
『矢野くんの普通の日々』天﨑滉平さん&貫井柚佳さんインタビュー|矢野くんと清子は二人とも“ボケ”!? 恋愛の行方だけでなく、二人の“関係性”を最後まで見届けてほしい
貫井さんのかわいらしい一面が見えた、収録現場でのある事件とは?
──作品の雰囲気もあり、収録は楽しく盛り上がったのでは?
天﨑:にぎやかでしたね。
貫井:まるで学校みたいでした。
天﨑:確かに。駄菓子が出てくるエピソードの収録では、僕が駄菓子を差し入れて、休憩中にみんなで食べました。「こんな味があるんだね」とか「今、この値段なんだ」など、童心に返ったように、にぎやかにはしゃいで、音響監督が「収録、始めるよ」と知らせに来たら「わっ、先生が来たっ!」とか言ったりして。
その時、貫井さんの意外な一面を発見したんです。貫井さんとはこれまでにも共演をしたことはありましたが、がっつり掛け合いする役柄ではなかったので、「貫井さんってどんな人なのかな?」と思っていました。
作中にも登場したあの棒状の駄菓子をみんなで食べていた時、普通に取り出して食べたり、割って細長くして食べたり、いろいろな食べ方をしている中、坂くんから「膝に底が当たるように真っすぐに勢いよく振り下ろすと、中身が上に飛び出してくる」という話を聞いて、みんなで挑戦したのですが、なかなかうまくいかなくて。「もうそろそろいいかな」とみんなあきらめて他の食べ方を考えている中で、貫井さんだけ「できない! もう1回!」とずっと膝に振り下ろし続けていて。「貫井さん、もうそろそろいいんじゃないですか?」と声をかけても、「できるまでやる!」と続けた結果、パンッと勢いよく中身が飛び出したんですけど、それと一緒に中の粉まで飛散して。
貫井:続けているうちに袋の中で駄菓子が粉々になっていたみたいで……。
天﨑:床が一面、うまい棒の粉まみれになってしまって、みんなで掃除し始めることに。
貫井:それって、本当に私でしたっけ?
天﨑:貫井さんですよ!(笑)
貫井:そうでした。申し訳ございませんでした……。
天﨑:あの時に貫井さんのかわいらしい一面が見られて嬉しかったです。
──まるで子供じゃないですか!?
貫井:でも駄菓子をみんなで食べるのって楽しくないですか? それにうまい棒にそんな開け方があるなんて知らなかったんです。私は今まで(手で袋の側面を持って、上の切り口から切って出す仕草をしながら)このやり方しか知らなかったんです。それにはしゃいでも許される空気があった本当にあったかい現場だったんです。
天﨑:みんなで貫井さんの様子を微笑ましく見ていましたし、みんなもはしゃいで、学生時代を思い出すような楽しい空気感がありました。
貫井:私だって、そういう空気じゃないなと思ったらやめていますから。
天﨑:そうですよね。空気が悪くなっていたら気付きますよね。
貫井:そうです! きっと!
──貫井さんはみんなに愛されるマスコットということで(笑)。
天﨑:本当にチャーミングです。
貫井:うまく言葉を選んでいただいて……!(笑)。でも天﨑さんが座長としてしっかり引っ張ってくれたから私も少し調子に乗ってしまったのかもしれません。ねっ?
天﨑:はい(笑)。
──ご自身の演じるキャラ以外で、お気に入りのキャラを教えてください。
天﨑:(性格が)一番近いのは、泉ちゃん。
貫井:おおっ!
天﨑:言いたいことがあっても飲み込みがちで、でも外見的には努めて明るくしているところが自分とちょっと近いかなと思っていました。想いを秘めがちというか。
貫井:泉ちゃんはかわいいですよね。私は羽柴くん推しで、羽柴くんに幸せになってほしくて。坂さんの声が乗ったことで、よりリアルさが増して、「クラスにこういう子いたかも?」という気持ちになりました。羽柴くんはモテそうなのに自分では気付かず、クラスメイトに分け隔てなく接するところがいいんですよね。
天﨑:いい子ですよね。
貫井:だから彼の切ないシーンがあると「羽柴くん……」と心の中でつぶやいています。
天﨑:共感できますか?
貫井:全然できません。羽柴くんもピュア過ぎて、私だったら矢野くんにヤキモキしちゃうし、言葉に出してしまうかも。共感できるのは清子ちゃんです。
──でも男性は羽柴に共感できると思いますよ。好きな子になかなか告白できなかったり、例え報われなくても好きな子の幸せを考えてしまうし。
天﨑:確かに。でも普通の男性だったらあんなに清らかな気持ちではいられない気がして。どちらかといえば、共感というよりも理想の男性像かなと。あんなにカッコよくいられたらいいですけど、実際はもっと心の中がぐちゃぐちゃになっちゃうと思います。恋の仕方も美しいですし、その後の行動も清々しくて、嫌なところがまったくなくて。ああなれたらカッコいいですよね。
貫井:羽柴くんはカッコいいですから登場を楽しみに待っていてください。
恋愛の行方だけでなく、二人の“関係性”を最後まで見届けてほしい
──アニメの全体的な見どころとご自身のキャラ的な見どころ、それぞれご紹介をお願いします。
天﨑:まずアニメの映像がとてもきれいです。原作の絵のタッチをそのままアニメにした時の最適解かなと思えたほどです。その絵の美しさを感じてほしいですし、すぐに作品の世界に入れるような音作りも素敵だなと思いました。そこに僕らのお芝居も加わることで、、誰でも楽しめるアニメになっていると思います。
僕が演じる矢野くんは、世の中では珍しいくらいピュアな子ですが、毎回彼の素直さと喜んだ時の表情、そしてクラスメイトとの交流で少しずつ変わっていく吉田さんとの距離感や関係性の変化、独特な会話の雰囲気やモノローグなど、語り尽くせないほどの魅力がたくさんあるキャラクターです。皆さんの目に矢野くんがどう映るのか楽しみですし、感じた良さや感想などはラジオに送っていただけると嬉しいです。
貫井:原作を初めて読んだ時、「もしアニメ化するとしたら、この世界をちゃんと再現できるのかな?」と思っていました。そんな作品が実際にアニメ化したこと、そして自分が清子ちゃんのお声を担当させていただいたことがとても嬉しいです。
アニメになると線数や彩色なども変わるものですが、アニメの映像を観たら「さすが亜細亜堂さんだな」と感動するほど、そのまま美しく再現されていて、キャラクターたちもいきいき動いていました。松尾(晋平)監督とお話しさせていただいて、すごくこだわっているのがわかって。例えばビューラーを使ってまつ毛にマスカラを塗るシーンなんかもすごく細かいんです。
天﨑:女子高生のマスカラを塗るシーンもマンガでは1コマですが、実際に動かすとなるとギザギザにするのか、真っ直ぐ引くのか、やり方もいろいろあるかと思いますが、男性はわからないじゃないですか。それを女性の方に詳しく教えてもらったそうです。
貫井:マンガでは1コマでも、映像にするということは1コマの中での動きを補てんしないといけないんですよね。矢野くんが少し上を向くシーンなど、何気ない仕草であっても突き詰めて、スタッフの皆さんが深夜に及ぶまで話し合っていると聞いて、スタッフの皆さんの作品への愛情の深さも感じました。そして、だからこそどこを切り取っても絵画のように美しく見られるんだなと思いました。『矢野くん』ファンの方にはマンガ独自の魅力とアニメならではの魅力、それぞれ一緒に楽しんでいただきたいです。
私が演じる清子ちゃんは、美人で何事にも一生懸命で、いろいろな感情に振り回されながら高校生活と青春を送っています。矢野くんに恋して、彼の一挙手一投足から目が離せなかったり、心が絶えず揺れ動いていたりする様子を温かく見守ったり、応援してもらえたら嬉しいです。
──吉田の矢野への片思いが成就するのか、目が離せませんね。そしてその先は……
天﨑:どこまで話してよいのやら(笑)。恋愛ゲームでは恋が成就したらハッピーエンドで終わりますが、この作品は恋だけではなく関係性のお話でもあるので、二人の関係性を最後まで見届けていただけたらと思います。
──第1話は、吉田の本線とモノローグがたっぷりなので、原作の吉田ファンと貫井さんファンは注目ですね。
天﨑:第1話は吉田さんがずっとしゃべっていた記憶があります。
貫井:私は自分のセリフがあるページの端っこを折るようにしているんですが、第1話の台本でやったら「あっ、全部だ!?」とビックリしました(笑)。
原作ファンの方もアニメで初めて触れる方も、矢野くんと清子ちゃんを見ているとクスっと笑ってしまうし、キュンとしたり、ホロッとしてじんわりするシーンもあるので、気持ちよく感情や心を動かされてください。放送が夜ということで、部屋着でリラックスした状態で、まったりしながら観てほしいです。
天﨑:僕たちもまだ第1話の完成版を観ていないので、オンエアをぜひリアタイしてください。
貫井:そしておもしろかったら、ぜひSNSなどで感想をつぶやいてください。
衣装協力:
an another angelus
Mon Amie
Raffia
RANDA
作品情報
あらすじ
毎日ケガまみれで学校にやってくる「超・不運体質」の矢野くん。
そんな矢野くんの手当てをしているうちに、吉田さんの中には特別な想いが芽生えてきて……。
個性的な友人たちに囲まれながら、少しずつ距離を縮めていく二人。
果たして、吉田さんの恋はどこに辿り着く?
そして、矢野くんに『普通の高校生活』は訪れるのか?
心配性女子とケガまみれ男子の、ピュアラブコメディーが今、始まります──
キャスト
(C)田村結衣・講談社/「矢野くんの普通の日々」製作委員会






















































