムズからのおすすめ
今回の取材で久々の再会を果たした石母田さんと折笠さん

――かなり久しぶりの再会という感じですか?

石母田史朗さん(以下、石母田):いやもう、ほんとそうですよね。何年ぶり?

折笠富美子さん(以下、折笠):10……何年?

石母田:アニメ終わってから会ってないよね。

折笠:舞台観に行きましたよ。

石母田:あ、そうか。でも、14〜15年前だよね。

――OVAの発売イベントのときも、行かれなかったんですか?

石母田:僕、出てないからね(笑)。あ、でも何か観に行ったよね。

折笠:試写かな?

――今日はそれ以来ということになりますか?

石母田:そうかもしれない。

▲今回の取材で「久しぶり〜!」「私も大人になりましたよ」と、久々の再会を喜びあった折笠さんと石母田さん

▲今回の取材で「久しぶり〜!」「私も大人になりましたよ」と、久々の再会を喜びあった折笠さんと石母田さん

――さて、TVアニメ放送から16年目にして、コンプリートBlu-ray発売となりました。まずは、発売を聞いた際の驚きや喜びと、16年という歳月についてお聞かせください。

石母田:「Blu-ray出るんだぁ〜」って思いましたね(笑)。16年というのは長いですよ。変な話、子供がもう中学生ですからね。そんな歳になりますよね。この作品をやっていた頃はまだいなかったから。

折笠:シュウちゃん、パパになりました(笑)。

石母田:ほんとそんな感じよ(笑)。

折笠:なんかもう、10年以上前ってカウントできなくなってくるんですよね。「えっもうそんなに経ってる!?」っていう驚きもあるし、ネット配信の時代に、あえてまたパッケージにしてくださる、Blu-rayで新たな形にしていただけるのが本当に嬉しいと思いました。

――封入特典のブックレットに、高橋しん先生や加瀬充子監督と一緒に行う座談会が収録されるとのことで、それに先立って作品を観返されたりしましたか?

折笠:全部は観切れなかったんですけど……。

石母田:ざっとね。

――いかがでしたか?

石母田:本当に久しぶりに観たし、面白いなと思いました。ただ、自分の芝居がまぁ未熟だなと、申し訳ない気持ちになった(笑)。ほんと、そこは正直な気持ちです。若いなぁと。

折笠:「若いなぁ」は私も思いました。

――『最終兵器彼女』と聞いて、最初に頭に甦ったことは?

折笠:個人的には、よく泣いたなぁって思い出します。ちせを演じている以外でも取材とか、あの時期、ちょっと涙腺がおかしくなっているくらい、うるうるすることが多かったなって。イベントにもいろいろ行かせていただいて、熱烈なファンの方と接していると、イベントでも泣いたりしてました。パブロフの犬みたいに、この作品になんだか反応して泣くっていう感覚がすごくありましたね。

――今の視点で観ると、時代を感じるのがちせとシュウジの「交換日記」なんですよ。もう、そういう文化がないじゃないですか。交換日記のドキドキ感みたいなものって、今はLINEの着信の反応とかに感じるのかもしれませんが。

折笠:既読がついた、みたいな。

――そうそう、そういうやつです。だから、物心ついた頃から通信機器が発達していた今の10代とかだと、やりとりに時間も手間もかかる交換日記の、もどかしいぶん喜びも増す感じとか、なかなか伝わらないかなと思うんですよ。

石母田:まぁでもそれ収録していた当時でさえ、ちょっと懐かしい感じはありましたけどね。僕らの世代は、小学校とか中学くらいで恥ずかしながらやりましたから、すごくわかるんだけど、当時観ていた若い人の世代でも、今よりはわかるってくらいの感じじゃないかな。

折笠:恋愛の進む形や速度が変わってきているんでしょうね。携帯電話みたいなデジタルなツールじゃなく、紙の交換でやるからこそ想いをゆっくり温めるとか育むことができるっていう。進みそうで進まない、後戻りしたりもするもどかしさみたいなところが最大のドラマですよね。

――考えてみると、ちせってもう身体を機械にされているから、そこで最愛の人とのコミュニケーションまでデジタルにしたら、本当に人間ではなくなるのかもしれませんね。だから紙を使うことが、ギリギリ最後の人間としての部分なのかなって。

石母田:なるほどね。

折笠:作品の中で、シュウちゃんがほかの女の人と会っているのを、衛星からの映像を通じて感じちゃうみたいなところとか、あの当時「すごいことだな」と思ってましたけどね。

▲偵察衛星でなんでも見えるちせは、シュウジの浮気現場まで見えてしまうため、逆に苦しむことになる

▲偵察衛星でなんでも見えるちせは、シュウジの浮気現場まで見えてしまうため、逆に苦しむことになる

『最終兵器彼女』から生まれた「セカイ系」

――この作品をきっかけにして、後に「セカイ系」と呼ばれるジャンルが生まれているんですよ。

折笠:あっ、そうなんですか!?

――少女と少年の間に起こる問題に焦点を当てつつ、それが世界の危機といった大きな問題にも直結していくという物語で、21世紀に入って最初に生まれたブームになったんですよ。それをこの作品が作ったんです。

石母田・折笠:おお〜っ!!

――圧倒的な力を持つ美少女と、それを見守ることしかできない主人公という構図もセカイ系の特徴なんですけど、今はその振り戻しがすごくてですね。「俺TUEEEE系」といって、主人公がとにかく強いのが流行っているんですよ。しかも、元は普通の高校生が、異世界に転生すると普段からプレイしていたゲームの能力が適用されて、無敵の戦士になっているみたいな。

石母田:なるほどね。完全に願望ですよね。

――そうです。だからシュウジの真逆なんですよ。シュウジは力はないものの、つらい状況に最後まで耐え続けるけれど、今は最初から異世界最強なのでピンチにならないんです。アニメから16年経って、変わったなと思うものと、やっぱり変わらないと思うものは?

折笠:これからも変わらないのは、人を愛しいと想う気持ちだと思うんですけど、変わったのはなんでしょうね。

石母田:なんだろうね。たとえば、今は俺TUEEEE系というように、主人公に対して求めるものは時代によって当然変わると思うんですよ。シュウジは現実に近い男の子で、悩みもするし、全然強くないし。でも好きな人のために何かをしたいとか。そこを観たいと思うかどうか、みたいなところが時代によって変わるんだろうなっていう。

折笠:ある意味、深くて生々しいのかもしれないですね。『サイカノ』って。

石母田:もし、その当時『サイカノ』のそういう主人公のスタイルが受け入れられたとするなら、みんなそこが観たかったというか。等身大な、今の自分に近いものを、物語の中にも観たかったんだろうなっていう気がしますね。

折笠:繊細なんですよね。花でいうと、花びらのところでエンタメの派手さみたいなものを表すけど、大事なのは花の蜜の部分で。派手さがないぶんド直球というのが、この作品だと思うんですけどね。

――色々と描かれなかった部分も多い作品ですが、16年経って、明かしてもらえるなら知りたい謎などはありますか? 実際、誰と戦っていたのかすら、よくわからないじゃないですか。

石母田:その疑問はまぁ確かに。「地球の裏側でも……」とかっていう話もありましたしね。

折笠:でもなんか、「そこを説明する時間を割いてでも、ふたりのことを……」みたいに描いているから、好みがわかれるかもしれないですけど、そこは必要がないのかもしれないですよね。

――実は、まさにそこを描かないスタイルを生み出したことで、「セカイ系」というジャンルとして確立したんですよ。ただ、やっぱりわからない部分は知りたくないですか?

石母田:どうなんだろ。僕なんかは、ただもうふたりのことに一所懸命だった記憶がありますね。もちろん、なんでこんな戦争が始まったのかという疑問はあったと思うんですけど、それよりもふたりの関係とか、周りの人との関係っていう「人と人の関わり」の部分を大事にしていた気がするんですよね。

折笠:私もそうですね。ちせはどこに戦いに行っても、ずっとシュウちゃんのことを考えているという軸があるので、奥にある戦争の設定みたいなのはあまり気にしていなくて、とにかくシュウちゃんばっかりだったっていう感じでした。

――そこはキャラクターと同じ視点ですね。あのふたりも、世界のことよりお互いのことでしたから。16年経ってから観返してみて、それぞれのキャラクターをどのように感じましたか?

折笠:だいぶ客観的に見れるようになったのかもしれないです。改めて観返すと、こんなに深くて重いものだったんだな、当時大変だったな、私はちせの想いを必死に受け止めていたんだな、というのを感じます。

技術的なお話をすると、北海道弁もあったので、自分的にも台本や資料をたくさん確認して、リハーサルにすごく時間を割いてアフレコに臨んでいたんですよ。だから想い入れが強くなる部分もあったし、毎週泣いていたので、終わるとすごく疲れてたなっていう記憶がありますね。

――シュウジはいかがですか? やはり今観ると、青いですか?

石母田:もちろん青いとは思いますけど、当時から「俺とは違うな」というか、「いいな」と思ってたんですよね。これだけ直球で人を好きになって、「その人のために」って言うことができるシュウジというキャラクターにすごく憧れたところはありましたね。

――今から思えば、シュウジの立場はハーレム系と呼ばれるジャンルの主人公ですけどね。

石母田:そうなんだ! まぁモテモテではあったけど。

折笠:美女にモテてたよね。ハーレム系……すごい、なんとか系がいっぱい出てくる(笑)。

石母田:男気があったのかなぁ。みんな、そういうところに惹かれるんですかね。

――ふゆみからの誘惑のところは、「行くなよ!」と「行け!」のどっち派でしたか?

石母田・折笠:あははははっ!!

石母田:いや、「行くなよ!」「行け!」というよりも、「行くだろ!」みたいな(笑)。憧れていた先輩で、綺麗だし、アンニュイというか、その気があるようなオーラを出すじゃないですか。小悪魔的というのか……。

折笠:そこに翻弄される。

石母田:そう! 男は本能的に翻弄されたいんじゃないかな、みたいな。でもちせのことが好きで、「何やってんだろ」って考えている彼が好きでもある。

――アニメファン的な見地で言えば、伊藤美紀さんの声で迫られて拒否できる男はいません!

石母田:あははっ! そうでしょうね!

折笠:それは同意!(笑)

当時の芝居を振り返って

――ご自身のお芝居については、今観るとどのような印象でしょうか? 「私、いい芝居したなぁ」と思えるところとか。ちせなんて、4キャラクター分くらいありますよね。

折笠:そうですね。兵器モードとかいろいろ。

――かわいらしい少女のちせ、軍人としてのちせ、兵器として悪魔のようになったちせ、哀しい兵器としてのちせ。そんな4キャラクターがちせにはあるなと思いながら観ていました。

折笠:ちせには、自分が人間でいたいという想いが根底にあるじゃないですか。完全に兵器にはなりたくないという。なんかその、抗う気持ちの中での、「人間モード」「兵器モード」の2極の間で揺れているような感じで演じていたので、パキパキ分けていたわけではないんですよ。すごく曖昧なんです。いや〜、大変なことをしていましたね(笑)。

――我ながら会心の演技だなと思えたシーンは?

折笠:ええ〜っ!?(笑) いや、毎回毎回が本当に必死だったので、ここがというよりは全編通して「私、こんなことよくやったな」みたいな。そんな気がすごくします。

――シュウジは?

石母田:さっきも言いましたけど、未熟だなと。

――最初のほうと最後のほうでは、成長は感じましたか?

石母田:どうなんでしょう。成長したのかどうか。まぁ、あの中で慣れていったというのはありましたけど。ただ、もし自分を褒めるとするならですよ。想いがボン!っと出る瞬間、その本気度合は出せていたように感じます。

僕は基本は舞台俳優なので、芝居の中でどういうふうに想いを出すか、いわゆる本気のセリフ、心からの想いを出すっていうことを念頭に置いてやってきたんです。当時、音響監督の三好(慶一郎)さんに「あのセリフ良かったよ」って言われたのが、第5話の学校の避難訓練のシーンで。

ちせに「逃げて!」って言われて逃げちゃうんですけど、「俺なんで逃げてんだ。あいつの彼氏なのに!」っていうところは、たしかに今観返しても「あ、ちゃんと出てるな」って気がする……(笑)。

ただね、いかんせん、折笠さんとか美紀さんとか、ほかの人はみんないい芝居しているんですよ。心がありつつ技術もあるんですよ。だから僕にあの心と技術がもう少しあればなって、観返すと思いますね。

折笠:でもなんか、そういうところがシュウちゃんだなって私は感じてましたよ。美しく整えられた、洗練されたものが出ちゃうと、それはもうシュウちゃんではないので。すごくいいバランスだなと思っていました。

――シュウジの芝居で、一番心に残るシーンは?

折笠:ふたりで逃げてる最後のほうで、ちせが喋れなくなるじゃないですか。そのときの石母田さんの、戸惑いながら一所懸命みたいな姿が、私は胸に来ていました。それがフィルムにも乗っていると思います。

――石母田さんは、画面のシュウジに入り込んで、芝居がトリップしたような場面などはありましたか?

石母田:恥ずかしい話、僕、アフレコはこれが初めてみたいなものですし、精一杯シュウジの想いを芝居しなきゃいけない、でも画に合わせなきゃいけない。そういう意味ではいつもトリップしていたんじゃないかな(笑)。

僕はなんか、隣にいる折笠さんの息遣いとかをちせとして感じようとしていた気がします。それが正しいのかはわからないですけど、こうしながらこうしながら……って、ごめんなさい。動画じゃないとわからないですよね(笑)。こう、前を向きながら、隣を感じながら、自分を出しながらっていう。

▲目の前のスクリーンのちせを見つつ、隣のマイクスタンドに立つ折笠さんを感じ、自分の芝居も出していくということを、身振り手振りを添えて伝える石母田さん

▲目の前のスクリーンのちせを見つつ、隣のマイクスタンドに立つ折笠さんを感じ、自分の芝居も出していくということを、身振り手振りを添えて伝える石母田さん

石母田:すべてにおいて貴重な体験だったし、いろんな経験をさせてもらいました。それこそイベントも、あんなイベントなんて行ったことなかったし。

DVDの最終巻に映像特典として、イベントの映像があったんですよ。そこで「お芝居どうでしたか?」って聞かれてたんですけど、「いや、自分が一番いい芝居してますけどね」なんて冗談でも言っていた自分がもう、「こいつほんとにバカだな!」と思って。「よくそんなこと言えるな」って、たぶんみんなも思ってたんじゃないかな。

折笠:いや、そうやって盛り上げてくれてたんじゃない。

石母田:盛り上げようとしていたんだったら、まだ赦してあげますけど……。すごくいつもテンパっていたような気がするんですよね。

――まさにそのイベント映像も、今回のコンプリートBlu-rayに入るらしいですよ。

石母田:あっ、そうなんですか!? 茶髪でしたよ!?

折笠:私も茶髪でした。私は舞台のせいだったんですけど……。

――ほかのキャラクターで、いい芝居をされているなと思った場面などは?

石母田:それぞれみなさん、いっぱいありますからね。今考えれば、ずいぶん豪華なキャスト陣だなっていう。

――ちせは、シュウジと会っている学校とは別の、軍との関わりもあったわけですが、そちらでの想い出というと?

折笠:伊井篤史さんが演じたカワハラさんなどは、軍と人情の板挟みになっているお芝居とかがすごく繊細で、素敵だなっていつも思っていました。

――テツはいかがでしたか? ちせにとってはシュウジの次に大きいと思うのですが。

折笠:三木眞一郎さんは、本当に安心して委ねられる人で。そういう意味でもそのままテツさんでしたね。『サイカノ』の後も共演が多くて、芝居のなんたるかを語ったりするようなことはないんですけど、私のお芝居をいつもすごく信頼してくださっていて、ありがたいです。『サイカノ』では大きな支えのようなテツはとても印象的でしたね。

――ちせとテツの関係は、シュウジとしてはいかがだったんですか?

石母田:どうだったんだろう……。嫉妬してたんですかね。今思えば、テツはああやってちせをあったかく受け止めていた大人で、リアルでも大人な男に女性は憧れるじゃないですか。自分にはまだそこまでの包容力がないとなれば、嫉妬もするでしょうね。

――逆に、シュウジもふゆみとイケナイ関係になっていて、ちせとしてはいかがだったんですか? 石母田さんと伊藤美紀さんが、ああいうことをしているというのは!?

石母田:どうなんだろう(笑)。どうなんですか、そこんとこ?

折笠:いや(笑)。さっきもお話しましたけど、衛星で見えてしまうちせにはけっこう残酷だなっていう。でも、美紀さんのお芝居がすごく素敵なので、役者目線では「こりゃあしょうがないよねシュウちゃん!」みたいな(笑)。

だけどちせ目線だと、内臓をぐわって掴まれるくらい傷ついているというか。ちせには全部見えちゃうけど、シュウジはテツさんの存在を知らないじゃないですか。「私が全部抱えなきゃいけないんだ。つらい!(笑)」っていうのはありましたね。


ダブル折笠で演じたOVA

――2005年にはOVAがアニメオリジナル脚本で発売されました。石母田さんは「シュウジが出ない」と聞かされたときはいかがでしたか?

石母田:どうだったんだろう。「俺、やれないんだ」とは思ったかもしれない。ただ、本編でだいぶシュウジ目線でやらせていただいたので、そういうものなんだろうなと思いましたけど。

――一方、折笠さんはダブル折笠での主演となったわけですが、最初に話を聞いたときはいかがでしたか?

折笠:軍目線でという話で、しかも(折笠)愛さんがキャスティングされていると聞いて、最初はどんな話になるんだろうと。学校での日常っていう、ちょっと安心できる場所がまったくなくなるのかなっていう怖さとかはありました。

第一印象はそんな感じだったんですけど、演じてみたときに、愛さんが演じてらっしゃるプロトタイプの兵器が、ちせに会うことでちょっと人間を取り戻すみたいな、揺れる機微みたいなものにすごく感動しました。

それと、ちせは「シュウちゃんシュウちゃん」言ってたので、シュウジも出てた気持ちでいたんですけど、改めてOVAを観返したときに「あれ、出てなかったんだ!」って。

石母田:あははっ!

――まさにそういう意図で作られたようですね。シュウジは出ていないのに、すごく存在感があるという。愛さんとのお芝居はいかがでしたか?

折笠:単純に嬉しかったです。「名前キャスティングだわ」なんて愛さんは笑ってたんですけど、かっこいいところと優しいところ、女性らしいところがどんどん変わっていくあのキャラクターの流れみたいなものを、とっても自然に演じられていて。でもすごく力強く生きていて。

そこにひ弱なちせがいる。しかも反して、兵器としてはどんどん強くなっていく。そのバランスがすごく面白い作品だったなって感じます。

――シュウジとちせが会っている時間のぶんだけ、一般兵士が死んでいく様にスポットを当てているという、まさにTVシリーズの裏側を描いたのがこのOVAです。残酷である一方、TVシリーズを観た上で視聴すると、非常に面白いというのが皮肉でもありますが、本作の魅力はどんなところでしょうか?

折笠:軍の人の覚悟みたいなものもすごく描かれていたから、より深いですよね。本編とは少し違って、軍だからすごく堅いんだけど、その中の女性的なやわらかさみたいなところに加瀬(充子)監督の女性の目線を感じました。

――OVAのパッケージでは、ケースを外すとミズキの顔の半分が機械になっているというような驚きの仕掛けがありました。今回コンプリートBlu-ray発売となるわけですが、「商品にこんな仕掛けがあったら面白いのに」というアイデアがありましたら教えてください。

折笠:ブックレットに交換日記の全貌がついている(笑)。

石母田:あははっ!

折笠:ちゃんと破れてるところも再現されてるとか。そういうのがあったら楽しいですね。

――原作以来のファン、16年前のアニメを観ていたファンに向けてのメッセージと、今回初めて『最終兵器彼女』に触れる若いアニメファンに向けてのメッセージをお願いします。

石母田:一所懸命搾り出して演じましたので、あったかい目で観てほしいなっていうのがあります。今の若い世代の人たちには、逆にどんなふうに感じるのか聞いてみたいですね。戦争に翻弄される話ではあるんですけど、身近にある話として捉え、シュウジとちせの恋にキュンキュンしてほしいなと思います。そこは時代が変わっても、人が人を好きになる気持ちは変わらないと思うので。

――もっと単純に、ちせのかわいさ推しでもいいかと。あの北海道弁はかわいいですよ!

折笠:ありがとうございます(笑)。

石母田:北海道弁も、折笠さん上手いのよ!

折笠:あははっ! でも今、石母田さんも言ってましたけど、人が人を好きになるっていうのはずっと変わらない気持ちじゃないですか。「この星で一番最後のラブストーリー」っていうキャッチコピーがついていましたけど、ずっと応援してくださっている方は、その普遍的なものを大事にしてくださっているんだなって感じますし、これから観る方もたぶんそれを感じて観ていただけるんじゃないかと思うので、その気持ちをまた伝承してください(笑)。

――最後に、あの結末というのは正直どう感じられましたか?

折笠:あれは、観ている人に委ねるというか。それゆえ心の中に残る感じがいいんじゃないかと私は思うんですよ。

石母田:いや、いいと思います。

折笠:ラブストーリーを完結させちゃうと粋じゃないっていうか。想いはずっと、至るところにあるんだよ、みたいなのがいいなと。まぁ、シュウちゃんはどうなったんだろうっていうのはありますけど(笑)。

石母田:自分たち以外いなくなって、自分たちだけになるって、たぶん究極の幸せというか。ふたりをずっと追ってきた視点で見ていくと、そういう部分もある気がするんですよね。現実を考えたらどうなったんだろうっていうのはありますけど、ふたりの想いで見ていけば、一番幸せなところに行ったんじゃないかなと思います。

折笠:描いてはいるけどその実、見えないものだから、感じてほしいですね。

[取材・文/設楽英一]


発売情報

<初回生産限定>最終兵器彼女 コンプリート Blu-ray

大人気を博したTVアニメシリーズ全13話とOVA全2作を完全収録した、ファン待望のブルーレイが登場! 最高クオリティの映像はもちろんのこと、原作者:高橋しんによる新規描き下ろしスリーブ付き、映像&封入特典満載と、まさに永久保存版の豪華ブルーレイBOX!!!

【発売日】
2018年9月12日(水)

【解説】
原作は小学館『週刊ビッグコミックスピリッツ』にて2000年1月から2001年10月まで連載され、コミックス全7巻で累計350万部を突破した高橋しんの人気漫画。連載終了後、2002年7月からTVアニメシリーズが放送開始。その独特の世界観と切ないラブストーリーが大反響を呼び、原作・アニメファンのみならず多くの人たちを魅了した。その後、メインスタッフが再結集し制作されたOVAは、高橋しん描き下ろしによる新キャラ“ミズキ”が登場、TVシリーズでは語られることのなかったもうひとつの真実が描かれた。

TVシリーズ全13話とOVA2話をコンプリートしたファン待望のブルーレイがついに登場!! DVD(2005年発売)に収録されたオーディオドラマ、キャスト対談、原作者&スタッフインタビュー、ノンクレジットオープニング&エンディング、TVスポット、ゲームオープニングなどの映像特典に加え、TVシリーズ・OVAの各音楽集CDを封入。当時公式HPで人気の高かった「サヨナラ」「恋スル気持チ」「夢見るために」の公式HP BGM Versionも追加収録! ブックレットには原作者・監督・主演キャストの新規座談会を掲載など、豪華特典が満載!!

【収録内容】
・TVアニメシリーズ「最終兵器彼女」(全13話)
・OVA(全2話)「最終兵器彼女 Another love song MISSION.1」
「最終兵器彼女 Another love song MISSION.2<完>」
<DISC編成>
 DISC1:第1話~第7話
 DISC2:第8話~第13話
 DISC3:「最終兵器彼女 Another love song MISSION.1」
「最終兵器彼女 Another love song MISSION.2<完>」

【ストーリー】
・TVアニメシリーズ「最終兵器彼女」
北海道の田舎町に住む高校生・シュウジとちせは付き合い始めたばかり。
ある日、国籍不明の敵に札幌が空襲される。必死に逃げるシュウジの上空で謎の物体が突如現れ、敵を次々と襲撃していく。
それは、体から羽根と巨大な武器を生やしたちせであった。
とてつもない破壊力を持つ最終兵器に改造され、戦争へと駆り出されていくちせ。それを見守ることしかできないシュウジ。
突きつけられた重い現実を彼らはどう受け止めていくのか? そして二人の恋の行方は……。

・OVA「最終兵器彼女Another love song MISSION.1・2」
戦闘機が飛び交う博多上空──爆撃機が次々とミサイルを落とし、福岡ドーム周辺は火の海と化していた。
そんな中、上空に一点、謎の光が現れた。
敵の攻撃を受けながらも、敢然とエネルギー砲を発射し続け戦う、その兵器の活躍で敵機は次々と砕かれていく……。
それは、ちせとは別の“もう一つの最終兵器”だった。
果たして、もうひとつの最終兵器は、ちせにとって敵なのか、味方なのか……。

【声の出演】
・TVアニメシリーズ「最終兵器彼女」
シュウジ:石母田史朗 ちせ:折笠富美子 テツ:三木眞一郎 ほか
・OVA「最終兵器彼女Another love song MISSION.1・2」
ちせ:折笠富美子 ミズキ:折笠 愛 テツ:三木眞一郎 ほか

【スタッフ】
・TVアニメシリーズ「最終兵器彼女」
原作:高橋しん(小学館「ビッグスピリッツコミックス」)
監督:加瀬充子 脚本:江良 至 
キャラクターデザイン:香川 久 総作画監督:佐藤雅将 美術監督:東 潤一
メカニクスデザイン:神戸洋行 3DCGディレクター:松浦裕暁 撮影監督:石黒晴嗣
編集:重村建吾/肥田 文 音楽:見良津健雄 音響監督:三好慶一郎
オープニングテーマ:「恋スル気持チ」 エンディングテーマ:「サヨナラ」
作詞・作曲:谷戸ゆりあ Vocal:谷戸由李亜
製作:東映ビデオ・東北新社・小学館・中部日本放送 制作:GONZO DIGIMATION

・OVA「最終兵器彼女 Another love song MISSION.1・2」
原作:高橋しん(小学館「ビッグスピリッツコミックス」)
監督:加瀬充子 脚本:江良 至
キャラクターデザイン・総作画監督:香川 久(MISSION.1)
作画監督:佐藤 陵(MISSION.1)
キャラクターデザイン・作画監督:香川 久(MISSION.2)
メカ作監・メカデザイン・3D監修:川原智弘 絵コンテ:加瀬充子/月野正志 
演出:三笠 修 美術ボード:菊池正典 3DCGディレクター:松浦裕暁
2DCGI:海老川兼武 撮影監督:福士 亨 編集:重村建吾 音楽:吉川 慶
エンディングテーマ:「真夜中の虹~everlasting love~」Vocal:麻倉あきら
音響監督:三好慶一郎
制作協力:SHIN Presents!/堀 靖樹/小学館ビッグコミックスピリッツ編集部
制作:スタジオ・ファンタジア
製作:東映ビデオ/東北新社/小学館/中部日本放送

【放送期間】
・TVアニメシリーズ「最終兵器彼女」
2002年7月~2002年10月 中部日本放送・ファミリー劇場ほかにて放送
・OVA「最終兵器彼女Another love song MISSION.1・2」
2005年8月~9月発売

【コピーライト】
・TVアニメシリーズ「最終兵器彼女」
(C)高橋しん/小学館・東映ビデオ・東北新社・CBCテレビ
・OVA「最終兵器彼女Another love song MISSION.1・2」
(C)2005高橋しん/小学館・東映ビデオ・東北新社・CBCテレビ

【スペック】
●映像特典 ※2002年11月~2003年3月発売のTVシリーズDVDと2005年8月~9月に発売されたOVAのDVDに収録されたものを再収録
DISC1
◆スペシャル対談 PART 1 石母田史朗 vs 折笠富美子(予定)
◆スペシャル対談 PART 2 三木眞一郎 vs 伊藤美紀(予定)
◆スペシャル対談 PART 3 白鳥 哲 vs 杉本ゆう(予定)
◆ノンクレジットオープニング&エンディング(予定)
DISC2
◆スペシャル・インタビュー 加瀬監督&月野プロデューサーインタビュー(予定)
◆原作者:高橋しんインタビュー(予定)
◆ファンイベント in 東京ダイジェスト(予定)
◆TVスポット(予定)
◆ゲームオープニング(予定)
◆「サヨナラ」カラオケ(予定)
◆「地球の果て」TVスポット(予定)
DISC3
◆インタビュー(予定)
・ちせ役:折笠富美子
・ミズキ役:折笠愛
・テツ役:三木眞一郎
・原作:高橋しん
・【主題歌】:麻倉あきら
・脚本:江良 至
・監督:加瀬充子
◆完成披露試写会
◆MISSION.2予告(予定)
◆プロモーション映像(予定)
◆TV‐CM(予定)
※映像特典はすべてリニアPCM(ステレオ)での収録となります。

●音声特典
◆DISC3 オーディオドラマ 最後の夏祭り(予定)

●封入特典
・音楽集CD2枚
◆TVシリーズ最終兵器彼女SHE,THE ULTIMATE WEAPON音楽集CD
現在廃盤になっているTVシリーズ関連の音楽CDを再編成して制作(ユニバーサルミュージック/レディオソニック)
※最終兵器彼女Original Soundtrack Image Album 全曲収録
※「恋スル気持チ」「夢見るために」「サヨナラ」フルバージョン収録
※「体温」(11話挿入歌)収録
※「地球の果て-Vocal Version」(Vocal:ちせ・折笠富美子)収録
※「サヨナラ」「恋スル気持チ」「夢見るために」の公式HP BGM Versionを収録

◆OVA最終兵器彼女 Another love song音楽集CD
現在入手困難になっているOVA関連の音楽CDを再編成して制作
※OVA最終兵器彼女オリジナルサウンドトラック全曲収録
※「真夜中の虹」フルバージョン収録
※「hikari」「あなただけ描いて」を収録

◆特製ブックレット(20P予定)
※原作者:高橋しん、監督:加瀬充子、キャスト:石母田史朗&折笠富美子による座談会を掲載
※2002年11月~2003年3月発売のDVDの解説書に掲載された脚本:江良至執筆の「江良至のサイカノ日記VOL.1~5」を再掲載

●高橋しん新規描き下ろしスリーブ付き

BSTD20119/24,000円+税/COLOR/本編375分(予定)/2層2枚+1層1枚/
1.リニアPCM(ステレオ)(disc3のみ 2.ドルビーTrue HD(5.1ch))/
16:9【1080i Hi-Def】/TVアニメシリーズ全13話+OVA全2話

※初回生産限定につき、ご予約いただかないと入手困難になる場合がございますので、お早めのご予約をおすすめいたします。
※本編映像は、SD素材を元にアップコンバートし最新のHD化作業を行ったものです。
※今作品では、キュー・テックの「FORS MASTER PROSESS」テクノロジーを使用し、高画質アップコンバート、及び高品位な音声エンコードに対応いたしました。コンポーネントデジタル機器による最高のクオリティで映像化を行っております。

【発売元】東映ビデオ・東北新社
【販売元】東映

(C)高橋しん/小学館・東映ビデオ・東北新社・CBCテレビ
(C)2005高橋しん/小学館・東映ビデオ・東北新社・CBCテレビ

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