劇場版『RE:cycle of the PENGUINDRUM』音楽担当・橋本由香利さんインタビュー|幾原監督との仕事は「魔法をかけられたよう」【連載第6回】
幾原監督との仕事は「魔法をかけられたよう」
ーー橋本さんは『ピングドラム』を機に、他の作品でも幾原監督作品に携わっていらっしゃいます。幾原監督と一緒に仕事をする楽しさや面白さはどんなところにあるのでしょうか?
橋本:幾原監督とのお仕事は、自分で思ってもいなかった曲、作れるとも思っていなかった曲ができる不思議さがありますね。魔法をかけられたような。後で「この曲どうやって作ったんだろう?」と自分で思ったりもします。
幾原監督の作品は、ストーリーや映像の発想が想像もつかないところから出ているので、すごく面白い。その一方で監督が音響監督も兼ねて自分で音楽を発注するので、音楽でどういうことをしたいのかは理解しやすいです。
ーー音楽を担当している『ユリ熊嵐』『さらざんまい』で、橋本さんにとっての手応えや挑戦された部分はありますか?
橋本:『ユリ熊嵐』はストーリーに合わせてファンタジックなサウンドが作れたことですね。メルヘンな映像や女の子同士の話であることを汲めたのではないかと思っています。
『さらざんまい』は、浅草を舞台にしているので、和風のアプローチをした曲ができたのが自分としては楽しかった。劇中の歌もの「さらざんまいのうた」「カワウソイヤァ」も作らせていただいたのも面白かったです!
ーー初めて一緒に幾原監督とお仕事をされた10年前と、10年後の今、お仕事をする上で変わったところはありますか?
橋本:委ねてくださる部分が多くなったのかなとは思いますが、どうなんでしょう……?(笑) 出来ることがよりわかってきて、いつも楽しく、興味深く作らせてもらっています。
劇場版は、今回時系列どおりというわけではないですよね。ただTVシリーズの物語を知っているので、迷わずに音楽をつけることができました。後編はよりシリアスになって、私も音楽を作りながら泣いていました。みなさんもきっと泣くことになると思います(笑)。ぜひ新たなトリプルHの曲も楽しみにしてほしいですね。
[取材・文/青柳美帆子]
6/4(土)劇場版『RE:cycle of the PENGUINDRUM』[前編]大ヒット御礼舞台挨拶開催!
開催日:2022年6月4日(土)
開催劇場:新宿バルト9
登壇者:豊崎愛生さん(荻野目桃果役)、上坂すみれさん(プリンチュペンギン役)、幾原邦彦監督、【司会】小泉 豊さん(渡瀬眞悧役)
劇場版「RE:cycle of the PENGUINDRUM」MUSIC COLLECTION
音楽:橋本由香利
発売日:2022年7月20日(水)
定価:¥3,630(税抜価格:¥3,300)
品番:KICA-2604~5
<収録内容>
CD2枚組/50曲収録予定
橋本由香利による新規書き下ろし劇伴楽曲やTVシリーズからリアレンジした楽曲、劇中キャラクター「トリプルH」歌唱による、ARBの楽曲をカバーしたキャラクターソングを収録!ブックレットには「幾原邦彦(監督)×橋本由香利(音楽)」によるスペシャル対談を収録予定。
【DISC1】
1 銀河は夜の水族館
2 ピーチに乗った彼女
3 僕たちの幸せ
4 ROCK OVER JAPAN -トリプルH featuring プリンチュペンギン-/歌:トリプルH featuring プリンチュペンギン
5 もうひとつの世界・記された運命
6 冠葉と晶馬・侵入
7 カレーと彼と
8 転がる乙女リターンズ
9 ファンファーレのキス
10 漂流家族
11 食卓の宇宙生命体
12 YELLOW BLOOD/歌:トリプルH
13 ファクトリー/歌:トリプルH
14 引越しタタッタ!
15 魔術・タマホマレ
16 魔術・プロジェクトM
17 もうひとつの世界・引き裂かれた日記
18 エスカレーターの女
19 スコープの女
20 ハンティングの女
21 友情と鯉と消しゴムと
22 魔術・ヒメホマレ
23 愛と革命のエチュード
24 もうひとつの世界・破壊の日
25 ロールキャベツの約束
【DISC2】
1 手のひらに乗る宇宙
2 追放と封印
3 僕と君の真実
4 Private Girl 秘め事/歌:トリプルH
5 ゆりと桃果・神さまの作った世界 「灰色の水曜日」より
6 もうひとつの世界・悪のタワー
7 灰色の水曜日 それからの私たち/歌:トリプルH
8 もうひとつの世界・黄昏
9 多蕗と桃果・籠と解放と終末と
10 もうひとつの世界・聖なる戦い
11 運命の子たち・君のために生きたい
12 AFTERʼ45/歌:トリプルH
13 運命の子たち・透明と果実と
14 冠葉と晶馬・ピカレスク
15 Just a 16/歌:トリプルH
16 ダブルHが来た!
17 運命の子たち・お願い神さま
18 MURDER GAME/歌:トリプルH
19 見つけてあげて
20 暗闇と希望の光
21 もうひとつの世界・止められない運命
22 運命の子たち・輪る果実
23 HEROES~英雄たち 運命の乗り換え/歌:トリプルH
24 ピーチに乗った彼女・きっと何者かになれる
25 運命の子たち・愛してる
※各DISCトリプルH歌唱の新規楽曲はフルサイズで収録予定。既存曲(Disc2:4曲目・7曲目・23曲目収録)は劇中使用サイズにて新たに収録予定となります。
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『劇場版 RE:cycle of the PENGUINDRUM』作品情報
公開日:[前編]君の列車は生存戦略 2022年4月29日(金)/[後編]2022年7月22日(金)予定
STORY
これは、ある兄弟妹と、突然やってきたペンギンと、この世界の過去と未来についての物語であるーーー。
病気の妹・陽毬の命を救うため、謎のペンギン帽の命令により「ピングドラム」を探す高倉家の双子の兄弟・冠葉と晶馬。自身の運命を信じて日記に書かれた出来事を実現しつづける荻野目苹果。新たな運命を導くため萃果の日記を手に入れようとする夏芽真砂子。大切な運命の人を取り戻すために目的を果たそうとする多蕗桂樹と時籠ゆり。
彼らはそれぞれの運命と大切な人の為に「ピングドラム」を追い続けたのだった。
あれから10年ーーかつて運命を変える列車に乗り込んだ冠葉と晶馬が、運命の至る場所からひととき戻ってきた・・・。
『輪るピングドラム』とは?
2011年7月にテレビ放送されたオリジナルアニメ『輪るピングドラム』。星野リリィ原案による個性的なキャラクターたちや、「ピングドラム」とは何なのか?という謎が謎を呼ぶ展開、クリスタルワールドなどの独特のビジュアルを使用した世界観で、放送当時大きな話題を集めた。
やくしまるえつこメトロオーケストラとCoaltar of the deepersによる主題歌をはじめ、劇中キャラクターのTRIPLE HによるARBのカバー曲など、音楽面でも高い評価を得ており、今でも多くのアニメファンの間で語り継がれている。
STAFF
監督:幾原邦彦
副監督:武内宣之
原作:イクニチャウダー
キャラクター原案:星野リリィ
脚本:幾原邦彦・伊神貴世
キャラクターデザイン:西位輝実・川妻智美
色彩設計:辻田邦夫
美術:中村千恵子(スタジオ心)
アイコンデザイン:越阪部ワタル
CGディレクター: 越田祐史(スタジオポメロ)
VFX:田島太雄
撮影監督:荻原猛夫(グラフィニカ)
編集:黒澤雅之
音響監督:幾原邦彦・山田 陽
音響効果:三井友和
音楽:橋本由香利
音楽制作:キングレコード
アニメーション制作:ラパントラック
製作:ピングローブユニオン
配給:ムービック
CAST
高倉冠葉:木村昴
高倉晶馬:木村良平
高倉陽毬:荒川美穂
荻野目苹果:三宅麻理恵
多蕗桂樹:石田彰
時籠ゆり:能登麻美子
夏芽真砂子:堀江由衣
渡瀬眞悧:小泉豊
荻野目桃果:豊崎愛生
プリンチュペンギン:上坂すみれ