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- まりも
- ゾロとONE PIECEを偏愛するフリーライター。アニメ、推し活、恋愛、結婚、睡眠など、幅広く執筆しています。

「おれの財宝か? 欲しけりゃくれてやるぜ…探してみろ この世の全てをそこに置いてきた」──ほんの少しでもマンガ『ONE PIECE』(原作・尾田栄一郎氏)を読んだことがあるならば、必ず知っているといっても過言ではないこのセリフ。
海賊王ゴール・D・ロジャーが最期に遺したこの言葉が、多くの海賊たちをひとつなぎの大秘宝「ワンピース」を探す航海へと駆り立てることになりました。
そんな『ONE PIECE』の物語も終盤に差し掛かったいま、原作者の尾田栄一郎氏によって現実世界に仕掛けられた“大海賊時代の幕開け”のような企画が読者を熱狂させているんです。
発端となったのはコミックス114巻の発売日である3月4日に『ONE PIECE』公式YouTube上で公開された一本のムービー。
その内容は……
・尾田氏が一枚の紙に「ONE PIECEとは」「そして モンキー・D・ルフィは」からはじまる2文で“物語の秘密”を記す
・その紙を半分に破り、“物語の秘密”となる部分が書かれた紙片を宝箱にしまい鍵をかける
・“物語の秘密”入りの宝箱が潜水用耐圧ガラス球に入れられ、とある海の底・深海651mに沈められる
というもの。
つまり、まだ明かされていない物語の結末──なにより全読者が知りたいと願う「ワンピースとは何か」の答えが、いま現在、人の手が届かぬ海底で静かに眠っているというわけです。
『ONE PIECE』全世界累計発行部数6億部突破記念企画「ONE PIECEとは?」
協力:国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)・岡本硝子株式会社・株式会社FullDepth
※本動画は、SIP(内閣府戦略的イノベーション創造プログラム第3期)、JAMSTEC(国立研究開発法人海洋研究開発機構)研究員による監修により装置の設置・回収や撮影方法について検討を行い、海洋生態系への影響等の環境保全に関する配慮のもと撮影を実施しました。海底設置物については回収を前提にしております。(動画概要欄より引用)
本作らしいロマンにあふれるこのビッグプロジェクトは、『ONE PIECE』コミックス全世界累計発行部数6億部突破を記念して始動した取り組み。3月4日の朝日新聞・読売新聞の朝刊には、尾田氏が秘密を書いた紙片上半分の原寸コピーが新聞広告として掲載されました。
海底に沈む真実が記された紙片は、物語の完結後に公開を予定しているとのことです。
本企画は瞬く間にSNSで拡散され、世界中から多くの感想が寄せられています。
その反応は「すごすぎ」「スケールが大きすぎて…感動で涙が出る」「ONE PIECEって本当にすごい作品」と感嘆の声を挙げる人、「ダイビングの資格取ろうかな」「世界のどこかの富豪ファンが海底調査して見つけちゃうかも」「ちょっと海潜って探してきます!」と海へ潜り答えを探そうとする人、さらに「万が一見つけた人がいても絶対にネタバレしないで!」「最終回まで誰も見つけませんように」と本編で明かされる答えを待ちたい人とそれぞれ。
一部では作中のルフィの言葉「つまらねェ冒険ならおれはしねェ!!!!」を引用し、お宝探しに海へ乗り出したい気持ちをおさえるムーブも生まれているようです。
まさに「全てをそこに置いてきた」というロジャーの言葉が世界を動かしたように、尾田氏が「全てを底に置いてきた」と言わんばかりに海底に沈めた「ワンピース」。それをめぐり読者たちが熱狂する様子は、まさにリアル大海賊時代の幕開けのようでもあります。
尾田氏のなかでは最初から決まっていたという物語の結末ですが、読者にとって「ワンピース」とは、物語の始まりから今に至るまでひたすらに知識欲を刺激し続ける未知のお宝です。その証拠に、その正体を予想・考察する話題はリアルでもネットでも絶えることがありませんよね。
誰かが海の底に眠る「ワンピース」の答えを見つけるのが先か、尾田氏が描く物語の結末がやってくるのが先か。
今回紙片が海底に沈められたことによって、「海の底に沈めたのはなにかの暗喩か伏線?」「ワンピースの正体は海底に眠る大陸か」と、新たな考察も盛り上がり始めているようです。
実際、動画の最後には「旗なき海へ」という意味深なコピーが綴られており、沈んでしまったかつての大陸がひとつなぎになって国境がなくなるラストや、ルフィが「ワンピース」を手にすることによって海賊がいなくなるラスト、世界政府がなくなるラストなど、あらゆる「旗がなくなった海」の想像を掻き立ててきます。
読者をワクワク、ゾクゾクさせてくれる“リアル大海賊時代”のような企画から目が離せません。
[文/まりも]