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- わたなべみきこ
- 出産を機にライターになる。『シャーマンキング』『鋼の錬金術師』『アイドリッシュセブン』と好きなジャンルは様々。

子どもが見るにあたって、注意した方が良い点もある本作ですが、それでも私は自分の子どもが作品を観たいというのであればぜひ観てほしいと思っています。それは本作から学べることが多くあると考えているからです。
作品を観ていてひしひしと感じるのは「虎杖は本当にいい子だなあ」ということ。彼は全く嫌味がなく、素直で快活。どんな相手とも気さくに話せて、サラッと懐に入っていける彼のコミュニケーション能力にぜひ触れてほしいなと思います。
呪術師となる前から人並外れた身体能力を持っていて、それは運動部から熱烈なスカウトをされるほど。しかし、その力を自慢したりひけらかしたりすることはなく、彼は常に等身大で自然体。
さらに、人を見た目で判断しないところも彼の長所のひとつ。中学時代、クラスで好きな女子を聞かれた際、別にいないと前置きしたうえで「強いて言うなら小沢」と1人の女子の名前を挙げます。
それを聞いた同級生は「えーデブじゃん」とぽっちゃり体型の小沢のことを悪く言いますが、それに対して虎杖は「そう?でもさアイツ食い方とか字とか色々すげー綺麗なんだよ」と返したのでした。
人の長所に自然と目を向けることができる彼の人柄の良さは、子どもに見習ってほしいところです。(もちろん親である私自身も……。)
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— 『呪術廻戦』アニメ公式 (@animejujutsu) September 5, 2023
『#呪術廻戦 』
第2期公式TikTok更新🎬
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「小沢じゃん 何してんの?」
from「#渋谷事変」第30話 (第2期 第6話)
第31話 (第2期 第7話)「宵祭り」
9/7(木)23:56より放送開始!!
▼公式Tik Tokhttps://t.co/hkfR0zuFyu#呪術2期 #jujutsukaisen pic.twitter.com/30S3n4A0or
「宿儺の器」として呪術師になった虎杖は、祖父の遺言である「人を助けろ」という言葉を“呪い”と呼んでいます。きっとこの呪い(遺言)がなければ虎杖は、呪霊のうろつく校舎に乗り込むことはなく、宿儺の指を食べて呪術師になることもなかったでしょう。
虎杖が祖父の遺言を“呪い”と呼ぶのは、大好きな祖父の言葉を重く受け止めているということ。このエピソードだけでなく、『呪術廻戦』では言葉が発し方や受け取り方によって呪いになりえることが作品を通して描かれています。
これから大人になるにつれて人間関係を学んでいく子どもたちに、自分の発した言葉が相手にとって呪いとなってしまうということを作品を通して知ってもらいたいと思います。
厳しい呪術師の世界に身を置いているからか、本作には芯の強いキャラクターが多いと感じる本作。例えば、虎杖は祖父からの遺言を軸にして、自身は“処刑”という重い宿命を背負っているにもかかわらず、周囲の人間を救おうと奮闘しています。
私が好きなのは、虎杖の同級生・釘崎野薔薇と彼らの先輩である禪院真希。ふたりとも常に自分が好きな自分でいるために努力しており、周囲の目線や他人から押し付けられる価値観を跳ね除けられる強さを持っています。
特に釘崎の「男がどうとか女がどうとか知ったこっちゃねーんだよ‼(中略)私は綺麗にオシャレしてる私が大好きだ‼ 強くあろうとする私が大好きだ‼ 私は「釘崎野薔薇」なんだよ‼」という台詞は、彼女の軸を表していてとても印象的です。
『呪術廻戦』は、現在TVアニメ2期「渋谷事変」が放送中。本編は、最強の呪術師である五条悟がとある呪詛師(呪術を悪用する人間)に封印されてしまったことで、呪術界を揺るがす大きな混乱に突入するというストーリー。難しい展開やグロテスクなシーンもたびたび登場しています。
子どもに見せるにあたっての注意点をご紹介しましたが、お子さんの年齢や性格・性質によって気を付けてあげるところは違ってくるものだと思います。お子さんが見たがったなら、ぜひ親御さんもいっしょに見て楽しんでみてはいかがでしょうか。

1990年生まれ、福岡県出身。小学生の頃『シャーマンキング』でオタクになり、以降『鋼の錬金術師』『今日からマ王!』『おおきく振りかぶって』などの作品と共に青春時代を過ごす。結婚・出産を機にライターとなり、現在はアプリゲーム『アイドリッシュセブン』を中心に様々な作品を楽しみつつ、面白い記事とは……?を考える日々。BUMP OF CHICKENとUNISON SQUARE GARDENの熱烈なファン。
