
「自分自身の性格がにじまないように」自分とは異なるタイプの人物を演じる上で意識した花梨のイメージ──TVアニメ『鬼の花嫁』連載インタビュー第12回 東雲花梨役・石見舞菜香さん
“登場人物みんなにギャップがある作品”
──本作ではたくさんのキャラクターが登場しますが、花梨以外で気になるキャラクターや、好きな関係性があれば教えてください。
石見:玲夜のお父さんが好きです。登場した瞬間に、すごくインパクトがあるんですよね。柚子が恋人の両親に挨拶するみたいな緊張感のある場面なのに、「このご両親はこういうキャラクターなんだ」と驚きがあって。
一方で、なんでも可愛がって受け入れてくれる感じがありながら、ふとした瞬間にちゃんと“強い人なんだぞ”という表情も見える。そのギャップがすごく魅力的だなと思いました。
彼に限らず、登場人物みんなにギャップがある作品ですよね。撫子さんも、最初の印象からするとまた違う一面が見えてきますし、本当に面白いキャラクターが多いなと思います。
──アフレコ現場の雰囲気や、皆さんと話されたことの中で印象に残っていることがあれば聞かせてください。
石見:作品の内容そのものについて話すことが多かった気がしますね。特に、柚子のお父さんお母さんや花梨が大暴れするようなシーンのあとに、「これはちょっと親が……」「どうしてこうなっちゃったんだろう」みたいな、家庭環境の考察が始まることが多くて(笑)。
柚子のお父さんは、セリフを見ていてもお母さんに流されがちなところがあるんですよね。逆にお母さんのほうが、義実家にあたるおじいちゃんおばあちゃんに強く反応していたりもして、「本当の黒幕はお母さんなのかもしれない」みたいな話で盛り上がったりしていました。
それこそ、「もしお父さんお母さんが柚子を虐げていなければ、花梨も妖狐の花嫁に選ばれて、柚子も鬼の花嫁に選ばれて、ただただ豊かな家庭になれたのでは?」みたいな話にもなって。ほんの少し違っていたら、全然違う幸せな家族になれたのかもしれない。そこはすごく考えさせられました。
──今回、花梨は妖狐・瑶太との掛け合いが多かったのではないかと思いますが、瑶太についてはどんな存在として捉えていましたか?
石見:瑶太も、玲夜さんと同じように“花嫁”という存在を絶対的なものとして見ているんです。だからこそ、花梨の言うことも聞いてくれるし、それがまた花梨を少しわがままにさせてしまった部分もあるのかなと思います。
瑶太って、花梨の視点で見れば自分を守ろうとしてくれるし、助けようとしてくれる人でもあるんですよね。だからこそ、花梨が暴走してしまった時に見せる悲しさみたいなものが、すごく心に刺さる関係性だなと思いました。
──瑶太と向き合う時と、柚子や両親と接する時とで見せる表情の違いも意識されているのでしょうか?
石見:そうですね。瑶太のことはちゃんと好きなので、少し甘えるようなところはあると思います。もちろん、子どもっぽく甘えるというよりは、「恋人として頼る」みたいなニュアンスで。好きな人の前では、やっぱり表情も少しやわらかくなると思うんですよね。
だから、柚子や両親と話している時と、瑶太と話している時とでは、少し雰囲気が違うんだろうなと考えながら演じていました。そういう意味では、花梨の中にもちゃんと少女らしい一面があるんだと思います。
──共演者の皆さんのお芝居で、印象的だったことや刺激を受けたことがあれば聞かせてください。
石見:刺激はもちろんキャストの皆さんそれぞれからたくさんいただいたのですが……1人あげるとすれば、やっぱり柚子役の早見(沙織)さんですね。『鬼の花嫁』って王道だからこそ、逆に難しいと思うんです。
柚子のような役をアニメでどう立ち上げていくんだろうと思っていたんですが、少女漫画らしい王道のキュンとするセリフも、すごく自然に日常の中へ落とし込まれていて。本当に素敵だなと思いました。
フィクションとして浮いて聞こえるのではなくて、ちゃんと“普通の女子高生”として成立している。その説得力を、早見さんのお芝居からすごく感じて。1話の時点から「すごいな」と思っていました。
──ここからは、作品にちなんだ質問です。あやかしは本能で花嫁を選びますが、石見さんご自身は直感を日常の中でどれくらい大事にされていますか?
石見:昔から、わりと直感で生きてきた気がします。いわゆる「ビビッと来る」タイプかもしれません。物件選びとかもそうですし、神社のおみくじも、結構大吉がわかるんです(笑)。ほとんど人生で大吉しか引いたことがないくらいで、大吉が引けない日もなんとなくわかるんですよ。ちょっと怪しい話みたいですけど(笑)。
大きい選択ほど、考えるより直感で行くことが多いかもしれません。そっちのほうが後悔がなさそうというか。毎日のことでも、道に迷わないほうで、「なんとなくこっちかな?」という感覚で進んでいくとたどり着けたりもするんです。
帰り道なんかは、地図を見なくても雰囲気でわかることが多くて。昔からそういう勘はわりといいほうだったのかもしれないですね。
──本作は、柚子と玲夜の出会いから始まるロマンスが大きな軸になっています。ご自身のこれまでを振り返って、「この出会いが自分を変えた」と感じる人や作品との出会いはありますか?
石見:今回『鬼の花嫁』でもお世話になっている(音響監督の)若林さんと、音響監督として初めてご一緒した『さよならの朝に約束の花をかざろう』は、自分の中ですごく大きな作品ですね。
初めて主人公を務めさせていただいた劇場作品でもあったんですが、あの現場は私にとってかなり運命的で……その後お芝居をしていくうえでの基準になった現場でもあったと思います。
セリフとの向き合い方もそうですし、先輩方の背中も含めて、あの現場で見たものが今の自分につながっている感覚があります。
──最後に、第11話までご覧になっている視聴者の皆さんへメッセージをお願いします。
石見:ここまでご覧くださって、ありがとうございます。花梨は、視聴者の皆さんにとって、観ていてもどかしかったり、「柚子を応援したいのに」と感じさせたりする存在だったかもしれません。
でも、第11話で花梨の過去も描かれて、どうしてああなっていったのかに触れていただいたことで、これまでとは少し違う印象を持っていただけたのではないかなと思っています。
第12話で花梨がどうなっていくのか。家族がどうなっていくのか。そして柚子たちの未来がどう動いていくのか。気になるところがたくさんあると思いますので、ぜひ家族のその後にも注目しながら見届けていただけたらうれしいです。
『鬼の花嫁』作品情報
2026年7月4日(土)24:30~よりTOKYO MX/BS11ほか全国12局にて順次放送中!
dアニメストア・ABEMA・U-NEXT・アニメ放題にて地上波同時・最速配信!
その他プラットフォームでも順次配信開始
あらすじ
優れた能力と容姿を持つ“あやかし”は日本の中核を担っていた。
そんな絶大な権力を持つ“あやかし”は本能で運命の「花嫁」を見つけることができ、その「花嫁」に選ばれることは女性の憧れであり、名誉なことだった。
平凡な高校生・東雲柚子は、妖狐の花嫁である妹・花梨と比較され、家族にないがしろにされながら育ってきた。
ついに心が破れた日、柚子は偶然、類まれなる美貌を持つひとりの男性と出会う。
「見つけた、俺の花嫁」
彼の名は鬼龍院玲夜、“あやかし”の頂点に立つ鬼だった。
──この出会いから、柚子の運命が大きく動きだす。
キャスト
(C)クレハ・富樫じゅん・スターツ出版/「鬼の花嫁」製作委員会

































