声優
『WUG FINAL TOUR - HOME - ~ PART III KADODE~』徳島夜公演レポ

山下七海さんが地元・徳島で魅せた「ななみんワールド」!『Wake Up, Girls! FINAL TOUR - HOME - ~ PART III KADODE~』徳島夜公演レポ

「徳島は我が『HOME』!ただいまっ!」

2019年2月9日、『Wake Up, Girls!(以下、WUG)』が『Wake Up, Girls! FINAL TOUR - HOME - ~ PART III KADODE~』徳島公演を開催した。

徳島県と言えば、山下七海さんの地元。数日前に公開された青山吉能さんと永野愛理さんのブログには、「ななみんワールド」というワードが踊っていた。

「さーって!
ななみんワールドに行ってくるか〜〜!」
(青山吉能さん)

「今週は徳島公演です(◍ ´꒳` ◍)b
久々の徳島だ〜!!!!
ななみんワールドに、
みんなを連れて行くぞっ☆」
(永野愛理さん)

これまで4度開催された『WUG』のソロイベントでは、「ようこそ☆ななみんワールドへ♪☆」をテーマに彼女らしいステージを作り上げてきた山下七海さん。

彼女にとって凱旋公演となる徳島。『WUG』としても徳島での単独公演は初となる。一体、山下さんそして、『WUG』はどんなパフォーマンスを魅せたのか。本稿では徳島での千秋楽となった夜公演の模様を届けたい。

結論から伝えると、2019年の「ななみんワールド」はファンやメンバー、その先にいる徳島に住む方々までをも笑顔にする、まるで魔法のような世界だったように思う。

【Wake Up, Girls!メンバー】
吉岡茉祐さん
永野愛理さん
田中美海さん
青山吉能さん
山下七海さん
奥野香耶さん
高木美佑さん

リラックスした雰囲気の7人

会場別の影ナレが終了し、『WUG』の7人が姿を現わす。徳島公演には、『Wake Up, Girls! FINAL TOUR - HOME - ~ PART Ⅱ FANTASIA ~』でドラゴンと戦ったことも記憶に新しい、練された黒の衣装だ。

早速、会場全体を見渡すと、約半数がサイリウムに山下七海さんの「紫」を輝かせている。徳島での凱旋ライブを出迎えるサインに山下さんも普段より笑顔成分が多めだ。

今回も例により楽曲名は記載しない方針で行くが、徳島の空気や山下さんがプリンセスという影響なのか、いつもと少し違う雰囲気の『WUG』がステージ上にいた。

メンバーそれぞれ笑顔がいっぱいで、自由気ままにステージを楽しんでいる印象を受ける。

奥野さんが「口角がもう上がっちゃって(笑)」と満面の笑みを浮かべて嬉しそうに話したように、徳島ののどかで自由な大地がこれまでにない『WUG』の魅力を引き出していた。

楽曲の途中で青山さん、永野さん、高木さんが阿波踊りを披露したり、歌唱中に高木さんと青山さんが吹き出したり。「こんなWUGちゃん初めてみた!」というファンの方も多かったに違いない。

また、ライブ後半、青山さんが観客席ではなく、山下さんに投げキッスを飛ばしたシーンがあった。すると、山下さんは観客席から青山さんまでの広範囲に投げキッスを飛ばした。そんなアドリブも自然体でいればこそだろう。

メンバー全員がこれまでに無いほどに、のびのびとステージを楽しんでいる。『WUG』の新しい魅力を引き出すとはまさに「ななみんワールド」恐るべしと言ったところだろう。

サプライズと郷土愛

徳島県での企画コーナーを任されるのは勿論、山下七海さんだ。彼女が1曲目に選んだのは、Character song series1から久海菜々美(CV:山下七海)が歌う「オオカミとピアノ」だった。

「シャン シャン シャン シャン!」

一度耳にすれば忘れないインパクトを持った歌い出しから始まるキャラソンの枠すら凌駕するような楽曲を生み出しのは、作詞家・只野菜摘さんと田中秀和さん(MONACA)の黄金タッグ。ここに山下七海さんの声が加わることで、更なる化学反応が生まれる。

同曲は、2018年5月12日に幕張メッセで開催された『Green Leaves Fes』では並み居る楽曲を抑えて、ソロ曲で唯一のランクインを果たしたほどである。山下七海さんはやはり“持っている”。

そして、徳島での「オオカミとピアノ」には、とんでもないサプライズも用意されていた。

一番サビにある「うたかたの夢」あたりから山下七海さんの様子が少しおかしい。どうも眠そうだ。時計に目を落とすと18時50分。20時にはちょっと早いが、これはまさか?と勘ぐると、なんとステージの上で寝てしまった。

これが本当の生ななみタイムだ。

すやすやとプリンセスが夢の中に入ったため、青山さん・永野さん・奥野さん・田中さん・高木さんの5人が連続で登場。A・Bメロを代わりに歌ったところで、お姫様が目を覚ましサビを歌い上げる。

サプライズの大本命はここからだ。“大阪のプリンセス”が“徳島のプリンス”として登場したのである。『Wake Up, Girls! FINAL TOUR - HOME - ~ PART Ⅱ FANTASIA ~』で着用していた「真っ赤なあなたのマント」をひるがえして。吉岡茉祐さん、いや夜桜音音さんの低く高貴な声が「オオカミとピアノ」に加わる。ラストには7人が揃った。「オオカミとピアノ」を7人全員で歌う徳島公演。まさに絶景である。

そして、オオカミの「アオーン」という鳴き声が響くアウトロの中、プリンス吉岡がプリンセス山下の前に跪き、手の甲にそっと唇を重ねた。

「愛はなんて美しい 夢はなんて素晴らしい」

きっと、山下七海さんの企画コーナーに久海菜々美ちゃんも大喜びしているはずだろう。

ここにしかない徳島

サプライズの続いては「ワグ・ズーズー」。途中から徳島県でポピュラーなゆるキャラ「すだちくん」も参戦し、8人でのパフォーマンスを魅せた。

実は「すだちくん」。昼公演では「オオカミとピアノ」に途中参戦し、「真っ赤なマント」をひるがえしていた。

「すだちくん」の初登場は1990年。2002年には「ゆるキャラショー」で並み居るライバルたちを抑えて3位をマークしている。

正直、僕はすだちくんを存じていなかったのだが、これからは応援していきたいと思った。

「すだちくん」と楽しい時間をすごした後、山下七海さんが企画コーナーで最後に選んだナンバーは徳島在住のシンガーソングライター福富弥生さんの楽曲「ここにしかない徳島」だった。

2011年 徳島青年会議所主催「口ずさめ!とくしまのうた」自作自演部門で「ここにしかない徳島」が最優秀賞受賞を受賞した地元愛を綴った優しい楽曲である。

「ここにしかない徳島」を歌う山下七海さんのバックには、徳島県の名所や阿波踊りの光景が流れている。

のどかで優しい街。徳島。彼女が23年間愛し続ける「HOME」であり、『WUG』の新しい「HOME」だ。

少し余談にはなるが、昼公演終了後、夜公演までの間にお昼ご飯を食べるため鳴門駅近隣の飲食店に入った。

入り口には「14時50分ラストオーダー 15時〜昼休み」という文字があった。時計の針は14時53分。ダメ元で聞いてみると笑顔でオッケーが出た。

その後もたくさんの方が入店しているのは目に入っていた。

美味しい食事を食べた後、スタッフさんに「15時から昼休みのところすいませんでした。美味しかったです」と伝えたところ、とても優しい声でこう返ってきた。

「徳島にたくさん人が来てくれるのが嬉しいんです。また来て下さいね」

山下七海さんの持つ優しさと丁寧さは、徳島県が育んだものなのだなと改めて理解した瞬間だった。

「今日は徳島まで来てくださって、本当にありがとうございます。この会場では色んな想い出があったんですけど、今日が一番楽しいです。ずっと忘れません!本当にありがとうございます!今日は、楽しんでって下さいね!」(山下さん)

山下七海とはプロフェッショナルである

山下七海さんは地元徳島で、自身が演じる久海菜々美のキャラクターソング「オオカミとピアノ」、そして、「ワグ・ズーズー」、「ここにしかない徳島」を歌い上げた。

常にステージで美しく振る舞う彼女を見ていて、僕は自然とある言葉に行き着いた。

プロフェッショナル。

そう、山下七海さんはプロフェッショナルだ。ステージでの洗練された立ち居振る舞いは、単純に可愛い、ダンスができるという類のものではない。

裏では徹底して自分の見え方を研究し、鍛錬を積んでいるに違いないのだ。

例えば、ライブが後半になっても空を指差す腕はブレることがないし、常に高い位置を指している。また、指先を駆使した振り付けでは、ハートを描いたり、クルクルと回したりなどちょっとした動作で視線を釘付けにする。

「細部に神が宿る」という言葉があるが、彼女はそうした細かい点にまで気を配り、美しく魅了されるパフォーマンスを実現しているのだ。

だが、おそらく彼女に努力について聞くとこう返ってくるのだろう。

「努力ですか〜?全然足りないと思いますよ(笑)」

プロなんだから努力するのは当たり前。そのために必要な準備は全部する。大人としては当然なことのようで、中々難しいのも事実としてある。

それだけに青山吉能さんの山下七海さんに宛てた手紙には胸を打たれた。

「最初はアニメも知らない、声優志望でもない。とんでもない子が一緒になったものだと思っていた」

あれから6年が経ち、今では仲間たちと徳島新聞の紙面を飾り、子供の頃に握手をした「すだちくん」と同じステージを踏むまでに成長したのである。

声優としても、『ダーリン・イン・ザ・フランキス』や『パズドラクロス』、『アイドルタイムプリパラ』など人気作品に出演するまでになった。

人を魅了し笑顔に変える力を持った山下七海さんは、これからもっと活躍の場を広げるだろう。

海そしてシャッター通り

この日、『Wake Up, Best!MEMORIAL』に収録された新曲から披露されたのは「海そしてシャッター通り」だ。

CDで何度が耳にしていたが、ライブでのパフォーマンスとなると、また雰囲気が変わってくるものである。

『WUG』らしい故郷が恋しくなるメロディと7人の切ない歌声。ここに振り付けが加わると更に壮大で広大で、心に染み渡るものとなる。

これまでの振り付けとは一線を画し、7人がそれぞれ別の方向を見ているのが印象的な立ち位置と振り付け。これから旅立ちを迎える7人を表現しているのだろう。

歌い終わった後に吉岡さんが「しんみりするよね(笑)」と語ったように、ズシンと胸に響くものがあったのは事実だ。

またメンバーとも徳島で会いたい!

僕が山下さんの言葉で一番心に響いたのは、5周年記念の衣装でリボンに綴られていたあの言葉だ。

「again & again」

山下さんの「もう一度、もう一度」という気持ちが、今回の徳島公演を成功に導いたに違いない。

そう、改めて徳島公演はいつもと少しだけ違うステージとなった。

以前、取材中に吉岡さんがこう言ったことがある。

「楽屋の『WUG』ちゃんが一番面白いんですよね(笑)」

「ななみんワールド」がメンバーにも広がることで、自然な雰囲気の7人が表に出てきたのかもしれない。

ここからは「ななみんワールド」に溶け込んだメンバーたちのメッセージを届けたい。

「今日はありがとうございました!途中のMCでプレッシャーを掛けたからか、こっち(高木さん側)のみんながすっごい私のこと見てくれるようになったの!やっぱり効果あるんだなぁって。水色の男の子が私の方ずっと見てたりとか(笑)。もっともっと私のこと好きにさせちゃうんだから〜って思えた公演でした!強気な私が出てきたのは、徳島のお陰かな。自由な土地がそうさせてくれたんじやなかって。徳島に来れて本当によかった!ありがとうななみん!(山下さんとハグ)終始楽しくて、絶好調な1日でした!愛知でいつもの私に戻らないよう強気でいきますのでよろしくお願いします!」(高木さん)

「徳島公演ありがとうございました。ななみが途中で寝だして、夢の中に私たちが出てきて、最終的にななみが起きるというものだったんですけど。最初に聞いた時『本気で言ってんの!?』って(笑)。すだちくんもななみが呼んだしね。ななみって飄々としてたり、フフフってしていたりするけど、根は真面目で。本当に生真面目で。正義感溢れる子なんですよ。『WUG』はななみのそういった部分に助けられているところもたくさんあります。リラックスしつつ、いい緊張感で臨めるいいステージができたのはななみのおかげです!色んな私たちを見せられたんじゃないかな?本当に楽しかった!ありがとうごさいました!」(田中さん)

「今日は皆さん本当にありがとうございます。楽しかったですか〜?いいですね。影ナレに書いたんですけど、最初の『マチ★アソビ』の話って覚えてる人いる?(会場から数名の手が上がる)いるねぇ!トラとチーター間違えたって話。その時にはじめてななみと2人でプリクラを撮ったなって。時代感じるよね(笑)。そんな思い出も思い返したりしていました。『マチ★アソビ』でよく(徳島に)来てたんですけど、7人でこうして単独でできるのは幸せなことなんだなぁと。『ななみんワールド』があり、私は赤いマントに採用され隣に立つことができました。赤でよかったと思いました(笑)。作詞家さん(只野菜摘さん)に感謝です。今日は不思議な感覚でしたが、メチャクチャ楽しかったです!」(吉岡さん)

「皆さん来てくださってありがとうごさいました!今回、徳島っていい場所だなって改めて思いました。昨日、みんなでご飯食べた後にコンビニ行ったら、長蛇の列ができちゃって(笑)。店長さんが慌てて出てこられて『何かあったんですか?』って聞かれたから『観光に来てます』って答えたのね。ちよっと嘘ついちゃったんだけど(苦笑)。そしたら『徳島が賑わうのは嬉しい』って。ここで楽しむのは勿論なんだけど、この後ご飯に行ったり、お店に行ったり、お土産買ったりして、色んな人の幸せが増えたらいいなって思います。このツアーの意義を改めて感じました。徳島に感謝の気持ちを持ちつつ、楽しんで下さいね!」(永野さん)

「今日は皆さん楽しかったですか?同じワールドの持ち主として(笑)。住み分けは違うんだけどね。私はえぐっていくタイプなんだけど、ななみんは誰も傷つけないワールドで。私が傷付けているみたいになっちゃった(笑)。それがいいんだよね?(大歓声)。今日はななみんを堪能して楽しめました。徳島また来たいです!ありがとうごさいました!」(奥野さん)

「お疲れさまでーす!そうですね。ここの街は徳島という街なんですけれども(会場爆笑)。笑うところあった今?『This is 徳島』っていう話なんだけど。今、『WUG』ちゃん7人でみんなの故郷に行くという大事なことを着々と成し遂げています。みんなもそうだと思うんだけど、徳島と言えば、ななみんってなったじゃない?仙台って聞いたら『WUG』。神奈川って言ったら今日も雨かな?みたいな。『WUG』ちゃんに出会ってから徳島と言えばななみんになったなぁって。例えるなら『神』みたいな。それこそ『TUNAGO』の歌詞になってる『ふるさとが賑わい広がっていく』感じが、すごくあったかいなって。ななみんが生まれてきてくれたこと、本当に嬉しいなと思ってます!今日はあったかい気持ちで一杯になりました!ありがとうございました!」(青山さん)

そして、山下七海さんはセンターに導かれ、この日を締めくくるメッセージを送った。

「最後かぁ〜(笑)。改めまして山下七海です!ありがとうございました!楽しかったですか〜?『WUG』で叶えたい夢を考えた時に、ステージで寝たいって思って。『オオカミとピアノ』の歌詞に夢ってワードがでてくるのでこれを使おう!と。グリフェスで『オオカミとピアノ』がランキングに入ってたんですよ。そんな大事な曲を7人で歌いたいなって。すだちくんも一緒にね。

ステージで寝るのはすごく気持ちよかったです。もう一生ないだろうなぁ。

本当にね、自分の地元(公演)の企画を考える時に、かやがすごく感動的な企画になっていて。よっぴーも感動的な熊本の企画になってて。どうしよう私、ステージで寝るとか考えてるんだけど(笑)。そしたらみゆがDJで餅まきするというね(笑)。おかげで私も気兼ねなく寝ることができました!

去年の夏からツアーがはじまってまだかまだかと、思ってたななみん推しの方ありがとう!(会場大歓声)

他のみんなが企画コーナーをやっている時に、私はどうにか『力になりたい!力になりたい!』と思って(いよいよ)今日を迎えました。

たがら企画コーナー以外でもね。やっぱり7人で歌った価値があるよね。うん、皆さんに伝わっていればいいなぁと思いました!

マチ★アソビもありますから皆さん、またここに来る意味はメッチャありますよね。みなみも『FGO』でね?(会場大歓声)。

そんな感じで、みんながまた徳島に来てくれることを願ってます。メンバーとも徳島で会えることを願ってます!!!本当にありがとうございました!」

[文・川野優希]

Wake Up, Girls!FINAL LIVE ~想い出のパレード~

■タイトル
Wake Up, Girls!FINAL LIVE ~想い出のパレード~

■日 時
2019年3月8日(金)
開場17:30 開演18:30
※開場・開演時間は変更になる場合がございます。

■会 場
埼玉・さいたまスーパーアリーナ

■主 催
エイベックス・ピクチャーズ株式会社

■内容
声優ユニット「Wake Up, Girls!」によるFINAL LIVE
※内容は変更になる可能性があります。

■出演者
Wake Up, Girls!(吉岡茉祐、永野愛理、田中美海、青山吉能、山下七海、奥野香耶、高木美佑)
※出演者は予告なく変更となる場合がございます。
※出演者変更に伴うチケットの払戻しはいたしません。

Wake Up, Girls!公式HP
Wake Up, Girls!公式Twitter(@wakeupgirls_PR)

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