田所あずささん「RIVALS」インタビュー｜10枚目となるシングルには秋アニメ『神田川JET GIRLS』EDに加え、今後の“指針”となる曲もパッケージ！「最強です！」

「スペクトラム ブルー」は「最強の曲」

──2曲目のミディアムナンバー「スペクトラム ブルー」についても教えてください。「RIVALS」に引き続き、神田ジョンさんが作曲された曲です。切々とした、良い曲ですね。

田所：ジョンさんが私に歌ってほしいと思ってくれていた曲だったんです。デモを聴かせていただき、私も歌いたいと思っていました。その願いを叶えてもらった形です。

歌詞を書いてくれているのは、同じ事務所に所属しているシンガーの大木貢祐さんです。共演も多く、ライブにも来てくださっていました。

私としても一緒に頑張ってきた仲間のように感じています。そういう方にぜひ書いていただきたいと思い、今回お願いしました。大木さん自身は他の人に歌詞を提供されるのが初めてだそうで、とても嬉しく思っています。

──歌詞について、何かリクエストはされていたんでしょうか。

田所：ジョンさんと「どういう歌詞がこのメロディに合うかな？」という話をしていたんです。それで「テーマは孤独や絶望な気がするね」と。プラス、美しい言葉選びができたらいいなと思い、大木さんにお願いしたんです。

──曲調は違いますが「孤独の惑星」など、孤独を描いた曲がこれまでもありましたね。孤独というのは、田所さんにとって伝えたいメッセージのひとつなのでしょうか。

田所：孤独・絶望をえらんだのは……曲から感じた雰囲気がいちばん大きいんですが、そういう気持ちを日々抱えていることもあって決めたんです。

あと、「孤独な惑星」「Crying」など、暗い雰囲気の曲は個人的にすごく共感できるし、好きだし、これからも歌いたいなと思っているテイストなんです。だから今回もこういう形で歌えてよかったなと思っています。

ただ、大木さんの紡いだ絶望というのが、実はあまり絶望ではなく「あえて孤独を選ぶ」という内容なので、今までの絶望とは種類が違うというか。すごくカッコいい絶望だなと。

──凛とした印象があります。＜私は弱いかな＞というラストの言葉も、すごくカッコいい。

田所：文字通り弱いわけではなく、ちょっと嫌みっぽい感じ（笑）。「私は本当に弱いと思いますか？」という問いかけになっていて、めちゃくちゃしびれました。「カッケーー！」って（笑）。

──（笑）。歌詞をもらったときはどんなお気持ちでしたか？

田所：本当に嬉しくて。大木さんは私のことをこういう風に思って、私に可能性を感じてくれているんだと思う歌詞で、じ～んときました。特に＜ひとりきりでいたいのは　ちゃんと迷いたいから＞という冒頭の言葉も染みました。ひとつひとつの表現がすごく好きです。

──＜穿たれた穴＞など表現が美しいですよね。すごく詞的で、田所さんの半生を描いた小説を読んでいるかのような気分にもなります。

田所：大木さんは本をたくさん読まれる方で、語彙力の豊富さもそうですけど、深くまで物事を考えられている方なんです。だからこそ、表現できる世界観で。多分……もっと難しくすることはできたと思うんですが、私によりそって難解さを減らしてくれています。

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──ところで、田所さんは青がお好きですよね。このタイトルは、田所さんの色と関係されているんです？

田所：そうです。それと、大木さんからうかがったんですがブルーというのは、孤独を表す色であり、永遠に届かない色と言われているそうなんです。

──永遠に届かない色ですか。

田所：はい。海や空など身近に見える青だけど、実際近くに行ったら透明じゃないですか。そして、私たちの手に届いたときには、もう青ではなくなってしまう……。手の届かない、一生憧れ続けないといけない色なんですよね。

私自身、ずっと満足できない性格というか。「歌が上手いってなんだろう？」「いい演技ってなんだろう」ってずっと理想を追い求めてしまう。そんな姿、私の人生を青という色に重ねてくれたそうなんです。

そういった説明も歌詞と一緒に送ってくださったんです。私のことをそんな風に考えてくださっていたんだとも、「こんな歌詞を書ける凄い人がいるんだな」とも思いました。大木さんは、今後どんどん注目されて引っ張りだこになっていく方だと思うので、今のうちに捕まえておかないとなと思っています（笑）。

──（笑）。また歌詞を書いてもらわないと！　それにしても青には、そういった意味があったんですね。

田所：漠然と青が好きで、青のキャラクターと縁があって、「青が好き」と言ってきましたが、そんな意味が青にあったんだと知って、より愛おしくなりました。

──レコーディングはいかがでしたか？

田所：ジョンさんも大木さんもいらしてくれたんです。ジョンさんが「RIVALS」に引き続き、ディレクションをしてくれました。一緒の方向を向いて作品を作ってくれたお二人がいらっしゃったので、心強くて、なんの迷いもなく歌えました。大木さんには歌詞のことを直接深く聞けて。すごく濃厚な時間を過ごせました。

──田所さん、ジョンさん、大木さん。3人の信頼関係があってこそ完成された曲だったんですね。まるでバンドのような関係性というか。

田所：あ、そう言ってもらえると嬉しいです！　この3人だったからこそ完成した曲です。本当にステキな曲ができたので、またこのタッグで曲を作れたらいいなと個人的に思っています

──本当に、すごくいい曲が完成しましたね。

田所：最強です！（笑）