
「満腹」を求める男・石流の在り方とは――TVアニメ『呪術廻戦』第3期「死滅回游 前編」連載インタビュー第19回:石流 龍役・東地宏樹さん
腹八分目な石流龍
ーー東地さん演じる石流の印象はいかがでしたか?
東地:第一印象としては、ぬるっとした感じ。何かミステリアスな男だなと思いました。言っていることもよく分からないところがありますし(笑)。
ーー石流 龍は「満たされない男」という印象もありますが、彼を演じる上で大切にされたポイントはありますか?
東地:見た通りのミステリアスさと、風貌からくるのらりくらりとした雰囲気というのは彼の絶対的な自信からくるものなのではないかと。「呪力の出力がトップクラスである」という強さに自信を持っていると思うんです。
その余裕からあのゆったりした喋り方やスタンスが出ていると考えました。ただ、よく聞いていくと、「前世では何かが足りなかった」と訥々と喋りだすじゃないですか。演じる身としては、凄く面白いキャラクターです。皆さん、彼の話をどんなスタンスで聞くのだろうかと。自分と似ているところがないので、そこも演じがいがありました。
のらりくらりとしていて、前世に未練があって。彼は何を求めていたのか。彼の戦いを見ていると、それが分かりますよね。そして、最終的に「満腹だ!!!」という言葉を残す。負けてもいいから、満腹を得るための人生を求めるキャラクターとして、逆算して演じていました。
ーー乙骨との戦いを楽しんでいるように感じますよね。
東地:「sweet」というセリフが物語っていますよね。乙骨と戦えば戦うほどに、楽しさと足りていなかったものが得られていく恍惚感がある。そこも意識しながら演じました。
ーー現場で印象的なディレクションはありましたか?
東地:最初の日常会話のところを何度かやり直しました。乙骨との会話をもう少し日常的な雰囲気にしたいというようなお話があって。
乙骨も乙骨でちょっと変なキャラクターではあるじゃないですか。あれは、烏鷺が怒っちゃうのもわかりますよ(笑)。乙骨のそういう一面は面白いです。
そういうマイペースな人と話す石流を何度か収録して、その後の戦闘シーンになったら、先程も言ったような余裕さが見えてくる。そして、石流も身の上話をし始める。それは巡り会ったからなんでしょうね。腹八分目だった自分を埋められる奴に。
なので、戦闘では喜びを感じていたんじゃないでしょうか。こいつなら埋めてくれるんじゃないかという期待に、乙骨は応えていきますから。
ーー石流の「満腹だ!!!」というセリフは、東地さんの中でも印象的なものだったんでしょうか?
東地:そうですね。通常だと、本当にお腹いっぱいな時にストレートに使う言葉ですよね。でも彼はそうじゃない意味で使っています。もう人生に「悔いはないぜ」って。負けて感謝をするといいますか。彼らしさが出ている名台詞だと思います。
"満腹”になった収録現場
ーー皆さん揃って、収録されたとお聞きしました。共演者の皆さんとのお芝居はいかがでしたか?
東地:僕は、緒方恵美さんとの共演経験がすごく少なくて。ただ、これまでの作品や演じてきたキャラクターはもちろん知っていますので、「乙骨は緒方さんの得意としてるところなんじゃないか」なんて思っていました。やっぱり生で聞いてみると、独自の、独特な表現でした。
何と言いますか……あんまセリフっぽくないですよね。ご自身が少年になって、少年が発してる言葉を表現しているんだと思います。緒方さんの表現を生で聞きながら、一緒に掛け合えたのは嬉しかったです。
加えて、水樹奈々さんのパワフルさ。そりゃ、烏鷺強いよなと(笑)。花澤香菜さんに関しては、デビュー当時から知っているので、「こんな声がでるようになったの!?」って(笑)。
東地:石流の「満腹」に近い気もするんですが、僕以外の誰かが凄いことをやってのける、みたいな瞬間を目撃するのが好きなんです。自分にあるものだとしても、持っていないものだとしても。皆さん横並びで演技をしていて、誰かが良い表現をした時に、「悔しい」って思う方もいると思うんですけど、僕は「すげえな」と感動してしまうんですよ。
そういう意味で、石流の言う“満腹”はどこか理解できるんですよね。『呪術廻戦』に出演している方々は皆さんが素晴らしいものを見せてくれるので、僕みたいなタイプにとっては、楽しい現場だなと。
ーー最後に、ファンの皆さんへメッセージをお願いします。
東地:皆さん、この作品の魅力はよくご存じだと思いますが、原作を映像化した作品としてのクオリティの高さが本当にすごい。
スタッフの皆さんが本当に努力されて、時間をかけて作られている作品だと自信をもって言えます。テレビ放送はもちろん、配信などで何度も楽しんでいただける作品だと思います。
石流はまだ死んでいないということでしたので、彼共々『呪術廻戦』をよろしくお願いします!
[文/タイラ]
連載バックナンバー
『呪術廻戦 死滅回游』作品情報
イントロダクション
廻れ呪え 死の遊戯の中で
「渋谷事変」を経て、羂索により呪霊が蔓延る魔窟と化した
全国10の結界(コロニー)。
戦いは、呪術を持つ者達による殺し合い「死滅回游」へ。
加速していく混沌の中、伏黒の姉・津美紀が巻き込まれたことが発覚する。
五条の復活と津美紀救出の術を見出すべく動く虎杖たちだが…。
果たして、羂索の目的は何なのか。
「死滅回游」平定のためゲームに参加する彼らの行き着く先とは―。
キャスト
虎杖悠仁:榎木淳弥
伏黒恵:内田雄馬
禪院真希:小松未可子
パンダ:関智一
乙骨憂太:緒方恵美
脹相:浪川大輔
九十九由基:日髙のり子
天元:榊?原良子
秤金次:中井和哉
星綺羅羅:榊原優希
禪院直哉:遊佐浩二
日車寛見:杉田智和
髙羽史彦:鶴岡聡
レジィ・スター:青山穣
コガネ:ニーコ
夏油傑(加茂憲倫):櫻井孝宏
スタッフ
原作:「呪術廻戦」芥見下々(集英社ジャンプコミックス刊)
監督:御所園翔太
シリーズ構成・脚本:瀬古浩司
キャラクターデザイン:矢島陽介 丹羽弘美
副監督:高田陽介・佐藤 威
美術監督:東潤一
色彩設計:松島英子
CGIプロデューサー:淡輪雄介
3DCGディレクター:志賀健太郎(モンスターズエッグ)
撮影監督:伊藤哲平
編集:柳 圭介,ACE
音楽:照井順政
音楽プロデューサー:小林健樹
音響監督:えびなやすのり
音響制作:dugout
制作:MAPPA

















































