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『機動戦士ガンダムNT』小形尚弘プロデューサー&吉沢俊一監督インタビュー

『機動戦士ガンダムNT』小形尚弘プロデューサー&吉沢俊一監督インタビュー――富野由悠季監督にまつわる仰天エピソードから、『閃光のハサウェイ』についても直撃

現在、大ヒット上映中の映画『機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)』(以下、ガンダムNT)。実に27年ぶりとなる宇宙世紀シリーズの完全新作映画で、大ヒットを記録した『機動戦士ガンダムUC』(『以下、ガンダムUC』)の1年後の世界が描かれる作品です。

今回はその『ガンダムNT』の中核を成す、小形尚弘プロデューサーと吉沢俊一監督にインタビューする機会を得ました。

また、11月21日には『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』から12年後の宇宙世紀を描いた富野由悠季監督の小説『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』の映像化も発表され、大きな話題を集めましたが、今回はその『閃光のハサウェイ』にまつわるお話も、少しばかりお聞きすることができました。是非ご一読ください。

 

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『ガンダムUC2』ではなく、あえて新しいタイトルに

――まず本作の企画が立ち上がった経緯を教えてください。

小形尚弘プロデューサー(以下、小形):OVAに始まってTV放送、お台場の実物大立像と、『ガンダムUC』は様々な形で支持をいただいた作品でした。

それから宇宙世紀の今後を考えた時、「お台場の立像が立っている間に、『ガンダムUC』に近い宇宙世紀の話をやるべきじゃないか」という話が出まして。正式な続編をやるには、まだ時間といろいろな労力が必要になってくるので、まずはその周囲にあたる『ガンダムUC』の1年後の宇宙世紀を描いてみようというのが企画の始まりです。

――『ガンダムUC』の流れを組むことは最初から決まっていたのでしょうか?

小形:『ガンダムUC』のキャラクターを出して欲しいとオーダーしたわけではなく、1年後ならキャラクター達も当然生きていますから、必然的に出てくるだろうという流れになったというだけです。

企画の発端こそ『ガンダムUC』で、スピンオフ小説『機動戦士ガンダムUC 不死鳥狩り』をモチーフとした話になってはいるのですが、そこから新しいガンダム、新しい主人公を立てて、大幅に再構成しています。
タイトルを『ガンダムUC2』ではなく、『ガンダムNT』という名前にしたのは、あくまでも『ガンダムUC』の続編や外伝ではなく、宇宙世紀を舞台にしたまったく新しい作品だということです。

 

――『ガンダムUC』以降の宇宙世紀のエピソードを描いていく、『UC NexT 0100』の構想は、本作よりもあとで生まれたものでしょうか?

小形:はい、『UC NexT 0100』の構想は、『ガンダムNT』の企画が立ち上がった後で生まれたものです。

『UC NexT 0100』自体は、『ガンダムUC』から『機動戦士ガンダムF91』まで空白をどう埋めていくかという発想から生まれた企画で、『ガンダムNT』はその起点になりうる作品だろうと手応えを感じています。

『ガンダムUC』もそうした側面がありましたが、本作も宇宙世紀の流れを、福井さんなりの解釈で総括したような内容となっています。

 

――本作のキャスティングのポイントとなった部分について教えてください。

吉沢俊一監督(以下、吉沢):三人のバランスというのは考えましたね。

最初に、ミシェル役の村中知さんとリタ役の松浦愛弓さんの声をボイスサンプルで聞いたときに「これだ!」とピンと来るものがあって。

すぐに小形さんに二人を推薦して、福井さんからのお墨付きもいただきました。

その後、ミシェルとリタがこう来るなら、ヨナは榎木淳弥さんだなと。

小形:今回はリタがすべての鍵を握っているので、リタ役の松浦さんが真っ先に決まり、そこからのバランスで村中さんと榎木さんという組み合わせが決まっていった感じです。

――今回の主役機とも言えるナラティブガンダムは、νガンダムより前に開発されたサイコフレーム試験機とされていますが、性能的にはフェネクスには劣る位置づけなのでしょうか?

小形:ナラティブガンダムとフェネクスは技術的に別のラインの機体だと考えています。

『機動戦士ガンダムZZ』から『逆襲のシャア』までの間に、存在下問であろう機体を持ち出してカスタマイズしたのが今回のナラティブガンダムです。νガンダムより前のサイコフレーム試験機でもあります。

一方の、フェネクスは、ユニコーン計画の中で「ユニコーンガンダム3号機」として生まれました。

両機共に同じアナハイム・エレクトロニクス社製ではあるんですが、まったく別の系統というか。どちらが上かの性能比較というのは難しいですね。

 


▲ユニコーンガンダム3号機

――『ガンダムUC』や『サンダーボルト』とは違う、映画という媒体を選択されたのにはどういった理由があったのでしょうか?

小形:まず『ガンダムUC』を作ろうと考えた当時は、OVAのビジネススキームが崩れつつあり、パッケージ販売のみではなかなか採算が取れないという状況だったんです。

それで考えたのが、劇場で上映して、気に入ったらその場で購入してもらうという形式だったのですが、それも様々な作品で実施され、我々としてもそろそろやり尽くした感も出てきたのかなと。

今回は宇宙世紀をリスタートさせるという意味でも、劇場という媒体を選択しました。

全国47都道府県、最低でも1館以上で上映され、同時という形ではありませんが、海外での上映も視野に入れています。

――『ガンダムUC』や『サンダーボルト』も、ほぼ劇場アニメと遜色ないクオリティーだったと思うのですが、最初から劇場アニメとして作られた本作では、制作の仕方に違いというのはあったのでしょうか?

小形:おっしゃる通り、『ガンダムUC』も『サンダーボルト』も、作り方としてはまったく劇場アニメと変わらない質と量です。むしろ劇場アニメよりも大変なことをやっていたくらいなので、制作方法も変えていません。

劇場作品だからといって、『ガンダムUC』や『サンダーボルト』からさらに倍にクオリティーを上げるということはできないくらい、両作品とも限界に近い制作スタンスで作っていました。

劇場作品にしたのは、クオリティーの目線でなく、純粋に視聴者の方の楽しみ方という部分で、劇場というメディアを選択したということです。劇場のスクリーンと音響でアニメを楽しむ方も増えていますから。

もしこれが近年の劇場が不況で、お客さんがなかなか来てくれないという状況なら違う選択をしたと思います。

 

 

コロニー落としのコンテを見た富野由悠季監督が激怒!?

――本作に、吉沢監督を起用された理由を教えてください。

小形:吉沢さんは第1スタジオの作品だと『ガンダム Gのレコンギスタ』や『機動戦士ガンダムサンダーボルト』に参加してもらっているのですが、お願いしたのはちょうど『サンダーボルト』をやっている間くらいの時期だったと思います。

吉沢さんにお声がけしたのは、今回はある程度若い世代に(監督を)やってもらいたかったというのがひとつ。

もう一つは一番富野監督の近くで作品作りをされてきた方なので、富野さんの洗礼というのをたくさん浴びてこられている方だったというのが大きいですね。

『ガンダムUC』の古橋一浩監督とは方向性が違う、より富野監督に近い演出をされる方として、吉沢さんにお願いすることにしました。

 

――若い世代に作っていただきたいというのには、どういった理由があったのでしょうか?

小形:クリエイターの皆さんが老眼で目が見え辛くなってきたという身体的な問題もあるのですが(笑)、同じものが好きだとしても各世代で経験したものや趣味嗜好は違いますよね。僕は今44歳なのですが、自分の趣味嗜好でやると、50代くらいの僕より年上のクリエイターに焦点を当ててしまうのです。

これからもそうした作品は出てきますし、実際『ガンダムUC』も僕と同じくらいの世代をターゲットにした作品だったのですが、TV放送で結構年齢層が下に広がったのですね。

コンテンツとしてガンダムの今後を考えると、やはり若い世代にも見てもらえるような状態にしていかなければいけないわけですから、制作陣もある程度若返らせていく必要があるだろうと。

これは富野さんよくやられている手法で、とくに昔はいろいろな若いクリエイターと組んで、刺激を受けておられましたよね。ガンダムシリーズもそれと同じで、どんどん若いクリエイターが入ってきてもらえる方が望ましいと思っています。

本作も『ガンダムUC』のスタッフが大勢関わってはいるのですが、中核はそれを下支えしていた一世代下のスタッフが担っているので、そのあたりの味の違いも楽しんでいただければと思っています。

――小形プロデューサーから見た、『ガンダムUC』の古橋監督と『ガンダムNT』の吉沢監督の色の違いというのはどんな所だったのでしょうか?

小形:自分はプロデューサーなので、技術面の話はできないのですが、古橋さんの場合はカメラワークに惹かれました。吉沢さんの場合はフィルムのリズムやテンポ感ですね。

吉沢さんは、富野さんの手法をすごく意識されていると思うのですけど、それが『ガンダム』にはしっくり来るなと。

吉沢:最初聞いた時は頭が真っ白になりましたね。初めての監督でしたし、いきなり劇場作品っていう。

――そこから、吉沢さんが本作の監督を引き受けることになった要因はなんだったのでしょうか?

吉沢:まず、断る理由がないですよね(笑)。あとは富野さんと今後のキャリアの重ね方について相談したりもするのですが、「お前は仕事を選べるような立場か」ということを言われて(笑)。来たからにはやってやるという気持ちで引き受けました。

――監督を引き受ける時、富野監督には相談されたのでしょうか?

吉沢:手厳しいことも言われたのですが、最終的には背中を押してくれた気はします。

僕はよく他の作品でも、富野監督にコンテを見せて相談したりしているのですが、カメラをこうすると派手になるとか、右から左に流れるようにするといいとか、いろいろ技術的なアドバイスをもらえるんです。

『ガンダムNT』の時も、絵コンテを見せたのですが、それから急に数日間スタジオに来られなくなって、「これはヤバイ、絶対怒っている……」と(笑)。

これはちょっと本作の企画を否定するような話題になってしまうのですが……。

小形:構いません、言ってください。

吉沢:後でお話を聞くと、僕が描いたコロニー落としのコンテを見て激怒されていたみたいです。

「僕がやったコロニー落としから、何も新しいことをやっていない。何でもっと違うこと、別のことに挑戦しないんだ」と。

――それは……すごく富野監督らしいお言葉ですね。

吉沢:富野さんって、まったく新しいガンダム像を作った今川泰宏監督(※『機動武闘伝Gガンダム』で監督を務めた)のことをよく褒めておられるんですが、この間は『新機動戦記ガンダムW』ことも褒められていて。

「“お前を殺す”(※主人公であるヒイロ・ユイが、ヒロインのリリーナ・ドーリアンに向けて放つセリフ)は、新しいセックスの表現である」といった類のことを言っていました(笑)。

とにかく“ガンダム”を使って、今までにない新しいこと、自分自身がやっていないことをやってもらえるのを喜ばれる方だと思うんです。

実はそれ以外にも富野監督って、あまり公にはしないんですが、他のガンダムのことも「こういう新しいことをやっている」と褒めておられることが多いんですよ。だったら、いろいろと成約があるにしても『ガンダムNT』でも何か新しいことをやるしかないんじゃないかという想いが湧いてきて。

 

 

――具体的には、どういった新しい挑戦をされたのでしょうか?

吉沢:コロニー落としって、これまでは落下したところでシーンが終わるのがほとんどでしたよね。今回は、大人の戦争に振り回された人たちが主役の物語なので、モビルスーツや戦艦の姿は描かず、被害を受けた側にしかカメラを向けていないんです。

あくまで僕の解釈にはなってしまうのですが、落下したことでどういう被害が起こったかということに重点を置いてみようと。

あとはガンダムの見せ方も少し変えていて、基本ガンダムって時系列が進むにつれてパワーアップして、装備が増えていくことが多いですよね。今回は、最初に登場するA装備(ナラティブガンダムの高機動用追加装備)が一番派手で、話が進むにつれて地味になっていくんです。そういうところで新しい挑戦ができるかなと意識していました。


 

――本作は主に手書きのアニメーションで制作されていますが、手書きならではの魅力というのはどういう部分だと考えられていますか?

吉沢:“揺らぎ”がでるところですね。

いい方向に崩れたり、線がつながっていないというのが妙な魅力を醸し出すことがあるんです。

本作の作画監督の小松英司さんは、そういう手書きならではの魅力的な動きを描いてくれる方で、例えばアンクシャ(※可変MSアッシマーの後継機『ガンダムUC』に登場し、本作にも登場)の変形の過程をうまく省略して、一瞬でパーンと変形させて勢いを表現する。そういう“デフォルメ”って手書きでかなり有利に表現することが出来る。

―― 一方で3DCGも使われていますが、3DCGならではのメリットもあると。

吉沢:もちろんそうです。設定への正確さに加えて、情報量を盛れるというのは大きいですね。

本作では、大量のヘリウム3備蓄タンクの間をフェネクスが通り抜けていくというシーンがあるのですが、ああした場面は描かなければならないものが多すぎるので、手書きでは厳しいです。

そうした手書きが苦手とする部分をフォローしてくれるので、どちらが上ということではなく、それぞれの強みをもっているのかなと思います。

『閃光のハサウェイ』を映像化した理由とは

――ちなみに、お二人の『ガンダム』との出会いはどんな形だったのでしょうか?

吉沢:小学校低学年の時からサンライズのロボットアニメをよく見ていて、『ガンダム』シリーズでは、その時にリアルタイムで見た『機動戦士Zガンダム』(85年〜86年)が初めてでしたね。

ただ、その最終回がかなり強烈な体験(※『Zガンダム』最終回では、主人公のカミーユ・ビダンが精神崩壊を起こしてしまう)で、それがトラウマになってアニメを殆ど見なくなってしまったんです。

そこからアニメに戻ってきたのは、高校生の時、90年代半ばのアニメブームで、映画、映像の表現に興味が出てきた時期だったんです。

映画、映像への興味から、『伝説巨神イデオン』とか『逆襲のシャア』とか、富野監督の作品に戻ってきたという流れですね。

それから富野さんの影響をすごく受けるようになり、シリーズの中では『逆襲のシャア』が一番のお気に入りです。

 

小形:僕はガンプラブーム真っ只中の世代なのです。

ファーストガンダムの再放送を子供の頃に見ていたのですが、学校帰りにガンプラを買いに行ったらゾックしか売ってなくて、ゾックを買って帰ったというのが『ガンダム』との最初の思い出です(笑)。

小学校5、6年くらいの頃には、リアルタイムで『Zガンダム』をやっていた時期だったのですが、その頃は中学受験のために通っていた塾の時間に被っていて見られなかったのですね。

それから『Zガンダム』を飛ばしたまま、中2の時に『逆襲のシャア』を見たのですが、内容がさっぱり分からなかった。そこからしばらくアニメから離れたのです。

――確かに、ファーストガンダムからいきなり『逆襲のシャア』はわかりにくいかもしれません。

小形:戻ってくるきっかけになったのは、大学の時にコンビニでバイトしていたのですが、そのコンビニが潰れることになり、最後の一週間は完全に商品も入ってこなくなって暇を持て余している時、バイトの仲間がもっていた『Zガンダム』を一緒に見てみたら、これが面白くて。

それでサンライズという会社の存在を知り、ちょうど僕も就活をやっていた時期でしたから、それで試しに受けてみたら現在に至る……という流れです。

――離れたか戻ってきたかの違いこそありますが、お二人とも『Zガンダム』が人生のターニングポイントになっているのがすごい偶然ですね。それだけ衝撃的な作品だったということでもありますが。

吉沢:確かにそうですね。二人共、何かあの作品が放つ強烈な電波にあてられてしまったのかもしれません(笑)。

――個人的に、サンライズさんはそれぞれのスタジオの個性がすごく強いイメージがあるのですが、第1スタジオの特徴というのはどんな部分だとお考えですか?

小形:やっぱり、富野監督がいることじゃないでしょうか。

富野さんがいることによって、演出だけではなく制作も富野さんの光線を受け続けていると、それは何かしら影響が出て来ますよ(笑)。

トミノイズムとでもいうべきものが浸透しているというか。

――そんな富野監督との間での印象的なエピソードなどはありますか?

小形:それはもうたくさんありすぎて、どれかを選ぶのは難しいですね(笑)。

やっぱりとても仕事に厳しい方なので、怒られることも多いのですが、個人的にはあまり机は叩かない方がいいのじゃないかなと……(笑)。

腱鞘炎(けんしょうえん)でコンテが書けなくなっていた時期とかも、バンバン机を叩いたりしていて、身体に悪いからやめた方がいいのではと心配していました。

――現在も頻繁にスタジオに来られるのですね。

小形:今はちょうど制作と準備の間くらいの期間なので優しいですね。これがご自分の作品がガッツリ制作が始まってくる時期だと、一気にテンションが高くなります(笑)。

――サンライズの中では、第1と第3スタジオさんがガンダムシリーズを担当されていることが多いかと思いますが、お互いの作品に刺激を受けることはあるのでしょうか?

(※第1スタジオの代表作は『機動戦士ガンダム』、『ガンダムUC』、『サンダーボルト』、『ガンダム NT』他。第3スタジオの代表作は『機動戦士Vガンダム』、『機動戦士ガンダム00』、『ガンダムビルドダイバーズ』、『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』他。)

小形:それはやっぱりありますね。

ただ、ライバルというのとも少し違って、今回の『ガンダムNT』では、第3スタジオの人たちが結構助けてくれて。第1スタジオもガンダムビルドシリーズを制作している時期は人を出したりしていますし、お互い助け合いながらやっています。

その一方で、それぞれの色の違いみたいなのはあると思っていて、例えば第1がややリアル寄りの作品が多いのに対して、第3は派手でケレン味の効いた作風が得意というか。

そこはお互いの特徴を認めあいながら、刺激を受けあって制作しています。

 

 

――『ガンダムUC』や『ガンダムNT』には、かなりマニアックなMSも登場しますよね。ああしたメカニックのチョイスはどうやって決まるのでしょうか?

小形:事前にカトキ(ハジメ)さんと玄馬(宣彦)さんが、バンダイスピリッツさんを交えての話し合いをして決まります。

 

――個人的に、アニメ版の『ガンダムUC』を初めてみた時、思いっきり従来のガンダムファンに向けた作品というか、結構割り切った作りだと感じたんです。それがあそこまでの新規ファンを巻き込んでのヒット作となることは予想できましたか?

小形:もちろん制作側としては、すべての作品をヒットさせるつもりで作ってはいるのですが、正直な話をすると、あそこまでの反響があったのは予想外でした。

大ヒットというのは、自分達の力以上の様々な条件が重ならないと起きないのだという成功体験が得られたのは貴重でした。

――女性ファンが大勢ついていたのも印象的だなと。

小形:それも、最初のepisode 1でイベント上映をやった時は9割が男性で、いつものガンダムの雰囲気だったのですが、

そこから段々と見に来てくださる女性ファンの方が増えてきて、TV放送でより広がったという形です。

――発表された、『閃光のハサウェイ』についても少しお聞きできればと思います。どうして『閃光のハサウェイ』を映像化しようと思われたのでしょうか?

小形:さきほどの話にもつながりますが、自分が『逆襲のシャア』を見た時の「この作品にはまだ続きがあるはずだ」と感じた想いがすべてですね。

アムロとシャアの物語がこれで終わるはずがないと思って読んでいたら、全然出てこなかったのもあって、印象に強く残っていたのです。

あとは富野さんが書いた小説の中で、『閃光のハサウェイ』はまだきちんとした映像化がされていなかったというのも大きいです。

――ただ、個人的にあの作品は戦闘シーンが少なく、映像化が難しそうだというイメージをもっていました。このあたり、どういった方向性で映像化されるのかなと……。

小形:確かに、『閃光のハサウェイ』は人間ドラマに重点が置かれている作品です。そのあたりの詳細は、また今後機会があればお話できればと(笑)。

――最後に、公開を楽しみにするファンに向けたメッセージをお願いします。

吉沢:作品の鍵を握るフェネクスはブースター(推進装置)を使わず、サイコフレームの力で飛んでいたりと、オカルトの部分を全面に出した、一風変わったガンダムになっています。

先入観にとらわれず、自由に見ていただければ嬉しいです。

小形:今までとは少し手触りが違って、キャラクターの内面的な部分をより深く描いた作品になっています。

最初のコロニー落としから『ガンダムUC』までの流れを総括した内容でもあり、詳しい人が見れば様々なシーンでニヤリとできるような作りとなっています。

一方で、『ガンダムUC』や宇宙世紀のガンダムを見たことがないという人も、本作を見れば「宇宙世紀ってこういう話なんだ」というのがわかるようになっています。

先入観がない方が、より作品に入り込みやすいということもあるかと思うので、是非まっさらな気持ちで楽しんでいただければと思います。

――ありがとうございました。

『機動戦士ガンダムNT』作品情報

『機動戦士ガンダムUC』のその先を描く、宇宙世紀サーガ最新作! 11月30日より全国90劇場でロードショー!! ※上映館は、公式サイトをチェック!!

あらすじ

U.C.0097――。
『ラプラスの箱』が、『ラプラス事変』と呼ばれた争乱の結果として世に示されて一年が経過した。だが、ニュータイプの存在とその権利に言及した『箱』=『宇宙世紀憲章』の存在が明かされても、世界の枠組みに大きな変化はなかった。

一方、『ラプラス事変』において、ネオ・ジオン残党軍『袖付き』は一時的に瓦解し、活動は停滞。また、争乱における主役となった“ユニコーンガンダム”と呼ばれる2機のモビルスーツは、人智の及ばぬ能力を発揮したことで危険視され、秘密裏に封印されていた。

しかし、2年前に消息不明となり、歴史から抹消されていたRX-0 ユニコーンガンダム3号機が、地球圏に再びその姿を見せる。“フェネクス”と称されるその機体を巡り、再び動き出す人々。

フェネクス争奪戦には、地球連邦軍や『袖付き』だけでなく、アナハイム・エレクトロニクス社とも関連の深い大企業、ルオ商会も介入する。

新たなモビルスーツ「ナラティブガンダム」を投入した彼らの真の目的とは……。

キャスト

ヨナ・バシュタ:榎木淳弥
ミシェル・ルオ:村中知
リタ・ベルナル:松浦愛弓

スタッフ

企画・制作:サンライズ
原作:矢立 肇、富野由悠季
監督:吉沢俊一
脚本:福井晴敏
メインキャラクター原案:高橋久美子
キャラクターデザイン:金 世俊
メカニカルデザイン:カトキハジメ、小松英司
色彩設計:すずきたかこ
CGディレクター:藤江智洋
モニターデザイン:佐山善則
美術監督:丸山由紀子、峯田佳実
特殊効果ディレクター:谷口久美子
撮影監督:脇 顯太朗
編集:今井大介
音響監督:木村絵理子
音楽:澤野弘之
アニメーション制作:サンライズ
配給:松竹
 
『機動戦士ガンダムNT』公式サイト
『機動戦士ガンダムNT』公式Twitter(@g_narrative)

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