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TVアニメ『陰実』ベータ役 水瀬いのりインタビュー【連載05】

TVアニメ『陰の実力者になりたくて!』ベータ役 水瀬いのりさんインタビュー|アレクシア、ローズ、イプシロンなど多くのキャラクターと掛け合う中で印象に残ったシーンは?【連載05】

多くのキャラクターと接点があるベータ。アレクシア、イプシロンとの掛け合いは?

――実際に演じてみてベータはどんな子でしたか?

水瀬:私の中のベータは、ちょっとしたたかな女性で、計算高くて、失態やドジなところは見せずに颯爽とオイシイところを持っていくイメージでした。

それと意外に純粋なところもあって、アルファ様(CV.瀬戸麻沙美)への感謝の気持ちが強かったり、シャドウガーデンを自分の居場所だと思っていたりして。そういった部分はアプリゲーム『陰の実力者になりたくて!マスターオブガーデン』でも深堀りされています。

幼少期、もともと自信がなかったベータが、自分の興味があることを突き詰めていくうちに今のベータになった……努力の先に今の自信をもった彼女の姿がある、というところには人間らしさを感じましたし、共感しました。

ミニアニメの『かげじつ』では、ベータはツッコミ役でもあって、ちょっと誰かをイジったりするところも彼女の魅力なのかなと思いました。

――キャラクターの過去を知ることは、演技をする上でのベースにもなりそうですね。

水瀬:そうですね。アニメ本編ではそれほど描かれない、葛藤などのシリアスな部分がアプリゲームでは描かれていて。アニメと並行して収録していたので、「七陰」それぞれに、当たり前だけど過去があるんだな、と感じながら演じることができました。

シャドウ様に教えてもらったおとぎ話を基にベータが物語を書いていることは、アニメでも描かれていますが、彼女が何であんなに物語や書くことが好きになったのか、というところをは、ゲームではさらに深堀して描いているんです。

――聞いた物語を丸パクリして小説を書いていましたからね。それでシドに内心失望されていましたけど(第10話)。

水瀬:でも、あそこまで行くと潔いですよね(笑)。異世界なのでバレることもないですし。

――先ほど幅広く演技できたという話もありましたが、心酔している時は本当にとろけるような言い方、誰かとやり合う時は強めな言い方、といったメリハリはどのように付けていたのですか?

水瀬:シャドウ様に対しては情熱的な部分が出ていて、「ちょっと行き過ぎ?」というところまでほわ~となっちゃっています。

早口で、小説を書き上げていくようなところは、「もっと鼻息を感じるように」「オタクっぽい感じで」と言われたりしました。普段はクールで知的な女性なので、ザンネンなところは、よりザンネンにというか。どのキャラクターも変なところがありますが、ベータの変なところはだいたいシャドウ様絡みで出てくるので、そこは崩して演じています。

アレクシアさん(CV.花澤香菜)に対しては、女性同士のキャットファイト感というか。だいぶしたたかなんですよね。感情的なアレクシアさんに対して、小馬鹿にするような、高いところからふっかける“アオリ感”みたいなところが出ているので、演じていてもちょっとヒリヒリしていました(笑)。

――ベータは、小説家であるナツメとしてアレクシアと接していて、収録も楽しそうだなと思いました。

水瀬:アレクシアさんとの足の踏み合いは結構楽しかったです(第11話)。怖さもありましたが(笑)。

香菜さんはああいうメリハリのプロだと思っているので、普段の凛としたアレクシアさんから、「王女がこんなに!?」という声色を出されるので、それに付いていけるように演じていました。

――第14話からは、ナツメとアレクシアに加え、ローズ(CV.白石晴香)も行動を共にします。

水瀬:3人だと牽制し合う、腹のさぐり合いみたいな空気になるんですよね。女の子が集まってキャッキャするのかと思ったら、個性がぶつかり合って、こんなにも仲良くなれないんだ! 相容れないんだ!と思いました。

――アレクシアは、偽装とはいえシャドウと恋人関係になっていたので、相当嫌っているのはわかりますが、ローズはそこまでではないですよね。

水瀬:そうですね。ローズ役の晴香ちゃんとは、3人で行動するあたりで一緒に録ることができたんですが、その時にローズは本当にかわいくて、王道ヒロインだなと思いました。(他のキャラクターが)曲者ばかりなので、このくらいシンプルなのが良いんですよ。「かわいくて品もあって、等身大の女の子だから人気が出るんだろうな」と思いながらアフレコしていました。

晴香ちゃんのお芝居が真っすぐだからこそ、ローズの献身的な部分と常識的な部分と普通な感じが、すごく魅力的に見えるんですよね。親身になってくれたり、惚れやすかったり、ちょろいヒロイン感もめちゃめちゃかわいいです!

ナツメ的には、ファンでいてくれることが嬉しかったと思います。好きなことにウキウキする感じはベータとも共通しているところなので、今後仲良くなってくれたらいいなと思っています。

――掛け合いでいえば、天然ものの胸を持つベータをライバル視しているイプシロン(CV.金元寿子)とのやり取りも印象的でした。

水瀬:確かに(笑)。ただ、ベータ側はイプシロンのことはライバルとも思っていなさそうですよね。なんかキャンキャン言っているわね、くらいのテンションだと個人的には思っています。そこで張り合ってしまうとベータらしくない気もして。カチンとくる時もあるのかもしれませんが、ベータが常に優位に立っているという感じです。

二人の絡みは、イプシロンがどうしても勝てないオチになるところが気に入っています。『かげじつ!』でも絡むことが多いんですが、イプシロンの“ザンネンかわいさ”みたいなところは、ひーさん(金元さんのこと)のお芝居も相まって、すごく愛おしく感じるんですよ。なので、もっとザンネンな目にあってほしくなるんです(笑)。

――イプシロンは、登場するたびに不自然なくらい胸が揺れるんですよね。

水瀬:でも悲しきかな、全部スライムという(笑)。

――しかもシドにもバレていて。金元さんとは一緒に録れたのですか?

水瀬:何度か掛け合いできました。ひーさんは普段は癒やしというか、落ち着いたお姉さんなので、あんな風にスイッチが入って、ぶつかり合う絡みになるのは新鮮でした。

――この作品は、どのキャラクターも本当に魅力的に描かれていて、とてもインパクトがありますよね。

水瀬:インパクトがある中でも、「ドエム・ケツハット」さんはちょっとびっくりしました(笑)。これは呼んでいいのかな?とためらいましたから。

――声が速水奨さんなのも強烈ですよね。キャスティングが本当に豪華です。

水瀬:そうなんですよ。ベテランの方、先輩の方が演じられているということもギャグになっているというか、味があるんですよ。オルバ役の小山力也さんも出番は一瞬でしたが、めちゃめちゃ熱演していましたから(第2話)。

――ヒョロ・ガリ役の松岡禎丞さんも熱演していますし。

水瀬:めちゃめちゃ全力で録っているので、毎回ロビーに声が響き渡っていて、楽しそうですよ。「爪痕を残すぞ!」という意思を感じなくもないです(笑)。

ギャグシーンを録る難しさ。ガンマのかわいいコケシーンにも注目

――前半で面白かったシーンを挙げるとしたらどこですか?

水瀬:やっぱりアレクシアさんが強いんですよね……。第11話で温泉に入っている時の“エクスカリバー”の下りとかは、山下さんも「合っているのかな、これ?」と言いながら演じていて、音響監督さんから「そういうことだから」と言われていました(笑)。

私は後ろから見守ることしかできなかったんですが、ギャグシーンを作るって大変だなと思いました。「これはギャグです!」という感じではなく、自然体でやることで笑いにつながるんですよね。

――あくまでキャラクターたちは大真面目にやっているのがいいんですよね。

水瀬:そうなんです。ドヤ顔で「笑ってください!」と演じるのではなく、至って普通に爆弾を投げることで笑いになる感じが、この作品らしさなのかなと。

私たちがアフレコをしている時点では、音響効果も付いていないわけですから、セリフとページを捲る音しかない空間でギャグシーンを録るのは大変だと思います。

――温泉のシーンのオチも、アレクシアがタオルでパンとする音ですからね。見ていると、わりと笑いどころに気づかずスルーしてしまって、「今笑うところだったかも?」となることがよくあります。

水瀬:決して全部回収してほしいわけではないくらいギャグが散りばめてあるので、山下さんの後ろ姿を見ながら、ザワザワって感じになっています(笑)。

山下さんは全部の演技がすごいですし、演じ分けもすごいので、一体どれが得意なんだろうと思ってしまいます。中二病から好青年、さらにはだるーっとした感じも自由自在で、まさにシドなんですよね。ただ、セリフも多いので、アフレコではいつも緊張されているんですよ。私はどうやら(雰囲気に)圧があるみたいで、「大丈夫ですよ」と言っても余計緊張させてしまうので、気をつけています(笑)。

――何か以前、緊張させるようなことを言ったのですか?

水瀬:全然、言ってないです! 瀬戸ちゃんが「ヤマピー」と呼んでいたので、私も真似して呼んでいるくらいですから(笑)。

――ギャグシーンの話に戻ると、「七陰」で面白かったシーンはどこでしょうか?

 

水瀬:ガンマ役の三森すずこさんと一緒になることは少なかったんですが、キャラクターPV「ベータ/ガンマ編」や本編を見たときに、ガンマがコケるところでの三森さんの演じ方が、「なんてコミカルでかわいいんだ!」と思いました。

「七陰」ではお姉さんポジションで、ドジな部分が隠れているんですが、コケることで一気にザンネンになるというか。あれって多分狙いすぎるとスベるんですよね。絶妙なラインで決めてくるのがすごいなと思いました。

――では最後に、今後の見どころの紹介をお願いします。

水瀬:ベータは、アレクシアさんとローズさんと、それぞれの目的から一時的に手を取り合って行動する展開になるんですが、お互い気に入らないところもありつつ、利用し合っている感じになります。

ベータが何を考えて、この2人と一緒にいるのかというところも、物語の後半に分かりますし、ベータの知的なところも出てきますので、ギャグシーンも多いですが、彼女なりに楽しみながら暗躍しているところをお楽しみいただければと思います。

関連情報

Bru-ray&DVD『陰の実力者になりたくて!』 Vol.1

2023年1月25日発売

BD 14,300円(税込)

 

DVD 12,100円(税込)

 

(第1話から第5話まで収録)

発売:KADOKAWA

小説『陰の実力者になりたくて! 05』

2022年12月28日発売

1,320円(税込)

発売:KADOKAWA

アニメ『陰の実力者になりたくて!』公式サイト
https://shadow-garden.jp/

『陰の実力者になりたくて!』作品情報

陰の実力者になりたくて!

あらすじ

『我が名はシャドウ。陰に潜み、陰を狩る者……』 みたいな中二病設定を楽しんでいたら、まさかの現実に!? 主人公でも、ラスボスでもない。 普段は実力を隠してモブに徹し、物語に陰ながら介入して密かに実力を示す「陰の実力者」。 この「陰の実力者」に憧れ、日々モブとして目立たず生活しながら、力を求めて修業していた少年は、事故で命を失い、異世界に転生した。 これ幸いと少年・シドは異世界で「陰の実力者」設定を楽しむために、「妄想」で作り上げた「闇の教団」を倒すべく(おふざけで)暗躍していたところ、どうやら本当に、その「闇の教団」が存在していて……? ノリで配下にした少女たちは勘違いからシドを崇拝し、シドは本人も知らぬところで本物の「陰の実力者」になっていき、そしてシドが率いる陰の組織「シャドウガーデン」は、やがて世界の闇を滅ぼしていく――。

キャスト

シド・カゲノー/シャドウ:山下誠一郎
アレクシア・ミドガル:花澤香菜
アイリス・ミドガル:日笠陽子
アルファ:瀬戸麻沙美
ベータ:水瀬いのり
ガンマ:三森すずこ
デルタ:ファイルーズあい
イプシロン:金元寿子
ゼータ:朝井彩加
イータ:近藤玲奈
クレア・カゲノー:日高里菜
ローズ・オリアナ:白石晴香
シェリー・バーネット:会沢紗弥
ヒョロ・ガリ:松岡禎丞
ジャガ・イモ:松重慎

(C)逢沢大介・KADOKAWA刊/シャドウガーデン
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