
春アニメ『ざつ旅-That‘s Journey-』月城日花さん・鈴代紗弓さん・平塚紗依さんに聞く作品の推しポイント|一歩踏み出せば、また新しい自分が見つかるかもしれないということを教えてくれる
階段を登り切ったあの瞬間にちかちゃんは旅に目覚めたんだと思います
──放送された一話の感想をお聞かせください。
平塚:景色や食べ物がとてもリアルに描かれていて、私もちかちゃんが旅した場所に行ってみたいと思いました! 印象に残っているのは、ちかちゃんが旅館で応接セットの椅子に座って「ここ好きっ」というところ。私も家族旅行に行くと、理由もなくあそこに座るので、共感しながらあのシーンを見ていました(笑)。
月城:印象に残っているのは、1225段ある神社の階段を上り切ったときのちかちゃんの表情。前半パートの彼女とはぜんぜん違うなって感じたんです。もしかしたら、世界の広さを知ったのかも? あの瞬間にちかちゃんは、旅に目覚めたんだと思います。他の旅仲間がちょっとずつ映っていたことも相まって、ここから『ざつ旅』が始まるんだ、どんな旅が待っているのかなと、ワクワクする一話でした。
鈴代:画面越しでも、「きっとこういう風が吹いているんだろうな」と思えるくらい、五感を刺激されるリアルな描写に鳥肌が立ちました。あと、私もちかちゃんが神社の階段を登り切った瞬間が印象に残っていて。ちかちゃんって、どん底の気持ちで旅に出たと思うのですが、階段を登ったあと、風が吹いて「なんも見えぬ~」って言うところで、達成感と充実感からかスッキリした表情をするんです。構成や演出も相まって、あのシーンにグッときて思わず泣いちゃいました。きっと、この作品を見て救われる人もいるんだろうなと予感させるような最高の一話だったと思います。
── 一話はちかのセリフがかなり多かったと思います。収録はいかがでしたか?
月城:初めての主役で、しかも後ろには先輩方がいるなかでの収録だったので、ものすごく緊張しました……! ただ、天空橋りり役の日笠陽子さんや糀谷冬音役の佐藤聡美さんをはじめ、現場のみなさんがすごく優しくて。右も左も分からない私に「こうやった方がいいかもしれない」「こうやってみると、もっとうまくいくかもね」ってアドバイスをしてくださったんです。大丈夫かな……という不安はありましたが、みなさんの優しさがあったから乗り切れました。
鈴代:主役って基本的にはセリフ量が多いと思うのですが、本作は視聴者に説明するようなセリフやモノローグなどもあったので、物量の多さに加えて切り替えも必要なシーンが度々ありました。そんな中でも、きちんとお芝居をされているうえでセリフを尺内にきっちり納めていらっしゃったり、堂々とマイクの前に立っているお姿が印象的で。その様子から、家でたくさん練習してきたのかなぁ…など、想像していました。でも、ちゃんとかけ合うときにはライブ感もあって。これはすごい声優さんが俳協さんに入ったなと思いました(笑)。
月城:鈴代さんは、アフレコ中も色々と声をかけてくださったんです。その度に私の不安な気持ちが払しょくされていきました。
──平塚さんは月城さんと共演してみて、どのような印象をお持ちですか?
平塚:原作を読んでいるときに頭の中で再生していたちかちゃんの声そのまんまで驚きました。心の内を吐露するモノローグもすごくリアルで、細かい感情の動きの表現も上手。いい意味でお芝居感がなくて、本当にすごいなぁと思っています。私、日花ちゃんと同じ年なんですけど、もう尊敬しっぱなし! 一緒にアフレコしていて、すごく勉強になりました。
鈴代:かけ合いしていても、ちかちゃん過ぎるぐらいちかちゃんでした。雰囲気がもうちかちゃんそのもの。
月城:ご褒美ですか、この時間は! 嬉しいです!
『ざつ旅』は日常に寄り添ってくれる作品
──月城さんは鈴代さんとかけ合ってみて、どのような印象を受けましたか?
月城:ちかちゃんとはっすー(蓮沼暦)が二人で旅をするとき、はっすーが「こっちに行ってみよう」と引っ張ってくれるんです。鈴代さんのお芝居がまさにそれで。かけ合いをしているときにもすごく引っ張っていただきました。アフレコ以外のときでも私のメンタルケアをしてくれて、リアルはっすーだなと思いました。
──平塚さんの印象についてはいかがでしたか?
月城:何と言うか、ゆいちゃんに似ています。
鈴代:分かる! もうゆいちゃんそのもの!
月城:私が話しかけたら「うんうん!」ってめっちゃ聞いてくれて。興味のある話をするときは、ゆいちゃんが歴史の話をしているみたいに前のめりになってくれるんです。めちゃくちゃかわいい。お芝居の面では、裏の感情が一切ない尊敬の気持ちをセリフに込めていて、まさにゆいちゃんだなと思いました。
平塚:嬉し過ぎる!
──本作は旅がテーマの作品ですが、この3人で旅行に行くなら、どこに行ってみたいですか?
鈴代:この前のロケで通りかかった時に見かけて良いなと思ったのですが、アートミュージアムに行ってみたいです。写真スポットもたくさんあって、2人の色々な表情も見られそう!
月城:この前、志摩に一人で行ったのですが、今度はみんなで行きたい! あの旅で、ちかちゃんが「誰かに話したくなる」と言っていた気持ちがすごく分かりました。「みんなと行ったらこういう反応してくれるかな」と思いながら旅を堪能していたので、今度はみんなで行きたいです。
平塚:『ざつ旅』に出てくる食べ物をみんなで食べ回るツアーみたいなのをやってみたいです。うどんも美味しそうでしたし、個人的にはもみじ揚げ忘れられなくて! 絶対にみんなで食べたいです。
──これまで、計画を立てずに“ざつ旅”のようなことをした経験はありますか?
鈴代:すごく遠くではないですが、特に行き先は決めずに友達と自転車の旅に出たことはあります! あと、少し前に江ノ島へ一人で行きました。海外の観光客の方に混ざりながら、夕日を見ていました(笑)。
平塚:基本的には雑誌などを読んで行先を決めるタイプなので、私はまだ経験がなく……。でもいつかフラッと一人旅してみたいなという思いはあります!
月城:インドア派ではありますが、フラッと一人でどこかに行くのは好きなので、都内をフラフラと巡ったことはあります。これまで遠くに出る勇気はなかったのですが、ちかちゃんみたいな年頃の子でも果敢に一人旅しているから、私もやってみようかなという気持ちは高まっています!
──最後に、改めてみなさんが思う本作の推しポイントを語ってください!
平塚:『ざつ旅』は日常に寄り添ってくれる作品です。「私もここに行ってみようかな」「旅に出てみたいな」という気持ちにさせてくれる、世界が広がっていくような作品なので、みなさんアニメを見て、原作もぜひ読んでいただければと思います!
鈴代:旅っていいなぁと思える作品です。肩の力を抜いてスッとみられるアニメで、気持ちをリフレッシュしたいときには特にオススメです。「ちょっと見てみるか」くらい”ざつ”に入り込んでも大丈夫な作品なので、リラックスしながら楽しんでいただけたら嬉しいです!
月城:ネームがボツを食らい心が折れそうになったちかちゃんですが、旅に出ることで見えてくるものがありました。一歩踏み出せば、また新しい自分が見つかるかもしれないということを、ちかちゃんが教えてくれた気がします。『ざつ旅』は日常に溶け込んでくれる、心を休めてくれる作品なので、ぜひゆるりと作品を見ていただければと思います!
[インタビュー M.TOKU 撮影 胃の上心臓]
作品概要
あらすじ
キャスト
(C)石坂ケンタ/KADOKAWA/「ざつ旅」製作委員会

























































