『忍たま乱太郎』綾部喜八郎の情報まとめ＆注目シーンから紐解く魅力

尼子騒兵衛先生の漫画『落第忍者乱太郎』を原作としたTVアニメ『忍たま乱太郎』が1993年より放送中。室町・戦国時代を舞台に、忍術学園で勉強中の乱太郎、きり丸、しんべヱをはじめとした忍たまたちの賑やかな日常を描く作品です。

忍術学園には一年生から六年生まで個性豊かな忍たまたちが在籍。本稿では、特に人気の高い四年生の「綾部喜八郎」のプロフィールや能力など情報をまとめてご紹介。原作やアニメの注目シーンから喜八郎の魅力を紐解いていきます。

※本稿には、『落第忍者乱太郎』とTVアニメ『忍たま乱太郎』の一部ネタバレが含まれます。

忍術学園四年生

忍術学園は忍者を目指す子供たちが集う全寮制の忍術学校で、忍たま（＝忍者のたまご）たちは担当教師から教科と実技の教えを受けています。六年間で一流の忍者に育てあげて優秀な忍者を輩出しているため、忍術学園は周囲の城から一目置かれる存在です。

四年生は各々個性が強すぎるせいか、やや団結力に欠けていますが、華やかで賑やかな魅力溢れる学年。「四年い組」に平滝夜叉丸と綾部喜八郎、「四年ろ組」に田村三木ヱ門と浜守一郎、「四年は組」に斉藤タカ丸が在籍しています。

綾部喜八郎（あやべきはちろう）のプロフィール

【忍術学園　四年い組】
年齢：13歳
血液型：AB型
星座：牡牛座
委員会：作法委員会
初登場巻：第26巻

「穴掘り小僧」「天才的トラパー」の異名をもつ

喜八郎は穴掘りが得意で、仕掛け罠の名人。その完成度は非常に高く、「穴掘り小僧」「天才的トラパー」の異名を持ちます。マイペースで飄々としており、口癖は“おやまぁ”。名字の由来は原作者・尼子先生の知人、名前は甲賀忍者から。

一人用の塹壕“タコ壺”を作って「タコ壺3号ターコちゃん」と名付けたり、踏鋤には「踏子ちゃん」、手鋤には「テッコちゃん」と名前を付けています。鋤は武器としても使い、飛んで来たものを打ち返したり手裏剣の防御をしたりと使いこなし方が鮮やか。

例えばTVアニメ第17シリーズ第74話「予算会議が終わった」では、飛んできたものを跳ね返す見事な手腕を見せるシーンもありますので、ぜひ注目してみてください。

学園内で忍たまをはじめとした学園関係者が喜八郎の掘った穴に度々落ちていますが、曲者が罠にかかるなど役立つこともあるためか基本的に大目にみられており、好き放題掘っているようです。

忍務において塹壕や仕掛け罠が非常に役立つ一方で、必要のない場所にも穴を掘って味方を負傷させてしまったりと、とんでもない迷惑をかけて先輩から怒られることもあります。

実践でも通用する能力の高さ

“天才的トラパー”と称される喜八郎は実践でも通用する能力の高さを持ち、天才ゆえに自分の仕掛けた罠に素人忍者が落ちると、ぷいっと不機嫌になることも。

忍務では四年生も共闘することがあり、『落第忍者乱太郎』第45巻では抜け忍として暗殺者に狙われる斉藤親子をめぐる事件で、一年は組や先生たちと共に四年生も参戦。ドクササコのすご腕忍者の強力な武器・流星錘を見ても相手に背を向けてどこか平然としていて、肝が据わっているのかどんな時もそれぞれがマイペースです。

喜八郎の仕掛けた罠はここでも大いに役立っており、すごい仕掛けを作ったのに現れたのがヘボい新米忍者一人だったことで舌打ちしている場面もありますが、罠に掛かったら掛かったで誰であろうと嬉しいのか“だーい成功‼︎”と言っています。

第32シリーズ第15話「ライバルが現れた!?の段」でも穴掘りに対する喜八郎の強いこだわりが描かれており、落とし穴に落ちてしまった乱太郎、きり丸、しんべヱは綾部先輩の仕業だと思ったのですが、喜八郎は“僕はこんな雑な穴は掘らない”と話していました。

思えば喜八郎が仕掛ける罠はいつも綺麗で完璧。こちらのエピソードでは、他人の掘った穴に三人が落ちたのに自分の掘った穴には落ちないことに納得がいかない様子を見せています。

平滝夜叉丸との絆

忍たま長屋（忍術学園の寮）では同じ四年い組の滝夜叉丸と同室です。

同室にいながら滝夜叉丸一人が喋り、喜八郎は関心なさそうでバラバラにも見えますが、意外にもお互いを尊重している二人。TVアニメ第32シリーズ第60話「喜八郎と滝夜叉丸の段」（原作者・尼子先生のプロット回）では喜八郎と滝夜叉丸の絆が語られており、一年生の頃の可愛すぎる喜八郎、滝夜叉丸、三木ヱ門からも目が離せません。

喜八郎と滝夜叉丸をよく知る三木ヱ門の話によると、滝夜叉丸は喜八郎の鋤が悪く言われたときに“農具というだけでなく戦には欠かせない立派な軍事物資”だと怒ったことがあり、回想シーンでは滝夜叉丸の言葉を聞いて嬉しそうにしている一年生の喜八郎の姿がありました。そして、喜八郎も滝夜叉丸の得意武器・戦輪について“由緒ある格調の高い武器”と言って庇っています。

また、当時一年生の喜八郎が用具倉庫の中の備品を高い場所に戻そうとしていたところ、吉野先生が代わりに棚に置いてくれたのですが、それをわざわざ降ろして自力で置き直している場面も。喜八郎の負けず嫌いな一面が分かるエピソードでもあり、最後まで自分でやり遂げようとする喜八郎を見て、当時の滝夜叉丸は自分で努力することの大切さを知ったのだそうです。
　

穴掘りを控えるために踏鋤を封印⁉

穴掘りが大好きな喜八郎ですが、学園長先生に落とし穴禁止令を出されたことがあります。

第32シリーズ第26話「落とし穴禁止令の段」（2020年11月に放送された番組のアンコール）では、散歩の途中に喜八郎の掘った落とし穴に落ちまくった学園長先生が怒って、なんと喜八郎の穴掘りを禁止に。

そんな学園長先生の命令を聞き流しながら掘り続けていた喜八郎。ようやく手を止めたのはいいけれど、かなり不満そうにしていました。

一方で、第32シリーズ第40話「立花先輩と綾部先輩の段」では喜八郎の意外な行動が描かれています。

作法委員会委員長で六年生の立花仙蔵先輩は、実習に行くあいだ作法委員会のことを喜八郎に頼み、委員会活動中は穴掘りを控えるようにと告げます。すると喜八郎はあっさりと了承した上に、なんと自ら踏鋤を封印することを決意。委員会に関わるということもあってか立花先輩の言うことは素直にちゃんと聞き入れました。

立花先輩がいないときは作法委員会で最上級生となる喜八郎。穴掘りの機会が多そうな用具委員会に誘われてなびくのかと思いきや、立花先輩が留守のあいだに作法委員会が担当する生首フィギュアの片付けをしようと自主的に動いています。

委員会を任された責任感や、踏鋤の「踏子ちゃん」を封印して大好きな穴掘りを控えようとする喜八郎の覚悟が伝わる素敵なエピソードとなっています。

「綾部喜八郎の段」

第17シリーズ第30話「綾部喜八郎の段」では、喜八郎と学園長先生の入浴シーンという珍しい一幕があります。

学園長先生が夜遅くに風呂に入ろうとやって来ると、“綾部喜八郎”が湯船につかっていました。落とし穴の研究をしていたら遅い時間になったという喜八郎は、“落とし穴の第一人者”になろうと思っていると語っており、高い志を持っていることが垣間見えます。

そんな喜八郎を学園長先生はいつもの癖でからかい始め、わざと何度も名前を間違えられて腹を立てた喜八郎は学園中に穴を掘り続け、翌朝には忍たまたちが次々と穴に落ちてしまう騒動に。