『名探偵コナン』沖田総司の解説・情報まとめ&登場回一覧

『名探偵コナン』は、「週刊少年サンデー」（小学館）にて1994年より連載中の青山剛昌先生が描く人気推理漫画。TVアニメシリーズは長きにわたり親しまれ、劇場版も大ヒットを記録しています。

京都泉心高校2年生・沖田総司は、服部平次の剣道のライバル。元々は『YAIBA』のキャラクターで、新撰組の天才剣士・沖田総司の六代目です。

本稿では、そんな沖田総司の情報をまとめてご紹介。人物像や主な関連人物、登場回一覧、注目エピソードなどを解説していきます。

※本稿には、『名探偵コナン』『YAIBA』の一部ネタバレが含まれます。

沖田総司（おきたそうし）の人物像

京都泉心高校2年生。剣道部所属で、服部平次の剣道のライバルです。元々は『YAIBA』に登場する新選組一番隊組長・沖田総司の六代目。初代の三段突きを上回る五段突きが得意技で、平次も以前やられて耳の裏に傷がつきました。大岡紅葉とは同じクラス。毛利蘭に「新一みたい」と思わせるほど、工藤新一と顔立ちが似ています。

元々は『YAIBA』のキャラクター

『YAIBA』は「週刊少年サンデー」にて1988年より連載された青山剛昌先生による漫画。物語終盤の織田信長御前試合で登場した沖田は、TVアニメ『剣勇伝説 YAIBA』では未登場であったため、『名探偵コナン』でアニメ初登場となりました。

抜きん出た剣の才を持つ「六代目沖田総司」

沖田は六代目沖田総司として育てられた剣の天才ですが、剣術に面白さを見出せず、織田信長御前試合での優勝を条件に剣術をやめる約束を祖父と交わしていました。

沖田の準決勝の相手である鉄刃（くろがねやいば）は、剣のスピード、パワー、技量、どれをとってもかなう者はいないだろうという実力の持ち主。しかし、沖田は“剣の才能”でその刃を圧倒。初代の沖田総司を知る宮本武蔵は「初代を越えているやも知れん」と、沖田が持つ恐ろしいほどの剣の才を称しています。

初代の沖田総司は、動乱の幕末に討幕派の志士たちを震え上がらせたという新撰組の一番隊組長。まさに天才剣士です。

六代目はその初代の得意技である三段突きを上回る「五段突き」を披露。三段突きとは、眉間・喉・胸の上下三段を同時に突きわける手練の早業で、その剣の速さゆえに一太刀にしか見えないといいます。六代目はその三段に加えて相手の両肩も突くという五段突きを繰り出したのです。

名刀・菊一文字を抜いた沖田が凄技で刃を追い詰めていきますが、極限状態の刃が無意識に出した「闘刃」を目の当たりにし、沖田は自ら負けを認めました。

剣術をやめるつもりでこの試合に出場していた沖田でしたが、刃との戦いを通して剣術への想いを新たにし、「剣術も捨てたもんやあらへんな…」と表情を輝かせています。

主な関連人物

服部平次（はっとりへいじ）

西の高校生探偵。剣道が得意で、団体戦で改方学園の大将を務めるほどの腕前です。沖田の剣道のライバル。

大岡紅葉（おおおかもみじ）

泉心高校2年生の17歳。競技かるたの高校生チャンピオン。平次のことを「未来の旦那さん」と慕っています。紅葉は同じクラスの沖田を「剣道小僧」と呼び、沖田は紅葉を「オッパイ」と呼んでいます。

鬼丸猛（おにまるたけし）

元々は『YAIBA』に登場するキャラクターで鉄刃のライバル。『名探偵コナン』では、平次や沖田と同じく剣道大会に出場。全日本二連覇中の実力者です。

鉄刃（くろがねやいば）

『YAIBA』の主人公。天下一のサムライを目指している少年。沖田は刃を倒してから諸刃に告白したいと思っているようです。

鉄諸刃（くろがねもろは）

刃の妹。『名探偵コナン』では沖田が想いを寄せている相手として、沖田がお守りの中に入れている写真で登場。
　

沖田総司の登場回一覧

〈TVアニメ〉
第263話「大阪ダブルミステリー浪花剣士と太閤の城」
第916〜917話「恋と推理の剣道大会」
第919〜920話「JKトリオ秘密のカフェ」
第927〜928話「紅の修学旅行」
第941〜942話「マリアちゃんをさがせ！」

第263話「大阪ダブルミステリー浪花剣士と太閤の城」（原作31、32巻）

『名探偵コナン』の初登場回

2002年に2時間スペシャルで放送。舞台は大阪。平次が参加する近畿剣道大会に沖田も出場しており、平次は昨年の対戦で沖田から五段突きでやられた耳の裏の傷の借りを返すと和葉に話しています。

服部の改方学園と沖田の泉心高校が決勝であたることになりますが、殺人事件が発生したため平次は事件の謎を解くことに。平次は決勝戦欠場となり、沖田との対戦は持ち越しとなりました。

第916～917話「恋と推理の剣道大会」（原作93、94巻）

平次と沖田の対決は……？

ライバルである沖田と平次のやりとりや、沖田と蘭の対面など、見どころ満載のオススメ回です。

全国高等学校春季剣道大会で準決勝まで勝ち進んだ平次は、強敵である京都泉心高校の沖田と決着をつけて和葉に告白しようと意気込んでいました。しかし、次の試合開始時間が迫るなか平次はコナンたちと共に殺人事件の謎を解くことに。

現場には沖田も姿を現しており、蘭は新一の顔に似ている沖田と対面して「本当に新一みたい」と驚いています。「俺に惚れてしもた？」「それくらいのこと気配でわかんねん」と蘭に言い寄る沖田に、平次が「オレの親友の女やから手出さんとき」と忠告する場面も。また、新一と似ているとはいえ沖田に探偵の素質はないようで、めちゃくちゃな推理を披露しています。

紅葉と大岡家の執事の伊織も平次の応援にかけつけており、沖田だけでなく優勝候補の鬼丸猛もかなりの強敵であろうと伊織が警戒するなか、その鬼丸はわけあって決勝戦を辞退することに。事件現場にいた平次と沖田はというと試合に間に合わず欠場。2人は試合前に一戦交えようとしていたものの未遂に終わっており、またもや対戦はかないませんでした。

第919話「JKトリオ秘密のカフェ」（原作94巻）

蘭の口から「沖田くん」の名前が聞こえてきて、気になって仕方がないコナン

最近ウキウキしている蘭が気になるコナンと小五郎。2人はその理由を突き止めるために、外出した蘭を尾行することに。蘭は本屋で京都の観光ガイドを購入してカフェで園子と世良と合流し、何やら旅行の計画を立て始めます。しかも蘭の口から「沖田くん」の名前が聞こえてきて、コナンは思わず動揺。

そんななか殺人事件が発生し、いち早く犯行のトリックを見抜いたコナンでしたが、蘭の旅行のことで頭がいっぱい。その後、この旅行というのは京都への修学旅行であることが明かされました。

第927～928話「紅の修学旅行（鮮紅編／恋紅編）」（原作94、95巻）

沖田の想い人が判明

2019年1月に、2週連続1時間SPで放送。灰原からAPTX4869の解毒剤をもらい、コナンは一時的に新一に戻って修学旅行で京都へ。そこで新一の母の有希子と知り合いである女優と出会い、暗号を解いてほしいと依頼されます。新一と蘭に恋の進展が見られる本エピソードでは、沖田の存在が新一をやきもきさせていました。

沖田とはどこに行ったら会えるのか紅葉に尋ねる蘭は、天狗面を着けた謎の集団の退治をしようと剣道部員を連れてやって来た沖田に遭遇。蘭と沖田は何やら親密そうに2人でコソコソ話をしており、その様子を見ていた園子は写真を撮って新一に送信。おかげで新一は、2人のことが気になりすぎて殺人事件の推理に集中できなくなっていました。

蘭が沖田に会いたかった理由は、以前沖田が落としたお守りを渡すため。そのお守りには諸羽の写真が入っており、蘭が沖田に尋ねると、諸刃に好意を抱いていることが判明。好敵手である諸刃の兄・刃を倒すまでは告白できないのだと打ち明けています。

第941〜942話「マリアちゃんをさがせ！」（原作95巻）

ニュース映像に映っていた新一は沖田だったということに

APTX4869の解毒薬を飲み、新一の姿で帝丹高校の修学旅行に参加したコナンは、そこで起きた連続殺人事件を見事に解決。その後、「工藤新一が生きている」と聞きつけたマスコミが工藤新一の家に押し寄せて騒動になります。

「紅の修羅天狗殺人事件」のニュース映像に新一が平次と共に映り込んでおり、平次がマスコミに対して新一ではなく沖田だと説明。また、新一の両親が騒動のネタ元の対処にあたったおかげで騒ぎはおさまりが、黒ずくめの組織に目をつけられた可能性は極めて高いと工藤優作は危惧。実際に、ラム候補の黒田、若狭、脇田がこの騒動の情報を目にしており、不穏のなかでラムからバーボンこと降谷のもとへ工藤新一の情報を要求するメールが届きます。

また、本エピソードで“あの方”の正体が判明。羽田浩司のダイイングメッセージは、ASACAとRUMに分けず「CARASUMA」になると優作は推理。この推理が正しければ、この日本で最も強大な人物、この世にいないはずの大富豪・烏丸蓮耶を敵にまわそうとしているのだとコナンに告げます。

劇場版第27作『劇場版名探偵コナン 100万ドルの五稜星』

平次と沖田の共闘、鬼丸も登場

北海道・函館にある斧江財閥の収蔵庫に届いた怪盗キッドからの予告状。今回キッドが狙うのは、幕末を生きた新選組副長・土方歳三にまつわる日本刀だといいます。

五稜郭に関連が深い新撰組の土方歳三が登場し、沖田や鬼丸も活躍。平次と怪盗キッドの対峙や、平次と沖田の共闘、さらにキッド関連の真実にも注目が集まる作品です。