絶対続きを読んで! アニメ『忘却バッテリー』を観た人に原作漫画を読んで欲しい3つの理由!
マンガ誌アプリ「少年ジャンプ+」で連載中の『忘却バッテリー』(作・みかわ絵子先生)。記憶喪失となった智将捕手と天才投手を中心に、無名の都立高校野球部の奮闘を描いた高校野球漫画です。
今年4月にはファン待望のアニメも放送され、SNSを中心に大きな話題になりました。本作のファンの1人である筆者も、美しい作画や生き生きとしたキャラクターたち、本作の魅力を活かしたアニメ独自の演出など、最終回まで毎話楽しく視聴しました。
しかし、原作ファンとしてアニメだけを見ている方にこれだけは伝えたい……「忘却バッテリーはここから加速度的に面白くなっていくのだ」と……。アニメを見た方にはぜひ続きを原作で読んでいただきたいのです。
そこで、この熱い思いを綴ってみることにしました。アニメ化されたのは、現時点で発売されている18巻のうち5巻の中盤まで。清峰葉流火と要圭、そして小手指野球部の成長はここからなんです!
※本記事には若干のネタバレが含まれます。
続きを読むべき理由その1:夏の大会が本格的に始まる!
これまで帝徳高校、氷河高校と強豪校ばかりと試合をしてきた小手指野球部。しかし、それはあくまで練習試合。6巻からはいよいよ甲子園出場をかけた夏の大会が始まるのです。
一度でも負ければ甲子園出場の夢が絶たれてしまう公式戦は、練習試合とは全く違う白熱っぷりを見せます。その中で、個々のメンバーだけでなくチームとしても成長していく小手指野球部にぜひ注目していただきたいです。
山田太郎のポジション転向
本作の語り部であり、堅実な実力と優しい人柄で部員たちから厚い信頼を寄せられている山田太郎。夏の大会に向け、彼は一塁手(ファースト)へのポジション転向を決意します。
中学までは捕手だった山田は、小手指では要にそのポジションを譲ることに。とはいえ要は記憶喪失で技術は素人同然。山田にも捕手として頑張る道もあるでしょう。
それでも山田は、清峰・要バッテリーの活躍を心底期待している自分がいると言います。野手たちの魂のこもった球を捕れることがとても誇らしい、と話す表情はとても晴れやかです。
一塁手は、内野の捕手とも言っても過言ではない重要なポジション。読者は、夏の大会で一塁手として活躍するヤマちゃんにハートを掴まれること間違いなしです!
チームとして成長する小手指高校
小手指の絶対的エースは天才投手・清峰葉流火。しかし、短期間に試合が集中する夏の大会で清峰だけに投げ続けさせるわけにはいきません。
そこで小手指は清峰を温存する策に出ます。清峰の代わりに投手を務めるのは、小学生の頃に投手経験のある2年生の鈴木。
鈴木は安定したサイドスローを投げることが出来ますが、球速は遅く打たれることは確実。そんな鈴木を守備で助ける野球をする中で、小手指はチームとしての力をつけていきます。
アニメではあまり日の当たることのなかった部員の活躍も描かれ、これまで以上に手に汗握る試合展開にあなたもきっと胸が熱くなることでしょう!
続きを読むべき理由その2:記憶喪失前の要圭の姿が明かされる!
本作の鍵を握る要圭の記憶喪失。アニメの最終話では彼の抱える心の闇が少し描かれましたが、ここから少しずつ彼が記憶喪失になった理由が明らかになっていきます。
大きなきっかけは、要が小学生の頃に書いた「ぜったいノート」(実はアニメのEDアニメーションに登場していました)。大量にあるそのノートには幼い要が野球の勉強をし続けた努力の跡が残されていました。記憶を失った要本人はそのことを覚えていませんでしたが、過去の自分の努力に励まされた要は、さらに練習に力を入れ、上手くなっていきます。
しかし、このノートを糸口に要は“思い出したくなかった”記憶も思い出してしまうことに。中学生怪物バッテリーと評されるほどの実力を持ちながらなぜ要は記憶を失ってしまったのか──本作最大の謎の真実をぜひ見届けてください。
続きを読むべき理由その3:至極のギャグ回がある!
本作の大きな魅力のひとつ、ギャグ。アニメ派の方もキレッキレのギャグが大好きというファンも多いはず。5巻後半以降は白熱した試合やシリアスなシーンが増えるものの、切れの良いギャグももちろん健在!
ここからは『忘却バッテリー』のギャグ回が好きという方に向け、筆者が独断と偏見で選んだ至極のギャグ回3つをご紹介していきます!
37~38話:夏の大会初戦
いよいよ小手指高校初めての夏の大会が開幕。迎えた初戦の相手は……なんと監督とエースが同じ顔。初参加の都立というだけで小手指を全力で見下してきます。「5回コールドだ!」と高らかに宣言する相手監督……これはフラグの予感。
そんな中いよいよ試合開始。振りかぶった相手投手は立派な中年太り体型で、どう見ても30オーバーのおっさん。とても高校生には見えません。あれだけ小手指を馬鹿にしたならさぞかしすごいのかと思いきや、1番藤堂、2番千早に連続でヒットを許し、あっという間に2点を奪われます。
攻守交替し、次は相手高校の攻撃です。これまた大したことはないだろうと舐めてかかる相手監督。そんな舐めた態度を清峰の剛速球でコテンパンに打ち負かし、15対0で小手指がコールド勝ち! 今までいろんな野球漫画を読んできましたが、こんなに笑える初戦は初めてでした。
50話:唯我独尊エースの兄・清峰葉流馬登場
第2話から名前だけ登場していた清峰葉流火の兄。そう、AV保有数7千本を誇るキングオブAV鑑賞ニストの兄・清峰葉流馬です。その兄が50話でついにその姿を現します。
普段は傍若無人でマイペースな清峰が名前を聞くだけで怯える兄。どんな人物かと思いきや、予想の斜め上を行く馬のマスクで登場します。しかしその見た目に反して口調は丁寧で礼儀正しい常識人のよう。
一方、弟の非常識な態度にはとても厳しいようで、チームメイトの前で兄にしばかれまくる清峰。兄に虐げられる清峰の姿はチームメイトたちの目にも私たち読者の目にもとても新鮮に映ります。
これまで登場したキャラクターの中でもダントツで濃いキャラ・清峰葉流馬に大笑いしちゃってください!
「おや…?」じゃないんだよ pic.twitter.com/2oZrAobp7N
— みかわ絵子 (@mikawaeco) October 31, 2020
53話:帝徳高校・岩崎監督
最後にご紹介するのは、清峰たちにラブコールを送り続ける帝徳高校の岩崎監督の回。清峰たちを前に取り乱す岩崎監督の姿に気づいた帝徳の部員たちが、その真相を探る様子が描かれています。
厳格な名将であるはずの監督の様子がおかしい原因が小手指の選手だと推理した部員たちは、監督の足元に清峰、要、藤堂、千早の写真を仕掛けます。そしてちょうどいいところに現れる監督。
バラまかれた写真を拾った監督はしばらく凝視した後、震えはじめ、平然と立ったかと思いきや即座に膝から崩れ落ちてしまいます。その後、床やフェンスを叩きながら「なんで来んかったん」と激しく取り乱します。キャラ崩壊が止まりません。
監督をなだめようと影で見ていた部員たちが駆け寄ると、すぐさま取り繕うものの、その顔には隠しきれない涙が……。表紙から爆笑必須の53話、ぜひご覧ください。
[53話]忘却バッテリー
— みかわ絵子 (@mikawaeco) May 6, 2020
何だこの表紙…帝徳の日常回です!あと単行本が13日に出ますのでよろしくお願いいたしますhttps://t.co/jgXgmEyMNc pic.twitter.com/qqYOOBcuGs
夏こそ高校野球だ! 『忘却バッテリー』だ!
ギャグとシリアス、そして熱い試合展開が楽しめる『忘却バッテリー』。アニメ最終話以降もどんどん面白くなっていく本作に、私はアニメ2期を期待せずにはいられません。
現在甲子園では高校球児たちが熱戦を繰り広げている真っ最中。さらに、お盆休みで長くお休みだという方も多いのではないでしょうか。原作は「少年ジャンプ+」で初回全話無料で読むことができますし、アニメも各配信サービスで視聴することができますので、ぜひこの機会に『忘却バッテリー』に触れてみていただきたいです。
関連サイト
少年ジャンプ+|人気オリジナル連載が全話無料!の最強WEBマンガ誌
1990年生まれ、福岡県出身。小学生の頃『シャーマンキング』でオタクになり、以降『鋼の錬金術師』『今日からマ王!』『おおきく振りかぶって』などの作品と共に青春時代を過ごす。結婚・出産を機にライターとなり、現在はアプリゲーム『アイドリッシュセブン』を中心に様々な作品を楽しみつつ、面白い記事とは……?を考える日々。BUMP OF CHICKENとUNISON SQUARE GARDENの熱烈なファン。