『ズートピア２』森川智之さん＆下野紘さんインタビュー！　前作とは違う“良さ”を感じるニック、ゲイリーはかわいい＆憎めないキャラクター？

下野紘、ニックのかっこよさが「わかる！」　森川智之はゲイリーを「かわいい・憎めない」

ーー前作のインタビューで「“ニックがかっこいい”という反響は意外だった」と語っていましたが、今回の彼はどうでしょうか。

森川：前作とは違った意味で、彼の良さを感じる瞬間がたくさんあったように感じます。ニックは過去に「キツネは信用に値しない」といじめを受け、心に傷を負っています。一度受けた心の傷は、そう簡単には治りません。そのトラウマは克服できたのか……彼の成長にもつながる部分ですので、大事に演じた部分でもあり、皆さんに「良い」と感じてもらえたらうれしいです。

ーー下野さんにはニックはどんなキャラクターだと映っていますか？

下野：登場時は本当に嫌なやつだと思いました（笑）。ジュディがどんなに頑張っても、暖簾に腕押し。のらりくらりと交わして、つねに飄々とした態度です。しかし、その態度の裏ではジュディの頑張りが刺さっていたのか、途中からは優しさや思いやりが感じられるシーンも出てきていました。、黒ヒョウに追いかけられた時も……情けない顔をしていて（笑）。加えて、いざという時にジュディを助けてくれる。みんなが「かっこいい」という理由がわかります！

ゲイリーも格好良いと思ってもらえれば良いのですが……。

森川：確かに格好良い路線ではないかもしれませんが、かわいいと思うよ。あと、憎めない！

下野：観客の皆さんにもそう思ってもらえると嬉しいです。

ーーゲイリーの活躍は森川さんにどう映りましたか？

森川：僕はニックと一緒で、爬虫類が苦手なんですよ。

下野：SNSでも発信されていましたよね。「下野さんのファンだけど、ヘビ役か～」と（笑）。

森川：でもね、本作で描かれたゲイリーを観て、ちょっと平気かもなと思いました。

ーーゲイリーを通してヘビ克服ですか！

森川：あくまで“『ズートピア2』でのゲイリーは”ですよ！　しっかりと予防線を張っとかないと。何させられるかわからないから（笑）。

下野：“首に巻いてください”と言われるかもしれないですよね。

森川：爬虫類の世界にもいろいろあって、みんな平和に生きたいんですよね。……ここから先はネタバレになるので、映画を観て確認してください。

下野：言わずにいてくださってありがたいです（笑）。実はまだ、完成した本編を観ていないんですよ。

森川：え、観てないの!?

下野：作品のファンとして、最初は映画館で観たいです。今回は特に、念願だったディズニー作品へ初めて参加させてもらえたということもあり、その気持ちがより大きいです。気持ちを大切に作って、公開日に劇場で感動に浸りたいなと思います。

森川：もうね、感動するよ！　自分が出ていることを忘れて没頭できる。

下野：本当ですか？楽しみです！

ーー今「自分が出ていることを忘れる」とのコメントもありましたが、長い付き合いの2人だからこそ、お芝居を通じて「森川さんだからこそのニック」「下野さんだからこそのゲイリー」と感じられる魅力があると思います。そこはいかがでしょうか？

森川：基本的に我々声優の仕事は「キャラクターに息を吹き込む」こと。もちろん声は僕のものですが、演じるキャラクターに“自分”を出してしまってはダメなんです。そのキャラクターが本当に生きているように演じなければならない。下野くんとは長い付き合いで、そんな芝居ができる方だと知っています。今作は「下野紘」ではなく、「ゲイリー」が目の前にいました。

下野：ありがとうございます……！

森川：でもね、今もずっと思ってたんだけど……（ゲイリーと）顔似てるよね（笑）。

下野：メイク中に鏡で自分の顔を見て、自分でも“似てるかも”と思ってしまいました（笑）。

森川：自分でも思うでしょ（笑）？　メイクとか寄せてみたらどう？　目元に青色とか乗せてみたり。

下野：一人だけ空回ってると思われてしまったらどうするんですか（笑）！　そして、僕の意見も森川さんと同じです。ニックに対しての思いはしっかり感じられつつも、演技にはそれは滲ませず、「ニックがそこにいる」と思わせてくれました。

ーー本作を語るに欠かせないジュディの存在。彼女の魅力も伺えますか？

森川：真っすぐとした正義感を持っていますよね。「理想の楽園」と言われているズートピアですが、その中でもたくさんの問題が巻き起こります。世の中の不条理を感じ、壁にぶち当たる瞬間もありますが、めげずに進んでいく彼女だからこそ、ニックに影響を与えたのだと思います。

下野：「負けず嫌い」が彼女の魅力だと思います。だからこそニックと一緒にいることができるし、ニックもそんな彼女だからこそ「しょうがないな」と付き合ってあげている。その負けず嫌いを発揮して周囲を巻き込み、説得できているとも思っていて。自分自身の原動力にもなっているし、ジュディは負けず嫌いだからこそ輝いていると感じます。

ーーありがとうございます。そんなジュディとニックの関係性、また新たなキャラクターの活躍が描かれ、見どころ満載の『ズートピア2』。公開を楽しみにしている方へ、メッセージをお願いできますか？

下野：『ズートピア』は、少ししか出てこないキャラクターでさえも魅力的です。僕が演じたゲイリーはもちろん、他のキャラクターの活躍や些細なやり取りにも注目してほしいです。そして何より皆さんが気になっているであろう、ジュディとニックの関係性。様々な楽しみが詰まっていますので、ぜひとも劇場へ足を運んでください。

森川：前作より9年も経ちましたが、多くの方がずっと愛してくれていることにうれしく思います。新たに仲間になったキャラクターの活躍に注目してほしいのですが、下野くんたちキャスト陣の演技がすばらしくピッタリなので、ぜひ期待していてください。そして、ズートピア誕生の謎に迫っていく中で、ジュディとニックの絆が試される瞬間が何度も訪れます。そのピンチをどう乗り越えるのか。そして、乗り越えた先にどんな展開が待っているのか……ぜひ劇場で確かめてくださいね！

[インタビュー／米田果織]

『ズートピア２』作品情報

配給：ウォルト・ディズニー・ジャパン

あらすじ

ズートピア、それはかつての肉食動物も草食動物も、大きな動物も小さな動物も、あらゆるタイプの動物たちが平和に暮らす超ハイテクな文明社会、そして「誰でも夢を叶えられる」という理想の楽園。
その街で暮らす、前向きで夢を信じるズートピア初のウサギの警官・ジュディと、元詐欺師で皮肉屋だけど頼れるキツネの相棒・ニックは、何もかも正反対だけど特別な絆で結ばれていた。
ある日、突如現れたヘビのゲイリーをきっかけに、ふたりは再びバディを組んで潜入捜査を行い、ズートピアの過去に秘められた巨大な謎に挑むことに。
その先には、ジュディとニックの絆が試される、ズートピア最大の危機が待ち受けていた…。

キャスト

ジュディ：上戸彩
ニック：森川智之
ボゴ：三宅健太
クロウハウザー：高橋茂雄（サバンナ）
ガゼル：Dream Ami
Mr.ビッグ：山路和弘
ゲイリー：下野紘
パウバート：山田涼介
ウィンドダンサー：髙嶋政宏
ヘイスース：柄本明
ホグボトム：熊元プロレス（紅しょうが）
ラス：ジャンボたかお（レインボー）
アントニー：高木渉
ミルトン・リンクスリー：梅沢富美男
Dr.ファズビー：水樹奈々
ゼブロ・ゼブラクストン：内田雄馬
ゼブロ・ゼブロウスキー：斉藤壮馬
おばあちゃん：野沢雅子
キャトリック・リンクスリー：小松和重
キティ･リンクスリー：猫背椿
ベルトルト･フーフシュメルツ：駒田一
ユルゲン・ツィーゲンケーゼ：佐藤隆紀
ニブルズ：江口のりこ
ポール・モールデブラント：小島秀夫