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- 藤崎萌恵
- 数年前にBLと出会い、心に潤いを取り戻しました。BLとブロマンスが癒し。主な記事は『チェリまほ』『陳情令』等。

『名探偵コナン』は、週刊少年サンデー(小学館)にて1994年より連載中の青山剛昌先生が描く人気推理漫画。TVアニメシリーズは長きにわたり親しまれ、劇場版も大ヒットを記録しています。
女子高生探偵・世良真純が匿うメアリーは、優れた頭脳と身体能力を持つ謎めいた少女。自身のことを江戸川コナンに聞かれたら“領域外の妹”と答えるよう世良に伝えました。果たしてその名前の意味や真意は?
本稿では、そんなメアリーの情報をまとめてご紹介。登場回一覧や注目エピソード、人物像、正体、血縁関係なども解説していきます。
※本稿には、『名探偵コナン』の一部ネタバレが含まれます。
【MI6諜報員】
CV:田中敦子さん→本田貴子さん
赤井3兄妹(赤井秀一、羽田秀𠮷、世良真純)の実の母であり、夫の赤井務武と同じくイギリスの秘密情報部MI6諜報員。
APTX4869を飲まされて体が小さくなり、そのためコナンに強い関心を示しています。現在は中学生くらいの見た目で、薬の影響なのか時折咳込むことがありますが、並外れた身体能力と格闘の腕は健在。かなりの切れ者で、コナンに代わり眠りの小五郎を演じて事件を解決に導いたことも。
17年前に夫が失踪して以来、父親代わりとなって子供たちを育てる決意をし、10年前に父親のような口調に変えました。娘の世良と行動を共にしており、“敵”に居場所を悟られないよう2人でホテルを転々としています。コナンに聞かれたら自分のことを“領域外の妹”と答えるよう娘に伝えました。
17年前、羽田浩司が殺害された事件を調べるために渡米した務武が危険な相手を敵にまわしたため、赤井一家はイギリスを離れて安全な日本へ。
その後十数年も務武から連絡がなかったのですが、ある時から彼が目撃されるようになり、メアリーは世良を連れてイギリスに滞在。待ち合わせ場所で待つメアリーのもとに務武が姿を現しますが、それは黒ずくめの組織の幹部格・“千の顔を持つ魔女”ベルモットによる変装でした。
ベルモットが変装してメアリーをおびきだしたのは、MI6に赤井務武として潜入するのに、突然姿を消した妻の存在がネックだったから。3年前から務武の姿で定期的にうろついていたといいます。
敵に囲まれたメアリーはベルモットに口移しでAPTX4869を飲まされ、苦しみながらそのまま川に落下。なんとか命は助かったものの薬の効果で体が縮んでしまい、ホテルに居る世良のもとへと戻り事情を説明します。
テニスプレイヤーのミネルバ・グラスが出場するウィンブルドン決勝戦の録画を観ていた世良とメアリーは、会場に潜り込んでいた江戸川コナンの姿がアップになった瞬間釘付けに。(コナンサイドのエピソードは第616~621話「ホームズの黙示録」、メアリーサイドのエピソードは第1045~1046話「天罰くだる誕生パーティー」)
2人は昔海水浴で遭遇した少年時代の“工藤新一”がコナンとそっくりであったことに思い至り、複数の要因から「江戸川コナン=工藤新一」であると推察します。体を小さくした薬の解毒剤を使用している可能性もあるとして、コナンと接触することに。
コナンを探るなかで解毒剤の存在を確信し、メアリーは解毒剤とその開発者を探すよう世良に指示。薬の開発者を見つけて体を元に戻した際には逃げ回ることをやめ、反撃に転じるつもりでいる模様。世良はコナンが所持している薬を手に入れようと何度か試みていますが、コナンに見抜かれて失敗しています。
メアリーはコナンのことを信用するには程遠い存在として警戒していますが、コナンが痺れを切らして自分のことを尋ねたら“領域外の妹”と答えるよう世良に伝えています。その名前の意味とは何なのか、コナンは以下のように考察。
「妹」SISTERから「領域」テリトリーの略TERを外すとSIS。
SIS=イギリス情報局秘密情報部の略称。通称MI6。
これを暗示する“領域外の妹”を名乗ったのは、協力者として信用の置ける有能な人物なのか、自分を試したのかもしれないとコナンは考えています。
メアリーの夫で、イギリスの秘密情報部MI6諜報員。17年前、アメリカで羽田浩司棋士が謎の死を遂げ、羽田の父親から依頼を受けた務武は事件の真相を探るため単身渡米。そこで危険な相手が絡んでいると知り、家族にイギリスから離れて安全な日本へ避難するよう指示。しかし務武は、そのまま生死不明で行方知れずとなります。
赤井家の長男、32歳。FBI捜査官。FBI屈指の凄腕スナイパーであり、截拳道(ジークンドー)の使い手。表向きは死んだことになっており、現在は仮初の姿・沖矢 昴として工藤邸に居候中。自身の生存を知る秀𠮷に、母と妹には知らせないよう口止めしています。かつて黒ずくめの組織に潜入していたことがあり、コードネームは「ライ」。
赤井家の次男、28歳。「太閤名人」と呼ばれる若き天才プロ棋士。高校卒業後、羽田浩司棋士の家に養子に入っています。秀𠮷が七冠の偉業を成し遂げた際には、嬉しさのあまりメアリーも笑顔に。しかし、王将戦に敗れて六冠に後退しています。恋人は警視庁交通部交通課の宮本由美。
メアリーの娘。毛利 蘭や鈴木園子のクラスに転校してきた女子高生探偵。兄たちとは少し年が離れており、赤井を「秀兄(しゅうにい)」、秀𠮷を「𠮷兄(きちにい)」と呼んでいます。
憧れの赤井の影響で始めた截拳道は、蘭と互角に戦うほどの腕前。探偵としての洞察力や推理力も高いですが、2人の兄には及ばず、秀𠮷に自分の推理について相談することも。メアリーの体が小さくなった経緯や現状を知っており、現在は2人でホテル住まいをしています。
宮野エレーナは、宮野明美と宮野志保(=灰原 哀)の母親。エレーナは黒ずくめの組織内で「地獄に堕ちた天使(ヘル・エンジェル)」の異名を持つ科学者で、開発中のAPTX4869に願いを込めて「銀の弾丸」と呼んでいました。エレーナの夫はマッドサイエンティストと呼称される医師・科学者の宮野厚司です。
ロンドンでベルモットがメアリーにAPTX4869を飲ませた際、「あなたの妹が作った毒薬」とのベルモットの発言から、APTX4869を夫婦で開発していたエレーナがメアリーの妹であることが判明。つまり明美と志保はメアリーの姪ということになります。
コミック初登場巻:第83巻
〈TVアニメ〉
・754~756話「赤い女の惨劇」82、83巻
・759~760話「意外な結果の恋愛小説」83巻
・785~786「太閤恋する名人戦」85巻
・787~788話「真夏のプールに沈む謎」85、86巻
・863~864話「霊魂探偵殺害事件」90巻
・881~882話「さざ波の魔法使い」92巻
・927~928話「紅の修学旅行」94、95巻
・993~995話「代役・京極真」96、97巻
・1019~1020話「骨董盆は隠せない」97、98巻
・1045~1046話「天罰くだる誕生パーティー」98、99巻
・1144~1145話「ホテル連続爆破事件」103巻
・1164~1167話「17年前の真相」104巻
〈劇場版〉
第24作『緋色の弾丸』
世良が生活しているホテルに遊びに来た蘭、園子、コナン。階下で殺人事件が発生し、世良とコナンは犯人を断定して謎を解明していきます。
そんななか、コナンは野次馬の中で世良によく似た少女を目撃。それは以前、世良がコナンに意図的に見せたであろうスマホの写真の人物(第756話「赤い女の惨劇」(復讐))。少女は自身のことをコナンに聞かれたら、“領域外の妹”と答えるよう世良に伝えました。
ホテルで霊魂探偵が殺害され、犯人が逃げ込んだと思われる隣室を訪ねると、そこには世良の姿が。陰にはメアリーも潜んでいました。霊魂探偵が羽田浩司の霊を呼び出すつもりだったらしいと聞き、世良が血相を変えて小五郎に詰め寄るといった場面も。本エピソードでは、コナンが落とした蝶ネクタイ型変声機でメアリーが名推理を披露します。
10年前、海水浴に来た幼い新一と蘭は赤井一家と邂逅。コナンは10年前に世良と出会っていたことを思い出し、“領域外の妹”が世良の母親のメアリーと同一人物であることを知ります。
アメリカに留学していた赤井は、秀𠮷とは7年ぶりの再会で、世良とは初対面。赤井の希望でアメリカに留学させていたというメアリーは、実は赤井が父の事件の真相を探りに行っていたこと、大学を卒業したらFBIに入ることを聞き、赤井と喧嘩になったといいます。
その後、車が崖から海に転落する事故が起き、赤井がコナン、蘭、世良にも協力を頼みながら事件は解決。真実を追い求める好奇心という熱病に冒された赤井の姿に、メアリーは夫・務武の面影を見ます。赤井に父親代わりになってもらうつもりでしたが、FBI入りを認めて激励の言葉を授け、この日をもってメアリーは自身が子供たちの父親代わりになると決意しました。
「鮮紅編」「恋紅編」それぞれ1時間スペシャルで放送。新一と蘭の恋の進展を描く注目エピソード。コナンは灰原から解毒剤をもらい、一時的に新一の姿に戻って京都への修学旅行に参加します。
新一は清水寺で母・有希子の友人である女優の鞍知景子と出会い、暗号の解読を頼まれますが、その後殺人事件が発生。薬が切れたときの身代わりを頼んだ平次や、京都府警の綾小路警部らと協力し、事件を解決へと導きます。その後、新一は蘭から告白の返事をもらい、ついに2人は恋人同士に。
この修学旅行に参加していた世良は、新一の様子から元の姿に戻る薬があるらしいことを確信してメアリーに報告。メアリーは解毒剤とその開発者を探すよう世良に指示。薬の開発者を見つけて体を元に戻した際には、逃げ回ることをやめて反撃に転じると宣言します。
阿笠博士は、伯父の阿笠栗介の別荘で年代物の小皿を発見し、古美術鑑定家に鑑定を依頼。灰原が幼児化しているのではと疑う世良は、彼女に接近しようと阿笠邸を訪れており、沖矢を加えた5人で鑑定家のもとへ赴くと、その鑑定家は槍で何者かに殺害されていました。
体を元に戻す薬について灰原に詰め寄る世良ですが、口癖や截拳道から沖矢に既視感を覚える様子も。一方、赤井は成長した妹を見て17年前を回想。メアリーが息子2人を連れ、イギリスから日本に向かう飛行機内での1シーン。当時の赤井は15歳、秀𠮷は11歳、メアリーは36歳でお腹の中には3人目の子を宿していました。
また、赤井が母親の現在の状況を察している様子も。コナンはメアリーが示す“領域外の妹”の本当の意味を考察し、「MI6」のことであろうという結論に至っています。
蘭、園子、世良、コナンは友人に招待されて誕生日パーティーへ。コナンが持参した口内炎の薬が入ったピルケースの中にはAPTX4869の解毒薬が一つ入っており、それを発見した世良はメアリーに電話で報告。解毒薬を奪おうと目論みます。
会場で起きた殺人事件の内容を世良から聞いたメアリーは、数か月前にベルモットによってAPTX4869を飲まされた時のことを回想していました。
ホテル爆破事件で使われた暗号を入手したという世良に誘われ、コナンは彼女が宿泊している杯戸ホテルへ。そこにはコナンの解毒剤を狙うメアリーが潜んでいました。コナンと世良はホテルの顧問弁護士を務める妃 英理の協力も得て、爆弾が設置された部屋と爆弾犯を突き止めるために暗号解読に乗り出します。
事件解決後、世良とメアリーを密かに覗き見していた怪しげな人物が火災報知器のベルを鳴らし、ホテル内にいた全員を屋外へ出すよう仕向けるといった一幕が。車の運転席に戻ったその人物が「ご覧になられましたか」と尋ねると、後部座席の謎の老人が「まるで夢を見ているよう」と返答。彼らはいったい何者なのか、謎が残ります。
17年前のアメリカで起きたプロ棋士・羽田浩司殺人事件の真相が語られるエピソード。警視庁捜査一課管理官・黒田兵衛、コナンのクラスの副担任・若狭留美(=レイチェル・浅香)、米花いろは寿司の板前・脇田兼則(=ラム)の過去や関係性が明らかに。
また、赤井の父・務武が羽田浩司殺人事件に関わるようになった経緯を、赤井がコナンに明かしています。務武と友人関係にあった羽田浩司の父は、MI6の諜報員の務武に「息子の死の真相を調べてくれ」と依頼。快く承諾した務武は、その日の夜にアメリカへと発ちます。当時、メアリーのお腹には新しい命が宿っていました。
メアリーは心配だから自分も手伝いに行こうかと提案していましたが、務武は「心配なのは自分がいない間の君達の食事の方」と返しています。
メアリーを演じるのは声優の本田貴子(ほんだたかこ)さん。8月14日生まれ、東京都出身。『地獄少女』シリーズの骨女役、『とっとこハム太郎』ののっぽくん役、『BLEACH』の花刈ジン太役など、人気作品のキャラクターを多く演じています。

数年前にBLと出会い、心に潤いを取り戻しました。BLとブロマンスを愛し、大好きな作品はたくさんありますが『チェリまほ』が心のよりどころです。そして『魔道祖師』をはじめ中華BLの沼へ。趣味は国内外のBL漫画や小説を読むこと&ドラマ観賞で、これまでに執筆した記事は『チェリまほ』『美しい彼』『魔道祖師』『陳情令』『ENNEAD』など。
