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TVアニメ『BEASTARS』スタッフインタビュー

秋アニメ『BEASTARS』スタッフインタビュー|松見真一監督やCGチーフディレクター・井野元英二さんが、動物モノとして海外のCG作品とは違った表現に挑戦&多角的キャラクターの目線で描く動物版ヒューマンドラマ☆

フジテレビ「+Ultra」他にて放送中のTVアニメ『BEASTARS』は、肉食獣と草食獣が共存する世界を舞台に、名門チェリートン学園で繰り広げられる動物たちの青春群像劇。

食肉が重罪とされるなか、アルパカ♂のテムが何者かに食殺されるところから始まり、ハイイロオオカミ♂のレゴシやアカシカ♂のルイ、ドワーフウサギ♀のハルといった魅力的なキャラクターたちの学園生活の様子が描かれています。

そこで今回は、制作の裏側に迫るべく、松見真一監督と、アニメーション制作・オレンジで本作のCGチーフディレクターを務める井野元英二さんにインタビュー!

アニメ化するにあたっての作品の魅力や演出のポイント、プレスコでの収録に臨むキャスト陣の印象などについて伺いました。

動物モノとしてCGでの表現に挑みたくなる魅力を秘めた漫画原作に、様々な賞の受賞前から注目!?

――まず、アニメ化のきっかけを教えてください。

CGチーフディレクター・井野元英二さん(以降、井野元):『BEASTARS』がいろいろな漫画の賞をまだ取る前だったと思いますが、東宝のプロデューサー陣や弊社のプロデューサーを交えての、ちょっとした飲み会みたいな席で、話が出たのが最初だったように記憶しています。

その当時は、この作品をアニメ化するにあたって「オレンジで」と、まだ決定した訳ではなかったと思いますが、「こういう作品があるんだけど、どうですか」みたいな。

偶然、私も原作を読む機会があって、「『BEASTARS』なら(やってみたい)」と思ったところが最初かなと。

CGにするか(手描きの)作画にするかも流動的で、作画の方が良いのではという話もチラッと出ていたみたいですが、私から「これはCGじゃないと無理なんじゃないかな」みたいな話をした覚えがあって、そういうことが私の中でのきっかけだったかと思います。

――最初は、製作委員会に入っている東宝から、アニメ化や松見監督でという提案があって、実際に稼働していったと?

井野元:もし、この作品をやるということになったら、弊社のプロデューサーとかが「松見さんにお願いしたい」という話があって、松見さんにお話がいったと思うんですけど……いかがですか?

松見真一監督(以降、監督):今、(井野元さんが)おっしゃっていたように(原作が)まだ賞を取る前に、僕もプロデューサーの方から「原作読んでみて。これいけるかな?」という話だったので、「面白いんじゃない」と。

その時は企画段階だったので、監督としてではなく、やってみたら面白いだろうし、動物を描くならCGだと作画とはまた違う表現ができるんじゃないかという話をしていて。

「アニメ決まったらいいよね!」くらいの感じでしたね、最初は(笑)。

――じゃあ、監督としてのご依頼があった時は、アニメ化が実現した驚きや喜びを感じたり。

監督:いや、動物の表現をするのか……大変だなとは、ちょっと思いました(笑)。

――(笑)。アニメ化が決まる前から原作をご存知だったということで、作品の世界観や原作を読んでの感想、アニメ化するにあたって魅力に感じた部分などがあれば教えてください。

監督:原作を読んでの感想としては、設定として肉食と草食という絶対に越えられない壁の中で恋愛をしていく……これは、どうやって決着を着けるのかなというのが、一番興味がありました。

漫画としてのセリフやモノローグなどの構造が面白いなと思ったので、それをアニメにするのは難しいかなと思ったんですけど、そこは魅力でしたね。

井野元:私の感覚からすると、動物モノはピクサーやディズニーの作品など、海外作品ではいくつかあって。例えば、私も1960年代の作画の映画『101匹わんちゃん』とかを見ていて、(皆さん)わりと見慣れていると思うんです。

ですが、日本の作品だとTVアニメ『名探偵ホームズ』とか昔の作品くらいで、最近はあまり目にしないんですよね。

この作品はCGでという話をしたのも、なんとなく最近は、そういう動物を作画で安定して描ける人がそんなにいるのかなという感想があったり、海外作品の動物モノがスタンダードになっている人たちにとって、日本のアニメとして見る際に、普通の表現をしたくらいでは、やはり負けると思うんですよね……。

作画の人間体のキャラが、頭だけ動物に差し変わって「さぁ動物モノですよ」と言ったところで、「(海外作品に)かなうかな、難しいかな」と思うところがあって。

だったらCGで、もう少し違う表現というか、違う見せ方をしないと勝負にならないなという感触もあったので、そういうことを言ったのかなと思います。

動物だったら以前からやってみたいことがあり、『BEASTARS』より前にも、1~2分のゲームのOPムービーみたいな作品で動物モノを手掛けたことがあって。イメージしていた動物のキャラ表現などにチャレンジしてみたんです。

当時としては比較的うまくいったかなという感触はあったんですけど、さらに進化させたモノを見せないといけないかなと思い、私の技術的な側面になりますが、今回(アニメ化するにあたって)そのチャレンジができるかなというところですね。

――この作品には、CGを使って動物モノの表現に挑戦したくなる魅力があったということですね。

井野元:何かしら作品を作る上で、「こういうのはどうですか」と世に提案していかないと、だんだん閉塞感ができてしまうので、今回そういった提案ができるといいなというのが、私個人の感想ではありますけどね。

(C)板垣巴留(秋田書店)/BEASTARS製作委員会
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