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『マイノグーラ』熊谷俊輝×楠木ともりが明かす“邪悪な建国”の行方と驚愕のラスト

TVアニメ『異世界黙示録マイノグーラ』最終回直前! 伊良拓斗役・熊谷俊輝さん×アトゥ役・楠木ともりさんインタビュー|夫婦漫才的な掛け合いから一転、最終回に描かれる冷酷なタクトとは?

国家運営シミュレーションゲーム『Eternal Nations』で、伝説のプレイヤーだった伊良拓斗は、入院中に意識を失い、気がつくと、ゲームの中のような世界にいた。そして、そこにゲームで拓斗が最も愛用していたユニット《汚泥のアトゥ》が現れ、拓斗は邪悪な国家である《マイノグーラ》を建国することを決める。順調に建国を進めていくのだが、そこに新たな敵が登場……それは、拓斗も知っているRPGだった。

予想外の展開を見せるTVアニメ『異世界黙示録マイノグーラ』。最終回を前に、伊良拓斗役の熊谷俊輝さんとアトゥ役の楠木ともりさんに、これまでを振り返っていただきつつ、最終回の見どころを聞いた。

 

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夫婦漫才のような2人の空気感が恐ろしさを助長

──最初にこの作品を観たときに、伊良拓斗が戦うわけではないので、世界観を掴みあぐねていたんです。国家運営シミュレーションゲームということで、どちらかというと戦略がメインなんですよね。

熊谷俊輝さん(以下、熊谷):確かに収録中も、キャストの皆さんとゲームの中の世界観というのが珍しいですよねという話をしていました。しかも説明セリフが第1話から多かったので、そこから紐解いていくのも難しかっただろうなと思います。後々考えると、あの要素か!となるんですけど。

 

 
楠木ともりさん(以下、楠木):私もオーディションの資料だけだと分からなくて。特にアトゥに関しては、原作の挿絵がもっと大人びていて、セリフも闇落ちしているような感じだったので、落ち着いたキャラ感で、テープを提出していたんです。でも、アフレコが始まると「もっとやってください!」という感じだったので驚きました。また、国家運営シミュレーションゲームはやったことがなかったので、世界観や専門用語が新鮮でした。

──地道に国家運営をしていくのかと思いきや、2人のやり取りはコミカルだし、たまに残虐なことも言っている、そのちぐはぐさが面白いんですよね。

楠木:アトゥは、最初から、ゲームでの伊良拓斗の記憶を引き継いでいるという設定だったので、アトゥのスタンスはどんななんだろう、どこからキャラを作ればいいんだろうって、よくわからなかったんです。それは、音響監督の土屋雅紀さんと、何度もトライ&エラーを繰り返していきながら作り上げていきました。結局、アトゥのスタンスって、深く考える必要はなくて、ラブ・拓斗なんですよね(笑)。ゲームの記憶を持ってはいるけど、それを深く考えるより、行ききったほうが面白いんだ!と気づいてからは、楽しく演じることができました。

ちなみに私はTRPG(テーブルトークRPG)は好きで、クトゥルフ神話の知識はあったので、そういった知っている用語が出てきたときに、知ってる! 嬉しい!となったりしました(笑)。

 

 

──突き抜けた演技というところでは、第5話あたりはかなり突き抜けていましたよね。

楠木:アトゥが暴れるシーンは、テンション的に行き切っている感じを出して、私の100%を色んな方向で出すのが面白いんだろうなと感じました。それとは逆にコミカルなところでは「夫婦漫才的な感じ」とも言われていたので、そのあたりは演じていくうちに、2人のテンション感やリズム、テンポ感がわかっていった気がします。だから、最初の収録はテストを2回やったんだよね?

熊谷:やりました(笑)。邪悪がテーマになっているから、どのくらい面白おかしくしていいのか、塩梅が掴めていなかったところがあったんですよね。

楠木:特に第1話は説明セリフも多いから、コメディで立ち向かい過ぎていいのだろうか?という思いが2人にあって、遠慮してしまった結果、「もう1回テストをしますか」となったという(苦笑)。

──第1話で出会ったダークエルフたちの怖がり方を見たら、タクトとしても圧力があったほうがいいのかな?と思いますよね。でも実際、夫婦漫才みたいなほうが、より怖かったですが。

熊谷:そうですよね。しかもアトゥ以外から、タクトは真っ黒に見えているので。

 

 

──完全に2人の世界的な感じがありますよね。熊谷さんは、演じながら、気づいていったことはありましたか?

熊谷:タクトは《破滅の王》という肩書きがあるので、邪を全面に出したほうがいいのかなと思っていたんです。でもタクトって、純粋に真っ直ぐな邪悪なんですよね(笑)。あまり邪悪邪悪していない純粋な邪悪で、物事にも真っ向から向き合うタイプなので、その邪悪さは意識しないでいいと、第1話の段階でディレクションがありました。なので、そこからは楽しんで、自分がやりたいようにタクトを表現していったんです。

──あとは、アトゥとのテンポ感や呼吸だったのですね。

熊谷:そうですね。アトゥとのシリアスなやり取りと、夫婦漫才みたいなやり取りのギャップを出したいということだったので、そこは切り替えて演じていたので、そこで出る面白さと怖さはあったのかな、と思います。

 

 

──タクトって、ごくごく普通に残虐なことを言うので、それが怖いんですよね。

熊谷:破滅の王として振る舞わなければいけないというのはあるんですけど、怖いセリフも、タクトがあまり意識せずに出た言葉だったりするので、だからこそ怖いんですよね。なので、こちらもナチュラルに、作ったりせず、淡々と言っていたところはあります。

楠木:これはいい意味でなんですけど、まだ子供っぽさも残るあどけない声色を出せるから、それが怖いというのもあるんですよね。年上の人が作った少年ボイスではないから、リアリティと生々しさがあるんです。

──ちなみに、タクトはアトゥ以外には黒く見えていて、声もエフェクトが掛かっています。台本の表記も拓斗とタクトで書き分けてありましたが、お芝居の面では変化させているのですか?

熊谷:それが一切変えていないんです。第1話のテストのときはがっつり変えてやっていたんですけど、そこは「一切変えずに」というディレクションをいただきました。それに、怖いことを言っているときにカタカナのタクトになっているわけではないんですよね。ただ、エフェクトは掛けるので、カタカナタクトの場合は、基本的に別録りになるのですが……。それもあって表記が違っていたのだと思います。

 

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