
TrySail ベストアルバム『BestSail』で振り返る10年の軌跡――3人が選ぶ忘れられない瞬間【インタビュー】
「Lapis」のような曲があることで、TrySailの振り幅が大きくなりました
──そして、そこからどんどん現在のTrySailの形になっていくわけですが、最近はライブへの意識がより強くなったようにも感じます。
夏川:流れでいうと、「Sunset カンフー」(3rdアルバム収録)や「マイハートリバイバル」(4thアルバム収録)、それに「Ah! La Vie En Rose!!! -ア!ラ・ビ・アン・ローズ-」(5thアルバム収録)など、アップテンポでお客さんを巻き込んで煽って煽って、という楽曲がアルバムの中で増えていきました。そういった中でタイアップとして来たのが「華麗ワンターン」だったんです。
この曲が来たときに、スタッフ側も“こっち”に舵を切る覚悟が決まったんだな、だからいまこの曲を渡してきたんだなと思いました。本当にぶっ壊れ曲でしたからね(笑)。でも、「我々ならうまくやってくれるだろう」というスタッフさんからの信頼を感じましたし、いただいたからには、ライブでやりこなす人たちにならなきゃいけないと自分たちの覚悟も決まりました。
麻倉:私は「Lapis」も印象的でした。「Lapis」は逆に、TrySailの中でも“下の幅”を持たせてくれる楽曲だと思っていて。アップテンポで騒ぐ曲、盛り上げる曲は結構ありましたが、こういう下の内面をえぐるような楽曲はあまりなかったんです。「Lapis」のような闇深い曲があることによって、振り幅が大きくなったというか。いまは自分たちのことを「お祭りマッスルユニット」と言っているんですけど、「TrySailはこっちもできるし、こっちもできるんだよ」とみせられる形になったのは「Lapis」があったおかげですし、大事な曲のひとつになっています。
──確かに、振れ幅がどんどん大きくなっていますね。
麻倉:盛り上げるときは盛り上げて、世界観が強いものはしっかり聴かせる……その両方を見せていこうと方向性を話し合って決めたのも、「Lapis」が出てきてからなので。そういう意味でも、TrySailの方向性を決めるのにひと役買ってくれた曲なのかなと思っています。
雨宮:「SuperBlooooom」(ライブツアー「LAWSON presents TrySail Live Tour 2023 Special Edition "SuperBloom”」)の最終公演が終わったあとに、話し合ったんですよ。「これまでいろんな曲をやってきたけど、今後はどうしていこうか?」って。それまでは方向性をどうしようと話したことはあまりなかったんですね。
──ライブでどう楽しませるか、飽きさせないか、だけでなくユニットの方向性を話し合ったと。
雨宮:自分たちでも手応えがあったし、「アニサマ」のようなほかのアーティストさんがいる中でも、盛り上げるユニットとしての立ち位置がだいぶ確立してきた感じがありました。
「SuperBloom」も「華麗ワンターン」のようなスーパーハイテンションな曲もあれば、「Lapis」のような曲もある。それをひとつのライブの中でできるのが自分たちの強みだと、ツアーを通して確信していったんです。
マッスル曲から闇堕ち曲まで、相反する真逆のように見える両方の軸をどっちもできる。それを強みにしてやっていこうと。今後、マッスルの方向はマッスルでもっと積極的に増やしていって、闇堕ち曲も「Lapis」の後に続けていけたらいいよねと、TrySailの方向性が明確に決まったのは「SuperBlooooom」最終公演後の話し合いでした。なので、その後のインタビューで「お祭りマッスルユニット」と言い出したんだと思います。方向性が決まったからこそ、堂々と言えるようになりましたし、このあたりで自分たちの居場所を見つけたのかなと思います。でも、「お祭りマッスルユニット」がこんなに使われるとは思わなかったよね?(笑)
夏川:MCで冗談みたいに言っていたら。
麻倉:みんなに認識されるようになって。
夏川:知らない間に広まっていったよね。(最初の頃に言っていた)「トライアングルガールズユニット」は使わなくなるんじゃない?(笑)私たちももう「ガールズ」じゃないからこっぱずかしいし、「トライアングルガールズユニット」ってちょっと言いづらいし。
雨宮:意味わからないからね(笑)。「お祭りマッスルユニットTrySail」の方が、なにをやりたいのかわかりやすい。そうやってひとつの軸というか、自分たちはこういうユニットなんだと決まった方がいろいろ選択もしやすいですから、すごく良かったなと思っています。
筋肉を大きくしつつ、闇堕ち系の楽曲も増やしていきたい
──そして現在に至るわけですね。話の中にもたびたび出てきたライブに関して言えば、今年3月に「LAWSON presents TrySail 10周年出航ライブ "FlagShip" in 日本武道館」を開催しました。改めて感想をお聞かせください。
雨宮:武道館ライブのために作った新曲「声のシンフォニー」はありましたが、これまでの定番曲を中心したセトリでしたので、難しいことをなにかするよりもみんなでワイワイ楽しめたライブだったなと思います。初披露の曲が多かったり、歌い慣れていない曲がたくさん組み込まれていたり、花道があったりするとやっぱり考えることが増えるんですよ。でも、今回はそういう意味では難しくなく、武道館という会場の特性もあって、みんなをすごく近く感じながらやれました。
麻倉:本当に楽しかったです。ステージが4階建てのようになっていて、そもそも武道館はお客さんを近くに感じる作りをしているのに、上の方に立つとスタンドのお客さんがかなり近くて。体感として「遠い人がいない」と思ったので、歌っていても一体感がすごくありました。アルバムを引っ提げてのライブではなく何が来るかわからなかったので、1曲1曲にみんなが反応してくれたのも嬉しかったですね。
夏川:武道館の魔力というか効力もあって、久しぶりにTrySailのライブに来てくれた人もたくさんいました。北海道からとか、本当にいろんな人が来てくれることを知っていたからこそ、世間的に知られている楽曲を中心にやろうとセトリ会議で決めたんです。TrySailのいろんな顔を見せられましたし、TrySailってこういう活動してきたと思い出してもらえるようなライブになっていたんじゃないかなと思います。とにかく楽しかったです!
──本当にどこを切り取ってもクライマックスのようなライブだったと思います。それを受け、9月からは「LAWSON presents TrySail 10th Anniversary Tour 2025 “BestSail”」がスタートします。こちらはどのようなツアーになりそうですか?
雨宮:今度のライブツアーは、新参の人も楽しめるような曲を結構入れています。私的には武道館の“後夜祭”のような感じがあるんです。武道館ってちょっと緊張感のある場でもありましたが、ツアーは地方を回ってみんなとの距離感もより近くなりますし、気楽にお祭り騒ぎするようなライブになったらいいなと思っています。
麻倉:武道館は「表題曲を全部やる」と掲げて、知っている人の多い曲を全部やりました。なので、10周年ツアーはどうやって差別化しようと考えて、何年前に歌ったんだろう?みたいな久しぶりの曲を入れたり、TrySailの中ではマイナーで披露回数の少ない曲を入れたりしています。もちろん、最新の曲や聴き馴染みのある定番曲もありますので、新しく知ってくれた方も昔から応援してくれている方もきっと喜んでいただける幅広い内容になりそうです。ツアーですから毎会場でいろいろ試しつつ、みんなで楽しく回りたいと思います。
夏川:「出航ライブ」としてやった武道館があって、その武道館の記憶が新しい中でのBestSailツアーとなります。武道館を見ていただいた方はその思い出も持ってきて、1年を通して10周年をお祝いするぞ!って気持ちで来ていただけたら、より楽しめると思います。よろしくお願いします。
──ちなみに、今後ツアーで行ってみたい場所を挙げるならどこでしょうか?
麻倉:沖縄に行ったことがないので、沖縄に行きたいです!
夏川:沖縄は行きたいよね。逆に北の方も、北海道はあるけどほかはあまり行けていないので、青森とかも行ってみたいですね。
雨宮:私は四国に行きたいな。四国、美味しいだろうなぁ(笑)。
──ぜひ希望が叶い、美味しいものを食べられることを願っています。では最後に、11年目以降のTrySailがどういうユニットを目指していきたいかお聞かせください。
夏川:まずは継続ですね。「お祭りマッスルユニット」という冠ができたから、その名にふさわしい人間になろうと思います。
雨宮:「お祭りマッスルユニット」と言い出したのが2024年ですので、まだ固められてはいないと思うんです。言い出したばっかりの、「お祭りマッスルユニット」としては新人ですから。
夏川:まだ2年目、駆け出しの「お祭りマッスルユニット」だからね(笑)。
雨宮:そうだね。筋肉としてはまだ大きくないので、その筋肉を大きくしていきたいです。それでいて「Lapis」に続く闇堕ち系の楽曲も、上手く組み込んでいければなと思っています。「Lapis」だけのいまですら難しいので、どういう風に増やしてライブに組み込んでいくか頭を悩ませないといけないですが、そういったことにも挑んでいきたいです。
麻倉:まさにそうで、「幅を見せたい」って方向性は自分たちの中では固まっているんです。あとはどういう楽曲を持ってくるかだと思います。いまは「お祭りマッスル」の部分が注目されていますけど、「Lapis」に続く闇堕ち曲をもっと前面に出して、そのイメージも皆さんに知っていただけたらいいのかなと思っています。
──さまざまな魅力に溢れたTrySailを11年目以降も楽しみにしています! ありがとうございました。
[文・千葉研一]
CD情報
【発売日】2025年8月27日
【価格】
通常盤:4,400円(税込)
初回生産限定盤A:9,900円(税込)
初回生産限定盤B:6,600円(税込)
≪収録内容≫
【CD】
■DISC1「ALL SINGLES BEST1」
1.Youthful Dreamer
2.コバルト
3.whiz
4.High Free Spirits
5.センパイ。/HoneyWorks meets TrySail
6.オリジナル。
7.adrenaline!!!
8.WANTED GIRL
9.Truth.
10.azure
■DISC2「ALL SINGLES BEST2」
1.Free Turn
2.ごまかし
3.うつろい
4.誰が為に愛は鳴る
5.Lapis
6.はなれない距離
7.華麗ワンターン
8.Follow You!
9.マイクロレボリューション
10.そんな僕らの冒険譚!
■DISC3「MEMBER’S SELECT BEST」※初回生産限定盤A・Bのみ
1.Sail Out
2.Baby My Step
3.僕らのシンフォニー
4.Chip log
5.かかわり
6.バン!バン!!バンザイ!!!
7.Sunset カンフー
8.この幸せが夢じゃないなら
9.マイハートリバイバル
10.オルゴール (TrySail ver.)
【Blu-ray】※初回生産限定盤Aのみ
01.「BestSail」ジャケット撮影メイキング
02.特典映像
















































