映画
映画『メイドインアビス』富田美憂×伊瀬茉莉也×井澤詩織インタビュー

映画『メイドインアビス深き魂の黎明』富田美憂×伊瀬茉莉也×井澤詩織インタビュー|ボンドルドはやっぱり嫌いになれない!?

合宿のような雰囲気で行われたアフレコ

――劇場版では、どのようにアフレコが行われたのでしょうか? TVシリーズの時は、話が進むにつれて人数が少なくなっていったというお話もありましたが。

伊瀬:この3人と、ボンドルド(CV:森川智之さん)と、プルシュカ(CV:水瀬いのりさん)を加えた5人で、2日間にかけて収録させていただきました。

皆それぞれに栄養ドリンクを持ち込んで、休憩時間になったら皆で2回の会議室みたいなスペースでお弁当を食べたり、合宿さながら雰囲気でしたね。

富田:私、クライマックスのある台詞で、何度もリテイクを出していた箇所があって。5回、6回とリテイクになることってあまりなかったんですけど、そこだけどうしても上手く言えなくて。

喉とかもすごく疲れていたのですが、それでもまだ(アフレコを)やっていたいという想いがあったので、身体が終わりたくないと思っていたのかもしれないなと(笑)。

井澤:私は最初に音響監督さんから「OKが出ても何回かリテイクを出すかもしれないけど、ダメなわけじゃないから気にしないで」ということを言われていて、実際にOKが出た時も、違うパターンを試してみたり、たくさんチャンスをいただけたんです。

使われたものは、そのたくさんある中からベストを選んでいただいているので、今回はとくに後で完成した映像を見返した時、自分の中で失敗したかもと感じる部分がほとんどなかったですね。劇場版だからこその時間の使い方をしていただけたと思います。

――収録中やその前後に、3人で何か話されりしましたか?

伊瀬:実は収録中、3人がそれぞれこの2年で経験したものがしっかりと出せているところに密かに感動していて。

井澤:茉莉也ちゃんは収録の時も、「今の好き」とか「良い!」とか言ってくれるんですよ。それがめちゃくちゃ嬉しくて(笑)。

伊瀬:それは多分、伝えずにはいられないんです。『メイドインアビス』についてはもう一種のファンなので(笑)。「今のリコの絶叫いいよ!」「今のナナチOKだよ!」とか、思わず言っちゃう。

井澤:ブースの中にもう一人監督がいるみたいな(笑)。

一同:(爆笑)

TVシリーズ10話の熱演が生まれるまで

――個人的に富田さんにお聞きしたかったのが、TVシリーズ10話でのリコの腕が折れるシーンの演技についてです。あのシーンの演技が本当に鬼気迫るものがあり、すごく印象に残っています。

富田:あのシーンは本当にたくさんの方から「凄かった」という声をいただいたんですが、意識してやったというよりは、自然と出てきたものというか……私自身としては、あまり深く考えてなかったんですよね。

――本能的なものというか。

富田:それが近いと思います。ただ、アフレコ前に腕の骨が折れた時の画像とかを探して見てイメージしてきたら、伊瀬さんがまったく同じことをやっていて(笑)。

伊瀬:そうそう(笑)。事前に(骨が折れた時の画像を)見て来たんだよって話したら、「実は私も……」って(笑)。

富田:そういう意味でも、アフレコという他の方々がいる環境の中で、泣いているレグの声とか、他の役者さんのお芝居があったからこそ、出てきた演技だったなと思っています。

伊瀬:やっぱりお芝居って一人で作るものではなくて、相手役との掛け合いで引き出してもらうという面が強いんです。その後のレグの号泣も、あの美憂ちゃんのお芝居があったからこそ生まれたものでしたし……あのシーンは本当に良かったですね。

井澤:私はあの時のレグの「息してない!」の台詞がイチオシなんです(笑)。年相応の必死さがすごく伝わってきて。

伊瀬:そこをずっと褒めてくれるよね(笑)。けど、私自身も10話はすごくお気に入りですね。ナナチが初めて登場する回でもありましたし。

井澤:私はあの時、予告映像を撮った時以来の収録だったんですが、予告の時は「キャッチーな感じで」というディレクションがあり、それに合わせて声を作っていたんです。

本編でもその流れで演技をしたら、浮きすぎだとNGが出たことがあって、やっぱり10話から世界観に入っていくのには苦労した思い出がありますね。

ナナチはすごく人気があるキャラクターだということも知っていましたから、プレッシャーもありましたし。

――『メイドインアビス』は、作画や物語、音楽だけではなく、声優さんの演技の凄さにも圧倒されることが多い作品でした。キャストの方々としては、自分の限界に挑戦するような感覚もあったりするのでしょうか?

井澤:どの作品も全力でやっていることには変わりないんですけど、(限界以上のものを)引き出してもらっている感覚はあります。

ここまで感情を思い切り表現できる作品とは、なかなか出会えなかったりするので、「ここで出せなかったら役者じゃない」という想いはありますよね。

伊瀬:演技面の話をすると、私がすごく気をつけているのは“息のアドリブ”なんです。実はレグって、何かに気付いた時とか息が上がった時とか、息の演技が意外と多くて。

台本では全部同じ「……!」になっているんですけど、実際にはその時の状況によって気持ちも違って来ますよね。そのアドリブを一つ一つ丁寧にやっていかないと、出来上がった映像を見た時に違和感が出てしまうんです。

すごくいい作品なのに、役者の演技一つで台無しになってしまったということには絶対にしたくないので、とくに『アビス』では、言葉になっていない部分をどれだけ繋げた状態で渡せるかということをすごく意識していますね。

今回の劇場版でも、声にならない息や、台詞にない息というのを丁寧に演じるようにしています。

富田:今のお話もそうなんですけど、『アビス』の収録は周りがお芝居に熱い先輩方ばっかりで、毎話のアフレコで得られるものが膨大にあって、それがすごく楽しいんです。

中でも、伊瀬さんがアフレコの帰り道に言ってくださった、「怒られた時の悔しい気持ちもお芝居に活かせるから覚えておくようにしている」という言葉を、この3年間お芝居に対するアイデンティティとして大事にしていて。

私にとってはそういう芝居に対する熱量みたいなものも教えてもらった作品の一つで、本当に思い出深い現場です。

(C)2017 つくしあきひと・竹書房/メイドインアビス製作委員会
おすすめタグ
あわせて読みたい

関連商品

おすすめ特集

今期アニメ曜日別一覧
2024年春アニメ一覧 4月放送開始
2024年冬アニメ一覧 1月放送開始
2024年夏アニメ一覧 7月放送開始
2024年秋アニメ一覧 10月放送開始
2024春アニメ何観る
2024年春アニメ最速放送日
2024春アニメも声優で観る!
アニメ化決定一覧
声優さんお誕生日記念みんなの考える代表作を紹介!
平成アニメランキング