
冬アニメ『わたしの幸せな結婚』第二期連載インタビュー最終回: 斎森美世役・上田麗奈さん|「2人ならきっと大丈夫。そう思いながら最後まで見守らせていただきました」
「私にとって、甘水直はどうしても憎みきれないキャラクター」
──以前、対面でお話をうかがった際に「実は十二話の自問自答をするシーンはめちゃくちゃ時間が掛かったんです」といった裏話を教えてくれました。今期も特に苦労したシーンや、時間をかけて取り組んだ場面があれば教えてください。また、そのシーンで意識されたことや演技に込めた思いについてもお聞かせください。
上田:特に苦労したのは、第二十三話で「不安も恐れも道を切り拓くまでの大切な道標となる」とおじいさまに言われた後、「はい」と応えるシーンです。
抽象的なヒントに、私だったらもっと不安を感じて、声が震えてしまうだろうなと思いました。助言を素直に受け止められるところに、美世の凄さと強さを感じました。
あと、お母さまと甘水直の過去を知って、「私はあの人を止められるでしょうか」とお母さまに問うシーンも難しかったです。私にとって甘水直はどうしても憎みきれないキャラクターなので、つい感情移入してしまって……同情はしないようにと、注意しながらアフレコに臨みました。
──そのほか、最終回を放送し終えた今だからこそ明かせるエピソードがあれば教えて下さい。
上田:清くんが可愛すぎました……。
照れ方や、その誤魔化し方がとっても可愛くて。
清くんとはアフレコのタイミングが別々だったので、当時はそれを残念に思っていたのですが……もし一緒に収録していたら、もっとデレデレな美世になってしまってリテイクだらけになっていたかもしれないなと、完成した映像を観て思いました。
──第二期では新しいキャスト陣も加わり、収録現場の雰囲気も変わったかと思いますが、特に印象に残った共演者とのやりとりやエピソードがあれば教えてください。
上田:第二十四話は、清霞と美世の再会後、ラストシーンで甘水直が現れ、そして続きは次週へ……という流れになっていました。収録時は、再会した2人のやりとりを聞いていた甘水直役の内田夕夜さんが、テスト終わりに「本当に怒りが湧いてきた…」と呟かれていて。
本番テイクでは更に迫力のあるお芝居で登場シーンを彩られていたのが印象的でした。
美世達のことを見守ってきてくださって本当にありがとうございました
──第二期がはじまったころのインタビューで、美世に対してどのようなお声がけをしますか?という質問に対して、上田さんは「第二期では、美世自身が己の感情をどう扱ったらいいか分からず悶々とする場面が多く見られます。「1人で悩まないでね」と言えたらいいんですけど」とおっしゃっていましたが、さまざまな試練を乗り越えて、ふたりで過ごすことを選んだ今だからこそ、掛けてあげたい言葉はありますか?
上田:第二十四話にて、芙由さんに清霞への想いは親愛なのか恋愛なのかと問われ、すぐに「両方です」と答えた美世を見て、私はとても嬉しくなりました。無事に旦那さまと再会して、ようやく「愛しています」と伝えられたシーンは本当に思い出深くて。やっと心からの「おめでとう」を、美世に掛けてあげられるのかなと思います。
──ふたりの幸せな結婚はきっとこれからも続くと思います。が、きっと今ごろ、ロスになられている視聴者の方も多いかと存じます。もし良かったら、ここまで見届けたファンの方にお一言いただけますと幸いです。
上田:自分の気持ちを素直に表せるようになった美世を見て、人はどこまでも成長できるものなのだと感じました。アニメ『わた婚』が、皆様にポジティブなパワーをお届けできていたら幸いです。寂しい気持ちもありますが……ここまで美世達のことを見守ってきてくださって、本当にありがとうございました!
[構成・逆井マリ]
作品概要
あらすじ
その才を持たず、家族から虐げられて育った少女・美世は、これまでに数多の婚約者たちが逃げ出し〝冷酷な軍人〟
と噂される久堂家当主・清霞のもとへ嫁ぐ。
始まりは、誰もが不幸な結末を予測する政略結婚だった。
だが、清霞は美世の偽りない純粋さに心解かれ、美世もまた、そんな清霞の芯にある優しさに心温められていく。
「旦那さまの力になりたい」――。
そう願うようになった美世は、亡き母の深い愛のもとに封印されていた「夢見の力」を開花させ、ついには清霞の危機を救う。
ふたりはお互いの存在によって幸せを知り、末永く寄り添い合って生きていくことを誓うのだった。
しかし、来春にも挙式を予定し、穏やかな日々を過ごすふたりに思わぬ出来事が訪れる。
清霞の父・正清に招待され、隠居先の屋敷へ向かったふたりを待ち受けていたのは、清霞の母・芙由の激しい罵倒。
美世は「久堂家の嫁」として認められるべく、奮闘する。
そこにまとわりつく怪しい視線の理由も知らず......。
ときを同じくして、屋敷の付近で相次いでいた
「鬼」の目撃情報を調査していた清霞は
国家転覆を企てる「異能心教」と交戦し......。
「厄災が来る」――。
帝都の平和を揺るがす、新たな事件の幕が開ける。
ふたりは、祝福された未来へ辿り着くことができるのだろうか?
キャスト
(C)顎木あくみ・月岡月穂/KADOKAWA/「わたしの幸せな結婚」製作委員会















































