音楽
絶賛公開中の劇場版『夏目友人帳 石起こしと怪しき来訪者』主題歌飾るAnlyにインタビュー

「星瞬~Star Wink~」のきらめきに、目には見えない、あなただけの大切な思い出を重ねて――シンガー・Anly、劇場アニメ『夏目友人帳 石起こしと怪しき来訪者』主題歌が生まれた軌跡を語る

沖縄の離島・伊江島出身のシンガーソングライター・Anlyのシングル「星瞬~Star Wink~」がリリースされた。

『NARUTO -ナルト- 疾風伝』や『七つの大罪 戒めの復活』をはじめ、アニメからドラマまでさまざまな作品の主題歌を飾ってきたAnly。全身で奏でるその圧倒的な声はもちろん、ブルースからポップスまで多彩なジャンルをミックスした独特の音楽性、ループ・ペダルを駆使したパフォーマンスなどが話題を呼び、国内外にその名を広めている。

待望の新曲は、現在、劇場で限定公開中の人気アニメ『夏目友人帳 石起こしと怪しき来訪者』の主題歌。『夏目友人帳』のやさしく温かな世界観、繊細な色彩の景色に寄り添うような、Anlyの伸びやかで力強いハイトーンが、終演後も余韻として心に残る。

「星瞬~Star Wink~」が生まれるまでの軌跡、そして、シングルにパッケージされた「Free Bird」、「Rainbow」、「この闇を照らす光のむこうに -Orchestra Version-」について、オンラインで教えてもらった。

アニメ主題歌が世界で活躍するキッカケに

――昨年デビュー5周年を迎えられて、今年は6年目。改めて“これまで”を振り返ってみると、どのような思いがありますか?

Anlyさん(以下Anly):本当にたくさんの曲をリリースさせていただいたなぁとしみじみ思います。国内外でライブさせていただく機会も増えて。『NARUTO -ナルト- 疾風伝』や『七つの大罪 戒めの復活』などアニメの主題歌をキッカケに、ドイツの音楽フェスに呼んでもらったり、私のことを知っていただいたり。最近はYouTubeの動画に、外国のかたからコメントをいただくことも増えました。ちゃんと音楽を届けられているんだなあという実感が湧いています。

最近はコロナでライブもできないし、フェスも延期が続いているんですけど、配信ライブなどで音楽を止めずにやれていることが、今の自分にとって糧になっています。

――(インタビュー現在は)3週連続でインスタライブを開催中ですね。

Anly: コロナ禍の前から毎週日曜日にインスタライブをしていたんです。だから配信ライブは「慣れている」というと語弊があるかもしれませんが、すごく楽しんでやってます。11月に、デビュー5周年記念ライブを9カ月ぶりに有観客で開催したんです(~Anly 5th Anniversary Live~[LOOP PEDAL SET]@渋谷duo MUSIC EXCHANGE)。

キャパシティは減らして、世界に配信をして。だから英語でMCをしたんですけど、慣れていないので結構大変でした(笑)。

――発音もキレイですし、エド・シーランのカバーを歌われていたり、歌詞に英語をミックスしていたりと、英語が得意なイメージでした。

Anly:単語は出てくるんですけど、文章はあまり……(苦笑)。歌でしか(文章の)英語は出てこないんですよね。

――意外です。じゃあ耳コピなんですね。

Anly:そうなんです。完全なる耳コピで(笑)。

――逆にすごいと思います。努力されているのはもちろんですけど、音階を聞き取る力に優れているのと、リズム感が良いのと、いろいろな要因があるんでしょうね。

Anly:そう言っていただけるとうれしいです(笑)。ありがとうございます。

――先ほどおっしゃってましたけど、英語のコメントがすごく多いですよね。

Anly:それは私も驚いているんです。意外にもインドネシアのかたが多く聴いてくださっていて。ブラジルのかたもよくメッセージを送ってくれるんです。

『NARUTO -ナルト-』の効果が大きいのかなと。かなり前のことなんですけど、コーヒー屋さんでイギリス人のかたと知り合って。コミュニケーションを取れるカフェだったので、少し話をして「『NARUTO -ナルト-の曲を歌ってるんだ」って言ったら、こちらがビックリするくらいのリアクションがありました(笑)。うれしかったですね。

――アニメ音楽は、Anlyさんにとってひとつの武器でもありますか?

Anly:そうですね。私のサブスクは、『NARUTO -ナルト- 疾風伝』の「カラノココロ」、『七つの大罪 戒めの復活』の「Beautiful」、どちらかが大体1位、2位なんです。あと、澤野弘之さんの「Tranquility」(劇場アニメ『銀河英雄伝説 Die Neue These 星乱』)も大きなキッカケとなりました。

――それぞれ、曲の表情がまったく違いますよね。

Anly: 1stアルバムから3rdアルバムまで、ジャンル感もかなり変わって。変わってないのって声だけくらいで(笑)。それくらい、いろいろなジャンルを“音楽”と総称して、私自身も楽しませてもらっています。そこについてきてくれるリスナーの方、レーベル・事務所の方に本当に感謝しています。

――カントリーをはじめ、多種多様な音楽をルーツに持っていることも大きいとは思うんですが、Anlyさん自身、「これ!」ってジャンルはきめないようにしてるんですか?

Anly:というよりかは、勝手に生まれてくるんです。たくさん音楽を聴いてきたことも大きいんだと思います。伊江島にいるときからラジオで流れてくる洋楽をシャッフルで聴いてましたし、カントリーも、ロックも、ブルースも、ポップも聴いてましたし、そこにプラス、母が好きな沖縄の民謡も入ってる。沖縄の言葉で、まぜこぜのことをチャンプルーって言うんですけど、自分のなかでまさにチャンプルーされているんだと思います。

――じゃあある意味、チャンプルー音楽というか。

Anly:(笑)そうですね。混ざってます。ミクスチャーのような感じで。

(C)緑川ゆき・白泉社/「夏目友人帳」製作委員会
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