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『アルドノア・ゼロ(Re+)』花江夏樹×小野賢章が語る 後日談「雨の断章」/インタビュー

『アルドノア・ゼロ(Re+)』花江夏樹さん×小野賢章さんインタビュー| 後日談の「雨の断章」を演じて、ようやく気持ちに一区切りがつけられた

 

「雨の断章」を通じて改めて感じるキャラクターの魅力

──新作パートとなる「雨の断章」を演じ終えられて、どんなお気持ちになりましたか?

小野:ちゃんと終わったというか、僕の中にあった、ずっと続きを演じたいと思っていた気持ちに、しっかり一区切りつけられたような感覚はありました。自分の中でやっと腑に落ちたような。

今回、スレインにとっても光が差し込むというか、ちょっと希望が見える終わり方をしているので、演じた身としては「あとは静かに自分を見つめ直しながら、更正していって欲しい」という気持ちになっていますね。

 

 

──TVシリーズの終盤からラストにかけては、スレインにとってかなり過酷な展開でもありました。

小野:スレイン自身、自分が間違っているということは理解しつつも、彼にはそれしか方法がないという行動を取っていたんですよね。

──やはり「雨の断章」を演じ終えた後の方が清々しい気持ちに?

小野:そうですね、清々しさみたいなものはありました。ようやくこれで全部終わったような、気持ちの整理はつけられたかなと思います。

──花江さんはいかがでしたか?

花江:伊奈帆は常に淡々と喋っているから、スレインが怒る気持ちも分かるんですけど、「雨の断章」だと彼なりの気遣いの言葉みたいなのがたくさん出ていたのが良かったんじゃないかなと。

あとは最後にユキ姉に海に行きたいと話すところとか、伊奈帆のまだ大人になりきってない一面が垣間見えたり、彼も戦いから解放されて、ようやく前に進めるようになったんだなと思えました。僕も賢章さんと同じで、これで本当に一区切りついたのかなと感じましたね。

 

 

──「雨の断章」について、お二人はどんなところが魅力だと感じましたか?

小野:基本は伊奈帆とスレインの会話がメインなんですけど、韻子たちも出てくるのは個人的に嬉しかったですね。あのキャラクターたちのその後を少しでも知ることができるというのは、放送当時視聴してくださっていたファンの方にとってすごく見どころになるんじゃないかなと。

花江:確かに、いろんなキャラクターが出てくるのは良かったよね。僕はエデルリッゾを久しぶりに見れたのが嬉しかったです。あと、ちょっと哲学が面白そうだなって(笑)。

小野:新書とか読みたくなったりね(笑)。

花江:そう、それぞれの答えがある感じがいいなって。あとは(雨宮)天ちゃんが歌っているエンディング(「Harmonious」)もね、TVシリーズの23話でだけ使われていた曲なんですけど、それが一番最後に流れるというのも印象的でした

──10年ぶりにそれぞれのキャラクターを演じられて、改めてどんな点が魅力だと感じられましたか?

花江:伊奈帆は本当に頭がいいキャラクターで、量産機で強敵を倒すジャイアントキリング的な活躍は、見ていてやっぱりスカっとするしカッコいいですね。その一方で、たまにあどけなさを見せたり、他人に対して何も思っていなさそうだけど、実は彼なりの思いやりがあったりするところはやっぱりいいなと感じました。

小野:スレインはとにかくアセイラム姫を助けたいという思いが強く、いつも冷静な伊奈帆とは対照的に、分かりやすくて感情的なところが魅力かなと思っています。よくも悪くも素直で、それ故にコロっと騙されちゃったりもするんですけど(笑)。

あとは、物語を通じて一番変化していったキャラクターでもあり、成長……と言っていいかはちょっと迷うんですけど、少なくとも自分の頭で何をするべきか考えて行動できるようにはなっていて。その結果は間違ってしまったかもしれないけど、カッコいいキャラクターだったと思っています。

 

 

──総集編を見て思い出されたりもしたと思うのですが、TVシリーズで印象的だったシーンはありましたか?

小野:火星のカタフラクトとしては二番目に出てきたヘラスとの戦闘は、腕が飛んでくるっていう衝撃がすごくて。どうやって倒すんだろう、みたいな敵が毎回代わる代わる出てくるのは面白かったですね。まぁ、僕(スレイン)は倒さないんですけど(笑)。

花江:僕は2クール目の最初に戦ったエリシウム戦ですね。凍らせてくる攻撃に、グレネードで温度を上げながら近づいて倒すって展開が熱かったですし、あそこで流れる音楽もまたカッコいいんですよ。あの回に限らず、音楽が流れるシーンは毎回楽しみにしていましたね。

──当時の収録について覚えていることはありますか?

花江:天ちゃんがもやしのナムルをタッパーに入れて持ってきてくれて、スタジオにあったコーヒーを混ぜるのに使うマドラーを箸の代わりにして皆で食べたことですね。

小野:もやしのナムルね、あれはよく覚えてる(笑)。

花江:もうほぼそれしか覚えてないレベルで、強烈に記憶に残ってます。まぁ、作った本人は覚えてなかったみたいなんですけど(笑)。

小野:僕の方は、やっぱり原作がないオリジナル作品だっていうこともあって、毎週ドキドキしながら台本を読んでいたことを思い出したりしました。

とくに1クール目って、なかなかすごいところで終わるじゃないですか。あそこから2クール目の放送までしばらく待たされるのはしんどいなということを、当時思っていたなと。

 

戦争がなければ、伊奈帆とスレインは友だちになれていた?

──10年前と今で、ご自身が一番変わったと思われる部分はどこでしょうか?

花江:役の幅が増えたような気はしますね。10年前には絶対できなかったような役が、今はもうそっちの方が多いぐらいにシフトしてたりとかして。逆に伊奈帆みたいなタイプはあんまり最近やってないかもしれません。それは良いことなのか、悪いことなのかは分かりませんけど(笑)。

小野:僕は……絶好調、って言えるような日がなくなってきたことですかね。前より風邪引きやすくなっていたり(笑)。

役のところでいうと、広がりつつもあるし、僕の場合は結構10年前に演じていたような役が今もあったりするので、少しずつ成長はしているのかなという気はしています。

──キャラクターや作品に対する印象が変わったりしたところはありましたか?

小野:「やっぱり『アルドノア』って面白いな」と改めて思ったのが一番の印象ですね。当時と変わったというより、今も新鮮に楽しめて、やっぱりよくできた作品だったんだなって再確認できました。

 

 
花江:僕は、当時自分が演じたシーンを「大丈夫だったかな?」と思いながら見ていたんですけど、こうして10年経って見返してみると、よりフラットに作品を楽しめるようになったかなと。

──視野が以前よりも広くなったような?

花江:そうですね。昔は伊奈帆たちに感情移入していたのが、ユキ姉とか鞠戸大尉とか、大人に感情移入するようになったのも変わったところでした。

──伊奈帆とスレインの関係性については、改めてどのように感じましたか?

花江:難しいですよね。ライバルって感じでもないけど、お互いを理解しあっていたような部分もありつつ……状況としてああなるしか道がなかったというか。

小野:ひたすらすれ違っていたような印象はありますね。それぞれがやるべきことがぶつかりあっていたので、立場とか生まれたところが違っていたらまったく違う未来になっていたんじゃないかなと。運命に翻弄されていた感じがあります。

──もし戦争がなかったら、二人は友だちになれていたと思いますか?

花江:思いますね。出会っていたらという前提にはなりますけど、学校とかが一緒だったら普通に仲良くなっていたんじゃないかなと。

小野:僕もそう思います。ただ、伊奈帆って誰に対してもあんな感じですし、唯一無二の相棒みたいなところまでいけるかというとちょっと分からない。普通の仲が良い友だちくらいにはなれると思います。

 

 

──地球と火星、もしお二人がどちらか片方について戦わないといけないとなったら、どちらを選びますか?

小野:もうこれは迷わずに火星ですね。理由は簡単で、カタフラクトのスペックが圧倒的に高いから(笑)。

──ただ、火星側だと、敵に伊奈帆が出てくるというリスクもあります。

小野:それは確かに……。

花江:それも考えると、僕はやっぱり地球ですね。住み慣れているのもありますし、何より火星でちゃんと生活できるかなという不安がね(笑)。

──最後に、『アルドノア・ゼロ』のファンの皆さんへのメッセージをお願いします。

花江:皆さんに長く愛していただいていたからこそ、こうやって新作アニメーションが作られたんだと思っています。今後また10年、20年と、皆様にとっての『アルドノア・ゼロ』が大切な作品であり続けてもらえると嬉しいなと思いますので、是非何度も楽しんでください。

小野:こうして10年経った今、改めてスレインを演じる機会をいただけたことがとても嬉しく、これもずっと応援してくださった皆様のおかげだと思っています。

今回改めて見直して、自分でも結構忘れているところがあるのに気づいたりもして(笑)。皆様も是非BDで見直していただいて、「『アルドノア・ゼロ』ってこういう作品だったな」と、定期的に思い出していただければと思います。

──ありがとうございました。

 

作品概要

アルドノア・ゼロ(Re+)

あらすじ

火星に移住した人類と地球との間に起きた戦争から15年後、西暦2014年。
和平交渉の一環として地球を訪れた火星の皇女アセイラム・ヴァース・アリューシアは親善パレードの途中、テロリストによる襲撃で生死不明となってしまう。この事件をきっかけに再び地球と火星との戦争が始まる。

襲い来る火星カタフラクトを、地球の高校生である界塚伊奈帆はもちまえの冷静さと戦略で仲間と共に撃退していく。そんな中、伊奈帆は不思議な少女と出会う。

一方、地球出身で火星騎士に仕える少年スレイン・トロイヤードは、アセイラム暗殺事件の真相を知り、行動を開始する。

激しさを増す戦争。和平を願う火星の皇女アセイラム、仲間を守るため戦う伊奈帆、アセイラムに忠誠を誓うスレイン、3人の少年少女たちの願いは――。

そして地球と火星の戦争終結から約9ヶ月後。

伊奈帆は収容施設のスレインと再び対面する。

キャスト

界塚伊奈帆:花江夏樹
スレイン・トロイヤード:小野賢章
アセイラム・ヴァース・アリューシア:雨宮天
ライエ・アリアーシュ:三澤紗千香
網文韻子:小松未可子
カーム・クラフトマン:村田太志
ニーナ・クライン:加隈亜衣
箕国起助:山谷祥生
界塚ユキ:大原さやか
鞠戸孝一郎:中井和哉
耶賀頼蒼真:鳥海浩輔
ダルザナ・マグバレッジ:茅野愛衣
不見咲カオル:嶋村侑
エデルリッゾ:水瀬いのり
クルーテオ:速水奨
ザーツバルム:大川透
ウォルフ・アリアーシュ:木下浩之
トリルラン:櫻井孝宏
祭陽希咲:河西健吾
詰城祐太朗:斉藤壮馬
筧 至剛:古川慎
フェミーアン:甲斐田ゆき
レイレガリア・ヴァース・レイヴァース:小川真司 菅生隆之
ハークライト:平川大輔
レムリナ・ヴァース・エンヴァース:夏川椎菜
ヤーコイム:興津和幸
マリルシャン:千葉進歩
バルークルス:竹内良太
マズゥールカ:豊永利行
ゼブリン:木島隆一
ラフィア:生天目仁美
オルガ:三宅健太
クランカイン:逢坂良太
ハッキネン:やまむらいさと

(C)Olympus Knights / Aniplex•Project AZ

 

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