『ディズニー ツイステッドワンダーランド ザ アニメーション』シーズン1「エピソード オブ ハーツラビュル」：山下誠一郎さん ×小林千晃さんインタビュー｜1年生コンビがさらに好きになり、さらに魅力を感じる――

『ディズニー ツイステッドワンダーランド ザ アニメーション』シーズン1「エピソード オブ ハーツラビュル」が、ディズニープラスにて独占配信中！

シーズン1「エピソード オブ ハーツラビュル」の配信に加え、シーズン2「エピソード オブ サバナクロー」、シーズン3「エピソード オブ オクタヴィネル」の製作が決定しており、ディズニー作品のヴィランズ＜悪役たち＞の魅力にインスパイアされたキャラクターたちが登場します。

そして今回、アニメイトタイムズでは、エース・トラッポラのボイスキャストを演じる山下誠一郎さんとデュース・スペードのボイスキャストを演じる小林千晃さんの対談インタビューを実施。ゲームの収録時には山下さんに引っ張ってもらったと話す小林さん。アニメーションの収録では、当時とは違う立ち位置で収録に挑んだそうです。

アニメーションを通して、お互いに感じたエース・トラッポラとデュース・スペードの新たな魅力についても語っていただきました！

改めて役と向き合うことができたアニメーション

──最初に、「ツイステ」がアニメーション化されると聞いたときの率直な感想をお聞かせください。

エース・トラッポラ：山下誠一郎さん（以下、山下）：満を持してというか、本当に誰もが夢見たアニメーション化です。僕自身、ゲームがリリースされてから、絶対にそのポテンシャルはあると感じていました。

それほどに魅力的というか、枢やな先生が描くキャラクターや世界観と物語に魅了された1人でもありますし、ティザーやPVが公開された段階でも、より多くの人を惹き込んでいたり、周りでも「楽しみにしています」と反響をいただくことも多かったりしたので、本当に嬉しかったです。

　
デュース・スペード：小林千晃さん（以下、小林）：僕が割と新人の頃に関わらせていただいたこともあって思い入れが強い作品ですので、純粋に嬉しかったです。

僕たちは現実世界に住んでいますが、＜ツイステッドワンダーランド＞という世界が本当に存在するかのようなリアリティのある描写や、キャラクターたちの故郷で異なる文化などを含めて、実在性が強い作品だなと思います。

「ツイステ」というもうひとつの世界があるというのは心の拠り所にもなる、まさに夢の国だと僕は感じます。

──アニメーションはコミカライズが原案となっていますが、ゲームの中で描かれた物語を再びアニメーションで演じる際、心構えや意識に変化はありましたか？

山下：コミカライズをベースとしたアニメーション化ということで、その内容を踏まえつつ、シーズン1の大筋としては、ゲームにおける1章の内容が描かれます。

ハーツラビュル寮のエピソードを改めて演じることができる喜びや期待がありましたし、自分の中でもハードルはありました。もちろん精一杯取り組んでエース・トラッポラと向き合っていましたが、ゲームがリリースされた当時は自分で実際にプレイしてみて、“もっとこうしたかったな”と感じることが多かったんです。

ストーリーがどんどん進むたびにエース・トラッポラというキャラクター像を理解し、今ならもっと彼のことがよくわかるはずだという思いがあったので、もう一度彼と向き合うというか、これまで築き上げてきたエース・トラッポラと自分の濃密さを踏まえた上で、序盤の彼はどのようなことを想っていたんだろう？と考えました。

当時のゲーム収録と「ツイステ」の魅力を存分に知っている今とでは捉え方が違うのかな、想像する部分も違うのかな？というところで、より深掘りできたり、楽しく演じたりできたのかなと思っています。

小林：僕も長いこと「ツイステ」に関わらせていただく中で、自分の中でデュース・スペードの見え方や演じる幅が増えたと思いますが、最初のエピソードに戻ってみて、改めて自分がどんなお芝居をしていたのか、どういう風に向き合っていたのかを考えることができました。

その結果、あまり頭で考え過ぎずに直感的にというか、体当たり的に演じている部分が逆にデュース・スペードというキャラクターに合っていたんだなと思ったので、アニメーションの収録でも“当時のものをもう一度”と肩肘張らずに、自分の持っているデュース・スペードの心で真っ直ぐにやるしかないと吹っ切れて演じることができました。

──エース・トラッポラとデュース・スペードの1年生コンビは掛け合いも多いと思います。ゲームとアニメーションの収録における違いや変化などはありましたか？

山下：（小林さんに）確か、ゲーム収録のときは、最初にキャラクターの方向性を決めるタイミングがあったよね？

小林：うん。同じタイミングでブースに入って録ったりもしたよね。

　
山下：ハーツラビュルの1章では、基本的にボイスキャストがそろって録ることができていたので、ゲームの収録では珍しいなと思いました。

そのときに、周りや千晃のお芝居を聞いていたので、自分のみならず、改めてみなさんの演技が聞けたのは面白かったですし、そのおかげで掛け合いも変わっていったなと感じます。

小林：山下さんとはずっと一緒に演じさせていただいていますが、アニメーションでは僕に余裕が出てきたというか、当時は本当におんぶに抱っこのような状態でして。

山下：いやいやいや。もうたくさん経験を積まれていてね。

小林：お母さんみたい（笑）。

山下：親戚のおじさんのような気持ちですよ（笑）。

一同：（笑）。

小林：まだまだ駆け出しだったこともあって、自分のセリフで精一杯だったんですけど、この5年間で経験を重ねて、アニメーションの収録では山下さんのセリフを聞いて、それに合わせてお芝居ができたので、僕的には当時以上に心地よい掛け合いができました。そこを感じ取ってもらえたら嬉しいですね。

気に食わない部分がありつつも信頼し合っている2人

──今回は阿座上さんが演じる円満雄剣が登場します。エース・トラッポラとデュース・スペードとも交流することになる、監督生・円満雄剣の印象をお聞かせください。

山下：ゲームとはまた違う人物像というか、意外と「ツイステ」にいそうでいなかった新しいキャラクター像だなと感じました。彼が持つ強さや大胆さ、異世界にもかかわらず柔軟な考えや心でピンチを切り抜けるシーンは、ゲームで監督生が辿った同じ道でも、また違うドラマがあります。

ゲームをプレイした方が知っているストーリーでも知らない流れみたいなところが、新鮮に楽しめるのではないでしょうか。

僕自身、阿座上さんとご一緒させていただく現場は多いですが、その上で阿座上さんの底力というか、円満雄剣の魅力をさらに引き出している芝居を隣で感じましたし、その掛け合いのおかげで知らないエース・トラッポラ像を出すことができたのはすごく貴重な経験でした。

小林：阿座上さん演じる円満雄剣は、＜ツイステッドワンダーランド＞でも生きていけるだろうなという力強さを感じました。ナイトレイブンカレッジはやっぱり魔法士養成学校なので、魔法が使えない生徒が生きていくことはなかなかに難しいと思うんです。

それを持ち前の体力や剣術で切り抜けていくところは、他の生徒たちを前にしても負けない強さを持っているという説得力がありますよね。

また、円満雄剣はすごく正義感溢れるキャラクターなので、ディズニー作為ｈンにインスパイアされた世界観やヴィランの魂を持つキャラクターたちがいる魔法士養成学校というそのアンバランスさも、円満雄剣が監督生として物語を彩る魅力なんじゃないかなと思います。

──山下さん演じるエース・トラッポラ、小林さん演じるデュース・スペードは1年生コンビであり、ライバル関係でもありますが、2人の関係性をどのように捉えられていますか？

山下：本当に相性が悪くて、馬が合わなかったらあんな関係にもなっていないのかなと思えるような、どこか根っこの部分で通ずるものがあるんだなと思います。普段のベースが何もかも違えど、芯にある熱さや想いの強さは同じというか……。

小林：あとは、気に食わない部分もありつつも、お互いに自分にないものを持っていて、だからこそ言葉には出さないけれど、嫉妬したり尊敬したりできる部分があるというのは、長く一緒にいる秘訣なのかな、と。

声には出さずともお互いに信頼し合っていると思いますが、ただ、やっぱり気に食わない部分も多いんですよね。

──そんな2人の注目シーン、見どころをぜひ教えてください。

山下：やっぱり画が動くアニメーションというところで、どういう距離感でいがみ合っているかなど、その距離感の違いが新鮮で面白いと思います。

あと、構図もすごく素晴らしいので、ぜひ注目していただきたいです。たとえば、グリムがやってきて3人がどのようにわちゃわちゃしていくのか、そういう動きの流れがあるのは新鮮というか、今までゲームに触れていたことが形になっていくような面白さがありました。

小林：長く携わっている作品であり、山下さんとも何度も掛け合いをしているからこそ、最初のシーンから一緒に心機一転しつつ、お互いキャリアを重ねた状態で収録できたのは新鮮味やキャリアを重ねた味わい深さもあって、当時の収録とは違った楽しさがありました。

僕らが楽しいと思いながら演じた掛け合いが、完成した映像にも投影されているんじゃないかなと思います。

──ちなみに、リドル・ローズハートを演じられている花江さんに取材させていただいたとき、ハーツラビュル寮のボイスキャストの成長を感じたとおっしゃっていました。

山下・小林：お〜！ 嬉しい！

──加えて、小林さんの態度がでかくなっていたともおっしゃっていました（笑）。

山下：あはははは（笑）。それはもう、花江さんがそう言うならそうですね！

小林：そのままお返しします（笑）。

一同：（笑）。

──でも、それだけすごく良い雰囲気の中で収録されたということですよね。

小林：ありがたいことに、生放送やイベントなどでハーツラビュル寮のボイスキャストが集まることが結構あったので、最初の頃よりみんな打ち解けて収録できているのかなと思います。