
ララが来る前に、魚用意しとこか——「本当の愛」を手放した彼女が見つけた光とは? 『さよならララ』でララが食べた魚の数を最終回まで数えてみました!【∞匹目】【最終話(第12話)考察・レビュー】
2026年7月より放送中、アニメスタジオ・キネマシトラス15周年記念作品『さよならララ』。筆者がグッと来てしまったので、本企画では、"ララが食べた魚"を数えてきました。
第1話では魚を食べていたララ。しかし回を追うごとに、「食べる」という言葉は、魂を喰らうこと、愛する人を喰らうこと、そして人魚が背負う宿命そのものへと意味を変えていきました。
最終話でララが選んだのは、「本当の愛」ではなく、自分の足で歩いて生きること。魚カウントも、ついに最終回です。……いや、むしろここからは、数え切れないほど魚を食べていてほしい。そんな願いを込めて、第12話を振り返ります。
本当は何が欲しかったのか
ローワンが持つ王家の槍によって、ララは再び人魚の姿へ戻されます。そして、彼女の心へ語りかけるように響く、「本当は何が欲しかったのか」という声。ローワンはララへ、人魚の宿命を果たすよう迫ります。家族を救うため、本当に愛する者をその手で刺し貫け、と。
崩れゆく屋敷。衰弱していくローワンやコータ。人魚の国も、地上で過ごした日々も、そのどちらも失いかけているララは、もう逃げ場のない場所まで追い詰められていました。眠っていた姉妹たちも、消沈するララを慰めるどころか、「今度こそ人間を刺し貫け」と囁き始める始末……。人間への憎しみと、失われた光への渇望をララは浴びるのでした。
人魚たちから光を奪い、自身の心と愛を拒絶した人間という存在。目覚めてから出会った茉里やルカ、リサたちと過ごした日々。一緒に笑って、ご飯を食べて、少しずつ積み重ねてきた時間。
ララの中にある「本当」は、刺し貫き、喰ってしまいたいという憎しみなのか、それともその裏にある愛なのでしょうか。
本日 #さよならララ 最終話、放送・配信開始です。
— TVアニメ『さよならララ』公式✨2026年7月より放送・配信中! (@Goodbye_Lara) September 19, 2026
ぜひ、見届けてください。 pic.twitter.com/rsgGhq3sWu
近づかないと分からないから。
一方、ララの元へ向かう茉里と、初めて顔を合わせることになったのが、リサです。リサは彼女こそがララが真に愛を感じている人間だと理解し、ララの元へ促します。しかしすぐに、「死ぬわよ」と忠告をする。そこでリサは、人魚と人間の決定的な違いを語るのでした。
人魚たちは、あの光をもって、愛や憎しみといった、私たちには知覚できないものの本質が痛いほど分かっています。だからこそ人魚は、愛する者を傷つける宿命から逃れられない。
一方、人間はそうしたものを知覚できません。リサは「昔は人間も同じだった」と語りますが、いつしかその力を失ってしまったのでした。
しかし、その話を聞いても茉里は迷いません。「近づかないと分からないから。」人魚と人間は違う。考え方も、生きる時間も、見えている世界も違う。それでも、違うから諦めるのではなく、違うからこそ近づいてみる。全てを知覚することができない人間の、不器用な茉里のやり方です。そしてついに、ララと茉里は再会します。
透明な光
ついに再会したララと茉里。そこにいたのはもう、大津家で一緒にご飯を食べていたララとは違う、人魚のプリンセスとして宿命を背負い、200年積み重なった人間への憎しみまでも抱え込んだララでした。越え難い種としての違いが、ありありと伝わってきます。
彼女の心の奥底にあった憎しみが消えなければ、人魚と人間の間に残るのは"喰らい合う宿命"だけ。ララは、宿命を背負ったプリンセスである自分が死ぬことで、断ち切ろうとするのです。
圧倒的に違う人間と人魚。違うから、喰らい合って傷つけてしまうと嘆くララ。違うからこそ、独りじゃないと笑う茉里。人間も人魚も、自分とは違う誰かを愛するために生まれてきた、そう言った茉里に短剣が襲いかかります。短剣は、茉里の身体をロザリオごと貫き、彼女の光をゴクリと飲み込んでしまいました。
すると赤く、まばゆい光が現れます。でもこれは、ララが求めた光ではありません。ララがその光を拒絶すると、短剣は、ララの心は、彼女自身をも飲み込み、噛み砕いていくのです。痛みで挫けそうになっても、ララは茉里への思いを失うことはありませんでした。
「本当の愛なんていらない」。ララは、人魚だけが理解できる"本当の愛"を放棄します。この地上で、人間と、茉里との生を掴もうとしたのです。願いによって生まれ変わった身体で。自分の二本の足で。ララは茉里のもとへ飛び込みました。そこで生まれたのは、白い光でもない。赤い光でもない。太陽を見上げた時のような、透明な光。その光が滋賀を、ララと茉里を照らしたのでした。
˚⊹⁺‧┈┈┈
— TVアニメ『さよならララ』公式✨2026年7月より放送・配信中! (@Goodbye_Lara) September 20, 2026
#さよならララ 最終・第12話「さよならララ」
BS朝日にて
ご視聴ありがとうございました⋆˙⟡
┈┈┈‧⁺ ⊹˚.#さよならララ #さよララ感想会 で感想投稿お待ちしております🧜♀️
現在各種配信サイトにて配信中です✨
ほか放送・配信情報はこちら▼… pic.twitter.com/8mE4kumG7f
今週の魚食カウント:「∞(無限大)」
これまで色々なことがありました。楽しいことも辛いことも、誤魔化したり、衝突したり。そんな中、ララの選択は、滋賀と茉里たちに別れを告げるというものでした。ララがどのような半年間を過ごしたのか分からないけど、足にピッタリと沿っているあのジーンズや、汚れたスニーカーがそれを語ってくれていますね。
ララは、もう「本当の愛」を探す必要はありません。茉里を、人間を、この世界を好きになったからこそ手に入れた、母ともグレイスとも違う光と、自分の足があるから。だから後は、自身の感じた愛のために、自由に歩んでいけば良い。それは、ララだけでなく、ルカや茉里にとっても同じです。掟、宿命、夢、愛……様々なものを背負っていたララだからこそ、到達した選択なので、茉里も笑顔で見送ることができたのです。……ただ、茉里には、本気で世界を目指してもらわないといけませんけどね!
ララが、魚を豪快に喰らうシーンに惹かれて始まったこの企画。魚を食べることから始まり、魂を喰らうことへ。ルカを喰らうことへ。そして茉里を喰らうことへ。回を重ねるごとに、「食べる」は食事ではなく、愛の暴力性や、人魚が背負う宿命を表す言葉へと姿を変えていきました。ララは、そういうものを手放して、沢山の傷や、醜さを抱えながら、誰かを喰らわずに生きることを選んだのでしょう。
というか、我々も自分のことを考えて、準備しておくべきではないでしょうか。ララ、来るよ? "いつかあなたの街にもEND"でもあるんだから。「やっぱ、醜い人間もいるのね……」みたいになって、人類の評価が下がらぬようにしないと。ローワンもいつ目覚めるか分からないですし、魚料理くらいはちゃんと練習しておきたいところです。
ララは、自分の足で歩きながら、これからも魚を食べていくのでしょう。生きていくために、美味しくご飯を食べる。そんな当たり前の日常を手に入れたララだから、この先の魚はもう数え切れないはずです。なので、魚食カウントは5匹ではなく「∞(無限大)」でフィニッシュとさせていただきます!
彼女がどこかの街で、また美味しそうに魚を頬張っている。そんな未来を、ずっと楽しみにしていたいと思います。
前回までの記事
作品概要
あらすじ
海の王である父と、姉たちに愛されて、すくすくと育ちました。
ある日、ララは地上に生きる人間の王子に恋をしてしまいます。
それは人魚たちの世界では許されぬ、禁じられた恋でした。
それでもララは地上へ旅立ちます。
魔女グレイスにもらった薬を飲み、人間の姿になったのです。
しかしそれは、”本当の愛”を見つけなければ、
泡となって消えてしまう禁忌の薬でした。
人魚のプリンセスでありながら、人間との愛を望んだララ。
けれど———その願いは叶わず、泡となって海へ消えてしまうのでした。
それから200年。
長い時を経て、人魚姫ララは琵琶湖に蘇る。
今度こそ“本当の愛”を見つけるために———
キャスト
(C)キネマシトラス/「さよならララ」製作委員会






























