音楽
和楽器バンド・鈴華ゆう子、町屋、山葵、黒流『I vs I』インタビュー

newアルバム『I vs I』和楽器バンド・鈴華ゆう子さん、黒流さん、町屋さん、山葵さんが楽曲への思いを語る! さらに4人の好きなアニメやゲームなどオタクトークが爆発!?

 

アルバム前半は激しく、猛々しいタイアップ曲の連続

──2曲目の「宵ノ花」から6曲目の「藍より青し」までタイアップ曲が続きますが、戦国ものの作品のタイアップが4曲あって、まさに和楽器バンドの面目躍如ですね。

鈴華:「私たち以上にハマる人はいないでしょ」という自信はこの世界ではあります。

──どの曲も熱く、激しくて、和楽器もさることながら、ギターやドラムもパワフルで激熱でした。

町屋:ドラムもフルパワーで叩いているし、ギターもソロではトップスピードで弾き始めたり。8人それぞれがぶつかり合っていて、サウンドとしてはちゃんとまとまりのあるものになっています。

山葵:前半は熱量が高い曲が続くので、ドラムの音も重厚でガツガツ前に出るようなサウンドに仕上がったと思います。

──4曲目の「生命のアリア」はアニメ『MARS RED』のOP曲ですが、設定が大正ロマンと呼ばれた日本が西洋化し始めた頃のお話で、また違った時代感が楽曲からも感じられて。

 

 
町屋:僕らの十八番(おはこ)は戦国だけど、次に得意としている射程範囲は大正ロマンから明治あたりの世界観で。逆に「Starlight」みたいな、すごくモダンなポップス寄りの曲は珍しくて、そういうほうが難しいかもしれません。

ちなみに「生命のアリア」を作る時は、原作や脚本を読んで風景や街並みなどの世界観を頭にインプットするのに時間をかけて、曲を書き始めたら3時間くらいで終わりました。あと作品に出てくるワードを歌詞の中に少しずつ散りばめる感じです。

鈴華:私たちがやれば、どんな曲でも「ジャンル:和楽器バンド」になるので。過去10年の中でいろいろな時代感や世界観の楽曲を作ってきたので、どんなオーダーがあっても答えを出せるだけの引き出しはできていると思います。この「生命のアリア」は比較的やりやすいほうでした。

町屋:和全盛だった時に、洋のものが入って来た時代なので、そういう意味でも僕らに合っているのかもしれません。

黒流:見た目はハイカラだし。

──「藍より青し」まで激しい曲が続いた後に「Interlude」から「Starlight」という流れですが、「Starlight」は月9の法廷もののドラマ「イチケイのカラス」の主題歌で。また一気に雰囲気が変わりましたね。

鈴華:でも過去のアルバムを聴いていただくとわかると思いますが、実はこんなに戦国系に寄っているアルバムは珍しくて。

アルバムのテーマとしてつながりが必要という点で悩んだところはありますが、私たちだったらこういう答えかなと探って作った1つの挑戦ではありました。

町屋:『イチケイのカラス』もドラマの脚本を読みながら作っていったものの、原作も読んでいて。それぞれカラーが違いますが、僕の中では原作の雰囲気がずっと残っていたので、ドラマの要素を追加したりしながら仕上がった曲です。

鈴華:アルバムのコンセプトに合わせて、「I vs I ver.」としてリミックスしていて、オリジナルよりも和楽器が前に立つように音を調整していたり、前に「Interlude」を置いて世界観が切り替わる工夫をしたり。                                

アルバムに「Interlude」を入れたのは今回が初めてで、いろいろなジャンルを和楽器バンドに落とし込んできて、その時々に手札を出せるのはこの10年間の賜物かなと思います。

──鈴華さんの歌い方も他の収録曲と違って、包み込むような優しい感じで。

鈴華:元々、普通に歌う人ではあったんですけど、和楽器バンドをわかりやすく、世の中に知っていただくために、意識的に和っぽく歌っている部分がありました。

でも今は和楽器バンドが認知されたことで、曲によって歌い方を変えてもいいかなと思っているし、ファンの皆さんにも受け入れてもらえていると思っています。

 

 

9曲目からは新録曲づくしで、アルバムの物語を締めくくる!

──9曲目のミディアムナンバー「そして、まほろば」、10曲目のしっとりした「時の方舟」、本編ラストは男女混成のコーラスがさわやかで大団円感のあるエンドナンバーの「BRAVE」と、新録曲がアルバムを締めくくっていますが、その後にボーナストラックとして、すとぷりへの提供曲のカバー「星の如く」と、アニメ『あはれ!名作くん』の主題歌「名作ジャーニー」も収録されています。

町屋:1曲目から11曲目までで『I vs I』というコンセプチュアルな世界観が完成した後に、更にボーナストラックとして特別な曲を入れようと。

「星の如く」はセルフカバーとしては「吉原ラメント」以来で、「名作ジャーニー」は本編に入れるにははみ出してしまうような曲だったので、ボーナストラックとして入る分にはアルバムのバリエーションが広がる曲なので、この2曲を収録しました。

──「星の如く」は、すとぷりが歌っているバージョンはアイドルグループらしい、さわやかさやハツラツとした感じがありましたが、和楽器バンドバージョンは女性ボーカルで歌っているだけでも印象が変わるのにオケの和楽器感もより押し出しているような。

山葵:レコーディングしながら話していたましたが、すとぷりの皆さんは学校で例えるとキラキラした優等生でクラスでモテモテの男子たちで、俺たちのはヤンキーだよねと(笑)。

町屋:本家が陽キャ版で、我々のが陰キャ版(笑)。

山葵:音も悪そうな感じだけど、原曲とのギャップがついて、和楽器バンドのファンの方もすとぷりのリスナーの皆さんも楽しんでもらえるかなと思います。

鈴華:歌い出し始まりの曲で、和楽器バンドバージョンでは女性ボーカル1人ということで、まったく違う印象を与えることになると思います。

私自身もまず、すとぷりの皆さんを通してこの曲を聴いた捉え方を一旦なくして、自分自身の世界観に落とし込んで歌い直そうと思いました。

──「名作ジャーニー」は、NHKのEテレで放送されていた家族向けのアニメの主題歌ということもあり、和楽器の演奏もポップで明るくて、鈴華さんも歌のお姉さんみたいな歌い方だなと。

町屋:アルバムの流れが後半に行くにつれて、どんどん明るくなるので、収録曲の最後が「名作ジャーニー」というのはあまり違和感ないと思います。ただアルバムをリピートモードで再生していると、1曲目に戻るので「また戦うのか」と(笑)。

「名作ジャーニー」で「夢かな?」と思っていたら、1曲目の「The Beast」で戦場になっているという。

山葵:「名作ジャーニー」で「タイムトラベルはできる」と歌っていますが、タイムトラベルしたら原始時代へ(笑)。

黒流:それはツライ(笑)。

 

 

──このアルバムでは和楽器それぞれの音がしっかり聴けるし、各楽器が曲によっていろいろな表現や表情を見せるのも楽しめて。また作詞・作曲できる人がたくさんいるので、個性豊かでおもしろいアルバムだなと思いました。

町屋:メンバーが8人いて、楽器が7つあって、サウンドや楽曲のバリエーションの豊かさが我々の強みだと思っているので、ぜひ聴いてたっぷり堪能していただけたら嬉しいです。

鈴華:曲を書く中で、戦国もののタイアップが多いけど、女性ならではの視点の女性らしさを入れるのが私の役割かなと思って。これだけ長くやってくると、誰が書く曲にどんな役割があるのかが見えてくるんです。

山葵:僕の場合はみんなで一緒に歌える曲を。

町屋:陽キャに憧れる陰キャ、みたいな(笑)。

黒流:そうそう!

山葵:それ、ちょっとディスってませんか?(笑)

町屋:山葵だけのことじゃなく、我々みんなのことだから。

──初回限定ボカロ三昧2 大演奏会盤に『ボカロ三昧2 大演奏会』の中野サンプラザホール公演の映像も収録されていますが、ライブを振り返った感想をお聞かせください。

鈴華:大変なライブでした(笑)。

山葵:速い! 

黒流:我々も戦っています。

鈴華:最近のボカロ曲は、トレンドが1曲あたり2分ない曲が多くて、それらを1曲1曲すごいスピード感で、バンドで生演奏しなくちゃいけないし、歌わないといけないし。また曲が短い分、次の曲への切り替えも速いので、演出的にも今までとは違う引き出しのライブでした。

黒流:『ボカロ三昧2』のレコーディングの時点でも、それぞれのテクニックの限界に挑戦していて、「こんなのライブじゃできねえよ」と思っていました。でもやらなくちゃいけないから必死に頑張ったら、いつの間にかできるようになって、結果的に自分たちをぐっと高めてくれたライブとなりました。

 

 
鈴華:『ボカロ三昧』でデビューして、この時は『ボカロ三昧2』で、「2」とつくと皆さんの期待値も大きいし、結構ハードルが高くて。また『ボカロ三昧』から約10年経って、ボカロ界にも大きな変化があって、最近のトレンドが「速い」、「高い」、「短い」。

そして「デジタルサウンド」ということで、デジタルなものを生楽器に落とし込まなくてはいけないという、当時より更に難易度が上がっていて。正直、無謀な挑戦でした(笑)。

でもみんな、陰キャなので人知れず、努力をして、結局、やり遂げてしまうのは、同じメンバーながらすごいなと。

──アルバムの特設サイトでライブのダイジェスト映像が公開されていますが、フロントメンバーが5人というのも珍しいし、絵力や迫力がありますね。

鈴華:戦隊ものの5人みたいな(笑)。和楽器バンドを立ち上げた時のコンセプトの1つとして、ボーカルだけが目立つバンドは他にもたくさんあるから『アベンジャーズ』やディズニーのキャラみたいに、メンバー一人ひとりに華があって。

キャラも立っていたほうがメンバーの推しの選択肢も広がるし、そういうものにしたくて。みんながそれを意識して、自分を精一杯ぶつけていこうとフロント5が生まれました。そして後ろの3人は、前が動きまくっているのに負けないくらいのパフォーマンスでオーラを発して、しっかり目立って。

黒流・山葵:僕らは後ろの引き立て役です(笑)。

山葵:ドラムと和太鼓と箏が3人そろっているバンドというのもあまりないので、見た目的にもパフォーマンス的にもかなりカロリーが高いバンドだと思います。

鈴華:たまに遊びでメンバーの楽器を入れ替えて演奏したりするんですけど、後ろの楽器のセットに入るだけで前が見えなくて。この3人だからできることなんだなと思います。

 

おすすめタグ
あわせて読みたい

関連商品

おすすめ特集

今期アニメ曜日別一覧
2024年春アニメ一覧 4月放送開始
2024年冬アニメ一覧 1月放送開始
2024年夏アニメ一覧 7月放送開始
2024年秋アニメ一覧 10月放送開始
2024春アニメ何観る
2024年春アニメ最速放送日
2024春アニメも声優で観る!
アニメ化決定一覧
声優さんお誕生日記念みんなの考える代表作を紹介!
平成アニメランキング