
夏アニメ『君のことが大大大大大好きな100人の彼女』第3期 加藤 渉さんインタビュー|第25話(3期1話)は「俺たちにも想像できないぞ!」 第3期はアニメファンも原作ファンも未知の体験に
これまでに登場したヒロインの魅力を加藤さんならではの視点で語る!
──この凄まじい勢いの作品を、主人公の愛城恋太郎役として、ド真ん中で支えてきたのが加藤さんだと思いますが、改めて、恋太郎を演じてきた感想をお願いします。
加藤:オーディションを受けたときに、そのときの原作の最新エピソードまで読んでいたんですけど、第3期となると、僕が当時アニメで演じることを想定していなかったエピソードにまで辿り着いた感じがするので、ここまで来たのかという感慨があります。ちなみにそれが先程話した、第25話Aパートのところになります…。
──ついに第3期まで来ましたからね。
加藤:第2期の後半に登場したヒロインたちって、どうしても出番が少なくなってしまうんですけど、僕はそれを惜しいなと思っていたんです。でも、第3期が決まったことで、その後半に登場したヒロインたちが活躍できることになったので、それが嬉しいです。第26話のBパートは、それこそ美々美先輩と愛々ちゃんが活躍していたので、すごく熱かったですね。
少し話が飛ぶのですが、第3期は先程話した通り、昨年のスペシャルイベントで発表されたのですが、そのとき、お客さんから声援というか轟音のような歓声が上がったんです。そのあとの登壇者コメントで、Lynnさんが「こんなにもこの作品を愛してくださる方々がいることを、実際に受け止めることができて本当に嬉しい」というようなことをおっしゃられていたんです。それで、その熱量みたいなものが第3期の収録のモチベーションにもなっていたのではないかと個人的に感じています。つまり、第2期以上に、第2期から登場した方々が伸び伸びとされている。特にそれを美々美先輩に関しては、強く感じたんです。
──演技にも影響する体験だったんですね。
加藤:美々美先輩は「ビシッ」とか「ふふーんですわ」といったセリフの伸びが増していて、よりきれいで美しくなっているんですよね。あと、進藤あまねさんが演じている胡桃にもそういったところを感じていたりします。
で、この話をすると第3期から登場するヒロインたちの出番はどうなのかとなると思うのですが、もちろん後半に登場したら出番は限られてくる部分はあるけれど、インパクトはむしろ強くなっていく印象がありました。これに関しては土呂瀞騎士華先輩がとにかくすごいので楽しみにしていてください。
──ちなみにどのあたりがすごかったのですか?
加藤:騎士華先輩はまだキャストが発表されていないのですが、とにかくキャストの方の発声が素晴らしくて。それは僕だけでなく羽香里役の本渡 楓さんもずーっと言っていました。それくらい本当に素敵だったんですよね。本人に直接伝えられたかどうかは定かではないんですけど、こんなインパクトを感じたのは、羽々里さん以来でした(笑)。
──話を聞いていると、どんどん現場が育っていっているような感じもしますね。ファンの熱量を受けて、それがアフレコにも反映されて、その演技を見た新たなキャストが、そこを超えようとインパクトを残していくような。
加藤:そうですね。だから石原夏織さんも先行上映会でおっしゃられていましたけど、最初は戸惑いも大きいんです。第1期から登場した我々は、原作をアニメにするにあたって、どうアニメ独自の魅力を出していけばいいのかみたいなことを手探りで積み重ねてきました。それは監督の中でもそうだと思うんですけど、その方向性みたいなものが、どんどんどんどん固まっていってるというか。方向性がはっきりしたからこそ、それまで登場してきた人は、よりマッシブになっていく。で、第3期から登場する方は、マッシブなものに対して参加するから、最初は不安や戸惑いが大きいのかもしれないなって思います。
──でも、その戸惑いを抜けると、自分もここまでやっていいんだとマッシブになっていくという、良い循環が生まれている気がします。
加藤:しかもみんな別に飄々と演じているわけではなく、試行錯誤して苦労して演じていることがわかる現場なので、戦っているのは自分だけじゃないと思えるというか(笑)。一緒に頑張ろうと思える現場なんですよね。
──では、第3期から『100カノ』を観始めた方に向けて、加藤さんならではの視点で第2期までに登場したヒロインの魅力を教えてください。
加藤:まず『100カノ』って名は体を表していることがほとんどなんですけど、花園羽香里は、「むふっ」なことに興味があって、謀(はかりごと)=完璧な計画によって意中の相手に対し好意を効率的に伝えようとします。でも、その計画は大抵失敗するところがかわいらしいです。個人的に、慮(おもんぱか)るという意味もあると思っていて、彼女は高校1年生だけど、年齢関係なく母性を備えている人なのかなと思っています。……ちょっと長くなり過ぎてしまったので、先行上映会のチャレンジ企画のために考えてきたメモから答えていってもいいですか?(笑)。
──第2期までに登場した11人のヒロインの魅力を合計100秒以内に答える企画でしたね。では、加藤さんが考えるそれぞれの彼女のかわいいところをひと言ずつお願いします。
加藤:院田唐音は、恥ずかしくなると意外にもあわあわしちゃうところが本当にかわいいです。好本 静ちゃんは、ナチュラルにハイセンスなユーモアを持っているところがかわいいです。栄逢凪乃は、ひとりごちるようなセリフに醸される、どこか儚げな一面がすごくいいなと思っています。薬膳楠莉先輩は、喜怒哀楽が全身に表れるところが魅力的です。花園羽々里さんは、誰かのためだけに尽くしてきた時間が長かったぶん、今ありのままに過ごせていることを思うと嬉しい気持ちになります。原賀胡桃は、実は一番常識人な上に、みんなからかわいがられているところがかわいいです。銘戸芽衣さんは、照れたときも仕草がおしとやかでかわいらしいところがかわいいです。須藤 育は、元気なだけじゃなく、相手を思いやるときは静かに寄り添えるところが魅力です。美杉美々美先輩は、人の美徳にいち早く気付けるところがかわいいです。華暮愛々ちゃんは、人の感情を伝えるのに重要なパーツである目が隠れた状態でも、笑顔が本当に素敵なんです。
愛々ちゃんに関しては少し長くなっちゃうんですけど、先行上映会で高尾奏音さんがおっしゃっていましたが、第3期は、第2期よりファミリーと打ち解けている感じがするんです。本当にみんなといるときにニコニコしていて、閉じ口でなく開き口で笑っていることが多いんです。それは新聞部も美人だと思って気になるよなと思いました。だから開き口の笑顔が魅力です!
──せっかくなので、登場したばかりの伊院知与についても聞いていいですか?
加藤:知与ちゃんは、共感する人が多いヒロインな気もしていて、自分がしっかりしなきゃと思う家庭環境とかを体験されている方もいると思ったんですよね。で、魅力というと、年齢以上にしっかりしようとしているところと、年相応の幼さが共存しているところがかわいいです。
第3期から登場するヒロインの魅力と『100カノ』に期待してほしいこと
──伊院知与とのやり取りで印象に残っているところはありますか?
加藤:恋太郎は、ヒロ叔父さんの思惑があっての告白を一度断ってるんですよね。そのとき「知与ちゃんの気持ちに関わらず、周りの人間の誘導でさせられた恋なんて……。恋は他人やしがらみに左右されず、どこまでも自由で、本人の気持ちのままにあるものだからこそ、“本物”で美しく尊く“大切なもの”だと思うんです」と言うんです。
恋太郎って、目が合ってビビーンときた時点で運命の人だと分かっているのに、断るんですよね。それは恋太郎なりの倫理感からくるものなんですが、ルールというか価値観の押し付けでもあると思うんです。神様から「付き合わなかった場合は、相手が不幸な運命に遭う」と知らされている上で、一度拒絶の対応を取るのは、彼にとって心苦しいしリスキーなものでもあるのにそれをやるというのが、とても印象的でしたね。
──それだけ彼の中で大切なことなんでしょうね。
加藤:僕、自分が大事だなと思ったセリフは、一度台本の余白に“写経”するんです。なのでここはしっかり伝えたいなと思いました。しかもそのあと知与ちゃんが同じセリフを復唱するので、知与ちゃんにちゃんと響いていなければいけないだろうなというところまで、アフレコでは考えていました。
──そこから彼女になって、第26話のAパートで、彼女たちに知与を紹介するシーンはいかがでしたか。個性的な彼女たちの中で知与を立たせなければいけない大変なシーンでもあったと思うのですが。
加藤:石原さんも大変そうでしたね。台詞が被ってしまうから、個別に録らないといけないので「ゔ―っ!」という知与ちゃんの代名詞を何回もテイクを重ねて模索していて。しかも25話のBパートと26話全部を1日で録ったので1.5話分を一気に収録しているんです。初登場は演技としてキャラを固めていく作業がありますので、そこで監督とのすり合わせがあるから、当たり前に時間がかかるんですよね。それもあっての、みんなとの収録だったから実際、大変だったと思います。
第25話Bパートは、主な掛け合いが恋太郎と知与ちゃんとヒロ叔父さんだけなので、そこでバランスは取れるしキャラも立つんだけど、恋太郎ファミリーに入るときは、その個性を持ったままファミリーに加わらなければいけないんですよね。原作だと絵とセリフでそれは伝わるけど、アニメとなると声でも変化がつかなければならない。でも声質って、彼女が増えれば増えるほど限られてくるんですよ。序盤に登場していたら使えたところが使えなくなっていくから、その子独自の声を探さなければならなくて、時間がかかるんです。
だから第3期から加わるキャストの方々は、よりハードルが高くなっているはずなんです。黒ひげ危機一発とかジェンガみたいな感じで、だんだん限られていくという(笑)。
──では、今後登場するヒロインたちの見どころも聞いていきたいと思います。まず、ナディーですが。
加藤:ナディー語を聞き取ろうという努力をしてみるのも楽しいかもしれません。本編に目を通して脳に伝達される情報を取り入れるだけで『100カノ』はカロリーを使うんですけど、それじゃ飽き足りないよというドーパミン中毒の紳士淑女の方々は、その上でナディー語を理解するというハードモードにチャレンジしてほしいです(笑)。
──次は優敷山女ですね。
加藤:山女ちゃんの回の収録のとき、あるカットに僕はえらく感動したんです。作画もそうなんですけど、シーンとして素敵で。山女ちゃんの振る舞いというか、人としての魅力みたいなものの尊さを感じてしまって、さらに山女ちゃんを好きになったんですよね。なので原作ファンの方には、より期待してほしいなと思います。
──山女と言えば、第25話Aパートで、山女の後ろに付いて行く須藤 育が面白すぎました(笑)。
加藤:山女が倒れるのを待っているというネタなのに、謎のRPGみたいなアニオリの動きを入れてくるという(笑)。
──そういう小ネタに爆笑してしまうんですよね。そして、茂見紅葉です。
加藤:紅葉ちゃんはそもそものエピソードが強すぎるんですよ。そこはネタバレをしたくないから触れないですけど、紅葉ちゃんってロートーンのしゃべり方なんですよね。あれって、彼女が増えていくと、声質のパイが限られてくるところだと思うんです。他にないポイントを探して、なおかつ紅葉ちゃんでなければならないという塩梅を探る時間が当然あったんですけど、完璧な紅葉ちゃんになっているんですよね。すごく絶妙なラインだったんですけど、そこを攻略した古賀 葵さんの紅葉ちゃんは最強なので、期待してほしいです。
──まだ本編では登場していないですが、土呂瀞騎士華についても魅力を聞かせてください
加藤:最初からいたのかな、というくらいキャラが立っていました。後半からの登場にも関わらず、羽々里さん並のインパクトを感じました。騎士華も他のヒロインに負けず劣らず、一面的でない個性を持っているので、その個性の表現も楽しみにしていてください。
──最後に『100カノ』のファンの方にメッセージをお願いします。
加藤:もちろん第3期も期待してほしいんですけど、その先も『100カノ』が続くことを期待してほしいです。続くかどうかは僕は知らないです。でも第3期まで来たという事実があるんですよ。じゃあその先を期待することって、当然のことですよね。なので、それを期待してください!
[文&撮影・塚越淳一]
作品情報
あらすじ
しかし神様いわく、運命の人と出会った人間は、その相手と愛し合って幸せになれなければ死んでしまうという……。
次々に待ち受ける運命の人との出会いーーどうする恋太郎?どうなる100人の彼女!?
キャスト
(C)中村力斗・野澤ゆき子/集英社・君のことが大大大大大好きな製作委員会

































