『ネコぱら』TVアニメ化で監督が意識したポイントとは｜山本靖貴×八木侑紀×佐伯伊織×森嶋優花 座談会【前編】

　

カカオの手紙はアフレコでも泣きそうになりました

――第11話はカカオがちよちゃんの家に泊まりにいくストーリーで、最後はとても感動的でした。このお話はどのようなイメージで作られたのでしょうか？

山本：11話は実質最終回みたいなお話です(笑)。これまで築いてきた関係性の集大成といいますか、独り立ちしそうなぐらい成長したカカオをハラハラしながら見守る父親と母親、そんな感覚のショコバニを楽しむ話数なんですよ。

佐伯：荷造りする時にすっごい面倒見たり、微笑ましいシーンがいっぱいあって。

八木：全部世話を焼きたいのに、1人でこんなにできるようになったんだっていう感動でウルッときました。

――大事件が起こるわけではなく、心温まるところは『ネコぱら』らしいなと思いました。

山本：シナリオの段階では、最後はもっとシリアスな方向に盛り上げるアイディアもあったんです(笑)。ただ、それは違うなって嫌な予感があって、そこに行きかけたのをリセットしたんですよね。

八木・佐伯・森嶋：そうなんですね！

山本：やっぱりネコたちを見る時は癒やされたい、ほっこりしたいという気持ちの人が多いと思うんです。だから、感動させるために(シリアスを)無理やり作っている感は受け入れられないだろうなと。それよりも素直にキャラクターの成長や可愛いやり取りを見たいと自分自身が思ったので、この内容になりました。

――3人は演じてみていかがでしたか？

佐伯：末妹だったショコバニがお姉さんになって、どんどんカカオの面倒を見られるようになっているのがいいなと思いましたね。成長が感じられました。

八木：カカオが(ショコラに)寄ってこないのは11話で初めてだと思うんですよ。今までは無条件で懐いてくれたのに、隣にいないのが収録中にもそわそわしちゃって。ずっと心に穴が空いたような寂しい気分で収録していました。でも最後にはカカオがあんな嬉しい手紙をくれて、一気に身体が温まる収録でしたね。

佐伯：あんな手紙もらったら泣いちゃうよね。アフレコの時ですら泣きそうになりましたもん。感情移入しすぎちゃって。

八木：絶対カカオにいなくならないで欲しいと思ったよね。

森嶋：ショコバニにはご心配をおかけしました(笑)。カカオもちよちゃんと出会ったりして、ちょっとずつ成長したり学んだりあったと思うんですよ。それがこの11話で出たなと感じていて。ぐいぐいと感謝を伝えるのではなく、ひっそりと手紙に思いを綴って伝えるのもカカオらしいですよね。カカオが一生懸命綴った文章とたどたどしい感じが表現できたらいいなと思って挑みました。

山本：ここは1話から10話のセリフ量より多いぐらいでしたね(笑)。

森嶋：カカオの思い爆発ですよね！　しかも最終話間近の11話でこんなお話をいただけて、ここぞとばかりに出させていただきました。

――ちなみに、この頃になるとアフレコ現場の雰囲気も変わってきたのでしょうか？

八木：そうですね。この頃はちょっとした話題でも話が広がっていて。それまでは結構自分の練習に没頭される方が多かったんですよ。もともとすごく真面目なチームで、しっかりやろうという空気はあったんですけど、『ネコぱら』っていいよねという気持ちがみんな強まっていたのを感じました。

――物語を彩ってきた要素として、音楽面も大きいと思います。劇伴でちょっと遊び心のある曲も流れたりしましたが、監督からリクエストしたことがあれば教えて下さい。

山本：日常話がメインなので、聴いていて心地良いほんわかした音楽が欲しいというリクエストはさせていただきました。でも、たまに変化球だったりハラハラする展開もありますので、そこでは行き過ぎない程度にお願いします、という感じでしたね。

曲を作っていただいた立山さんとは、以前『ヒーローバンク』でご一緒したことがあるんです。コンペでいい人を選ぶ感じだったのですが、一番遊び心があって面白い曲を作ってくれる人だなと思っていて。今回も「ねこふんじゃった」をアレンジしてくださったり(笑)。

――あの曲は面白いですよね。

山本：気づく人は結構気づいていたと思うんですよ。『ロッキー』っぽい曲があったりとか(笑)。そのあたりは、こちらから具体的にオーダーしたのではなく、(立山さんが)「こういう遊び心を入れてみました」と作ってくださったので、すぐに「バッチリです」と採用させていただきました。

――そして次回はいよいよ最終回になります。第12話の見どころをお聞かせ下さい。

山本：12話はお待ちかねの海水浴です！(笑)　海なので各自の水着姿が見られます。嘉祥の水着は誰が楽しみにしているんだって感じですけど(笑)。みんなが海でエンジョイしているのをご覧いただけますし、さらに新しいキャラクターが出てきてちょっとした事件も起こりますので楽しみにしてもらいたいです。

［文・千葉研一］

《連載バックナンバー》
□第1回：八木侑紀×佐伯伊織 対談VOL.1
□第2回：八木侑紀×佐伯伊織 対談VOL.2
□第3回：八木侑紀×佐伯伊織×森嶋優花対談VOL.1
□第4回：八木侑紀×佐伯伊織×森嶋優花対談VOL.2
□第5回：井澤詩織×水谷麻鈴 対談VOL.1
□第6回：井澤詩織×水谷麻鈴 対談VOL.2
□第7回：M・A・O×立花慎之介 対談VOL.1
□第８回：M・A・O×立花慎之介 対談VOL.2
□第9回：伊藤美来×のぐちゆり対談VOL.1
□第10回：伊藤美来×のぐちゆり対談VOL.2

Blu-ray情報

TVアニメ「ネコぱら」Blu-ray BOX Ⅰ

2020.03.27
15,400円（税込） / 14,000円（税抜）

【収録内容】
第1話～第4話

【映像特典】
ノンテロップオープニング・エンディング、ショコラとバニラのネコがいる素晴らしい生活①

【特典】
特製ブックレット、キャラクターデザイン：平野勇一描き下ろし 三方背ケース
　

TVアニメ「ネコぱら」Blu-ray BOX Ⅱ

2020.05.29
15,400円（税込） / 14,000円（税抜）

【収録内容】
第5話～第8話

【映像特典】
ショコラとバニラのネコがいる素晴らしい生活②

【特典】
特製ブックレット、キャラクターデザイン：平野勇一描き下ろし 三方背ケース
　

TVアニメ「ネコぱら」Blu-ray BOX Ⅲ

2020.07.31
15,400円（税込） / 14,000円（税抜）

【収録内容】
第9話～第12話

【映像特典】
ショコラとバニラのネコがいる素晴らしい生活③

【特典】
特製ブックレット、キャラクターデザイン：平野勇一描き下ろし 三方背ケース

■アニメイト店舗特典
全巻購入特典：アニメ描き下ろしB2タペストリー（シナモン）

OP&ED主題歌情報

OP「Shiny Happy Days」

2020.02.19
1,320円（税込） / 1,200円（税抜）
発売・販売元：エイベックス・ピクチャーズ

【収録曲】
１．Shiny Happy Days
　（作詞：吉田詩織 作曲：廣瀬祐輝 編曲：久下真音）
２．Shiny Happy Days（Ｉnstrumental）
３．はじめてのレコーディング(ドラマCD)

■アニメイト店舗特典
OP場面写真ブロマイド

　

ED「陽だまりの香り」

2020.02.19
1,320円（税込） / 1,200円（税抜）
発売・販売元：エイベックス・ピクチャーズ

【収録曲】
１．陽だまりの香り（作詞：吉田詩織 作曲・編曲：立山秋航）
２．陽だまりの香り（Ｉnstrumental）
３．ショコラのおやすみトーク
４．バニラのおやすみトーク

■アニメイト店舗特典
ED場面写真ブロマイド

※収録内容・商品内容は予定となります。
予告なく変更になる場合もございますので、ご了承ください。

　

作品情報

TVアニメ『ネコぱら』

2020年1月9日（木）より放送開始
TOKYOMX 22:00-
BS11 24:30-
AT-X 21:00- ※リピート放送あり
※放送時間は変更の可能性がございます

STAFF

原作：NEKO WORKs
監督：山本靖貴
シリーズ構成：雑破業
キャラクターデザイン：平野勇一
音楽：立山秋航
アニメーション制作：FelixFilm

CAST

ショコラ：八木侑紀
バニラ：佐伯伊織
アズキ：井澤詩織
メイプル：伊藤美来
シナモン：のぐちゆり
ココナツ：水谷麻鈴
水無月時雨：Ｍ・Ａ・Ｏ
水無月嘉祥：立花慎之介
カカオ：森嶋優花（※アニメ新キャラ）

公式サイト
公式ツイッター（＠nekopara_anime）