
秋アニメ『最後にひとつだけお願いしてもよろしいでしょうか』瀬戸麻沙美さん・加藤渉さんインタビュー「あの二人にしか生み出せない愛の形というのが見えて、キュンとしました」【連載14】
この作品のキャラクターで共感できるとしたら、テレネッツァなのかな
──ここまでの物語で印象に残っているエピソードはありますか?
加藤:エピソードとは少し違いますが、主題歌が本当に素敵でした。どちらも歌詞が作品とリンクしていて、オープニングはスカーレット、エンディングはテレネッツァ目線になっているんですよ。第12話でジュリアスが操られたぐらいのタイミングでテレネッツァ目線のエンディング曲のイントロが流れてきたとき、物語の流れにまさに沿っていて、一オタクとして気持ちが高揚しました。逆に最終話はスカーレット目線のオープニングで熱く締めるというのも、気持ちよかったです。
──音楽も映像化するうえでの醍醐味のひとつですよね。
加藤:ですね。あと、僕は本作を通じて、テレネッツァも大好きになりました。テレネッツァって、回想でも吐露していたように「みんな、私のことを愛してよ」という気持ちがあるんです。それなのに、第1話から最後までスカーレットとジュリアスから見向きもされない。そりゃイライラもしますよ。
──確かに……。
加藤:転生して乙女ゲームみたいな世界にきたのに、全員が“悪役令嬢”のスカーレットに興味がいっちゃって。誰も自分のことは見てくれない。全然思い通りにならない。テレネッツァからしたら、「なんなんだ、これは」という気持ちだったでしょうね。そういう、ある種人間らしいところに僕は心を揺さぶられました。演じる加隈亜衣さんのお芝居も相まって、個人的には最終話で特にテレネッツァへ気持ちを持っていかれましたね。
──共感できる部分があったというか。
加藤:この作品のキャラクターで共感できるとしたら、テレネッツァなのかなって思っています。
瀬戸:でも、悪役令嬢なんてイントロダクションでは書かれていましたが、スカーレットって別に悪役令嬢じゃないですよね。
加藤:あれは、「テレネッツァ目線からしたらそう」ということなのかなと。
瀬戸:なるほど、そういうことか! 私たちはテレネッツァから見た世界で生きていたんだな。
アクションはカッコいいけれど、優雅さも兼ね備えている
──瀬戸さんがここまでの物語を振り返ってみて、印象に残っているエピソードも教えてください。
瀬戸:すごく細かいところなのですが、第1話の回想シーンでカイルがナイフでスカーレットの髪の毛を切ろうとするシーンです。あそこでシグルドが、なぜかチョウチョと戯れているんですよね。あのシーンがなぜか忘れられなくて。
加藤:しかも誰もツッコまないという(笑)。
瀬戸:そうそう(笑)。伏線なのかなと思っていましたが、特にそういうこともなく物語が終わって。シグルドは端々で気になるところがあるキャラクターでした。
──ポイント、ポイントで出てくるキャラクターも本作は印象的でした。
加藤:そうですね。対峙する貴族や敵たちを演じるのが、本当に豪華な先輩方で。
瀬戸:みなさん吹っ飛ばされる運命なのですが、その一瞬で輝きを先輩方は残してアフレコ現場を後にされていました。
加藤:置鮎龍太郎さんなんて、名乗っている途中でスカーレットにぶっ飛ばされていましたから(笑)。強キャラクターのはずなのに。
瀬戸:先輩方のお芝居は本当に面白くて、印象に残っています。自分もこういうことをやれるようになりたいと思いました。
──最後に改めて、おふたりが思う『さいひと』の魅力・推しポイントについて語っていただければと思います!
加藤:これが推しポイントになるかは分かりませんが、僕も含めてスカーレットに殴られるキャストのみなさんが一生懸命にやられている、それを楽しんでいるのが本作の魅力につながっていたらいいなと思っています。強い人が輝くのは、やられ役があってこそ。やられ役を演じるみなさんの頑張りも本作ならではの面白さなので、ぜひ見返してみてください。
瀬戸:キャラクターたちがみんな一生懸命に生きていて、愛おしくなります。あとは、アクションがすごくカッコいいけれど、優雅さも兼ね備えているのが本作ならではだと思っていて。血生臭いはずなのに、そうは思えない、いつの間にか魅了されている、それが『さいひと』の魅力だと思います。
[文・M.TOKU]
作品情報
あらすじ
それはよくある“悪役令嬢”への断罪シーンとなるはずでした ――
舞踏会の最中、婚約をしていた第二王子・カイルから、
いきなり理不尽な婚約破棄を告げられた公爵令嬢・スカーレット。
さらには“新しい婚約者”がいると告げられ、ありもしない罪まで着せられてしまう。
幼少期から続いていたカイルの数々の嫌がらせにも
“婚約者”ということで耐え続けてきたが、ついに我慢の限界を迎えてしまい…
「私の最後のお願いです。
このクソアマをブッ飛ばしてもよろしいですか?」
見目麗しき公爵令嬢スカーレットが“拳”を握り、舞い踊る!!
シリーズ累計187万部突破の人気作がTVアニメ化!
武闘派令嬢のスカッと痛快ファンタジー、ここに開幕!
キャスト
(C)鳳ナナ・アルファポリス/最ひと製作委員会

















































