
『仮面ライダー THE WINTER MOVIE ガッチャード&ギーツ 最強ケミー★ガッチャ大作戦』黒鋼スパナ/ヴァルバラド役・藤林泰也さん×ミナト役・熊木陸斗さんインタビュー|ミナトの「おじさん感」をアドリブで表現!? バッファケミーとの共演で求められた「想像力」とは?
想像を膨らませて作り上げた、バッファケミーとの会話シーン
ーーここからは、映画のお話を伺っていきたいと思います。撮影中にTVシリーズとの違いを感じた点はありますか。
熊木:普段よりロケバスが多くて、乗り間違えそうになりました。「どのバスに乗って来たんだっけ……?」みたいな(笑)。
**藤林:個人的には、現場のスタッフさんが作ってくれた豚汁が格別でした。僕が別の作品で何度も行ったロケ地だったのですが、今回は“味わう余裕”があったというか。「温かいなぁ、美味しいなぁ、豚汁」って。五臓六腑に染み渡りました。現場ではご飯が助けになってくれましたね。

熊木:確かに。撮影自体がかなりハードだったから。
藤林:砂が舞っている中での撮影もあったのですが、衣装を着ているので、ゆっくり座ることができなくて。そういった状況下でのご飯休憩は本当に大きかったんです。
ーーミナトは、本宮泰風さん演じる錬金連合の調査官・釘宮リヒトとのやり取りが印象的でした。
熊木:本宮さんは圧倒的なオーラを持っていて、最初の撮影で、恐る恐るご挨拶させていただいたことを覚えています。ただ、ご本人はとても優しくて、個人的にもやりやすい雰囲気で撮影できたので、「自分もああいう先輩になりたいなぁ」と強く思いました。

ーースパナは、バッファケミー(吾妻道長/仮面ライダーバッファ)との共演シーンがありましたね。
藤林:ほとんどバッファケミーのカードと話していたので、想像を膨らませながらの撮影になりました。山口恭平監督は『仮面ライダーギーツ』にも関わっていた方で、現場では「道長ならどう返すと思いますか?」みたいな独特の会話があったんです。その中で、お芝居の間尺や言い方を調整したり、あえてむかつく言い方に変えたり。本人が目の前にいないからこそ、普段とは違うコミュニケーションや工夫が必要でした。
アフレコは一緒にできたので、そのときにようやく作品のパズルがはまっていく感覚があって。「『仮面ライダー』という作品はこうやって作られていくんだな」と。同時に、今作を多くの人に観ていただきたいという気持ちがいっそう強まりました。
バッファケミーはビジュアル的にも好きなんです。紫ですし、筋肉が圧縮された感じが格好良いと思っています。

ーーその他に撮影現場での山口監督とのやり取りで、印象に残っているものはありますか。
藤林:山口さんは、ご自身がエキストラとして(作品に)出演されるくらい楽しい方です。今回の映画ではスパナたちが宝太郎の夢に出てくるという場面があって、「夢の中なら、どこかでパンチを出したいですね」という話をしたら、「良かったら、アイデアを出してよ」と言われたんです。サビーと蓮華(銀杏蓮華役・安倍乙さん)も出ていたので、3人で休憩中にずっと話し合っていました。山口さんも、自分たちの提案を柔らかく受け止めてくださって、遊び心を出させてもらったシーンになっています。
熊木:高校教師のミナトは「冴えない中年」というキャラクターなので今作のパーティーのシーンでは、おしぼりで顔を拭くというアドリブを入れようと思ったのですが……。やりすぎ感もあったので、最終的には「爪楊枝をくわえてもいいですか?」と。“中年がやりそうなこと”を山口監督と相談していました。

おふたりが感じた本島純政さんと松本麗世さんの成長
ーーおふたりから見て、宝太郎役・本島純政さんと、りんね役・松本麗世さんの成長を感じる瞬間はありますか。
藤林:それは日々感じていますね。……(熊木さんを見て)どういうときに感じます?
一同:(笑)
熊木:松本麗世ちゃんが、徐々に素を見せてくれたり、取材でもしっかりと自分の言葉でしゃべっていたり、短期間で大人になったなと感じています。純政は、さらにエネルギーが増した気がしていて。あのまま大きくなって欲しいですね。
藤林:確かにふたりとも、もう不安そうではないですね。今では、宝太郎とりんねを演じることにも自信を持っているんじゃないでしょうか。あるシーンの撮影で、ふたりがお芝居について話し合っていたのですが、「宝太郎やりんねなら、多分こうだと思う」って。自分が演じているときの癖や特徴まで、しっかりと客観視できていることが伝わりました。


ーー宝太郎やりんねと一緒に、とてつもないスピードで日々成長していっているのですね。最後になりますが、おふたりから読者に向けて、映画の見どころを教えてください!
藤林:仮面ライダーバッファとヴァルバラドの共闘ですね。ふたりの“息の合わなさ”を活かした戦いが楽しめると思います。性格の違うふたりが共闘したらどうなるのかをぜひ観ていただきたいです。

それから、「レベルナンバー10のケミーが五体も出てきて、スケールの大きい話になっていると思います」って熊さんが言うと思います! 言いそうなことを先に取っちゃいました(笑)。
ーーラストで熊木さんにすごいフリが……(笑)。
熊木:どうしようかな……(笑)。今作では、初めてワイヤーで吊られるシーンに挑戦したので、どんな仕上がりになっているかは個人的にも気になっています。あとはミナトをはじめとした錬金アカデミーチームが一つになって、敵と戦うシーンは見どころかなと。ぜひ楽しみにしていてください。
ーー今後のTVシリーズとあわせ、スパナ、ミナトの活躍を楽しみにしています! 本日はありがとうございました。

[取材/田畑勇樹 文/小川いなり 写真/MoA]
『仮面ライダー THE WINTER MOVIE ガッチャード&ギーツ 最強ケミー★ガッチャ大作戦』作品情報
キャスト
九堂りんね:松本麗世
黒鋼スパナ:藤林泰也
銀杏蓮華:安倍乙
鶴原錆丸:富園力也
ミナト:熊木陸斗
一ノ瀬珠美:南野陽子
九堂風雅:石丸幹二
釘宮リヒト:本宮泰風
浮世英寿/仮面ライダーギーツ:簡秀吉
桜井景和/仮面ライダータイクーン:佐藤瑠雅
鞍馬祢音/仮面ライダーナーゴ:星乃夢奈
吾妻道長/仮面ライダーバッファ:杢代和人
ツムリ:青島心
【声の出演】
ホッパー1:福圓美里
ケミー・クロスウィザード:高橋李依
ギーツケミー:白上フブキ
リクシオン:宮本充
ゼグドラシル:甲斐田裕子
テンフォートレス:杉田智和
ビートルクス:KENN
エクシードファイター:天﨑滉平
「ガッチャード/ギーツ」製作委員会(C)石森プロ・テレビ朝日・ADK EM・東映


























